鈴の家は閑静な住宅街にある一軒屋だ。前に近くまで来たことはあるとはいえ、こんな日中に訪れるのは初めてのことだ。歩いて15分。さほど起伏した土地でもないのに、翔…
俺はモテる・・・と自分でも思う。特別カッコイイわけじゃない。むしろ暑苦しい顔!というほど濃い気もする・・・。しかしだ・・・とヒロキは考える。(なーぜか、付き合…
「560円です。1000円お預かりします」お釣りを渡すと、レシートを渡す間もなく、スーツ姿の男は立ち去った。(・・・だよね、普通の若い男は)ピーンーポーン鈴は…
平 ミサ(たいら みさ)は携帯を確認した。(メールも着信も無し・・・か)時間は夕方の5時を回っている。この会社に事務職として入社して8年目。いつの間にか、最古…
ピーン・・・ポーンと、やけに間延びした入店音が店内に鳴り響く。時間は12時を回ったころだ。その度に、自動ドアをを振り向いてしまうようになっていた。今までは、雑…
―― 土曜日。鈴の家がある駅前のコンビニで、翔太は鈴と待ち合わせた。「普通の格好でいいよ!カジュアルで!あ、手土産とか要らないからね~~!」金曜日の夜、鈴と電…
「いつ会うんだっけ?」ヒロキが突然聞いてきた。「来週の土曜日らしい。さっきメールが来た」鈴から、来週の土曜日なら家族もみんないるとの旨がメールで届いた。「もう…
ヒロキは実家が遠くもないくせに職場の近くで一人暮らししている。社会勉強のためだとヒロキは言うが、翔太はそれだけではないだろうとあきれている。とは言うものの、翔…
「つまり、ただ俺を家に呼びたかっただけってこと??」翔太は脇にビッショリと変な汗をかいていたことに今気がついた。「いえーす」鈴は反対に涼しい顔で応える。(なん…
「で?会ってくれるよね??」・・・・っとそうだった。翔太の昔のことを思い巡らせていた脳みそは鈴の一言で現実に取り戻される。「お?おお・・・」「なぁに?その曖昧…
「ブログリーダー」を活用して、ここなつさんをフォローしませんか?