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  • 第1章 プロローグ

    こんにちは。最近、感動した作品に出会えましたか?結構、読んでるけど、面白い作品に巡り合えないな。同じ作者だとマンネリ化して、新鮮味がなくなってきてるのよね。買ったけど読まずにおいてる本があるんだよね。電子書籍は、アプリがいっぱいあって、よく分からないんだよね。そんな、あなたの不満を解決します。ハラハラ・ドキドキするミステリー、そして、感動のフィナーレへ明日を生きる元気、勇気、幸せを必ずやあなたの心へお届けします。さらに、オンライン購読なら、すごくお得。アプリなしで、PCやスマホで、すぐに楽しめます。>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>第1章プロローグ神社の拝殿の中で、丸太の薪が赤々と燃え、黒鉄の大釜に入った湯を煮えたぎらせている。溢れんばかりの釜湯からは白い湯気が濛々と立ち...第1章プロローグ

  • 第20章 パンドラの箱

    第20章パンドラの箱ペン立ての中から床に落ちたのは、鍵だった。安寿(アンジュ)は、鍵を拾ってから、恐る恐る、机の鍵穴に差し込んだ。フーっと、大きく息を吐いてから、鍵を回すと。カチャッと音がして施錠が解かれた。何だか、パンドラの箱を開けてしまったような気がした。引き出しを開けて、中に入っている物を上から順番に取り出して、机の上に並べてみた。その殆どは、取材に関する資料だった。一つ目は、金融機関の横領事件に関する資料だった。これは、これは、慶士が新聞記者になって一番最初にスクープした記事だった。これをスクープした時に、「横領という社会の不正を暴くことができた。これで、少しでも社会から不正が減るだろう」と慶士が呟いていたのを思い出した。しかし、残念ながら、長野県では、毎年のように金融機関や地方自治体での横領事件が後を...第20章パンドラの箱

  • 第19章 嫉妬の鍵

    第19章嫉妬の鍵さて、どうしたものか?安寿は、腰を落ち着けて考えた。六文銭の木箱に入っていた鍵は、慶士の仕事机の引き戸の鍵ではなかった。でも、こんなに立派な箱に入れていたということは、何か大事な物を保管しているに違いない。でも家の中で、他に鍵を掛けてあるような所は見当たらない。鍵を使っているのは、せいぜい、部屋の扉、車、バイク、戸外の物置ぐらいだ。安寿が、見つけた箱入り娘の鍵は、そのどれでもない。目の前に、鍵をかざして、凝視した。うーん、分からない。取り合えずは、箱の中にしまって、本棚の上に戻した。本棚の上には、いろいろな置き物があった。その中の一つにヒグマの彫り物があった。慶士は、学生時代に何度か北海道にバイクで旅行に出かけたという話をしていたし、最近も出張で何度か北海道に行っていたので、その時のお土産として...第19章嫉妬の鍵

  • 第18章 幸村の首

    第18章幸村の首大阪城夏の陣にて、とある兵士が、「幸村を討ち取ったり」と、徳川家康の下に首を持参した所、「いやいやこちらが本物の幸村の首です」と他の兵士も持ってきた。さらに、「お前らのは影武者で、本物の幸村の首はこっちだ」と、たくさんの幸村の首が集まった。さながら幸村の首コンテスト状態になった。真田十勇士のモデルにもなったように、幸村には沢山の影武者がいて、トレードマークの”鹿角の兜”を被り、大阪城の戦場を走り回っていた。家康は、徳川方についていた幸村の叔父を呼び寄せ、首検分をさせたが、「幸村に似てますが、死んでしまっていて顔が変わっているので良くわかりません」という始末。ふざけた事を言うなと怒ったらしいが、結局の所、”鹿角の兜”が証拠ということで、その首の一つが、幸村の首級となった。もし、幸村の叔父が、首を見...第18章幸村の首

  • 第17章 行くも地獄、行かぬも地獄

    第17章行くも地獄、行かぬも地獄安寿(アンジュ)は、蕎麦屋まで送ってもらってからバイクで帰宅した。暦も師走に入り、長野県の中では温暖な上田市ではあるが、さすがにバイクを運転するには厳しい空気になってきた。風は、冷たいを通り越して、痛い。上田駅からバイクで10分ぐらいの金井という地区のアパートに住んでいる。市街地には近くて便利なのだが、道が狭くて坂が多いというのが、たまに傷だ。上田市民にこよなく愛されている太郎山の傾斜地にあり、集落の間にはリンゴ畑が広がっている。長閑(のどか)な風景で、心身を休めるには、いい場所だ。鍵を開けて、アパートの中に入った。部屋の中は静かで、吐く息も白かった。「うー、寒い、寒い」と急いで石油ストーブとコタツを付けた。室内が暖まってきた頃合いを見計らって、慶士(ケイジ)の部屋に入った。神主...第17章行くも地獄、行かぬも地獄

  • 第16章 生きるよすが

    第16章生きるよすが夜の帳が下りると、上田の街角のかしこで、イルミネーションが点灯し始めた。「近頃、街がクリスマスモードになってきたわね」安寿(アンジュ)が、流れ行く街の風景を見つめながら、呟いた。「そうだね、12月に入ると、どこの街でもクリスマスにあやかって、きらびやかな雰囲気にして盛り上げるからね」「でも今年は、私のクリスマスはなしね」「ん?それは、どういう意味?」「慶士(ケイジ)が、行方不明になって、何だか変な事件に関係していそうだし。プレゼントとかケーキとかが、どうのこうの言ってられる状況じゃないでしょ。つまり、悠長にクリスマスを楽しんでいる暇はなさそうっていう意味よ。はー、慶士は、一体、どこで何やってるのかな」と大きな溜息を付いた。「鹿児島の実家には連絡したの?」「してないわ」「でも捜索願を出したんだ...第16章生きるよすが

  • 第15章 人間はパンのみで生きるにあらず

    第15章人間はパンのみで生きるにあらず元気は、帰りの車の中で、ハンドルを握りながら、夕暮れの空を眺めた。茜色に染まり始めた空に、北アルプスのシルエットが美しかった。「はー、この所、めっきり日が暮れるのが早くなったね。秋の日はツルベ落としっていうのも頷けるね」と助手席に座る安寿(アンジュ)につぶやいた。「もう少しで冬至だから、日の入りが一番早い時期ね。でも信州は、もう秋の日じゃなくて、冬の日ね」「そうだね。北アルプスも、もう真っ白だね」「私、信州の冬の寒さは大嫌いだけど、冬の景色は大好きよ。特に、北アルプスとかの雪山の景色は最高ね」「うん、そうだね。心が吸い込まれそうな景色だね。昔から神の住む山として崇められてきたのが分かるよ。幸村をはじめとした真田一族の武将も、この場所から、北アルプスの美しい景色を眺めたかとお...第15章人間はパンのみで生きるにあらず

  • 第14章 真田のレガリア

    第14章真田のレガリア眞田の自宅には、神社から車で数分だった。元気は、玄関の呼び鈴を押してから、扉を開けて「ごめん下さい」と家人を呼んだ。奥の方から、女性の声で「はーい、ちょっとお待ち下さい」と返事が返ってきて、しばらくしてから、奥さんらしき、白髪交じりの女性が玄関に出てきた。「はい、何のご用でしょうか?」「どうも。私、フリーライターをしている海野(ウンノ)という者ですが、ご主人はいらっしゃいますか?」「あー、あの人、今日いないもんで‥何か用ですか?」「実は、昨日、真田一族の伝説や伝承について、取材させてもらっていたんですが、ちょっと事情があって、尻切れトンボになってしまったので、その続きの取材をさせてもらおうと思って伺ったんです」「ありゃ、あんた、そりゃー、タイミング悪かっただね」「タイミングが悪いと言うのは...第14章真田のレガリア

  • 第13章 幻想

    第13章幻想元気は、祢津の言葉に、妙に引っかかる物を感じた。「祢津さん、その辟易しているっていうのは、どんな事に対してですか?」「えっ…、海野さん…。さっきの話はオフレコと言うことで、忘れてくれませんか」「若しかして、アズマヤサン(四阿山)の社有林に関する事ではないですか?」「うーん、困りましたな」祢津は、頭を掻いて、バツの悪い顔をした。「長年の付き合いもある事でしょうから、お話は、オフレコで伺いますよ」元気は、優しい声色で話しかけた。「眞田(さなだ)さんには、私が話していたとは、絶対に言わないと約束してくれますか?」「もちろん、絶対に、口が裂けても言いませんよ」「平成の今日、日本は高齢化の社会の真っ只中ですが、私らの神社にも同じように高齢化の波が押し寄せてましてなぁ…。社有林をアズマヤサンに持っておりますが、...第13章幻想

  • 第12章 いつ、喧嘩をするの?

    第12章いつ、喧嘩をするの?安寿(あんじゅ)は、山盛りのザル蕎麦をズルズルズイーっと啜って軽快に食べて、元気が中盛りを食べる終わるより先に、食べ切った。何とも豪快で、惚れ惚れする食いっぷりだった。「はーっ、美味しかった。満足、満足」小さいジョウロのような蕎麦湯さしを持って、軽く振ってから、付けダレの入った器に注いた。白濁した蕎麦湯が、濃いエンジ色のタレと交じり合い、優しいトロミのある液体になった。両手で蕎麦湯を持ち、香りを嗅いでから、啜(すす)った。「うん、ちょうどいい塩梅(あんばい)ね。はーっ、体が温まるわ。海野くんもどうぞ」と蕎麦湯さしを差し出した。「ありがとう」受け取ってから軽く振り、中の蕎麦湯を混ぜてから、付けダレに注いだ。時間が経つと、お湯に溶けた蕎麦の成分が下の方に沈殿してくるので、注ぐ前に上手い塩...第12章いつ、喧嘩をするの?

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朝比奈颯季さん
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真田幸村伝説殺人事件
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