巣

 外では滝のような雨音と地鳴りのような風の音。一方、静まりかえった部屋にすやすやと静かな寝息。ときどき寝返りの音。一つの部屋にみんなで寄り添って眠っている。この瞬間がとても愛おしい。私たちは守られている。こんな夜には強く実感する。

考える葦

 お願いだから甘やかさないでください。私たちから「考える」ことを奪わないでください。餌を与える前に「本当に食べてもいいのか考える時間」を与えてください。でないと、私たちは駄目になってしまう。おいしそうな餌が目の前にあるのに食べちゃ

救済

 今すぐにでも行って君を抱きしめてあげたい。窮屈な毎日から解放してあげたい。ねぇ、君はどのくらい抱きしめてもらってないの？何も見てないような死んだ瞳。君はそんな思いをするために生まれてきたんじゃないんだ。愛を、自由をもっと！どうす

咎

 どうして自ら謝罪することができなかったのだろう。どうして誰も私を非難しなかったのだろう。私は未だに過ちを受け入れることができずにいる。謝罪したところで過ちは消えない。やり直せない。しかし、それができていればこの心の枷はこんなに重

偉大なる人へ

 生きるとは辛く苦しいもの。焦らず、欲張らず、堅実に、着実に。いくつもの苦難を乗り越えて。本当に人生のお手本のように生きた人でした。思い出すのは貴女の優しさと温かい笑顔。私は貴女が注いでくれた愛をどのくらいお返しできたでしょうか。

シェルター

 貴女の生命力が弱っていくのを感じていた。食事が摂れなくなって痩せて、浮腫んで布団にいる時間が長くなって一人で移動することが難しくなっていた。分かっていたんだ。分かっていたのに。未熟だった私は逃げた。私の中に。真実の貴女を見ようと

やらぬ後悔

 突然訪れた貴女との別れ。こんなに早いなんて思いもしなかった。後悔ばかり。もっと話したら良かった。もっと優しくしたら良かった。もっとそばにいたら良かった。もっともっと・・・もう二度と同じ後悔をしないように生きようと思った。でも、ま

人間失格

 「言うとおりにしなさい。さもなくば・・・」なぜ上に立ちたがる？支配したがる？服従させたがる？たかが人間のお前が何をしようとしているんだ？支配のもとに生まれた繋がりなんてすぐにバラバラさ。お前も分かってるんだろう？可哀想な奴だ。そ

頭ん中

 一面の霧だ。遠くのほうに感じるかすかな光。あれが目指すべき場所なのか？下手をすると出発点にも戻れなくなるぞ。手さぐりで歩き始める。光を見失わないように、道から外れないように、五感を研ぎ澄ませながら。歩く 歩く 歩き続ける

ワスレモノ

 子どもの頃ね、やりたいことに挑戦できている子たちが羨ましかったの。おうちの事情で、なかなか時間に融通がきかなくってね。勇気を出して、やりたいって言っても反対された。分かってたんだけどね・・・でも、どうしてもやりたかったから、初め

声

 「明るく、楽しく、前向きに生きよう！」まぁ、そりゃ大いに結構ですが、さも良さげですが、なんだか気持ち悪いね。あんたには似合わないんじゃない？向いてないんじゃない？逃げてるだけなんじゃない？

あえての

 小さく生きればいいんじゃない？欲張って大きく生きようとするから、足元見えなくなって、大事なもの踏みつけてる。いつまでも満たされないはずだ。いつになったら気づくんだい？自分を大切に。身近な人たちを大切に。手の届く範囲で。できる範囲

All covet,all lose.

 経済発展も技術開発も環境保全も世界平和も子孫繁栄も人間はなんて欲張りなんでしょう。

願わくは

 愛らしい寝顔に安堵する。と同時に、私はいつかくる「終わり」を畏れているんだ。いつまでこの寝顔を見ていられるだろう。遠くのほうで容赦ない喧騒と行き場のない悲鳴が聞こえる。狂っているのは彼らか？私か？穏やかな生活に浸りすぎて、大事な

翻弄

 人間は争わずに生きていくことはできないものなのか。これこそが人間の自然な姿なのかもしれないとさえ思ってしまう。だったら、いくら知恵や理性を以て封じ込めようとしたって本能という巨大なエネルギーには敵わないかもね。だからといって諦め

私はうそつきです。

どうも。お初にお目にかかります。なんだか胡散臭いタイトルで読まれている方は不安でしょうが、私も不安です。まぁいいです。ふと頭に浮かんだことをまとめる場所が欲しかったのです。そこに読者がいれば面白いなと。 知り合いには読まれたくあり