読書。『サキ短編集』サキ中村能三訳を読んだ。10ページ前後の作品が21編おさめられています。海外では、アメリカで活躍したO・ヘンリと「短編の名手」として並び称されるほど書き手だそうです。サキは、1870年に植民地ビルマで生まれ、2歳の時にイギリスに渡ったスコットランド人。第一次世界大戦のフランス戦線で戦死しています。序盤の3,4作こそ、牛や二十日鼠が「またなのか!」という具合にでてきて、どことなくほのぼのとしているというか、のっぺりとしたような地味さを感じましたが、その後の作品では味わいがそれぞれ違ってバラエティに富んでいましたし、地味ということもなく(キラキラと派手でもないのですが)、それぞれに独特の風刺があり、すごく楽しめました。というか、風刺が持ち味の作家です。蛇足ながら言わせていただくと、風刺とは...『サキ短編集』