黒板に 明日の予定を 書き込んで 悪戦苦闘のひと日を終える
いつまでも 忘れはしない ふるさとの 雪解け水の信濃の川を
有り余る 時間を何に 使おうか 時に追われた過去なつかしみ
体調を 維持するための 三千歩 がくあじさいを横に見つめて
安曇野の 地よりラインが 届きます 白き白馬の写真も添えて
アナベルの 花咲く道は はつ夏の 空の青さに際立つ白が
家ネコを こばみつづけて 十八年 野良をつづけた「プー」のプライド
野良ネコの「プー」のすみかを 見るにつけ 溢れ出てくる「プー」への想い
星型の がくあじさいの 花ひらき 梅雨が静かに忍び寄る丘
どしゃぶりの 雨の匂いを 嗅ぎながら 一首を記す流れるように
梅雨空を 待つかのように あじさいの 花が色づく駅前通り
降りしきる 雨の音聴き コーヒーを 淹れて和らぐ朝のリビング
会食を するかしないか 迷いつつ ラインを送る四人の友に
この朝は 根曲がり竹の 味噌汁を 飲んで信濃の香りにひたる
野良ネコの「プー」の面影 残しつつ パラパラと散る五月の薔薇が
野良ネコの「プー」が路地から あらわれる そんな気がする朝の散策
武蔵野の 雑木林の 木漏れ日に 息を吐きつつ仕事はじめる
たっぷりと みどりの風を 迎え入れ ペンをはしらす五月の朝に
しあわせは クリームパンを かじりつつ コーヒーすする日曜の朝
爽やかな みどりの風を 迎えつつ コーヒー淹れる日曜の朝
あじさいは 花芽静かに 色づきて 今か今かと梅雨空を待つ
どくだみの 白き花咲く 路地裏に 面影のこす野良ネコ「プー」は
検診を 終えてあゆめば あじさいの 青き花芽がひとみの奥に
今日もまた フォークソングを 口ずさむ 前を向くより後ろを向いて
生き絶えた 五月二日の 早朝の 思い浮かべる野良ネコ「プー」を
庭先に 濃きくれないの 薔薇が咲く 野良ネコ「プー」を偲ぶかのよう
テレビでの ネコ番組を 観るにつけ 思い浮かべる野良ネコ「プー」を
二年ぶり 友といっしょの 外食は 気分開放マスク外して
雨上がり 若葉がかおる この朝は 少しぬるめの新茶を淹れる
このところ スマホ写真を ながめ見て 想いにふける野良ネコ「プー」の
寝る前に 思い出します 野良ネコの「プー」のひとみのするどいひかり
絹さやの 筋を取りつつ 歌を聴く エモーショナルな昭和の曲の
絹さやを サッとあぶらで 炒めたら 甘さきわだつ旬のみどりの
この朝は みどりの風を 呼び込んで 香る緑茶にひと息いれる
野良ネコの「プー」の初七日 日曜日 五月晴れにてお参り行くか
今にでも 野良ネコ「プー」が 顔を出す そんな気がするバラ咲く庭に
ちょこちょこと 浮かんできます 野良ネコの「プー」の面影まぶたの奥に
武蔵野の 大地のかおりの 新茶飲み 願ういつもの「無病息災」
狭山茶の 香りとどける 兄弟に 茶摘みはじまる五月の五日
窓を開け みどりの風と 共に食う ドーナツ2個と朝のコーヒー
愛猫が 逝きて五月の バラが咲く 華やかなれどどこか寂しく
野良ネコの「プー」が 旅立つ 天国へ バラ一輪の五月の朝に
絶対に 忘れはしない 野良ネコの「プー」の命日五月の二日
丹念に お湯を注げば 香り立ち 泡ぷくぷくのキリマンジェロは
さやかなる 五月の朝に コーヒーを 淹れてあじわう窓開けはなち
バラ一輪 咲きし庭にて 生き絶える 天にめしませ野良ネコ「プー」よ
野良ネコの「プー」はみんなに 愛されて 十八年をかしこく生きた
野良ネコの「プー」が亡くなる この朝の ツツジの花の咲く片隅で
教職の 技術無くとも 無心にて 子どもと遊んだあの若き日は
紫陽花の 淡きみどりの 花の芽が 今か今かと梅雨空を待つ
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黒板に 明日の予定を 書き込んで 悪戦苦闘のひと日を終える
年表を 覚えるよりも 繋がりと 何故を楽しむ歴史の学び
コーヒーの 豆はいろいろ あるけれど 今日もブレンド明日もブレンド
つまらない 歌といえども なお詠う 七五のリズムにスイングをして
亀戸の 天神様の 藤の花 咲きはじめるかむらさき色に
結局は アベノミクスの 恩恵に 浸ることなく老後を生きる
教職は ハッピーエンドで 終わらない 金八先生あれは幻想
なにかしら 歌が生まれる 気がします 短歌テキスト立ち読みすれば
チューリップ・ツツジ・シャクヤク・ハナミズキ あまたの春を楽しむわれは
人生は 思い通りに いかないと 教えてくれた桃田賢斗は
白・ピンク・むらさき色の シバザクラ 満ちて咲きたる秩父の丘に
オランダの チューリップより 美しい 立川昭和記念公園
スズランの 白き花咲く ふるさとを 思い出します飽きることなく
コーヒーに ザラメの砂糖 二杯入れ ソフト楽しむ喫茶の隅で
ふりかえる ことなどなくて 真っすぐに 前を見ていた二十歳のわれは
青々と まっすぐ伸びる 竹のごと 今日を生きれば春風が吹く
ふるさとは どこもかしこも チューリップ 思い出します信濃川原を
大和路の ひかりあつめて ひらきたる 長谷の寺にて牡丹の花が
今まさに つつじの花の 咲きほこり 春心満ちる根津の神社は
野良ネコの「プー」の命日 近づけば 薔薇が咲きます真紅の薔薇が
三色の チョーク駆使した 黒板の 時代が終わりつのる寂しさ
FMに エルトンジョンの 流れ来て とりこになった二十歳のわれは
道徳を 語る者には 徳はなく サラリと生きる人になりたい
いちにちに 十二時間の 教職も 楽しんでいたあの頃あの時・ブラック体質に気づかず
蔵の街 小江戸で食べる イタリアン 久しぶりにて四人の会食
遠慮せず なんでも言える 四人組 今となっては貴重な仲間
たぶんもう 会わないだろう 別れ際「またね!」と言って手を振る友に
胃腸科に 血管外科に 耳鼻科へと おっとどっこい負けてはならぬ
大腸の 内視鏡終え ひと呼吸 わたしは生きるまだまだ生きる
キャンパスの 青い芝生に 寝ころべば 未来が見えた夢の未来が
天神の 橋に立ちつつ 見下ろせば 若葉にこもるむらさきの藤・天神・・・亀戸天神
ターザンの 森が無くなり カッコウの 鳴く声止まるありあけの窓
上手いとか 下手ではなくて ありのまま おのれを見つめ素直に詠う
熱湯を そそぎ三分 待つあいだ 拾い読みする夕刊見出し
とりあえず 連休前に 会いましょう 四人チームの元同僚に
四月から はじまるクラスは まっさらで いずれは染まる赤やみどりに
めずらしく 歌が生まれる この午後は がんじがらめの鎧を捨てる
真理など 分からなくとも 直感で こなしていった教職時代
さあ吾は 何を歌えば いいのだろう 今日もカフェにて一首をひねる
未練など 何もないのさ 教職を 終えて静かに校門を去る