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アイルランド不定期便 http://irishcountrylife.blog74.fc2.com/

アイルランド西部の農村より、田舎生活の様子をエッセイにしてお届けしています。 著書に「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」(出版舎ジグ)

ウェブサイト「アイルランド田舎生活」のブログ版、日々の暮らしの様子をエッセイにしてお届けしています。 2004年よりアイルランド人の夫、一姫二太郎と4人でアイルランド西部の小さな村に暮らしています。 アイルランドの自然と伝統音楽に囲まれながら、オーガニックな野菜作りと食生活、地域の農家さんからいただく羊毛を使った糸紡ぎをしています。 アイルランド田舎生活 http://irishcountrylife.web.fc2.com/

望月えりか
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アイルランド
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青葉区
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2013/05/05

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  • わさわさ、ワイルドガーリック

    今、アイルランドではワイルドガーリックが収穫期を迎えています。アイルランドの山菜の一つとも言えるワイルドガーリックについては、昔記事を書いたことがあったよね、と思ってさかのぼってみると、なんと10年前のことだったようです。ワイルドガーリックの移植ワイルドガーリックのペスト作りはここ数年で私の恒例行事となりましたが(ワイルドガーリックで作るペスト)、収穫場所はいつも近所の散歩道でした。それが、今年はも...

  • しますか?友人の家にふらりと立ち寄る

    先日車を運転していると、つけっぱなしにしているラジオでおもしろいトピックを耳にしました。あなたは、相手に事前に知らせることなく、友人やご近所さんの家を訪ねますか。番組に出演していた30代ぐらいの男性は「とんでもない話ですよ。たとえ親しい友人間であっても必ず一報入れるし、僕自身も突然誰かが訪ねてくるなんて困りますね」ときっぱり。「今の時代はみんな忙しくて、何をしているかも分からないし」「私の母なんかは...

  • 1年以上ぶりのアイルランド不定期便

    アイルランド不定期便の読者の皆さん、お元気でしょうか。大変ご無沙汰をしておりました、望月えりかです。私は元気にしていて、でも自分の仕事と3歳のダロックくんの子育て、畑仕事、それに加えてティーンエイジャーのリラとショーンを車であちこちに連れて行き・・というようなサイクルでくるくる動き回っています。そうそう、冬にはこつこつと続けていた手編みセーターのプロジェクトが軌道に乗ってきた手ごたえがあり、このタ...

  • インド人の友だち

    私の住むフィークル村は、静かな農村ながら実に国際色豊かな地域です。アイルランド人はもちろんのこと、イングランド人、ドイツ人、オランダ人、フランス人、オーストラリア人にスペイン人。タイの女性もいるし、最近ではメキシコ人女性が近くに住んでいることも分かって、ますますインターナショナルです。それでも、基本的にはやはりヨーロッパ系の人たちが多くて、アジア人はアイルランドの都市部でこそよく見かけるものの、田...

  • お豆さんを収穫しようね

    2歳半になった次男のダロック君。歩き始めたのがかなり遅かったり、今でもおしゃべりができなかったりと我が道を行くのんびりな男の子に育っています。親である私たちは3人目ということもあって、標準より遅くても、検診でひっかかっても動じなくなってきました。だって、日々の彼の成長を観察していて、気がかりなことなど何もないのだもの。貫禄がついてきたのかな。今年の夏は、自分で長靴を履いて外に出て一人で遊べるほど大き...

  • 服はチャリティーショップがいいようで

    古着というのが私は昔から好きで、渋谷や原宿界隈の古着屋さんを回ってよく買い物をするティーンエイジャーでした。私の父はこれが全く理解できず、「どうして誰かが着た服なんて買えるのか」と訊かれたこともありましたが、古着特有のくたっとした着心地や、新品の服にはないレトロな感じが好きで、ジーンズなども古着のものをよく履いていましたっけ。今はアイルランドの田舎に暮らしているので、そんなおしゃれなお店に行く機会...

  • ハルシャギクの花で染めたい、手紡ぎの毛糸

    去年からとても親しくしていた、ロレインというフランス人の女性がいました。我が家の近所に長期滞在していた折に知り合って、「糸紡ぎに興味があるのだけど、エリカの紡ぎ車を見に行ってもいいかしら」というところから個人的な付き合いが始まったのです。私の紡ぎ車を試したあと、「私は糸を紡ぐ運命だと思う!」と言ってすぐさま自分の紡ぎ車を購入してしまったロレインは、好奇心旺盛で学ぶのも早い。コロナウイルスの規制など...

  • 毎日聞こえる七面鳥の声

    日本に住んでいた頃は、七面鳥なんてちょっとなじみのない鳥だったような気がします。ヨーロッパの童話などに出てくるイメージで、実際に生きた七面鳥を見たこともなかったし、ましてや口にしたことなど一度もありませんでした。それが、アイルランドにやってくるとクリスマスなど特別な日のディナーで七面鳥の丸焼きが出てきたり、スーパーやお肉屋さんでは普段から七面鳥のひき肉やソーセージなどが売られています。数年前から、...

  • 今年の畑の様子

    6月と言えば梅雨。アイルランドでは日本の梅雨と同じぐらい頻繁に雨が降っているので、雨のせいでどんよりとした気分になる暇もありません。それどころか、6月はまさに初夏の月。気温がぐんぐん上がり、20度近くになる日も多くなってきました。この熱と雨の組み合わせのおかげで、畑の野菜たちもナメクジや強風にめげることなくぐんぐんと生長しています。畑の周りの芝を刈るのをやめたので一見荒れ放題に見えるかもしれませんが、...

  • カスタムオーダーで編むセーター

    去年のクリスマスに、近所に住む男性ピートに頼まれてカスタムオーダーという形でセーターを編み(自分らしい色の手編みセーター)、とても喜んでもらいました。つい最近のこと、そのピートから突然テキストメッセージが届きました。普段から個人的なお付き合いをするほど親しくはないので、「セーターに穴が開いたかな?」と一瞬身構えたのですが、メッセージは「ダウナットのところに今夜行く?」そういえば数日前に共通の友人で...

  • ロックダウン明けに最初にしたこと

    去年、2021年は前年同様に異常な年でしたね。マスク着用も2メートルのソーシャルディスタンスも、好きな人は誰もいなかったでしょうが、何より友だちや家族に気軽に会えなかったことが、一番さびしかったです。クリスマス休暇中に突然ロックダウンとなったアイルランドは、その後も規制が緩和されるまで何か月もかかりました。5月になると、それまでずっと営業停止していた美容院や散髪屋さん、ビューティーサロンなどがやっと再開...

  • カレーライスはフォークで

    ときどき、日本のカレーを作ります。日本の母が送ってくれる小包みに必ず入っている日本のカレールーは、「今日の夕飯何にしよう?」と困った時に活躍してくれるのでとても助かります。じゃがいもやニンジンだけでなく、カブやケール、そら豆などその時畑にある野菜を自由に入れるのが我が家流で、ゆで卵は子どもたちのお気に入りです。さて、このカレー。正確に言えば日本のカレーに限らず、パットが作るいろいろなバラエティーの...

  • 樺の木の樹液を取ってみた

    樺の木の樹液を飲んだことがありますか?樺の木はアイルランドのネイティブの木の一つで、幹の白い白樺などもよく見かける木です。この樺の木から、樹液を採取することができるというのは何年も前に友人から聞いて知っていました。春先に幹に穴を開け、あふれ出る樹液を取るのだそうです。何だか面白そうだわね、と当時から興味津々だった私ですが、何となく準備が大変なんじゃないかな、何か特別なものが必要なんじゃないかな、と...

  • だめ。絶対。なにがなんでも

    私は高校、大学と和光学園で教育を受けました。母の勧めがあって知った、和光というちょっと変わった学校。ここに7年間通っていなかったら、今の私は私でなかっただろうなと思うほど、たくさんの刺激を受けた学校です。高校生の頃に選択授業というのがあって、私は「基地と原発」という授業を選択していました。そんな名前の授業があるというだけで、やっぱり風変わりな校風の和光。この授業の中で学んだことは、40代を迎えた今で...

  • DIY!パットが作ったパティオ

    コロナウイルスの話はあまりしたくないのですが、簡単にアップデートをすると、アイルランドではクリスマス休暇中にオミクロン株のおかげで感染者数が急激に増えたのち、1月に頭打ち、つまりピークを迎えました。その後感染者数は減り始め、またそれと並行して、感染者数が増えても入院患者数や集中治療室に入る患者の数は安定していることが分かってきました。当初の南アフリカからの報告の通り、オミクロン株で重症化するケース...

  • 耳にたこ?コケコッコーで目覚める日々

    そういえば、いつから我が家ではニワトリを飼い始めたんだったっけ?ちょっと気になって昔撮ったニワトリの写真や不定期便の記事などをたどってみたら、2016年と出てきました。最初は2羽からスタートしたんだったわね。→2羽の庭の鳥あれから、キツネに獲られたり、自然死してしまったりして失ったニワトリが何羽いたでしょうか。子どもたちが小さかった頃は、特に1羽ずつに名前がついていたりして、死んでしまうとただでさえ私自身...

  • 美しいアヴォカド染め。でも、食べ過ぎないで

    去年の秋に試みた、草木染めがありました。アヴォカドの種で染めると、とてもきれいなピンクになるということはずいぶん前から知っていて、イメージ画像などを眺めながら「わあ~、これは私好みの淡いピンクだよね~」と興味津々だったのです。そんな話を、ガーデンクラブのメンバーと一緒にしていたら、「アヴォカドの種、もし集めてるんだったらエリカのために取っておいてあげるよ」とオファーしてくれた友人がいました。フロー...

  • 地域でつながるグループチャット

    アイルランドの最初のロックダウンの時期と記憶しているので、2020年の春先でしょうか。食料や医薬品など必要最低限の買い物以外の外出はしないように、自宅から半径2キロ以上の外出は控えるようにという厳粛な規制が敷かれ、子どもたちの学校も閉鎖してしまい、事実上自宅謹慎を強いられていた時のことです。生まれも育ちもここグランドゥリーのメアリーから、私たちの携帯電話に突然の通知が来ました。「こんな特異な時期なので...

  • だから今は静かに

    クリスマスが終わり、年が明け、今週の頭から子どもたちも学校が始まり、あっという間に1月も半ば近くとなってしまいました。改めまして、新年あけましておめでとうございます。また、今年もデジタル画面上でのおつきあいではありますが、皆さんとゆるやかに、気持ちよくつながっていけたら幸いです。2022年。未だ多くの国々をしぶとく騒がせているウイルスのおかげで、それ以前の暮らしに戻れない人たちがたくさんいます。こんな...

  • 自分らしい色の手編みセーター

    前回の記事の中に、近所に住むとある男性に頼まれて編んでいたセーターというのがありました。とある男性とはピートといって、何十年も人の住んでいなかった古い石作りの家を改築して、木造のボートやカヌーを作り暮らしているちょっとおもしろい人です。ある日赤ちゃんダロックくんをボギーに乗せて近所の道を歩いていると、丘の上からピートの空色のバンが下ってくるのが見えました。すれ違いざま、軽くあいさつをするのがアイル...

  • ちょっと多忙な言い訳いろいろ

    11月をスキップして、すっかりご無沙汰してしまいました。皆さんお元気でしょうか。次に書いてみたいトピックを思いついたり、下書きにため込んだりはしているのですが、ここのところ私の生活が少々せわしくなってしまい、アイルランド不定期便に記事をアップできないまま、気づけばクリスマスも間近という季節。本当は週に一度ぐらいのペースで書いていたいんだけどなあ。どうしてこんなに忙しくなってしまったのかというとその理...

  • アイルランドの青。ウォードで染める手紡ぎ糸

    子どもの頃から編み物が好きで、数年前から糸紡ぎもはじめた私。白、グレイ、黒や茶の羊の色のウールを紡ぎ、編んでいる時間が一番幸せです。その一方で、少し前から気になっていた草木染めにも少しずつ手を出しはじめ、最近ではやっぱり、すっかり、夢中になって白い毛糸をせっせと染めています。草木染めはそれこそどんな植物を使っても試すことができて、植物によっては意外な色が出ることもあり、とても楽しい手仕事の世界です...

  • ティーンエイジャーたちのお仕事体験

    今月で私の娘リラは、なんと16歳になりました!9月の新学期からリラはセカンダリースクールの4年生、日本の高校1年生にあたる学年です。アイルランドでは6年制の小学校が終わると、セカンダリースクールという学校に通うことになります。中学校と高校が一緒になったようなものと言えば分かりやすいのですが、4年生という学年はTY、Transition Yearと呼ばれ、この学年をスキップして5年生に進むこともできます。とは言え、リラの学...

  • 初めて食べる、山羊の肉

    山羊のお肉を食べたことがありますか?私は40年そこそこを生きてきて、このたび初めて口にしました。近所にある有機農家を営むモーナから「ヤギ肉販売中。欲しい人は連絡ください」というテキストメッセージをもらい、さっそく赤ちゃんダロックをボギーに乗せて歩いて行ってきたのです。「リブなんかもあるわよ」と部位の説明をしてくれる中、私が購入したのはシャンクと言ってひざから足首にかけての部位。一体どんなお味なんでし...

  • 泊まりで行こう、イニシュモア島

    アラン諸島は3つの島からできています。一番小さなイニシア島、真ん中にあるイニシュマン島、そして今回私が行ってきた、一番大きなイニシュモア島。ゴールウェイ方面からもフェリーは出ていますが、私たちにとってはクレア州のドゥーリン村から行くのが断然便利。それに、ドゥーリンからはイニシア島が既に肉眼で見える!フェリーでも10分ほどで着いてしまう距離なんですね。イニシュモア島の一番の名所と言えば、やはりドンエン...

  • サバイバル?イニシュモア島でキャンプの巻

    数か月前から友人と計画していた旅が先週末にやっと実現しました。3つあるアラン諸島のうち、一番大きなイニシュモア島で数泊キャンプをしようというものです。当初は女友だち3人で行く予定だったのがそのうちの一人が来れなくなり、結局発起人のダウナット、彼女の娘で6歳のフィア、私、娘のリラとリラの親友グレースという5人分のフェリーのチケットを私が予約することになりました。実は私、アラン諸島のどの島にも行ったことが...

  • アイルランド音楽の夜に届いたウール

    皆さんこんにちは、お元気ですか。久々の投稿となってしまいました、望月えりかです。アイルランドは数日前まで記録的な暑さで、なんと30度以上まで気温が上がりました。今日になってやっといつも通りの気候に戻り、雨が降り、20度前後まで気温も下がってくれました。ほっ。6月のはじめに音楽仲間の友人マークから「Hi エリカ、2匹分の羊のウール用意してるからね!」というテキストメッセージをもらいました。内心、「ひえー、前...

  • 初体験!羊の毛刈り

    ...

  • ヤギのミルクで子育てする

    もう一つ、ミルクの話をしましょう。4月で1歳になった我が家の3児、ダロックくん。授乳の回数も自然と減ってきて、そろそろほかのミルク、牛乳などを飲ませはじめてもいい頃だなあと思っていました。近所の有機農家さんから直接買っている生乳は、煮沸消毒をしていません。念のため、モーナに「赤ちゃんダロックにこの牛乳飲ませても大丈夫だよね?」と訊いてみました。「Yes, もちろんよ!」「でもね、ヤギのミルクのほうが消化し...

  • 牛乳にも旬がある

    我が家では牛乳をスーパーで買うことがなくなりました。近所の有機農家さんで新鮮な生乳を買っているからです。(「搾りたての牛乳を買いに」)この農家さんには牝牛が5頭いて、毎年仔牛を産んだり産まなかったりしています。名前までついている牛婦人たちは、自家製の干し草をおいしそうに咀嚼しながら、角も生え放題。納屋の中を自由に歩き回ったり、気持ちよさそうに藁に寝っ転がったりしています。ある冬の日のこと。リサイク...

  • レッドクロ-バーを摘もう

    6月になると、我が家の周りはワイルドフラワーでいっぱいになります。可憐な白のデイジー、元気な黄色のバターカップ、背高ピンクのカッコウセンノウ。いろいろな種類の野草と共存しながら風にそよぐ花たちは、本当にきれいで自由。アイルランドの短い夏の始まりを教えてくれます。眺めているだけで十分幸せなのですが、この季節になると私はいつもある花を摘みます。これこれ。英語ではレッドクローバーと呼ばれますが、これ、赤...

  • 予想外の結果も楽しい 赤玉ねぎの皮で毛糸を染める

    日頃から家で過ごすことの多い私ですが、去年の2020年は特に外出する機会が極端に減りました。同じような経験をされた方や、今でもそんな状況が続いている皆さんも多いことと思います。特に厳しい規制がしかれたアイルランドのロックダウン。私はこの機会をポジティブにとらえて、自分にとっての創作の期間にしようと決めました。おかげで、今まで形にできなかったことや自分の中で中途半端だったことに集中して、編み物と紡ぎの手...

  • 人とつながる、ワイルドガーリックのペスト

    アイルランドの春は、わらびやゼンマイ、イラクサなど山菜が豊富です。知らなければ通り過ぎてしまいますが、食べられる自然の恵みが身近にあることに気づくと嬉しいものですし、摘んでいるとまるで自然の一部になれたような気分になってワクワクしてしまいます。自分の口に入れるものだから、この植物はきれいな場所で育っているよね、大丈夫だよね、とどこかで確認している自分がいて、それが、きれいな空気やきれいな水を守って...

  • アイルランド田舎生活 糸紡ぎの動画を公開

    先週土曜日に開催された、私の初オンライントークイベント、どうにか無事に終了しました。主催者の小熊由紀子さん(出版舎ジグ)によると、当日は80名以上の皆さんがご参加くださったそうです。な、な、なんということでしょう!嬉しいですね~。皆さん、ありがとうございました!イベントでは、新型コロナウイルス規制のもとで国としてどんなことが起こっているか、人々の暮らし、アイルランド音楽のシーンの今という話から、我が...

  • 望月えりか オンライントークイベントのお知らせです

    アイルランド不定期便読者の皆さんこんにちは。今日は皆さんにイベントのお知らせをさせていただきたく、記事を更新しています。5月8日土曜日、夜の8時から、私のオンライントークが開催されます。題して巣ごもり!アイルランド 小さな村の暮らし(クリックするとお申し込みのページに移動します)視聴参加は無料です。当日は我が家からの生中継で、zoomというアプリを使ってオンラインで皆さんにお目にかかります。主催は私の著書...

  • マーガレット叔母からの贈りもの

    パットの父ダンの妹であるマーガレット叔母は修道女でした。いつでも修道服に身を包み、顔周りもベールで覆い、いつも大きな十字架のついたネックレスを首から下げていました。マーガレット叔母はびっくりするほど小柄で、パーキンソン病を患っていました。いかにもか弱い女性といったところですが、鋭い目といたずらっぽい口元が印象的でした。パットの父方はケリー北部の村の生まれで、彼らが子どもの頃はまだアイルランド語がか...

  • 飲んでますよ、自家製タンポポワイン

    そういえば。数年前に私が作ったタンポポワインについて、ここアイルランド不定期便でご紹介したことがありましたね。(「タンポポでワインを作る」)作るだけ作っておいて、その後あのタンポポワインはどうなったのか。ワインは仕込んでから完成するまでに少なくとも一年はかかります。2013年の春にタンポポワインを初めて作って以来、実は私、毎年このワインを作り続けているのです・・!だっておいしいんだもん。ちょうど今の季...

  • 田舎に住んでいるなあという話 その2

    我が家から歩いて5分ほどのところに住む農夫のジェイピー・マクナマラさんは、生まれも育ちもこの土地のひとです。数年前のある日、パットが散歩中にジェイピーに会ったので立ち話をしていると、「ところでご近所さんのお葬式には行ったの?」と訊かれ、パットは一瞬「えっ、僕たちの近所で誰か亡くなって、もしかして知らずに過ごしてしまったの?」と慌てたと言うのです。するとジェイピーは「いやいや、ここのご近所さんじゃな...

  • 近くの湖でパイク釣り

    娘のリラは、近所の農家で働く10代の男の子二人と親しくしています。週末になると一緒に馬に乗って近所を走り回ったり、生まれたばかりの子ヤギたちの世話をしたり。男の子たちは大の釣り好きということで、暇さえあれば東クレアにいくつもある湖に行って釣り竿を垂れているそう。中でもお気に入りは自転車で20~30分ほどのところにある比較的小さな湖で、クリスマス前にはリラも一緒に遊びに行ったりしていました。釣りは私にとっ...

  • 手紡ぎのアルパカウールで編むセーター

    そういえば、このセーターのことを書こう書こうと思いながらいつの間にかほかの記事に埋もれてしまっていました。このセーターを編んだのは去年の冬のこと。手紡ぎという手仕事は、没頭すると知らないうちに家の中が手紡ぎ糸でいっぱいになっているという悲劇(!)を招くことがあります。私は無計画にその日の気分で紡ぎたい原毛を選んでしまうので、中途半端な量の毛糸が転がっていたり、反対に同じような毛糸玉が大量に散乱して...

  • ママの子、パパの子、地球の子

    早いもので、ダロックくんは生後10か月となりました。どちらかというと静かでのんびり屋さんの性格のようで、最近やっとはいはいができるようになりました。彼が生まれてから、我が家ではこんな紙おむつを使っています。オーガニックショップでしか手に入らない紙おむつで、薬品やオイルを使わず、ほとんどの素材が土に返る紙おむつです。このコンセプトの紙おむつメーカーはヨーロッパにいくつかあるのですが、私たちが使っている...

  • 新型コロナもなんのその?ドンさんの退院

    ドン・パーセルさんは、フィークルの村の長老とも言える重要人物です。98歳のドンさんは生まれも育ちもフィークルの元農夫さんで一人暮らし、車の運転もします。人並外れた社交性と温厚な人柄は村内だけでなくクレア州中に知られ、ちょっとした有名人と言えます。ドンさんは過去に私のブログにも登場したことがありますが(これかな?→元気印のアイルランドのお年寄り)、日本からフィークルの村にやってきた私にもとてもよくして...

  • 木の枝切って、高速ブロードバンド

    こんな辺鄙な場所に暮らしていても、今やいよいよ必要不可欠となってきたのがインターネットです。去年から子どもたちの学校の宿題がすべてオンラインによる提出となり、リラもショーンも宿題を終えるとそのページを自分たちのスマートフォンで撮影、それぞれの科目の先生に送信します。それが、我が家のブロードバンドはときどきとてつもなくスピードが遅く、何分待っても送れない時があると子どもたちが文句を言うのです。確かに...

  • 空白の2020年

    我が家のリビングルームの壁にはいつもカレンダーがかかっていて、子どもたちのレッスンや学校の行事、パットの演奏スケジュールや友人宅を訪ねる日取りなどを書きこむのに使っています。それが、去年のカレンダーはほとんど空白のままでした。レッスンもなし、ギグもなし、夏の恒例イベントである伝統音楽のフェスティバルもキャンセル。2020年は、世界中の多くの人々にとってそんな年だったのではないでしょうか。アイルランドに...

  • 自生するはクレソン

    4月に生まれた赤ちゃんは8か月になりました。今でも子育てにほとんどの時間を費やしている私です。夏には野菜がたっぷり穫れた畑も今は静か。私が普段やっている作業を怠っているせいで、やや荒れ放題です。ほら。とうもろこしが枯れてそのままになっていたり、収穫し切れなかった小さなかぼちゃが雨のせいでナメクジなどの虫に食べられていたり。じゃがいもを掘ったあと、草むしりをしてきれいに耕しているはずの畑もいろいろな...

  • 血の日曜日 100年前の11月に何が起こったのか

    1920年11月21日、日曜日。今から100年前のこの日、ダブリンで悪夢のような事件が起こりました。「血の日曜日 Bloody Sunday」と呼ばれ、100周年にあたる今年はダブリンでセレモニーが行われたり、テレビで特集番組が組まれたりしています。アイルランドの歴史において、血の日曜日はとても重要な1ページなのです。アイルランドは独立戦争の真っただ中。この日、ダブリンで何が起こったのでしょうか。11月21日の朝、ダブリンを拠点...

  • 身もだえしながら見よう、映画「Wild Mountain Thyme」

    まもなく公開となる「Wild Mountain Thyme」という映画があるらしい。私は個人的にハリウッド映画の新作などには興味がないのですが、この映画に関してはなぜかいろいろなところで耳にします。一体何が起こっているのでしょうか。映画はエミリー・ブラント(Emily Blunt)とジェイミー・ドーナン(Jamie Dornan)主演のロマンティックコメディー。(「ラブコメディー(略してラブコメ?)」という映画のジャンル名、これは和製英語...

  • あの日のラザニアを忘れない

    義母のお通夜と葬儀には、クレアだけでなくダブリン、ウェックスフォード、コークなど遠方からも多くの友人たちが足を運んでくれました。あの日。エニスでの葬儀、埋葬が終わり、家族や親戚との食事を済ませてフィークルの自宅に戻った時のこと。我が家は車が2台あるのですが、停めていたもう一台の車の上に、何やら大きなものが載っているのです。「何だろう?」ハンドルのついた大きなバスケットのようです。バスケットを持ち上...

  • ブラックベリーで手紡ぎ糸を染める!後編

    さあ、今日はいよいよブラックベリーで染めた私の手紡ぎ糸を皆さんにお披露目です!前日に染色液に投入した毛糸は、こちらのアルミニウムの大鍋の中で一晩過ごしました。ふたを開けてみると・・・わっ、濃いむらさき!ちょっと強力すぎるかな~と心配になるほどの色になっていました。染色液から毛糸を取り出して、水ですすいでいきます。色が流れ出なくなるまで何度もすすぎました。ちょうど晴れの日が続いていたので、外で自然乾...

  • ブラックベリーで手紡ぎ糸を染める!前編

    10月に入り、ずいぶん涼しくなってきましたね。アイルランドは紅葉が今とても美しく、家の周りが鮮やかです。さて、今日は私が以前からずっとやってみたいと思っていたプロジェクトが完了したので、そのご報告をしたいと思います。プロジェクトの名はずばり「ブラックベリーで手紡ぎ糸を染める!」です。いつもは羊の自然な色を楽しみながら手紡ぎをして、その色のままで編んだセーターなどを楽しんでいる私ですが、そろそろ白い糸...

  • アイルランドの毛糸で編む赤ちゃん服

    妊娠中、私のことをよく知る友人たちから「ベイビーのために何か編んでるの?」、「器用なエリカのことだから、生まれてくる赤ちゃんのために何か作ってるんでしょう?」とたびたび訊かれたものです。後期に入ってくれば体も思うように動かせなくなるし、室内で過ごす時間が自然と増えますね。でも、私は赤ちゃんのものを何も作っていませんでした。気持ちに余裕がなかったわけではないのですが、妊娠中期からなんと妊娠糖尿病に選...

  • 私たちは種を食べている バタービーンズ

    アイルランドに暮らし始めて、よく食べるようになったものがあります。それはずばり、豆類。大豆やあずきだけでなく、ひよこ豆や色とりどりのレンズ豆、それに今回お話しするバタービーンズは真っ白な大粒の豆で、火を通すとふっくらした食感がいろいろな料理の中で引き立ち、おいしいのです。今まで、バタービーンズ(Butter Beans)はオーガニックのものを健康食品店で購入していました。乾燥した状態で売っているので、これを一...

  • What's your name? アイリッシュベイビーの名前いろいろ

    4月に生まれた私たちの3人目の赤ちゃんは、名前をDarachくんといいます。この綴りだけ見てもどう発音していいやら分かりませんよね。片仮名表記にすると、かなり妥協してダロックでしょうか。アイルランドでは人によって頭の「Da」が「ダ」よりは「ド」に近い発音になるし、末尾のchも正しくは「ク」ではなく、アイルランド語特有の息を抜くような音で、日本人には正直発音しにくい名前かもしれません。アイルランドでは、毎年決ま...

  • 手回しミシンで作ったもの

    前回の記事で書いた義母の遺品である手回しミシン。まず最初に何を作ろう。真っ先に思いついたのは、私たちの寝室用のカーテンです。ずっとカーテンがほしいと思っていて、でもどうせなら自分で作ってみたいと思っていて、生地をずっと昔に買ってあったのをほったらかしていたのです。カーテンなんて、ただ布を切って回りを縫うだけ、簡単じゃないと思いがちですが、いざ作りはじめると思った以上に苦戦しました。作るならきちんと...

  • ありがとう。義母のミシン

    義母の世代の女性たちにとって、ミシンは生活の必需品でした。衣類も豊富でなかった時代ですから、布を買ってきては家族の着る服をミシンで縫って作ったり、カーテンやクッションカバー、椅子の布張りまで手作りしていたのです。この時代のミシンと言えばイングランド製のシンガーが定番です。昔の職人さんが丹精に作った上質のミシンなので、今でも現役のものが数多く出回っています。アイルランドでは、真っ黒のシンガーのミシン...

  • やってる?ベランダガーデン

    ガーデニングとはほぼ無縁だった母が、数年前からベランダで植物に水やりなどをするようになりました。最初は朝顔や私がオンラインで注文してプレゼントしたガクアジサイなど花が中心だったのが、いつの間にかパセリやしそなどのハーブが加わり、そのうち「上の階の林さんからトマトの苗をもらった」、「近所の花屋さんでピーマンの苗が売ってたのよ」と、コンテナや鉢植えを利用して野菜を育てているようです。水やりが大変だとか...

  • おさがりがちょうどいいようで

    「赤ちゃん用のグッズをもう一度買い直さないといけなかったんじゃないの?」と、ときどき訊かれます。でも実は私、バギーやカーシート、ベビーベッドだけでなく、ベビー服の1枚1枚まですべてとっておいたのです。頭のどこかで、いつか必要になるかもしれないという思いがあったのかもしれません。安定期に入ったある日、意を決して屋根裏にしまってあったこれらを引きずり出し、一斉に整理することにしました。まずは服を男の子と...

  • ムクドリたちが飛んでいく

    畑で一人、草を一心にむしっていると、突然今まで聞いたこともないような音が頭上を通過していきました。見上げると、真っ黒のムクドリの群れです。30羽ほどだったのでしょうか。「ざざーーっ」という、風を穏やかに切るような爽快な音です。コロナウイルス対策のロックダウンのおかげで、私たちの暮らすアイルランドの田舎でさえ交通量が減り、いつもよりも静かです。飛行機の音が聞こえない。車の音もほとんどしない。この世界は...

  • ご近所さんからいただいた、出産祝いの贈りもの

    アイルランドでは、赤ちゃんが生まれるとプレゼントとカードを持った友人知人が次々に自宅を訪ねる習慣があります。時間や日取りの決まっていない、突然の訪問客たち。娘のリラが生まれた時は第一子ということもあってかそれこそ連日、入れ代わり立ち代わりに地域に暮らす人々がお祝いをしに訪ねてきてくれました。新しい家族ができることは、その家族だけのプライベートなイベントではありません。地域にとってもまた、新たに加わ...

  • アイルランドはわらび天国

    私と同じようにアイルランドに暮らす日本人の友人が数人います。一年に数回しか会う機会のない友人ばかりですが、気が合って、気持ちのいいつきあいができるありがたい友人たちです。食べもの好きのリムリックに住む友人もその一人。「えりかさん、今度一緒にわらび採りに行きませんか?アイルランドでも春になるとわらびが収穫できるんですよ」家の周りに生えるゼンマイを収穫して食べたことは去年の記事に書きましたが(これも食...

  • 心穏やかに、ね。

    世界中の国々で、私たちの生活基盤を揺るがす事態となっています。経済活動や社会活動を制限するロックダウンという対策がアイルランドでは3月から始まり、託児所から大学まですべてが閉鎖。続けてパブ、カフェ、レストランをはじめ人の集まるスペースもすべて閉店を強いられ、開いているお店といえばスーパーマーケットなど食品を扱うお店と薬局、テイクアウェイ限定の飲食店がちらほら。更には70歳以上の人は外出禁止、若い人た...

  • めぐる命

    不定期便読者の皆さん、お元気ですか。しばらくご無沙汰をしてしまいました、望月えりかです。約3週間前の金曜日、パットさんと私は朝の6時過ぎに家を出発しました。4月のアイルランドはこの時間になるとうっすらと明るく、早起きの鳥が歌いはじめます。小さな村や町をいくつも抜けるなじみの道が、今日は少し違って見えます。すれ違う車はほとんどありません。リムリックの病院に到着すると、予想通りパートナーは車中で待機する...

  • ヨーグルトは買わない。自分で作ろう!

    アイルランドの乳製品は、濃厚でクリーミーでとってもおいしいことで有名です。バター、チーズにヨーグルト。アイルランドの乳製品はすべて100%国産の牛乳から作られています。スーパーマーケットで普通に売られている国内大手メーカーのものでも、驚くほどのクオリティー。アイルランドの人たちは、こんなにおいしい乳製品を毎日普通に口にしているの?羨ましい~、とよく言われます。そのひとつ、ヨーグルトもバラエティーが豊...

  • 樹齢1000年?東クレアのオークの木

    私たち人間は、古木とか大木というものに特別な気持ちを抱くようです。ある種の畏敬の念のようなものでしょうか。人の一生とは比べものにならない気の遠くなるような年月を、もの言わずたたずむ一本の木。私の暮らす東クレアにも、そんな木があります。我が家からは車で30分ほど。やや入り組んだところにあるのと、サインも標識もないので地域の人たちですら知らなかったりします。というのもこの木、実は私有地にひょっこり立って...

  • できることからはじめよう 自然素材の服選び

    おととしの冬のことだったでしょうか。ティーンエイジャーの娘リラが、リムリック市にあるショッピングセンターに友だちと一緒に買い物に行きたい、車で連れて行ってと言うので、女の子二人を後部座席に乗せて高速道路を走らせ行ってきました。「みーんなが買い物に行ってる人気のモールなんだよ」大型駐車場に車を停めて中に入ると、なるほど服やアクセサリーなどを扱うお店がずらり。カフェや食材店なども入った複合施設といった...

  • 羊からセーターができるまで

    見て見て!今年の冬の編み物プロジェクトの一つ、パットさんのための手紡ぎセーターがやっと完成しました~。使ったウールは、去年の夏に紡ぎの会のメンバーを通して購入した、ロムニーという品種の羊の毛。羊さんたちは私の住むクレア州のお隣、ティペラリー州のロイさんという羊農家で飼育されているそうです。正真正銘、アイルランド産のウール。ロムニーは毛が長く、白やグレイ、黒など色もバラエティーに富んでいて、昔から良...

  • 未来のために、ゆっくり行こう

    小学生の頃、テレビでアメリカの人気子ども番組「セサミストリート」をときどき観ていました。その中で、子どもたちがでこぼこの山道のようなコースをマウンテンバイクで競争する、というものがありました。自転車競争というと普通は誰が一番速いかという勝負を連想しますが、この自転車競走は「誰が一番遅くゴールできるか」という逆の発想で、子ども心ながらに「へえー、おもしろい」と感心し、今でも鮮明にこのエピソードを覚え...

  • ノエルさんはクリスマス生まれ

    12月も半ばを過ぎ、いよいよ来週はクリスマスですね。アイルランドでは、通りで知り合いに出くわすと「Happy Christmas to you」、「Many happy returns」というこの時期特有のあいさつを交わすのが流儀となっています。そんなクリスマス目前の本日、せっかくなのでクリスマスにまつわるお話を一つご紹介したいと思います。皆さんのお知り合いや著名人に「ノエルさん」という名前の方はいらっしゃいますか。アイルランド人に限らず...

  • 鼻をかむアイルランド人

    鼻をかむ。いよいよ寒くなってきたこの季節、よく見られる光景ではないでしょうか。必需品のポケットティッシュで鼻をかんではティッシュを捨て、かんでは捨て・・・。しかしこれ、アイルランドではやや事情が違います。鼻をかむという行為は多くの国に共通して存在しますが、アイルランドではまずこれが二派に分かれます。ずばり、ペーパー派とハンカチ派。「えっ、ハンカチで鼻をかんだらそのハンカチどうするの?」「どうやって...

  • 再び。この冬紡ぐぞ、アルパカウール

    11月も半ばとなりました。日本もずいぶん寒くなってきたのではないでしょうか。私にとって、夏はもっぱら畑で自分たちが食べる野菜を育てる季節。日が短く天気の悪い冬は、家の中で毛糸を紡ぎ、編むという手仕事に没頭しています。家族のためのセーターも編んでいますが、私がアイルランドの毛糸販売をしているCreema(クリーマ)さん、そしてアイルランドの毛糸を使った作品を出品しているハンドメイド通販 iichi(いいち)さんを...

  • 一本の梨の木から

    我が家の庭に、一本の梨の木があります。地域にあるIrish Seed Saversに勤めていた友人が、何年も前にくれた梨の木です。「何かの病気にかかっていて販売できないから。でもいずれは回復して健康な木になると思う」ということで、畑の隅にあるコンポスト置き場の横に、パットさんが植えました。友人の言った通り病気は1~2年で消滅、それからは毎年ぐんぐん枝を伸ばし、秋になると見事な梨をたくさん実らせてくれます。「たくさん...

  • アイルランドの床屋さん

    12歳になる息子のショーンは、2年ほど前から床屋さんに行くようになりました。それまでは自宅でパットさんがショーンのヘアカットを担当していたのですが、「ほかの子たちと違う」だの「長すぎる」だのと不平を言うようになり、髪を切る日になると必ずと言っていいほど親子でけんかモードです。仕方なく、親しくしているママ友さんに「ねえ、近くでおすすめの理髪店があったら教えてくれない?」と訊いてみると、「エニスに行けば...

  • くり抜いたら。種まで食べよう、かぼちゃ。

    いよいよ明日はハロウィーンですね。ハロウィーンは、ここアイルランドでも古くから伝わる年間行事です。不定期便で過去にハロウィーンに関する記事をいくつか書いています(「ハロウィーンはアイルランドが発祥?」、「ケーキの中の指輪」、「11月は死者の月」などなど)。今日はちょっと変わって、今やハロウィーンの代名詞とも言えるかぼちゃ、それもかぼちゃの種をおいしく食べる方法をご紹介したいと思います。ハロウィーンの...

  • プラスチックはもうたくさん!

    私にとって、日々の暮らしの中で常に悩みの種となっているのがプラスチックです。ここ数年世界中で深刻な環境問題として取り上げられているプラスチックは、私たちの日常生活で見かけない日はありません。なるべくプラスチックでできたものは買わないようにしていますが、それでも私の脇をすり抜けて我が家に入り込むさまざまな形状をしたプラスチック。数年居座るプラスチックもあれば、わずか数時間でごみ箱行きのプラスチックも...

  • 裏庭でハリネズミを発見!

    つい先週のことです。外でハーリングの練習をしていた息子のショーンが裏口から顔だけ出して、「マミー、サム(犬)がさっきからずっと鳴いてるの、聞こえるでしょう?裏庭の木に向かって吠えてるんだよ。木の上に猫がいるのかと思って見てみたんだけど何もいないんだよね。なんだろう?」我が家の犬サムは、飼い猫たちと追いかけっこをするのが大好きです。一方的に追いかけまわしているのではなく、時には猫がサムを追いかけてい...

  • アイルランドでお味噌、できました。

    発酵食品が、今世界中で注目を集めていますね。腸内の環境を整え、私たちが本来持っているはずの免疫力を高めてくれると言われています。花粉症や食物アレルギー、アトピーなどの症状を抑える効果もあるそうです。私はアイルランドに暮らしながら、自分で作った酵母を使ってパンを焼いたり、身の回りの花やベリーを発酵させて自家製ワインを作ったりと、発酵という過程を利用した飲食品作りを楽しんでいます。今回は、お味噌。そう...

  • 友人から、羊毛のプレゼント その2

    そんな経緯から、音楽仲間で農夫のマークからプレゼントされたサフォークという品種の羊の原毛。紡いだ結果から先にご報告してしまうと・・・立派な毛糸になりました!確かに決して柔らかいとは言えないタイプの毛糸ではありますが、我慢できないほどの肌触りでもありません。私が一番最初に自分の手紡ぎ糸で編んだ、自分用のセーター(下に掲載した写真で私が着ています)と同じぐらいのかたさです。レッグウォーマーや何かのカバ...

  • 友人から、羊毛のプレゼント その1

    アイルランドには羊がたくさんいます。その多くは食肉用で、羊農家さんが好んで飼育する羊の品種というのも、だいたい決まっているものです。残念ながら、これらの羊の毛は私たちが肌にまとうウール製品にはならないというのが一般的な認識です。アイルランドの食肉用羊の毛は短く、そもそも紡ぐのに不向きです。また、せっかく紡いで糸にしても肌触りはかたく場合によってはちくちくして、とてもじゃないけれどマフラーや帽子とし...

  • たくさんの大人に囲まれて

    「ソフィー!馬が来るから下がって下がって。私と手をつなごう」数年前から参加し、毎月活動をしているガーデンクラブに行ってきました。日本から来ていた母も「面白そう、行きたい」と言うので、今日はみんなでシェアをするランチを二人分持って出かけることにしました。フィークルの村の反対側に暮らす家族が経営する、大農園での作業です。普段はホストが希望する作業内容に合わせて、持参する園芸用具をあらかじめ言い渡される...

  • 自家製サラダはミックスで

    夏によく我が家の食卓にのぼるグリーンサラダ。常に作り置きしている自家製のドレッシングと共に、いつもおいしくいただいています。レタスはもちろん畑で収穫したもの。ビニールハウスがあるので、夏だけでなく一年中新鮮なサラダを作ることができます。レタスと言えば、日本ではアイスバーグという品種のレタスをよく見かけるようです。大きなヘッドの、パリパリとした食感のレタスですね。でもレタスって、実は驚くほどたくさん...

  • 捨てない。直して使おう

    数年間使っている砂糖入れ、シュガーポットのふたが割れてしまいました。以前にも一度同じところが割れて、その時は接着剤でどうにかくっつけました。割れた部分はひびのように残ってしまい、決してもとの美しい状態には戻りませんでしたが、それでもふたとしてはちゃんと機能していたので使い続けていたのです。今回は小さな破片がいくつもあります。これをくっつけるのは至難の業・・・もう修正不可能かも。そもそも、このシュガ...

  • 子ども時代の記憶。自分を作るもの

    私は神奈川県横浜市北部の団地で育ちました。緑のあふれる住宅地で、子どもの頃は近所の子たちや同級生らと一緒に、自転車に乗っていろいろなところに行ったものです。親が付き添うなんていうことはもちろんなく、むしろ私たちがどこにいるかを知っている親は、当時いなかったのではないでしょうか。小学校の後ろにあった、マムシの出る「裏山」。ナマズのいる池がいくつもある早野、竹林に入ってたけのこを見つけたり、おたまじゃ...

  • 友人に編む手紡ぎセーター

    今年の3月にようやっと仕上がった、初挑戦のアイスランドのセーター、ロピ。その後もお気に入りの一枚として大活躍しています。編み込みが胸元にあるからなのか、とにかくあたたかいセーターで、着こめば着こむほど私の体型になじんでくる気がします。編みかけのこのセーターが、我が家に来ていた友人の目にたまたま留まったそうなのです。普段は連絡などし合わない彼女から突然電話をもらい、早口で「エリカの紡いだ毛糸でセータ...

  • 地域に暮らすということ

    隣人が数週間前に転んで足を骨折してしまいました。地域看護師さんがシャワーを手伝いに来てくれたりしているようですが、一人暮らしなのでちょっとしたことにも難儀するようです。私たちもひんぱんに彼女の家を出入りしては、手を貸しています。「数日前からひどい頭痛なのよ」という隣人、「行きつけのお医者さんに薬を出してもらったのだけど、それを車で取りに行くなんてこと、エリカに頼んでもいい?」と電話があり、今朝ひと...

  • これも食べちゃおう。ゼンマイ

    いつか、誰かから「アイルランドのゼンマイも食べることができる」と聞いたことがありました。私は日本の住宅地で育ったのでいわゆる「山菜」というものが身近になく、テレビのニュースで山菜狩りを旬の行事として見る程度でした。ですから、「ゼンマイ」という食べ物も聞いたことはあったし、大人になってからはそれがシダ植物の新芽であることも理解はしていたのです。アイルランドの田舎に暮らして15年。アイルランドは雨量が多...

  • 野菜を買わずに越した冬

    今年もツバメが帰ってきました。畑で仕事をしていたら、初めてカッコーを聞きました。長い冬が終わりを告げ、アイルランドに春がやってきました。この冬、我が家は初めて野菜を買わず、初めて自分たちの畑の野菜だけで乗り切ることができました・・・!私たちにとって、これはとても意味のあることです。それも、我慢をして辛抱して乗り越えたというより、あっさりとできてしまったのです。長年この土を耕し、肥やし、つながってき...

  • 事件の報道に思うこと

    今週はどんな記事を書こう?畑のこと、紡ぎのこと、新しいレシピや週末のこと?書きたいことはいつも山ほどある、私の暮らしです。書きかけになったままの記事もたくさん眠っていて、ときどきそれを掘り起こしては新たに書き直すこともあります。何年も前の下書きだったりすると、言っていることがあいまいだったり今の私とはまるで違うものの考え方だったりして、人というのはいくつになっても少しずつ成長しているものなのだなあ...

  • スイバを摘んで、サラダにしよう

    スイバ?何それ?なじみのない名前です。私も今回記事を書くまで、この日本語名を知りませんでした。英語ではSorrel(ソレル)。いくつか種類があるようですが、中でも定番のCommon Sorrelは、私たちの家の周りでも簡単に見つけることができます。スイバは、食べられる野草です。日本では野生のスイバの新芽をとって食べるそうです。春の山菜のひとつですね。アイルランドでは、ピューレにしたり魚料理の添え物にしたり。初春のス...

  • 一冬一着、手紡ぎ&手編みのセーター 後編

    きれいな色模様の入ったヨークが特徴のアイスランドのセーター、ロピに初挑戦して編んだのが去年の冬のこと。時間をかけて編みこんだヨークの寸法に誤差があり、これではだぼだぼでとても着れないということが判明しました。リビングルームのカウチに放置されていたセーターを、ちくっ、ちくっと胸を刺す罪悪感にかられながらも知らんぷりをしていた私ですが、さすがに次の冬がやって来るとそろそろいい加減自分の怠惰な性格を呪い...

  • 登ってきました、クレア州で一番高い山

    本の編集の仕事で缶詰めになることが多かった1月が、過ぎていきました。慣れない作業にもかかわらず、少しもストレスを感じることなく、むしろ楽しんで本作りを進めることができました。これはひとえに理解ある編集者さんのおかげです。本を読んでくださった皆さんから、少しずつ感想が届いています。これがとても嬉しく、私の日々の糧になっています。何という幸運に恵まれたことでしょう。ありがとうございます。ホッと一息つく...

  • 望月えりか 初の著書「見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし」刊行です

    はい。タイトルの通りでございます。なんと。突然のお知らせとなりますが、このたび私にとって初の著書が刊行されることになりました・・・!見飽きるほどの虹 アイルランド 小さな村の暮らし 望月えりか著 (出版舎ジグ)出版してくださったのは、生まれたばかりの出版舎ジグさん。編集者の女性からお話をいただいてから本の刊行に至るまで、実に膨大な作業を一つ一つこなしながらの長い道のりでした。本の出版は、私にとって初...

  • 一冬一枚、手紡ぎ&手編みのセーター 前編

    ここ数年、冬になるとセーターを編んでいる私。一冬に一枚は作っているのかもしれません。パットさんに編んだりもしますが、セーター編みの技術をもっと磨きたいと思っている私は、一にも二にも自分用のセーターばかりを編みます。まだ他人に編めるだけの経験が伴っていないと感じるのと、まずは自分で試着をし、着心地を確認したいからなのです。ちょうど快適と感じる袖の長さや首回り、胴の幅や脇、丈などは、日々着続けることで...

  • アイルランド産。天然のりのおすそ分け

    アイルランドは、ご存知の通り日本と同じく島国です。大西洋に浮かぶアイルランドは豊かな海に恵まれ、海岸沿いの地域ではシーフードを使った料理が多いものです。魚や貝だけでなく、アイルランドではここ数年で海藻もまた注目されるようになってきました。食用だけでなく、化粧品の原材料などとしても使われているようです。ずいぶん昔、ある友人が海藻狩りに連れて行ってくれたことがありました(「いざ、西クレアへ海藻狩りに」...

  • ショウガを知らない義弟

    アイルランド島には32の州があります。「県」と訳されることもあるので、都道府県のようなものと考えてよいでしょう。さらにはこれらを地域別に分ける呼称があり、これは関東とか関西、東北、北陸、四国地方と似たような意味合いで使われています。私たちの暮らす州はクレア州(County Clare)で、クレア州はアイルランド南西部のマンスター地方に入ります。首都のあるダブリン州のある島の反対側、アイルランド東部はレンスター地...

  • 価格競争しないで!「義理」の山で越える冬

    毎年、冬支度の季節になると我が家は家をあたためる燃料となる薪を調達します。私たちの土地に植えてある木々の剪定で出る枝のいろいろや、家の敷地内でとれる薪もありますが、まだ一冬を越せるほどの量ではないので、たいていは薪を販売する地域の農家さんなどから購入しています。近くに住んでいる人たちなので、特大のバッグに入った薪を家まで配達してくれ、助かります。今回は、いつもの農家さんからではなくちょっと新しい人...

  • りんごのお酒、できました

    この前の秋に初めて仕込んでみた、りんごのお酒、サイダー(シードル)。(その時の様子はこちらの記事→「自宅のりんごでサイダー(シードル)作り」)サイダー作りは、ワインのように何か月もかかるわけではないのよね、数週間で飲めるのよね、ということはあらかじめ分かっていたのに、クリスマスが終わった頃にハッと「あれっ、そういえばサイダーどうなってる?!」最初は心配になるほどの勢いで発酵し、ガスをぽこぽこぽこぽ...

  • 手紡ぎ毛糸でいっぱいのバスケット

    この冬、アイルランドは暖冬です。霜の降りるような朝も11月までで、それからは日中13~14℃という気温。厳しい寒さとは無縁です。それどころか、木々や植物たちも困惑しているようで、ブラックベリーの花が咲いていたり、新芽の出ているメープルの木があったりします。このまま春がやって来るのでしょうか。さて、私の冬の手仕事といえば糸紡ぎと編み物。編み物は、おかげさまでiichiさんで出しているハンドメイドのお店を通してク...

  • ゆっくり、Humbleに。

    あけましておめでとうございます。アイルランド不定期便読者の皆さま、お元気でいらっしゃいますか。先月先々月と多忙であったり不安定な時期で、こんなに不定期便をお休みしてしまったのは初めてかもしれません。さっきページの確認をしたら、1ヶ月以上更新されていないとのことで広告が出ている始末。すっかり寂れた格好となってしまいました。元旦の夜にこの記事を書いていますが、新年に向けての抱負などがまったくない私。目...

  • 手作りの馬小屋の結末

    リラの乗馬のためにポニーを飼い始めたのは2015年のこと。もうあれから3年も経つんですね~、あっという間です。ポニーを迎える準備の一つとして、冬場に雨風をしのぐ馬小屋があるといいのではないかということで、パットさんが冬の冷たい空気の中せっせと作業していたのを思い出しました。セメントを買ってきて水と混ぜてコンクリートを流し込み、骨組みを立てて屋根をつけて・・というもろもろの作業をすべて一人でこなすパット...

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