** その夜想いは堕落して 暗黒流砂を彷徨った ** 謳えリコーダー 憂鬱な君よ ** 空なんて海なんて だぶだぶの青さだな 往くものも還るものも 僕ほど悲しくはない ** 鳥が往き 赤い実が揺すれる それは哀しみに似ている ** インディアンは馬鹿か 違った日本人だ ** あなたは 空を映し 森を臨み 刻の往くようにせよ ** そんなことなどどうでも…
早や初冬の夜だ 砂漠の国の旗のような 月と星ゝが天を飾っている 私の生活もそのデザインのように くっきりと美しく 縁取られていようか 私の心も冷たく輝く光のよう…
私は精霊の森にやってきた なぜだかは語りたくない とにかく私は森を訪れた 最初に出会ったのは 石のように動かぬ精霊であった 話しかけても目を白黒さ…
駐車場の並木に 針のような雨が吹き落ち 枝ゝは揺れ 風景はセザンヌの絵になった 一雨毎に冬になる 私は両手に買い物袋を下げ 雨の中を走った 買…
心の中は 砂漠 広い広い砂漠 心の中は 海 静かな静かな水面 砂漠の中に駱駝が一頭 あてども知らずに歩いている 水の上には 小舟が一艘 これま…
夏という文字は本当に夏らしい 入道雲のように力強く 紫陽花のように豊かで 木立のように若々しい 夏は懐かしい 高校生の頃の山口 大学生の頃の京都 …
六月八日 昼過ぎから雨 今日から入梅だそうだ 五十も過ぎて 相変わらず孤立しているが これも私の生き様であり仕方がない 煩悶と平穏が繰り返され…
いくつもの英知が ちょうど闇の壷に落ちる水滴のように 歴史の中に消えていった 多くの無名の生活の中に わたしの若かりし頃の記憶 傷つけられた夜ゝの…
わたしは影 夏の日影 地面に映った影 草の影 わたしは静まり 水面の波紋 揺れる柳 渡る風 わたしは幼さ 初夏の夕空 西瓜 風車 駄菓子 婆の背…
9号線に初雪が落ちかかった日 1600CCのスポーツタイプに乗って 北へ向かう 助手席には一週間ばかり前に抱いた少女を乗せている 髪止めの輪ゴムで…
正月明けの冷たい午後 わたしは隣町の郊外をひとり歩いていた はやらぬ重いコートを着て なじまぬ場所となじめぬ人々をとおく離れて わたしは食卓を想っ…
花の匂いがしている どこかで 花の匂いがしている ある日突然気づく 多くは街外れの闇の中で あるいは 酔いしれた繁華街で 匂いがどこから香ってく…
それにしても私の学生時代はなんて荒んでいたのだろう 寒い冬の街角のように 飲屋街の吹き溜まりのように 僅かばかりの慰めもなく ましてや希望など有様が…
自分であり続けることが大切です あり続けようとする意志がないがごとく 自分であり続けることが大切です 何故なら私がそう考えるからです 私と私の影がぴ…
連休の最後の日にようやく晴れた とても爽やかな良い一日であった 私は午後の風呂に入り 家中の窓を開けた 火照った躰に吹き抜ける風と ビールが心地…
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