大人もはまる児童洋書「Holes」
子供だけでなく大人も楽しめる児童洋書、今回ご紹介するのは「Holes」です。全米図書賞と、アメリカの児童文学賞のニューベリー賞を受賞しています。 主人公はさえない太っちょの少年スタンリー。有名野球選手のスニーカーを盗んだという濡れ衣を着せられ、矯正施設に送られました。そこでは少年たちが矯正のために、毎日穴を掘る作業に従事させられます。 テキサスの乾燥地帯にある矯正施設キャンプ・グリーンレイクには、もともと大きな湖がありました。ですが今ではカラカラに干からび、灼熱の太陽の下、少年たちは固く乾いた大地にひたすら穴を掘る日々を送ります。 初日からスタンリーの手は豆だらけになり、疲労困憊していきます。施設にいる他の少年たちは一癖も二癖もある子たちばかり。そんな環境の中でスタンリーがどう成長していくのか、またどうやってそこから抜け出すのでしょうか。 この本はそういったスタンリーの話がメインなのですが、ヨーロッパのラトビアに住んでいたスタンリーの先祖の話、キャンプ・グリーンレイクがまだ湖だった100年以上前の話など複数のスト―リーが並行して展開します。そして最後には見事に1つにつながっていくところが、読者をグイグイと引きずり込んでいく魅力になっています。 また、ある女性アウトローが登場するのですが、作者によると、書き始めた当初は完全に悪役にするつもりだったのに、あまりにも気に入って全く違う人物に書きあげてしまい、自分でも驚いたそうです。実際、その人物の描写を読むと作者の愛着ぶりが伝わってきます。主人公スタンリー以外の登場人物にもぜひ注目して読んでみてください。 子供だけでなく、大人でも多読用に読んでいる人もいるようなので、親子で読まれてみてはいかがでしょうか。日本語訳も出ています。映画化もされました。 続編も書かれていて、それぞれ日本語訳も出ています。 「Stanley Yelnats Survival Guide to Camp Green Lake」 「道」 「Small Steps」 「歩く」 「Holes」にはまったら、続編も読まれてみてはいかがでしょうか。 *** ブログランキングに参加しています。 下のボタンをクリックしていただくとポイントが加算されます。応援クリックよろしくお願いします!
2019/09/27 12:33