「実生活」とは、・・・・・・

さて、「言葉と実生活」との題目にて、本ブログを書き進めて行こうと思ってはいるのだが、「実生活」という一語は、よくよく考えると掴み処の無い言葉である 「虚実皮膜」という言葉が在るが、ここで「虚実」とは、「虚（うそ）」・「実（まこと）」を意味しよう。 このような観点からすると、人間個々の生活についても「虚」と「実」が在る、と言い得るのであろうか。「実生活」に対する「虚生活」とは、いかなる生活であるのか。 例えば、隠遁・隠棲する者の生活は「虚生活」なのであろうか。それとも、そのような者の生活も、日々の実際の生活であるからして「実生活」と捉えるべきであろうか。 ところで、通常、「実生活」という言葉は、…

日記とは、・・・・・・

日記とは、日々の出来事と自身の言葉とが交わる場である、と言えなくもない。 無論、日記における言葉とは、日記に「記す」のであるからして、「話し言葉」ではなく「書き言葉」である。それは、肉声それ自体に比し、物事を顧みる傾きを有していよう。 そして、その顧みる傾きにおいて、どんなに微弱ながらも、その時々の個人の思惟あるいは想念が反映されるのであろう。 私は、今まで、日記の類とは無縁の人生を過ごして来た者である。が、四十代の初老とも言い得る身として、否応も無く、おのずと人生回顧の念が萌しつつあるようだ。 要するに、瞭然たる事実として、歳を取った、のである。 このような脈絡により、本ブログの開設に至った…