黒板に 明日の予定を 書き込んで 悪戦苦闘のひと日を終える
黒板に 明日の予定を 書き込んで 悪戦苦闘のひと日を終える
年表を 覚えるよりも 繋がりと 何故を楽しむ歴史の学び
コーヒーの 豆はいろいろ あるけれど 今日もブレンド明日もブレンド
つまらない 歌といえども なお詠う 七五のリズムにスイングをして
亀戸の 天神様の 藤の花 咲きはじめるかむらさき色に
結局は アベノミクスの 恩恵に 浸ることなく老後を生きる
教職は ハッピーエンドで 終わらない 金八先生あれは幻想
なにかしら 歌が生まれる 気がします 短歌テキスト立ち読みすれば
チューリップ・ツツジ・シャクヤク・ハナミズキ あまたの春を楽しむわれは
人生は 思い通りに いかないと 教えてくれた桃田賢斗は
白・ピンク・むらさき色の シバザクラ 満ちて咲きたる秩父の丘に
オランダの チューリップより 美しい 立川昭和記念公園
スズランの 白き花咲く ふるさとを 思い出します飽きることなく
コーヒーに ザラメの砂糖 二杯入れ ソフト楽しむ喫茶の隅で
ふりかえる ことなどなくて 真っすぐに 前を見ていた二十歳のわれは
青々と まっすぐ伸びる 竹のごと 今日を生きれば春風が吹く
ふるさとは どこもかしこも チューリップ 思い出します信濃川原を
大和路の ひかりあつめて ひらきたる 長谷の寺にて牡丹の花が
今まさに つつじの花の 咲きほこり 春心満ちる根津の神社は
野良ネコの「プー」の命日 近づけば 薔薇が咲きます真紅の薔薇が
たぶんもう 会わないだろう 別れ際「またね!」と言って手を振る友に
胃腸科に 血管外科に 耳鼻科へと おっとどっこい負けてはならぬ
大腸の 内視鏡終え ひと呼吸 わたしは生きるまだまだ生きる
キャンパスの 青い芝生に 寝ころべば 未来が見えた夢の未来が
天神の 橋に立ちつつ 見下ろせば 若葉にこもるむらさきの藤・天神・・・亀戸天神
ターザンの 森が無くなり カッコウの 鳴く声止まるありあけの窓
上手いとか 下手ではなくて ありのまま おのれを見つめ素直に詠う
熱湯を そそぎ三分 待つあいだ 拾い読みする夕刊見出し
とりあえず 連休前に 会いましょう 四人チームの元同僚に
四月から はじまるクラスは まっさらで いずれは染まる赤やみどりに
めずらしく 歌が生まれる この午後は がんじがらめの鎧を捨てる
真理など 分からなくとも 直感で こなしていった教職時代
さあ吾は 何を歌えば いいのだろう 今日もカフェにて一首をひねる
未練など 何もないのさ 教職を 終えて静かに校門を去る
陽だまりに ねむるネコにて 癒された 仕事終えてのまる二年間
初めての ひとり暮らしの われを推す 青き芝生のあのキャンパスが・上京した頃
散る花を 惜しむことより 新緑を 楽しみながらわれは前向く
つつじ咲く 駅の広場の カフェで飲む アイスコーヒーほのかに甘く
深呼吸 一回すれば それだけで 下がる血圧クリニックにて
カメラにて からだの奥を 眺めつつ ホッと息つく医師のひとこと