ふるさとは どこもかしこも チューリップ 思い出します信濃川原を
やわらかに クリーム色の 茶の花は 寒き中にもあかりを灯す
コツコツと レンガのように 積み重ね いつのまにやら二万首となる
境内の 日陰にそっと 咲きたるは 黄色まぶしき石蕗の花
茶畑の 野良のネコとの あいさつは わたしにとっての至福の日課
からからと 秩父降ろしが やって来て 銀杏の絨毯ここ武蔵野は
日曜の 紙面にひろがる もみじ見て 気分高揚楽しむ秋を・東京新聞一面
花屋には ポインセチアが 陣取りて 師走に向かうメイン通りは
陽だまりの ネコの昼寝を 見るにつけ ホッと息つくささやかながら
晩秋の ひかりをたっぷり 吸いこんで においはじけるわたしのふとん
富士山と みかん畑と お日様に あこがれ抱く北陸の冬
仕事にて うちひしがれて いる時は バッハを聴いた日曜朝に
実はその 暗くて深い 谷底の ごとき音楽モーツァルト聴く
気は澄みて 富士がさやかに 見えはじめ 冬の足音しのびよる朝
「モーツァルト 聴いて紅茶の モーニング」夢を見ていた学生時代
二万首に いたりてうれし わが歌は 生きる証の七年間か
教え子に 返信送る 封書にて 八十四円の切手を貼って
柿食えば 鐘が鳴るなり 東大寺 ふざけて詠う朝のリビング
晩秋の 大和の里を 訪ねたい 岩船寺から浄瑠璃寺へと
四連勝 ソフトバンクの 日本一 しばらくつづく日の出のいきおい
四連敗 日本シリーズ ジャイアンツ 崖からころげおちるかのごと
白味噌の 雑煮を初めて 食べました みやびな京を思い浮かべて
エアコンの 音のみ聞いて 茶をすする 午前四時半ジャンパーはおり
ノルマでは 特になけれど 五首詠めば なぜかスッキリこころが晴れる
便箋の 手紙がとどく 教え子の 近況報告われをわすれず
この朝は 七五のリズムを 思い出し 思いつくままノートに記す
陽だまりの もみじは真っ赤に 燃えさかり 冬へと向かうここ武蔵野は
三日間 断食のごと 歌詠まず こころを空にあたまを空に
生垣の ドウダンツツジの 色づけば 吐く息白く師走も近い
ひんやりと 秋の冷たさ 伝わりて 手足をこすり暖をとる朝
流れたる 小春日和の エフエムの バッハのリズムバッハのメロディー
毎日が ドラマのような 学校は 楽しくもあり苦しくもあり
武蔵野を 吹きぬける風 さやさやと コスモス揺らす赤と白との
「いつまでも 元気でいてね」茶畑の 野良のネコとの目と目が合えば
得意げに 語る神奈川 県知事の いかがなものか?「マスク会食」
店先の ポインセチアは 色づいて 飾るであろうクリスマスの夜を
カバンには テスト・プリント 詰め込んで 職員室をあとにした夜・現役の頃
富士山の 見える螺旋の 階のぼり 授業をうけた湘南校舎
キャンパスの 芝に寝ころび 将来の 夢をたくしたうろこの雲に
茶畑で ネコとあいさつ する朝は なぜかひとみがやわらかになる
なにもかも 変わってしまった 駅前の トトロの像をスマホに入れる
斜陽なる ふるさとあとに 上京し あゆみすすめたわれの青春
検査値で 一喜一憂するなかれ 食べるとしようシュークリームを
デコレーション ケーキはいつも 五等分 忘れられないクリスマスイブ
風向きが 南に変わって 靴下が カラカラかわく霜月の朝
朝焼けの オレンジ色の 美しく 暗示している今日の曇天
「街歩き」観てはいつでも イメージで 世界旅するこころのなかで・世界ふれあい街歩き BSプレミアム
なぜかしら 霜月なのに 南風 吹いてTシャツ一枚の朝
リビングに 秋のひかりを 取りこんで モーツァルト聴く掃除を終えて
また今日も 小春日和の 晩秋に 窓あけはなちひかりを入れる
あかときの 空を見上げて 祈ります 健康第一ただそれだけを
コーヒーの 香るリビング 秋の日の 朝のしじまのプチパラダイス
虫の音も しばし途絶えた 晩秋の 桜紅葉の散りゆく道に
炭酸を 飲めばすらすら 歌浮かぶ 深まる秋の午前四時半
山野辺の 道をあゆめば 万葉の 歌が聴こえる秋の大和路
静かなる 待合室で じっと待つ 喉はカラカラ脈はドキドキ
菊の香の においただよう 庭先で 秋を楽しむこころゆくまで
このところ 秋のひかりの あたたかく Tシャツ一枚買い物に出る
散策で マスクを外し 息すれば 秋が飛びこむからだの奥に
年末の 帰省はすでに あきらめて 思い浮かべるふるさとの山
三日月を ながめロマンを たくわえる 宇宙旅行に行くこともなく
金柑の あまき香りに 魅せられて そぞろ歩くは秋の武蔵野
ぽかぽかと からだの芯まで あたたまる カップラーメン食す秋の夜
さまざまな 児どもの顔が 浮かび来る 秋の夜長にお茶をすすれば
公園の いろはもみじが 日に映えて 秋を演出真っ赤に染まる
ウォーキング 歩きつかれて ふと止まり マスクをとれば秋のにおいが
コロナ禍の オリンピックに 前のめり 記者会見のバッハ会長
金色の 風のメロディー 流れます 銀杏並木のまっすぐな道
この朝は 熱い緑茶で リフレッシュ へんてこりんな夢から覚めて
カツ丼と 蕎麦がセットの ランチ食い 思う存分秋を楽しむ
追いこんで 楽しさ忘れる 歌づくり 秋を素直に詠めばいいのに
秋風を 浴びてピンクの コスモスが ゆらゆら揺れる武蔵野の丘
初めての ひとりの夜の 四畳半 こもるふとんで天井を見る・上京した夜
駅までの 桜紅葉の 道を行く カサカサカサカサ落ち葉踏みしめ
ふかふかの ふとんで今宵は 眠ります 秋の日差しをたっぷりつつみ
シチリアの レモンの香る ビール飲む 芋の天ぷらつまみにしつつ
揚げたての 天ぷらうまし 秋の空 採りたてサツマ友のはたけの
唯一の 楽しみそれは 茶畑で 語り合うこと野良のネコとの
ふとん干す 土曜午前の ベランダの 小春日和の秋の日差しに
思い出は 広がる広がる ふるさとの 花摘む野辺の秋の夕暮れ
夕暮れの ススキの野辺に 日は落ちて 家路を急ぐノスタルジックに
教え子に あげるモミジの 四十枚 必死でひろう戦場ヶ原で・日光の修学旅行の引率
うなずいて 共感すれば いいと言う カウンセリングの初級研修
コロナ禍の 世界を見れば あきらかに 無理だと分かるオリンピックは
陽を浴びて 色とりどりの ハーモニー 丘に咲きたるコスモスの花・昭和記念公園で
野良ネコを いい子だねぇと 褒めちぎる 腰をかがめてネコの目線で
ようやくに コキアの赤が 色づきて 目にて楽しむ過ぎゆく秋を
継続は ちからになると 信じつつ 飽きることなく歌詠むわれは
友だちと 認めてくれた 野良ネコと 話を交わす今日も明日も
授業より 行事行事に 明け暮れて 四十五年教職終える
新メニュー グラタンコロッケ ほおばれば チーズとろける駅前喫茶
美しい 桜紅葉の 散り際が 古きマンション並木の道の
あと三首 詠めたら苦めの コーヒーを 煎れるとするか晩秋の午後
山茶花の 白き花咲く 道を行く 背中をまるめやや小走りに
木枯らしを 背中にうけて われは行く 野菊のかおる団地の道を
立川の 銀杏並木の 黄金色 ライトアップがテレビに映える・昭和記念公園
十二時間 連続労働 教職の 麻薬のような現役の頃
霜月の 夜明けの前の リビングで 緑茶をすするかおりゆたかな
このところ 白き花咲く 茶畑で ネコとたわむる秋の夕暮れ
あかときの 窓を見つめて 歌を詠む 深まる秋のしじまの中で
バイオリン コンツェルト聴く エフエムで 秋の日差しを窓に呼びこみ
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ふるさとは どこもかしこも チューリップ 思い出します信濃川原を
大和路の ひかりあつめて ひらきたる 長谷の寺にて牡丹の花が
今まさに つつじの花の 咲きほこり 春心満ちる根津の神社は
野良ネコの「プー」の命日 近づけば 薔薇が咲きます真紅の薔薇が
板チョコと ホットコーヒー 職場へと 復帰し朝のデスクの上に
完璧な 組み合わせなど ありえない 苦労が分かる学級編成
縄文の 時代が続いて いたならば 無かったろうに戦争などは
次々と 浮かぶあの顔 この顔に 歴史を刻む老いてくわれの
さやかなる みどりの里の 武蔵野に われは住みつきもう五十年
駅前の ツツジの花の 咲き初むる まるで約束したかのごとく
菜の花に ハマグリ添える イタリアン 旬の香りを楽しむランチ
窓を開け 春の粒子を 部屋に入れ 一首を詠う日曜の朝
はなみずき 四月十日に 咲き初むる さくら花よりバトン受け取り
窓からの かすむ秩父の 山を見て 一首を詠うこころ和みて
勤務日の 午後は放課で お花見に 昭和の頃の教職現場は
ベランダに 干したふとんは ふかふかに 初夏の香りをたっぷり吸って
歴史書を 一度読んだら 忘れない 七十にして気力は二十歳
やわらかき ピンクの薔薇を 愛猫の 遺影にかざる「プー」と言う名の
薔薇の花 遺影にかざる 愛猫の「プー」はわたしをじっと見ている
延々と おのれを語る 人のいて 宴はいつか講演会に
上手いとか 下手ではなくて ありのまま おのれを見つめ素直に詠う
熱湯を そそぎ三分 待つあいだ 拾い読みする夕刊見出し
とりあえず 連休前に 会いましょう 四人チームの元同僚に
四月から はじまるクラスは まっさらで いずれは染まる赤やみどりに
めずらしく 歌が生まれる この午後は がんじがらめの鎧を捨てる
真理など 分からなくとも 直感で こなしていった教職時代
さあ吾は 何を歌えば いいのだろう 今日もカフェにて一首をひねる
未練など 何もないのさ 教職を 終えて静かに校門を去る
陽だまりに ねむるネコにて 癒された 仕事終えてのまる二年間
初めての ひとり暮らしの われを推す 青き芝生のあのキャンパスが・上京した頃
散る花を 惜しむことより 新緑を 楽しみながらわれは前向く
つつじ咲く 駅の広場の カフェで飲む アイスコーヒーほのかに甘く
深呼吸 一回すれば それだけで 下がる血圧クリニックにて
カメラにて からだの奥を 眺めつつ ホッと息つく医師のひとこと
こころなしか 太っとような 気がします 検査終えての食事を取れば
残雪と 蕗のとう見る 角館 一月遅れの秋田の春は
降り続く 雨のにおいの 休日は 息を正してコーヒー淹れる
コーヒーを 絵の具に溶かし 絵を描けば セピア色したジャズの巨匠が
武家屋敷 しだれ桜の 傘をさし 江戸の情緒の歴史を語る・秋田県 角館にて
たんぽぽの 歌を歌った 三月の 音楽朝会今も忘れじ