『入門現代の量子力学』補足
教科書の第3章に関連したコメントがあったので、補足をします。この教科書は、既存の実験結果、もしくは未知の対象系に対して実験で将来検証可能な形の仮説を与え、それを用いて沢山存在する理論の可能性の中から、量子力学という1つの定式化を作っていくというスタイルです。第3章では、第2章の2準位系の量子力学の定式化を多準位系に拡張することが書いてあります。 そのコメントとは、「多準位系で純粋状態が複素列ベクトルで表せることや、そのボルン則を示すことなどを演繹的に示すのは、強引な前提を導入しない限り難しいのではないか」「なぜ多準位系で複素ベクトル空間を考える必要があるのかを論理的に説明することは困難だろう」…
2022/08/13 16:54