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きくちゃん
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住所
東村山市
出身
小金井市
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2013/04/27

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  • わかちあう

    こちらも柳瀬川沿いの桜並木。右手前にお花見の席取りのシートが置いてあります。小道の奥には小さくなってしまいましたが、人が写っています。カメラを向ける奥様と、その旦那様でしょうか。東京都写真美術館で木村伊兵衛の没後50年を記念した写真展を開催中(5月12日まで)です。観てきたのですが、実に人々の表情が生き生きとしています。さりげなくて、誰もポーズをしていなくて。それで思ったのです。ああ、人を写すのもいいなあと。なのでこれからの写真には人が入ってくるかもしれません。さりげなく。わかちあう

  • 新学期、今年は何をしましょうか?

    こちらは、お隣の清瀬市にある柳瀬川沿いの桜並木。この季節、ここを走るのは格別です。この土日で春休み終わりという方々も多いのではないでしょうか。いくつになっても気が引き締まる思いです。やるべきことは明確になっています。とにかく、小説を仕上げる!今年度中に、必ず。次の作品の準備もしていたい。来年の今頃どうしているか、胸に思い描いて走り抜けました。新学期、今年は何をしましょうか?

  • たくましく

    こちらは市内(東京都東村山市)にある多磨全生園内のさくら公園。奥の建物は、国立ハンセン病資料館です。右手前のさくらは、毎年見ずにはいられない古木。見るたびに感動します。今年は新芽を出していた!たくましく

  • 今年もやってきたよ

    近くの川沿いの公園で。今年もやってきたことを告げるように、枝先が私に向かって伸びていました。今年もやってきたよ

  • 祖さまの草の邑

    石牟礼道子さんの詩集。タイトルは、「おやさまのくさのむら」と読みます。祖さまというのは、連綿と続いてきた命そのもののことかもしれません。生き物のそれぞれが音を持っている。耳を傾けることのできる人は、自然の交響曲を楽しむことができる。この辺りの描写は、ミヒャエル・エンデの「モモ」(岩波書店)を思い出しました。マイスター・ホラに連れられて、モモは「時間の花」を見ます。そこでは豊かな音楽が流れていました。人々は、自然の中で生きていました。そこに「会社(チッソ)」がやってきた。護岸工事をし、渚をコンクリートで固めてしまった。渚は、海と陸とが呼吸をするところ。小さな貝たちや、タコの赤ちゃんたちがたくさんいた。近代化の名の下に、壁を作っていったのは人間。電気に化学肥料にビニール。どれも欠かせなくなった。一方で、不要と...祖さまの草の邑

  • なみだふるはな

    作家の石牟礼道子さんと写真家の藤原新也さんの対談。対談されたのは2011年6月13日からの3日間。熊本市の石牟礼さんの自宅で。この本が刊行されたのは2012年3月。東日本大震災から1年を待っていたかのように。昨年、熊本城マラソンに参加しましたが、泊まったホテルのすぐ近くにあった古書店・舒文堂(じょぶんどう)河島書店で入手しました。私もまた1年寝かせていました。再び3・11が巡ってきて「読もう!」と思い立ちました。読み進めていくうちに、閉塞感が募っていきます。歴史は繰り返す。水俣で起きたことが、そっくり福島でも繰り返されて。どのようにして水俣病を発生させた会社「チッソ」が水俣に入ったのか、石牟礼さんの語りによって解き明かされていきます。まずは「電気」だったそうです。それは会社のための電気(チッソははじめ水力...なみだふるはな

  • もう一年

    この写真は、2022年11月7日、宮城県気仙沼市の大島にある亀山山頂から撮ったものです。今年も3.11が来ました。もう13年になりますが、あの日は昨日のことのようです。その日を意識し始めると、変に肩に力が入って、鼓動も早くなる。落ち着かなくなって、書きたくなります。様々なことを思い出します。現地に行って撮った写真も見返していました。この写真の左手前の砂浜は田中浜、その上は小田の浜、田中浜の右側にある湾が浦の浜です。田中浜から上陸した津波は、坂を乗り越え、浦の浜からの津波と合流したそうです。浦の浜近くで料理屋を営んでいた私のおじさんは、間一髪で津波から逃げることができました。お店の片付けをしていたと言います。山に逃げていた人に声をかけられて、助かりました。しかし、災難はそれだけに止まりませんでした。気仙沼湾...もう一年

  • 怪談

    この本が読みたくなったのは、毎日新聞の連載「没後120年・八雲を探して」を読んで。有名な「雪女」は、今の東京・青梅市の百姓が八雲に語った話で、意外と近いじゃんと思ったり、島根県・松江の海沿いにある自然洞窟に亡くなった子たちが集まっているという話が今でも伝わっていたり。その連載でも紹介されていましたが、八雲の夫人・節の話にも興味が湧きました。私が本を見ながら話しますと、「本を見る、いけません。ただあなたの話、あなたの言葉、あなたの考でなければ、いけません」と申します故、自分のものにしてしまっていなければなりませんから、夢にまで見るようになって参りました。229ページ15行-230ページ3行八雲は、聞いた話をただそのまま書き写していたのではありませんでした。換骨奪胎というのでしょうか。どこにでもあるようなちょ...怪談

  • 牧野植物園

    高知3日目は、牧野植物園へ。その日は朝から細かい雨が降ったり止んだり。高知は多雨の街でもあります。バスで行くのですが、これも予想を超える激坂。五台山にあるのですが、完全に山道です。一方通行で、バスだと道幅もぎりぎり。運転手さんたちの仕事があってこその旅だと、改めて感じました。門を入ると、もう植物を紹介する案内板が所狭しと立てられています。一つ一つ、丁寧に。全部読んでいったら、とても時間が足りません。その中でも目についたのがこちらです。バイカオウレン。牧野さんの生家の裏庭に生えていたそうで、ふるさとを思い出させる特別な植物であり続けたそうです。順番に植物たちを眺めながら、チケットを買って、いよいよ植物園の中へ。まず「こんこん山広場」という頂上付近に上がって眺望を楽しみます。次に降りて少し行くと「土佐寒蘭セン...牧野植物園

  • 高知龍馬マラソン

    11回目のフルマラソンは高知龍馬マラソン。スタート時は曇りでしたが、後半ほど晴れ渡り、予想通り気温が上がりました。海に出るまでは順調でした。でも、走って3キロほどでもう汗が出ていたので、水分補給はしっかりと意識して。海に出るまで4つくらいでしょうか、トンネルを潜りました。トンネルの中はひんやりとしていて快適でした。20キロ付近、1番目の難関が現れました。浦戸大橋です。警戒はしていましたが、想像を超えていました。まだ上がるんかい!今まで経験したことのない角度と距離。約50メートル、急な上りが続きます。歩いていたランナーもちらほら。しかし、私は根性で走り切りました。私は粘り強いタイプ(良くも悪くも)ですから。頂上では太平洋が一望できます。下りると、海岸沿いの道を西へ。海岸沿いにも応援の方達が切れ目なくいてくれ...高知龍馬マラソン

  • 高知へ

    高知に行ってきました。写真は高知城です。初めての四国でもありました。行きは新幹線とバスで。岡山から「龍馬エクスプレス」という高速バスに乗り換えます。今かな今かなと地図を見ながら、お目当ての一つであるものがついに現れました。瀬戸大橋です。写真は瀬戸大橋から見た瀬戸内海。不思議ですよね。山なのです。なのに海。後日少し調べました。今から約1400万年前、「瀬戸内火山活動」と呼ばれる短期間の激しい火山活動がありました。そのとき噴火したものが山となって残っている。さらに約300万年前、四国を南北に分ける中央構造線が横に動いたため、横ずれの「しわ」として隆起したところが後で島になった。今の瀬戸内海となったのは約1万年前と言われています。瀬戸大橋を渡っていよいよ四国の香川県へ。山々を縫うように西へ。愛媛県に入って、大き...高知へ

  • シェイクスピアの記憶

    「ボルヘスは旅に値する」と言われます。最晩年の作品を読み、訳者の丁寧な解説と著者の言葉を聞いて、その意味が私なりにわかってきました。著者は常々こう言っていたそうです。「書いたものよりも読んだものを誇りたい」さらにはこんなことも。「私も書くことでだいぶ救われました。惨めな気持ちが癒やされました。ですから、私の書いた作品は全然文学的価値がなくても、私には大いに役に立ったんです」この言葉を聞いて、私も救われました。そうだ、そうだ。書いたものより読んだものを誇りに思う。まるでイチローみたいじゃないか。3割のヒットより7割のミスを誇りたい、というような発言を思い出して。ボルヘス自身、自分の降りかかった不幸を嘆いてもいます。政治的なことだったり、目が不自由になったことだったり。それでも彼はそれらの不幸を「人間ならだれ...シェイクスピアの記憶

  • 変化は痛みを伴う

    昨日は関東も大雪でした。仕事で、帰りの電車は少しずつしか進みません。通常の2倍はかかったでしょうか。今日は、もうずいぶん雪も溶けています。車を出すのも問題はなさそうです。写真は先日の晴れの日のものです。年末年始の書店は大忙しでした。それだけお客さんが来てくれたので良かった。とは言え、疲れます。冬休みが終わってひと段落したころ、やっと温泉だ!と喜んでいつものところに行きました。温泉と岩盤浴と。美味しいものもいただいて、ゆっくりと心身を温めてほぐして伸ばして。はあー疲れとれたー。でも次の日、右ふくらはぎが痛いのです。それは秋からの古傷でした。11月5日の東北・みやぎ復興マラソン。その前の練習から右ふくらはぎを痛めており、レース当日、20キロ手前の陸橋を登っているとき、「ブチッ」と言いました。あの恐ろしい音は今...変化は痛みを伴う

  • いちばん長い夜に

    仙台の3・11メモリアル交流館で出会った3冊目。前科があり、刑務所での刑期を終え、出所後、再会してはいけない規則を破って再会し、東京の根津でひっそり身を寄せ合って暮らす芭子(はこ)と綾香の物語。連作の短編集で、シリーズとしては三作目のようですが、この本だけでも十分楽しめました。綾香は40代後半、芭子は30代入ったばかり。綾香はパン職人として自立するために街のパン屋で朝早くから働いている。芭子は、なかなか進路が定まらなかったけど、祖母の残した古民家で、あそこ(刑務所)で身につけた裁縫の技術を生かし、ペットショップで働きつつ、ペット用の服をオーダーメードで作る仕事を始めていた。世間知らずの芭子に、元主婦でもあった綾香は料理や身の回りのことや銀杏のことなど、教えられることはなんでも教えていた。綾香があっての芭子...いちばん長い夜に

  • また次の春へ

    明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。と、言っておきながら、気持ちは沈みます。「明けなければよかった」と、思っている人たちもいるでしょう。正月の16時に震度7とは。翌日に羽田空港での事故。震災がなかったら。なぜ、私が?こんなとき、田村隆一の詩の一節を思い出します。「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」(「帰途」の冒頭です)人は言葉を覚えたから、意味を探す。でも、その地震は言葉を持っていない。人は、物語っていくしかない。語って語って、やっと受け入れ難いものを少しずつ消化していく。言葉があるからこそ苦しみ、言葉があるからこそ救われる。実際には、言葉にできないことの方が多いかもしれません。それでもアートやスポーツや、あらゆる手仕事に、気持ちを託すこともできます。この本は、年末に少しずつ読んで...また次の春へ

  • 小さな幸せ

    先週の土曜日、朝7時半くらいでしょうか、起きると世界が回っていました。左から右へ、エンドレス。何とかトイレは済ませましたが、立っていられません。気持ち悪くもなり、また横になる。気持ち悪さがすぎると、冷や汗が。それもすぎて落ち着くと、無性に眠くなって眠る。それを5回くらい繰り返したのでしょうか。やっと起きて歩けるようになったのは13時を過ぎていました。お腹は減っているのですが、ほとんど食べられず(トマトとりんごは食べられました)、14時過ぎに病院へ。めまいでした。月曜の午前に耳鼻科にも行き、いくつか検査してもらいました。結果、「良性発作性頭位めまい症」とのこと。耳にある「耳石」というカルシウムの小さな粒が剥がれ落ち、三半規管に迷い込むことで生じます。原因はよくわかっていませんが、年のせいとも、ストレスのせい...小さな幸せ

  • 潮の音、空の青、海の詩

    この本は、「せんだい3.11メモリアル交流館」で出会った一冊です。「せんだいメモリアル交流館」は、地下鉄東西線荒井駅と隣接しています。2度目の訪問でしたが、早朝に出発していた今回は時間に余裕があり、館内を見回すことができ、この本棚を発見することができました。その後、仙台の大学の先輩が営業している古本とコヒーのお店「マゼラン」で上の写真を見せると、「潮の音、空の青、海の詩」はあるとのこと。ただし、仙台の老舗の書店「金港堂」で開催されている古本市に、売れてなければ。で、歩いて金港堂へ。ありました。そんな流れで出会って、手に入れた本。旅に出たからこそ出会えたと言えます。たぶん、まだ文庫になってないから、その存在自体を知りませんでした。熊谷さんの作品はよく読んでいるのに。仙台から帰って、読みかけの本を読み終えてか...潮の音、空の青、海の詩

  • 水深五尋

    第二次世界大戦下のイギリスの小さな港町が舞台。16歳のチャスは、港で行われている戦闘に興味津々。港には大砲とサーチライト。湾には護衛船団にタグボート。それに、重要な貨物を積んだ船を狙い撃ちにするドイツのUボートと呼ばれる潜水艦が潜んでいる。そのUボートがくせもので、なかなか捕まえることができず、貨物船を沈めらているイギリス側は頭を悩ませていました。あるとき、チャスは川岸に打ち上げられた不審なボウルを発見する。自宅に持ち帰って調べると、暗号らしきメモとバッテリーと時計と発信機が入っていました。チャスは、この発信機の入ったボウルは、スパイが川に流して、Uボートに機密情報を伝えていたのだと推測します。チャスは、まだ16歳だけど、だからこそなのか、対ドイツの戦いに勝つために貢献したくて仕方ない。だから彼は、スパイ...水深五尋

  • 東北・みやぎ復興マラソン2023

    記念すべき、10回目のフルマラソンでした。ちょっとおさらいしてみたら、実は11回目の参加でした。というのは、一度だけ、完走できなかった大会があります。2015年の「さいたま」でした。埼玉から世界へ、と大会は高らかにうたっており、関門の制限時間が厳しかったのです。私は確か、35キロ付近でしたか、突如現れたバリケードによって、人生初、無念の強制DNF(DONOTFINISH)。屈辱的な出来事は、思い出したくないのかもしれません……。さて、当日は曇り、気温は15度くらいで湿度が80%。北西の風が2メートルくらい。走りやすかったけど、湿度が高かったのですぐに汗をかきました。汗をかいたのは、湿度のためだけじゃありません。実は、足を痛めていたのです。いつ痛くなるか、ヒヤヒヤしていました。右のふくらはぎ。当日は痛みはな...東北・みやぎ復興マラソン2023

  • 2度目の荒浜へ

    昨年の5月に続いて、2度目の宮城県仙台市、荒浜へ。昨年は海からの風がものすごくて、時間もあまりなく、急足になってしまっていました。今回は昼には入って、じっくりと見て、聞いて、感じ取ることができました。風は穏やかで、ほんの少しの小雨程度。写真は、荒浜の海です。とても美しかった。荒浜小学校の中も、改めて、じっくりと。明治時代から、140年以上もの歴史がある荒浜小学校。荒れる海は豊かな漁場。松林にはキノコがたくさん生え、貞山堀と呼ばれる運河にはシジミがいっぱい。江戸時代、侍たちが開拓した農地にはコメも実った。先祖への感謝の思いを新たにし、未来への希望を込めた祈りを捧げる灯籠流し。深沼海水浴場には多くの客たちであふれた。独特の文化を築き上げ、活気と人情に満ちた町。7メートルの津波。やっぱり信じられませんが、この震...2度目の荒浜へ

  • 思考の取引 書物と書店と

    昨日の10月27日から読書週間が始まりました(11月9日までの2週間)。合わせて神田古本まつりも開催されています(11月3日までの1週間)。読書週間は、1947年から始まっているそうです。戦後の混乱の中、「読書の力によって平和な文化国家を作ろう!」と、出版社、取次、書店、図書館、新聞に放送も協力して始まりました。今では文化の日を中心として前後2週間となっています。神田古本まつりも、今年で63回を数えます。「読書の力によって平和な文化国家」は、作られてきたのでしょうか?少なくとも、日本で戦争は起きていません。でも、平和を作るのも保つのも発展させるのも、多くの人たちが汗をかいて働かないことには実現しません。油断していれば、あちこちで紛争は起きます。ヘルマン・ヘッセという作家。この人は私にとって、夏目漱石ととも...思考の取引書物と書店と

  • コメンテーター

    伊良部シリーズは17年ぶりになるのですね。「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「町長選挙」(いずれも文春文庫)。「空中ブランコ」で直木賞を射止めています。伊良部は精神科医。得意分野はパニック障害や社交不安障害、広場恐怖症などの神経症全般。前三作は読みました。電車で笑ってしまった唯一の小説かもしれません。新作を見かけるなり「買う」と即決していました。伊良部も進化していました。伊良部だけでなく、看護師のマユミも。伊良部は、さらに肥えていたかもしれません。行動療法のプログラムを組むと言っては、患者たちと外に出かける。喫煙場所ではない場所でタバコをふかす人に注意せよ、とか、狭い場所に長時間いることができない人をヘリコプターに乗せて飛ぶ、とか、特定の人と関わることが怖い人たち(男子たち)にコスプレ(メイドカフェの衣...コメンテーター

  • 踏切の幽霊

    「幽霊塔」に続いては、「踏切の幽霊」。先の直木賞候補作。残念ながら受賞には至りませんでした。というのは、著者の「幽霊人命救助隊」(文春文庫)を4年半前に読んでおり、感動していたから。その本は、今でも働く本屋で売り続けています。今回は、正直、前回よりも「感動」はしなかった。感動するのは、おそらく、自分を作る大事な一部と重なるから。その意味で、この作品は、どうも共感できるところが少なかったように感じました。それが直木賞受賞作との差なのかはわかりませんが。下北沢付近の踏切内に幽霊が現れ、よく電車が急ブレーキをかけて止まっていました。その原因を探るべく、新聞記者から妻の死をきっかけに女性誌記者へと転職していた松田が担当になる。妻の死への自責の念を持ち、人生にやる気を失っていた松田は、妻が今も自分の近くにいる証を求...踏切の幽霊

  • 幽霊塔

    江戸川乱歩は、小学生以来でしょうか。映画「君たちはどう生きるか」に導かれて。表紙の女性、映画に出てくる夏子にそっくりです。幽霊塔とその前の沼も。幽霊塔では、この女性、秋子と言います。夏子も出てきますが、この女性とはまるで違うような醜さとなって。宮崎監督の漫画が、最初から16ページ載っています。そこに描かれていますが、幽霊塔は、江戸川乱歩の前に黒岩涙香(るいこう)が描いていました。その涙香も、イギリスのウイリアムソンが描いた「灰色の女」を元にして日本に合うようにして紹介していました。この辺りはゲーテの「ファウスト」に似ています。ファウストも、元々はよく舞台で演じられていた演目をゲーテが自分流に料理したものでした。宮崎監督の印象的な言葉がありましたので引用しておきます。漫画の最後のページです。「みたまえ、幽霊...幽霊塔

  • 西の魔女は死んだ

    もう少し梨木さんを読みたくなり、定番に手が伸びました。今年もですが、毎年夏に展開する「新潮文庫の100冊」の常連。この本が入らなかった年はなかったのではないでしょうか。この本には思い出もあります。私が池袋の本屋の人文書にいたとき、もう15年くらい前になりますが、そのとき一緒に働いていた同僚の一人に、この本を激推ししていた人がいました。そのときは「ふーん」くらいで読む気にはならなかった。15年も経てば、当時の書店のラインナップから消えていく本たちの方が多いかもしれません。でも、この本は生き続けています。文庫本として発売されたのは平成13年8月と奥付(本の一番最後のページ)に書いてあります。それからなんと100刷。100回増刷されています。平成13年は2001年のことで、今から22年前。当時、私は24歳で、大...西の魔女は死んだ

  • 僕は、そして僕たちはどう生きるか

    「君たちはどう生きるか」に続いて読みたくなった本。この小説にも「コペル君」と呼ばれる中学生が登場します。それだけでなく、著者の梨木香歩さんを読みたくなったのは、別冊太陽の「河合隼雄たましいに向き合う」を読んだからでもあります。この本に、梨木さんの文章も寄せられています。今日もそうでしたが、あまりにも暑くて疲れて何もする気がわかないとき、ぱらぱらとめくって好きなところから読みました。河合隼雄さんは、2006年の8月に脳梗塞で倒れられました。そのまま意識が戻らず、翌年の7月に亡くなりました。2006年8月は、このブログを始めたときでもあって、それからもう17年。この本と働く本屋で出会って、買わないわけにはいかなかった。それだけ私は河合隼雄の影響を受けていました。「影響を受ける」というより、こんがらがった自分を...僕は、そして僕たちはどう生きるか

  • 夏の思い出

    今、これを書いている机から、顔を上げればスーパームーン(今年一番大きく見える月)が、窓の外に見えています。見るたびに、少しずつ、右上に移っています。今年の夏、暑かった。都心での猛暑日は22回を数え、最多記録を更新中。それでも今月は83キロ走った。これは朝ランができるようになったことが大きいです。7時前くらいに出ても、気温27度、湿度90%だったりもしますが。今日は風が涼しく感じられました。ほんの少しだけかもしれないけど、確かに秋は近づいている。私は冬生まれ、東北人ということもあり、暑いのは苦手です。7月から8月は、ほんと魔のときと言ってもいいくらい。今年の東北に北海道も暑かった。まだまだ続いていますが、心身ともに堪えている人たち多いのではないでしょうか。私は都会の夏が本当に嫌いだった。私にとっての都会は、...夏の思い出

  • 君たちはどう生きるか

    映画「君たちはどう生きるか」を観たら、この本も読みたくなりました。再読のはずなのですが、細部を覚えておらず、記録にも残ってないので、20年近く前だったのかもしれません。こんなに泣ける話だとは思ってなかった。少なくとも3度はグッときました。この本の素晴らしいところは、コペル君と呼ばれる主人公が中学校生活を送る中で経験する出来事と、コペル君の語りを聴いて受け止めるおじさんの伝えたいことが見事に融合しているところです。そんな本は他にないでしょう。だから超ロングセラーとなって売れ続けています。基本的には、これからを生きる若い世代に「これだけは」伝えておきたい大切なことが詰まっています。何が大事なのかは、読むそれぞれの人が感じ取って、大事に育てていくしかありません。私がここでおせっかいにも「これとこれとこれ」などと...君たちはどう生きるか

  • ぼくは満員電車で原爆を浴びた

    今日はもう一冊。明日の8月6日は、78回目の広島原爆の日。当時11歳だった一人の少年が、原爆の爆破地点から1キロ以内にいたにも関わらず生き残りました。その人は米澤鐡志(てつし)さん。自身の体験を語り伝えてきました。その少年は路面電車に乗っていました。疎開先からお母さんとともに、広島の祖父母のところへ足りないものを取りに行くために。その日は月曜日で、仕事に行く人などで朝の路面電車は超満員だった。その真ん中付近で、彼は人々に埋もれていた。そのことが、彼を救うことになった。ピカッと光った後の静寂。静寂の後の地獄。35度でひいひい言っているのに、地面は3000度以上になったという。原爆は100万度。78年前、現実にあったことだけど、信じられない。信じたくもない。と思うから、歴史は歪曲されてきたのかもしれません。少...ぼくは満員電車で原爆を浴びた

  • 伝奇集

    精巧な、あまりにも精巧な作品集。こんなに完成度の高い短編を読んだことはありませんでした。著者のボルヘスはアルゼンチンの人。リョサもそうだったけど、南米の作家の描くものはちょっと違う。アメリカ、ヨーロッパから日本まで続くシルクロードから外れているからか、馴染みのない文体だったり構成だったりする。その違いが新鮮で、ときに強烈で、面白く感じます。ボルヘスの後に、ガルシア・マルケスだったりリョサだったりが続く。その意味で、ボルヘスは大事な人。この作品集は1944年に刊行されています。代表的と言われている「円環の廃墟」と「バベルの図書館」、さらに個人的には一番良かった「隠された奇跡」をそれぞれ2回読みました。読むたびに味わいが変わってくる。まるで万華鏡のよう。東京国立博物館で観た国宝たちも思い出しました。特に、「硯...伝奇集

  • 君たちはどう生きるか

    梅雨明けから猛暑日が続いています。みなさま、暑中お見舞い申し上げます。土曜は朝ラン。で、五時半には起きて、七時前から走り始めましたが、滝汗。10キロ走るのがやっとでした。家の近くには八国山という小さな山があります。山の中は緑がいっぱいで、尾根を中心に走ることもできます。夏場ほど、この山、森、木々のありがたさを強く感じます。強烈な日差しの下、火傷しそうなアスファルトの上を、木陰なしに走ることはもうできなくなってしまったから。その八国山は、映画「となりのトトロ」で登場する「七国山」のモデルです。監督の宮崎駿さんもその近くに住んでいらっしゃる。所沢、東村山界隈では、あちらこちらで監督の目撃情報がささやかれています。私にとっても、身近な創作者。1941年生まれなので父と同い年。で、私とは誕生日(1月5日)も同じで...君たちはどう生きるか

  • 緑の家

    作家が愛されるのは、作家が愛しているからだ、と、この長い小説を読み進むうちに思いました。愛された経験というのは忘れません。その人が亡くなっていたって関係ない。私の中では、ずっと、ありありと生きています。おばあちゃんとテレビで野球を観たことや、おじいちゃんが海で遊んでいる孫たちを見守っていたことや、おじさんがぶっ飛ばす小型の船に乗せてくれたことや、先生が私を受け止めてくれたこと、その他数え上げれば切りがありません。それらの決して消えない愛の一つ一つが、今の私を作っていると言って過言ではありません。作家は、作品を通じて、人々を愛している。登場人物に読者が感情移入するとき、その愛は読者に受け渡されている。そして読者の中に、大切な作品、大切な人物として残り、語り継がれ、生きていく。「緑の家」を読み始めたとき、戸惑...緑の家

  • 写真は今しか撮れない

    当たり前のことなのですが、「写真は今しか撮れない」のでした。今日、ふと思って、書いておきたくなりました。しばしば書いてきましたが、このブログが始まったのは、私のカウンセリングが終わるとき。カウンセラーを相手に充分に語り尽くして、表現の場を自分で作りたくて。そして、ブログとともに始まっていたのも写真でした。今はスマホで撮っていますが、かつてはデジカメ。初めてカメラを買って、撮りまくった。被写体は花が多かった。どうしてでしょう?これもカウンセリングが終わるとき、道端に咲いている花に気づいたのでした。今でも鮮明に覚えています。目白のカウンセリングセンターからおとめ山公園の脇を通り抜け、右手にあったマンションの生垣。鮮烈な赤だったので、おそらく椿だったのでしょう。その花を撮りたい!と強く感じたのでした。過去に縛ら...写真は今しか撮れない

  • 「本」ではなく

    この前の日曜日、働いている本屋でこんなことがありました。カウンター内のパソコンで作業をしていると、小学校低学年くらいの男の子が、ご両親に見守られながらおずおずと近づいてきました。「お問い合わせですか?」「『おばけずかん』を探しています」パソコンで確認してご案内。「この本で大丈夫?」男の子はかすかにうなずきました。「ごゆっくりご覧ください」ここまではよくある接客です。が、続きがありました。引き続きカウンターで仕事していると、さっきの男の子が本を持ってやってきた。何かと思って顔を近づけると、「見つかりました!ありがとうございました」「いやいや、こちらこそありがとう」そんな言葉を返して、その後1分くらい、にやにやが止まらなかった。うれしかったから。お客さんが探している本がどんな本であれ、出会う手伝いができたとき...「本」ではなく

  • ファウスト 第二部

    読み終わりました。大長編でした。マルガレーテを救い出せなかったファウストは、意気消沈しています。そんな彼の心をとらえたのが「美」でした。「美しさ依存症」のようになっていく。元々が完璧主義のファウストなので納得もします。美しさの象徴とも言える古代ギリシャの絶世の美女、ヘーレナを現代に呼び戻す使命を、そのとき仕えていた王様からファウストは受けます。メフィストフェレスの助力を得て、古代ギリシャの旅へ。そこは過去であり冥界。神々やメフィストフェレスの仲間や死んだのに生きている霊や、肉体を探し求めている人造人間がふらふら飛んでいたり。神話の世界から登場する固有名詞が多くて、ここは読むのも大変。が、ファウストは、へーレナを連れてくることに成功し、自分の妃として歓待する。やがて子供も生まれ、しあわせも束の間、その子は大...ファウスト第二部

  • 本物は解放する

    この前書いたら、もう一つ書きたいことが出てきたので書いておきます。それは、「本物は解放する」ということ。これが「使える知識」なのかは、よくわかりませんが、私が体験から学んだ「結晶化した知恵」のようなものです。特に、人間関係において、腑に落ちることが多いと思います。そもそも、何が「本物」なのでしょうか?揺るがない、たった一つである、にせ物や見かけばかりの物ではないこと、その名に値する。例えば、「先生」、それに「友人」。本物は、その名に値する。ニセモノではなくホンモノであるから、持続する。持続可能性ということも、本物の条件に入っていると思います。本物は、真、真実でもあります。心で、体で、その人の存在そのものが、そのようになろうとしている真。「ああしろ」とか「こうしろ」とか「こうした方がいい」とか「はやく!」と...本物は解放する

  • ファウスト 第一部

    買ってから一年は経っていたでしょうか。今が読むときでした。「若きウェルテルの悩み」に感銘を受けていれば、自ずと「ファウスト」も目に入ってきます。著者のゲーテが、24歳から書き始めて、82歳で書き終え、83歳で没したと言われている作品です。第一部は、一度読み、感想を書こうとしたけど書けず、もう一度頭から読みました。脚注も多くて、二度読んで、より具体的に染み込んできた、というか。今は第二部を読んでますが、ひとまず第一部まで読んでのことを書いておこうと思います。まず、ファウストは、偉い学者さん、となっています。街に顔を出せば、人々が寄ってきて感謝を述べる。疫病が流行ったとき、治してもらった、とか。当時の「学問」は、法学、神学、医学、哲学のこと。これら全てを治めた大学者、ということになっています。しかし、ファウス...ファウスト第一部

  • 下積みは嘘をつかない

    写真は、少し前の「もみじ」です。正確には「いろはもみじ」。春に小さな花をたくさんつけ、その後に実を結びます。赤くなっているところが実であり、種。これが風に乗って飛んでいく。「タケコプター」みたいな形ですが、そのように飛ぶのかは、確認したことがないので不明です。で、書いておきたいことは、タイトルにある通り。「下積みは嘘をつかない」今の私を支えている言葉。小説は、日々、少しずつ進んでいます。ひねり出して一日二行という日もありました。たかが二行、されど二行。今は対話の場面で、とても慎重になっています。人と人が向かい合い、話し合うとき、いろんなことが流れている。その人の歴史が滲みもする。欲望がちらつきもする。己が縮んだり、伸びたり、怒ったり、震えたり。その生きた蠢きを、どう書くのか。どう書けるのか。そもそも、この...下積みは嘘をつかない

  • トラタのりんご

    昨日は子どもの日でした。絵本、読んでますか?私は、子どもの頃、最寄りの図書館の靴を脱いで上がれる子どもの本の島で、飽きずに過ごしていたことを覚えています。子どもに絵本を買ってあげたい。でも、何がいいのかわからない。そういうお客さんも少なからずいます。子どもに伸ばして欲しい力とはなんでしょうか?想像力、共感力、自己肯定力、学力、計算力、運動能力、表現力。あげれば切りがありません。私が今までで一番苦しかったとき、もっとも救ってくれたのが、私を理解しようとしてくれる人の存在でした。言ってみれば「理解力」。自分自身が自分のことをわからなくなっているとき、上から目線の「お言葉」でも、ありきたりの「常識」でも、あるいはなんらかの神がかった「教え」でもなく、今の私を理解しようとしてくれる人が何より大切でした。この経験が...トラタのりんご

  • There is no grass called weeds, me too

    雑草という草はない、私もThereisnograsscalledweeds,metoo

  • Thanks to the shelf

    棚のお陰です。Thankstotheshelf

  • Walking is fun

    散歩は楽し今年撮った写真で、これは、と思うものをまとめてアップしました。楽しんでいただけたら幸いです。写真は、インスタグラムと、それと連動したフェイスブックに載せることが基本になりました。とは言っても、インスタとフェイスブックは、無料とはいえ「会員制」ですので、「公開」されているとは言えないのかもと思いまして。このブログは、いつも写真と共にありました。最近、写真や文章の投稿が減っているのは、前述のことと、ここに書くより小説の一行を書きたいからです。それはそれでいいし、ここに投稿し続けなければならない理由もありません。私が好きでやってきたこと。日記の延長のようなもの。3段跳びじゃないけど、はじめに日記あり、次にブログあり、そして小説あり、なのかもしれません。いずれにしても、大事にしてきた場所です。私にとって...Walkingisfun

  • Canola flower, the awakening of the earth

    菜の花、土の目覚めCanolaflower,theawakeningoftheearth

  • Supported, together

    支えられて、ともにSupported,together

  • Wild cherry blossoms

    山桜Wildcherryblossoms

  • Extend to the sky

    空へ伸びるExtendtothesky

  • Unbreakable cherry blossoms

    折れない桜Unbreakablecherryblossoms

  • Mimosa, Women's brilliance

    ミモザ、女性の輝きMimosa,Women'sbrilliance

  • Eyes of the stars in early spring

    早春の星々の瞳Eyesofthestarsinearlyspring

  • Blue sky, blue lake

    青い空、青い湖Bluesky,bluelake

  • 孤塁

    東日本大震災から12年。まだまだ終わっていないことがたくさんあります。福島第一原発の廃炉はいったいいつになったら「終わる」のでしょうか?終わりを見届けるまで、多くの人たちには時間が足りず、また関心も継続しない。「あんなこともあったね」で、終わりにならない人たちがいます。現在進行形。一人一人に物語があります。その物語は、空と大地と海と、そこに暮らす生き物の恵みと人々のつながりによって編まれていく。地震と津波だけならば、更地の上に新しい土を重ね、高くなった場所でまた暮らせる。でも、放射能で「汚染」されてしまったら?そんなこと、歴史上なかったこと。「原発事故は起きない」とされ、だから原発爆発後の地元消防との訓練もしていなかった。「想定外」という嫌な言葉を何度も聞かされました。「絶対」はないのだと、学んだのが東日...孤塁

  • 鈍感な世界に生きる敏感な人たち

    この本が出たのは2016年。「HSP」本は、ずいぶんと増えましたが、これが元祖だったのではと思います。「HSP」とは、「HighlySensitivePerson」のこと。「感受性が高い人」という意味です。この本を店頭に並べるようになってから、ずっと切らさないでいました。こつこつと棚から売れているのはわかっていたので。この本と出会ってから、自分もそうなんだろうと思ってました。読む気になったのは、どうしてだろう?自分の生まれ持った特徴をより深く知ることで、人と作品との関係をもう一歩進めようとする思いが芽生えたからかもしれません。読んでみれば、やっぱり思い当たることばかり。「感受性が高い」ばかりに、影響を受けやすい。ほとんどの人が気にならない小さな音でもすぐ拾ってしまう。だから基本的に宴会は苦手。学生寮での飲...鈍感な世界に生きる敏感な人たち

  • 火花 北條民雄の生涯

    この本を読むと、北條民雄が生きていた時代の空気や、文学の師であり、希望の光ともなった川端康成との関係、またハンセン病療養所の中での友人たちとの確かな交流も、目に見えるように再現されていきます。昭和8年(1933年)、民雄が19歳の3月、ハンセン病の告知を受け、その年の2月に川端(34歳)の「伊豆の踊り子」の映画が封切りされ、1月にヒトラーがドイツの首相となり、2月に小林多喜二が虐殺されている。昭和11年(1936年)、民雄が22歳のとき、川端たちが立ち上げた文芸誌「文學界」の2月号に「いのちの初夜」が掲載された。そのとき、川端は「雪国」を連載中だった。その2月の26日、皇道派によるクーデター未遂事件(2•26事件)が起きている。民雄が亡くなるのは翌年の昭和12年(1937年)、23歳の12月5日、早朝。そ...火花北條民雄の生涯

  • 熊本城マラソン2023

    4年ぶりのフルマラソンからほぼ1ヶ月になろうとしています。やっと体調も超回復してきた感じです。購入した大会の写真が届きました。この写真は、ラスト1キロ付近でしょうか。びしょびしょですね。自分ではあまり意識してませんでしたが、雨に濡れました。スタート前まで雨で、整列しているときにはいったん止みました。なので、雨対策グッズ(100円ショップで買ったレインコートとビニール手袋)は、スタート時にゴミとして回収してもらっていました。雨上がりは走りやすいものです。強い日差しはなく、風もなく、ひんやりしており、何より適度に空気が湿っているので呼吸が楽で、水分補給も少なくて済みます。出出しは快調でした。ほぼ1キロ5分ペース。これを最後まで続けられれば、自己ベストの3時間38分30秒を上回るだけでなく、3時間半切りも見えて...熊本城マラソン2023

  • しあわせであろうと

    テストで百点とったってそれが何になる?じぶんが百点になるそれが本当の優しさじぶんって何?語りつづけているあなたが涙にくれるときあなたがほほえむときあなたが苦痛にたえるときあなたが一冊の本にときめくときしあわせであろうと誰かにあわせるためじゃなくただしあわせであろうと声なき声をことばにかえてあなたに届けようとしているそれが本当のじぶんいつだってじぶんはテストされているこのじぶんをしあわせにせよと生きる意味なんてなかっただからじぶんで作っていくのだとしあわせであろうと

  • 北條民雄集

    今日から3月ですが、先月の教育テレビの「100分で名著」は、北條民雄の「いのちの初夜」でした。自室のテレビは調子が悪いままで、第一回の放送しか見れませんでしたが、テキストを買って読みました。講師は中江有里さん。角川文庫の「いのちの初夜」を読んだのは、2021年の12月でした。翌年の2月に、この「北條民雄集」が発売され、買っていました。テキストと合わせて読みました。こちらには角川版にはない日記や童話や書簡が収められており、小説だけではなく、人間としての北條の理解を深められた。国立ハンセン病記念館の裏にあるソメイヨシノたちが咲く頃、また全生園に行こうと思います。今度は、桜見物だけでなく、記念館にも納骨堂にも行く。そこまで北條に傾倒してしまう自分とはなんなのか?東村山という、彼が「隔離」された施設がある土地に住...北條民雄集

  • 夏目漱石の家

    そして、熊本は文学の街でもありました。これも仙台と似ていて、私が引かれた大きな理由だったと、行ってみてわかりました。泊まったホテルの600メートルくらい先に、かつて夏目漱石が暮らしていた家が残っていました。その日は4時半まで公開されていて、入場無料、さらに解説してくれる方もおりました。フルマラソンの後だったのですが、間に合ってよかった。先人の作家の家に遊びに行くのは3軒目でしょうか。調布にある武者小路実篤、津軽の太宰治、そして熊本時代の夏目漱石。英語教師として四国の松山に赴任した後、熊本の五校の教師となり、4年も暮らしていた。その後、イギリスに留学。熊本時代、結婚して子供も産まれた。寺田寅彦が五校の生徒で、泊めてくれと懇願されたこともあった。大型犬を飼っていたとは知らなかった。その犬、通行人に噛みついて警...夏目漱石の家

  • 熊本城へ

    熊本に行ってきました。熊本城マラソンに参加するためですが、それだけでもありません。熊本にも、大きな地震がありました。熊本城は、離れてみれば復旧したようですが、石垣など、まだまだ立て直しに時間がかかります。天守閣も登りました。登ったのですが、そこに至るまで特別に橋がかかっていて、なんとも痛ましい。それでも、難攻不落の城。熊本は城下町です。熊本城は、市民のシンボルなのかもしれません。ビルの合間からその姿が見えれば、つい見てしまう。富士山みたいに。宝物。見ているだけでなんかほっとする。私の泊まったホテルは、客室からばっちりその姿が見えました。なんか、やっぱ似てるなあと思った。仙台と。仙台も城下町で、もう天守閣はないけど、川に囲まれた天然の要害。戦中は軍の要でもあった。何を食べても美味しかった。水が、すべて天然水...熊本城へ

  • 荒地の家族

    この本を読まない、という選択肢はありませんでした。芥川賞受賞が決まって、やっと入荷した三冊のうち一冊を取り置き、その日買って帰りました。仙台生まれ仙台育ちで仙台で書店員をしている方が書いたという。タイトルと表紙を見れば、およそ中身の想像はつくでしょうか。読んでみて、想像を越えていた。いや、何を期待していたのだろう?綴られていたのは、本人がインタビューで言っていたように、「見えて聞こえてくるものをそのまま」。ロードムービーのよう。主人公の裕治は四十歳で植木職人。母と同居し、男の子を一人で育てている。その子の母だった人は亡くなっていた。「災厄」の後、体調を崩してインフルエンザに罹って。同級生の紹介で再婚もした。けど破綻。その壊れ方のきっかけがまた悲惨で、流産というもの。裕治は、離婚した後も再婚相手に連絡を取ろ...荒地の家族

  • 運動脳

    走ることの効能が、様々な実験や観測データによって裏づけられています。走ることだけではなく、運動全般について、要は心拍数を上げることによって生じる効果について。科学的な証明方法の詳細が記述されていますが、細かいことは覚えきれません。私が知りたかったのは、なぜ走ると頭がスッキリするのか?大雑把に言うとこういうことでした。人の脳は、サバンナで獣に襲われる危険に晒されていたときから進化していない。そんな人にとって大事なことは、何より生き続けることであり、そのためには食べ物を確保しなければならなかった。生存の必要性に迫られて、安全な場所からも離れて食べ物を得て帰ってくるために、何ができれば有利なのか?できるだけ長く移動できることです。日が暮れる前に帰ってきたいなら、走った方がより有利。より長く走れるために、人の体か...運動脳

  • ラブカは静かに弓を持つ

    この本は、出版社の営業の方が勧めてくれて、かつ私にも、主人公が務める会社「全日本音楽著作権連盟」のモデルとなっているJASRAC=日本音楽著作権協会でバイトしていたことがあり、読んでみる気になったものです。「JASRACで働いていた人と初めて会いました!」とか言われて少し盛り上がったりして。私も、まさかそこで人知れずのバイト経験が呼び起こされるとは思わず。あれは大学2年生のときでしょうか。ちょうどやさぐれて、背伸びしたかったとき。慣れないスーツを着て外回りする仕事になぜか憧れがあった。その日訪問する場所の地図のコピーから仕事は始まった。カラオケを置いている飲み屋を訪ね、パンフレットを渡しつつ著作権利用料の徴収をやんわりと催促する。仙台支部でしたが、山形や福島まで出張にも行きました。時給もよかった。でも、楽...ラブカは静かに弓を持つ

  • 月の満ち欠け

    遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。新年一冊目は、昨年末には読み終えていたのですが、映画も観たくなり、タイミングがなかなか合わず、やっとこの前の水曜に映画館に行くことができました。映画を観て、また読みたくなりました。が、再読はまだしていません。それほど深くて、噛めば噛むほど味が出るような作品です。嘘に嘘を重ねて、真実を掘り当てる。そんな小説ならではの芸が存分に発揮されています。「生まれ変わり」の話です。それだけ聞くと「えー、嘘でしょー」と思うのも当然。主人公の一人、小山内も、最後の最後まで認められない。だって、小山内にとって大事な一人娘。正真正銘の「私の娘」。なのにその子は、他の人間の生まれ変わりに利用されたのか?そんなこと認められるわけがない。私が真心込めて...月の満ち欠け

  • 一番高く飛ぶためには一番低く沈む

    今年も残すところあとわずか。悔いなく、過ごすことができたでしょうか?思い出すのは、仙台の荒浜。仙台の街並み。仙台の古書&カフェ「マゼラン」の店主(大学の先輩)との会話。学生時代からの友人と再会し、一人でスイーツをむしゃむしゃ食べたこと。中尊寺の金色堂。ずっとネットでしか見たことのなかった気仙沼の「かなえ大橋」を渡ったこと。たくさんの父の親戚たちと再会して、やっとお顔とお名前が一致したこと。帰ってきたら体重が1・5キロ増しになっていたこと。夏の甲子園、東北勢の仙台育英高校が初優勝を成し遂げたこと。書店勤めに穴も開けなかった。今年最後、挨拶して、その仲間が笑顔だったことが私への信頼を語っているように思った(そう思いたい)。母はついにコロナに罹ってしまったけれど、皆で協力して乗り越えることができた。こつこつ本を...一番高く飛ぶためには一番低く沈む

  • 夜に星を放つ

    年末にふさわしい読書ができました。窪さんの本は三冊目。『ふがいない僕は空を見た』、『晴天の迷いクジラ』に続いて。新作の出るたびに気になってはいました。で今回、直木賞受賞ということで、手が伸びました。私が言うのもなんですが、作品が、さらに成熟されていると感じました。より具体的で、より鮮明で、より言葉が洗練されていて。よりはっきりと見えて、より深く、確実に届く。人の抱えている弱さを描くのが上手です。人に見せたくないところとも言えます。この本には、五つの短編が収められています。テーマは「別れ」なのでしょうか。別れの中に、それぞれの星が光る。星でつながる物語とも言えます。でも星は、ほんのささやかなもの。夜、人工の光が少ないところでしか見えない。「幸福」な状態とは言えない登場人物たち。だからこそ、夜、星が見える。幼...夜に星を放つ

  • しろうさぎとりんごの木

    この絵本も「タイトル」で出会った一冊。この絵本は、棚に収まっていました。私の手が伸びて、引き抜いたものです。りんごが好きということもあります。絵に引かれたということもあります。それに、自然に手が伸びたことが買った大きな理由。手が動いてつかんだからには、何かしらの意味があると思っています。家に帰って読んでみたら、やっぱり正解だった。しろうさぎの家族のちょっとした話。なのですが、普遍的なメッセージがこもっていると思いました。しろうさぎは、やっと言葉が話せるような子ども。お父さんとお母さんに大事に育てられています。庭にりんごの木が生えていて、お母さんがりんごのジャムとコンポートを作ってしろうさぎに食べさせました。とてもおいしくて、「りんご」を食べてみたくなったしろうさぎは、翌日早起きして、「りんご」を食べること...しろうさぎとりんごの木

  • ぼくはいしころ

    元上司が開いた「タイトル」という本屋で出会った絵本。私が行ったとき、この絵本の原画展をしていました。そして、欲しくなった。「タイトル」は、高円寺にありますが、いつか行こうと個人的にとっておいた本屋です。個人的「いつか」は、私が「ちゃんとした物書きになったら」。11月に行くことにしたのは、その近くに元同僚の異動した書店があったから。その人に呼ばれて(棚を見てほしいと請われて)。だから、私が「ちゃんとした物書き」になったかは分かりません。ただ、これは行く機会が来たのだと感じて。「タイトル」の店主は、私を覚えていてくれました。もう7年ぶりになるのでしょうか。私が投稿している文芸誌「すばる」に連載を持っているので、私は意識している人の一人ではあるのですが。品揃えはさすがでした。棚を見るだけで興奮するような。本好き...ぼくはいしころ

  • 旅をする木

    読書管理アプリの「読書メーター」で、コメントしてくれた人が勧めてくれた本。前からコツコツ売れていたのは知っていたので気になって買って読んでみました。そしたらどんぴしゃり。なんてしあわせな読書時間だったでしょうか。ちょうど東京都写真美術館でも、著者の星野道夫さんの生誕70年を記念した写真展「悠久の時を旅する」が開かれており(2023年1月22日まで。以後、全国巡回)、今日観てきました。文章も写真も、受けたものは同じ。それは濃密な命の時間。写真家の星野道夫さんは、若い頃から北国の自然に引かれていました。やがてその青年はアラスカに渡る。なぜアラスカでなければならなかったのかは、写真を観ればわかります。そこには、人間の科学技術の発展とは裏腹の、人工物の何もない大自然。静寂があり、生き物が、ただ生きるためだけに活動...旅をする木

  • 感情の転移 大切な人とのこと

    11月の29日でした。疲れを取りにお気に入りのスーパー銭湯に行っていたのですが、風呂から出るとケータイに何度も父から連絡が入っていました。不安しかよぎりません。で、電話してみれば、母がコロナ陽性になったとのこと。ついに。家にも。ショックでした。その風呂場から母の通っているクリニックは近いので歩いて行き、すぐ抗原検査を受けました。父と私は陰性。母の入院もできる病院はあるとのことでしたが、場所が遠いのと、症状は軽かったので、自宅療養となりました。それからの1週間は、長く、重く、緊張の連続でした。父と私で家事を分担し、隔離している母の部屋に食事を運ぶ。用心深くマスクして、消毒をして。いつも作ってもらっている手料理を、今度は私たちがした。洗濯も、自分のものは自分で。市や田舎からの支援物資にも助けられました。母は透...感情の転移大切な人とのこと

  • 「バウムテスト」という心理テストがあります。「バウム」は、ドイツ語で「木」のこと。「バウムクーヘン」の「バウム」と同じです。カウンセリングを学んでいたとき、受けました。結果が衝撃だったのでよく覚えています。黒い線で縁取られた長方形の白い紙に、「一本の木を描いてください」(だったと思います。詳細は忘れました)と教示されて鉛筆を手に持ちます。絵の上手い下手ではなく、描いた人の心理状態が投影されます。で、そのとき描いた私の木は、幹が太くて立派なようでしたが、根が土に入っていませんでした。というか、土、大地を描いた覚えがない。要するに、剥き出しの木だけを描いてしまったのであり、木は浮いていることになっていた。そこには、当然ながら、不安が現れ、孤立感が満載だった。しっかりした所属、四方に広がる信頼で結ばれた人間関係...木

  • 私ってなんだろう?

    人が人を信頼し、健康に、本来の姿として成長していくために必要な3つの条件の3つ目。というか、順番をつけるなら、はじめの一番かもしれません。それは「純粋性」と呼ばれますが、要するに「私」であるということです。何かの「役割」を演じているだけの人を、人は決して信頼しません。「役割」は「カウンセラー」だけではありません。「父」「母」「子」あるいは「長女」「長男」「後継」「男」「女」「社長」「店長」「総理大臣」「作家」「魚屋」「八百屋」「フリーター」「引きこもり」「うつ」さらには「明るい」「暗い」「元気」「固い」「若い」「年寄り」「おばさん」「おじさん」などなど、もう無数にハマる可能性のある役割や仕事名、状態はあります。言葉で生きる人間の性(さが)なのでしょうが、その人が表現していたり言われたりしている言葉と、その...私ってなんだろう?

  • 気仙沼市復興祈念公園

    この彫刻は、気仙沼市の鹿折地区から少し登った安波山のふもとの陣山に造られた気仙沼市復興祈念公園にあります。言葉やパネルの展示だけでは伝えきれないものを伝える「伝承彫刻」です。復興祈念公園には3体の伝承彫刻があり、写真に撮ったのはその一つで「海へ」。他に「ごめんね」と「よかったね」があります。作家は皆川嘉博(みながわよしひろ)さん。秋田公立美術大学の准教授だそうです。下から登っていくと、「ごめんね」が迎えて、「よかったね」と出会い、「祈りの帆(セイル)」と呼ばれる白い帆に見立てた空間の中に入ると、正面に気仙沼湾が見え、献花台があり、祈りを捧げることができます。白い帆の中で、人目を気にせず、包まれるような明るい安らぎを感じながら。そして「祈りの帆」から出て、右手の一番の高台に「海へ」があります。それは、大津波...気仙沼市復興祈念公園

  • 第39回気仙沼つばきマラソン

    4年半ぶりの気仙沼、大島。そして、ホヤぼーやとも再会を果たし、旧交を温めることができました。コロナ禍は終わっていないけど、ワクチンも3回打って、ちょうど感染の波が低いときに行くことができました。今回は父とともに。父は7年半ぶり。会いたい人たちがたくさんいました。大島は父のふるさと。帰ってきて思うのは、大島は私にとってもふるさとだということ。あの大津波で私の覚えている景色はほとんど消えた。新しい景色を受け止めるのに時間がかかっています。一人だったら、とてもじゃないけど乗り越えられなかった。つばきマラソンの連続するアップダウンの激しさも同じで。待っていて受け入れてくれる人たちがおり、歓迎されて歓待されて、ご馳走をたらふくいただいて。自己ベストが出ないわけがない。ということでもないと思うけど、つばきマラソンでの...第39回気仙沼つばきマラソン

  • 共感的理解とは

    人が人への信頼を作り、人として成長していく上で必要な3つの体験、「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「純粋性」のうち、2つ目。「共感的理解」を、どうしたら伝えられるのか?ここのところずっと思っていました。まず、「共感」は「同情」ではありません。共感は、「共」があるように、お互いの違いを認め、そのまま受け入れることが前提です。個別の違いがあるけれども、共に感情を分かち合えること。詩人で小説家で画家でもあった武者小路実篤の言葉を借りれば、「我は我、汝(なんじ)は汝、されど仲良き」。私の好きな言葉です。「されど」が、共感的理解と読めます。一方で、「同情」は、情を同じくすることで、私を忘れることが前提。互いの違いを忘れてしまい、一つの感情に没入すること。一体化する快楽を味わえるけれども、どこか危険な香りもします。...共感的理解とは

  • アイラブ大島

    気仙沼つばきマラソンのナンバーカード(アスリートビブス)が届きました。大会まであと二週間。今日は23キロ走って、走り込み完了。あとは疲れをとり、調整します。気仙沼へは4年半ぶり。今回は父も行く予定で、コロナのこともあって宿泊は父のいとこの方のお世話になることにしました。いつもおいしい海の幸を送ってくれる方達。私はお世話になりっぱなしで、マラソンで元気な姿を見せ、できるだけ話を聞いてくることぐらいしかできません。書く仕事でお返しできたらという思いは常にあります。おいしいもの、新鮮で栄養のあるものを送り届けることで。それは気仙沼の方達だけではないのですが、ある意味、私の中で普遍的になって、創作に集中できる動機ともなっているのかもしれません。もう数えきれないほどのマラソン大会に出てきました。で、思うのですが、マ...アイラブ大島

  • 八月の光

    約ひと月くらいでしょうか。この小説の世界にどっぷりと浸っていました。この本もまた知り合いになった出版社の人のすすめで。本は向こうからやって来るのか。今、何を読むべきか?は、けっこう大事な問いだと思ってますが、この本は、今、読むべきだったと、読み終えて思います。この小説を積んでいる本屋はほぼないでしょうが、今、ベストセラーとなっている最新の文学作品となってもおかしくない。それほどの新しさを感じました。舞台は1930年ごろのアメリカ南部。書かれたのも1932年ごろ。なのに、現代にも通じる。いつまでも新鮮さを失わない、それが優れた作品の特質なのかもしれません。リーナという若くて貧しくて美しい女性がいました。その女性は、ある男と恋に落ちました。そして、身籠りました。しかし、父となるはずの男は、いい仕事を見つけるた...八月の光

  • 無条件の肯定的配慮

    人が信頼を作るための土壌、もしくは基礎となる空気を醸し出す源がこの「無条件の肯定的配慮」だと、私は思っています。「無条件の肯定的配慮」なんて、たぶん聞いたことないでしょうね。私も、カウンセリングを学ぶまで知りませんでした。この単語としては知らなかったけど、思い返してみれば、「無条件の肯定的配慮」に当たる体験はしていた。真っ先に浮かぶのは、おばあちゃんの笑顔でしょうか。夏休み、気仙沼の母の実家に行けば、必ずおばあちゃんが笑顔で迎え入れてくれた。前も書きましたが、記憶のある限り、自分の意志で買ったおもちゃの第一号はレゴブロックの郵便局。おばあちゃんがデパートのおもちゃ売り場に連れて行ってくれて、僕が好きなものを選ぶまで待っていてくれた。あの時の空気。母親が、どんなときも手料理を作ってくれたこともそう。父親が、...無条件の肯定的配慮

  • 信頼か不信か

    「使える知識」の4回目は、「信頼か不信か」。これは「信頼vs不信」とも言えます。相反する力の中でどう乗り越えていけるのか。私がかつて、「自己同一性」に苦しんでいたとき、エリクソンというアメリカの心理療法家を知りました。「アイデンティティ」という言葉を広めた人です。「アンデンティティ」、要するに「自分とは何者か?」。職業選択の際に悩みまくりました。若者向けの(確か29歳以下)ハローワークにも行ったことがあります。そこでも自己分析やグループワークをやるのですが、私の場合、結局「書きたい」という結論になる。だからといって「書く」ことが仕事に直結しない。あまたある「ライター」の仕事はどうしてもやる気が起きない。じゃあどうすればいいのか?結果的に大卒でアルバイトで入った書店勤務が続いています。が、今だって葛藤が解消...信頼か不信か

  • 欲求の階層

    「使える知識」の3回目は「欲求の階層」について。「欲求」と一口に言っても様々な欲が人にはあります。そこには、満たしていく順番があるよねと指摘したのがアメリカの心理学者マズローでした。1943年に発表したと言われてます。欲求の一番下にあるのが基本的欲求で、生理的欲求。食事、排泄、睡眠、暑さ寒さの調整、喉の渇き、傷害の回避など。次は、安全の欲求。住む場所や危害のない人間関係の確保など。次は、所属欲求。孤立していないということ。次は、愛情欲求。親の立場の人たちや友人知人たち周りの人たちから愛されているか、大事にされているか。次は、尊敬の欲求。これは他者からの評価だけでなく、自尊心の有無にも左右されます。最後が自己実現の欲求。自分自身になっていくこと。やりたい職業に就くための努力や、仕事がうまくいくようになっても...欲求の階層

  • モデリング

    「使える知識」の二番目は「モデリング」。この用語は、様々な意味合いで使われますが、以下に書くのは、私が理解している「モデリング」ですのであらかじめお断りしておきます。「モデリング」は、基本的に「観察学習」のこと。他者の行動を観察して、観察者の行動も変化すること。いわゆる、「習うより慣れろ」です。ですが、「ロールモデル」と言うとき、「ロール」は「役割」のことですが、ただの観察学習に止まらない響きがあります。幼い鳥が、ある一定期間に動く生き物を見ると、その対象を親だと生涯に渡って思い込む「刷り込み」とも似ていますが、人間に「刷り込み」があるのかははっきりわかっていないようです。経験的に理解しているのは、人の子は親の背中を見て育つという事実。どんなお説教よりも行動が、無言の背中が何より雄弁に語り伝えています。そ...モデリング

  • 誤った一般化

    新しいカテゴリーを作ることにしました。「使える知識」です。私が文化人なのか知識人なのかわかりませんが、人生も折り返しを迎え(もう45歳です)、生涯学習なのはわかってますが、私が身につけてきた「これは使える!」と自信を持っておすすめできる知識をお伝えしたいと思うようになりました。自分だけ良ければ良い、のではないから。何を残していけるのか、どれだけ伝えることができるのか、わかりませんが、むくむくと自ずと湧き上がってきた思いなのでやってみることにします。私の中では「小説」がとても大事で、日々こつこつと成長させてもいるのですが、それはそれとして。写真は写真で大事で続けていますが、主にインスタグラムに載せることが多くなりました。そこから持ってきたのは萩。萩は、母校の東北大学のシンボルでもありました。前置きはそれくら...誤った一般化

  • ハックルベリー・フィンの冒険

    「トム・ソーヤーの冒険」の続編。作者のマーク・トゥエインは、40歳(1876年)で「トム・ソーヤーの冒険」を出版して成功し、すぐにこの続編を書き始めたそうですが、完成まで8年かかったそうです。読み終えると、確かに、この8年の重みを感じます。ハックルベリー・フィン(以下「ハック」)は、トム・ソーヤー(以下「トム」)の親友ですが、家族である唯一の父が大酒飲みで、息子の金も俺がボスだからという理由で巻き上げるような毒親の極みのような存在。トムとの冒険で金持ちになり、慈善家によって家や教育も保障されたハックですが、窮屈な生活に馴染めず、父に強制的に引き戻された後も、あまりにも暴力的な父との暮らしにも馴染めず、放浪の旅に出る。知恵を絞って、自分が殺されたことにして。言わば、自ら社会的な存在を消して、自由な身に生まれ...ハックルベリー・フィンの冒険

  • 100年開かなかった扉

    久々に、テレビで野球観戦をしました。試合開始に間に合うようにランニングも軽めに切り上げて。夏の高校野球決勝に、宮城県代表の仙台育英高校が出ていたので。ばっちり私の休日とも合い、観るしかないと。タイトルにさせてもらったのは、仙台育英高校野球部の須江監督の言葉。東北勢に、甲子園の優勝経験はなかった。春は3回、夏は9回、決勝戦に進出して敗退していた。仙台育英は、夏、3度目の決勝進出。そして、ついに優勝。頂上にやっとたどり着いた。まさに悲願達成。優勝旗は初めて白河の関を越えた。100年かかって。どれだけ悔しさを溜めてきたことだろう。素直に、うれしい。東北の人の一人として。野球自体が見事だった。そつのない攻撃、打撃も狙い球を絞って、一球でしとめる集中力の高さ。バントや盗塁、ヒットエンドラン、ランエンドヒット、スクイ...100年開かなかった扉

  • 運命

    国木田独歩。「武蔵野」しか読んだことがなく、勝手に「おじいさん」のイメージでした。しかし、まったく違った。というか知らなかった。出版社の人に勧められて読んだのですが、今、この時代だからこそ、「運命」が響く。そもそも、国木田独歩は若い。「運命」が刊行されたのは独歩36歳の時、明治39年、1906年のこと。同じ年に島崎藤村の「破壊」が発表されています。独歩が亡くなるのはわずか2年後。結核でした。結核に冒されていたのを知っていたのかどうかはわかりません。短編小説の名手だった。短編になったのは、一人一人の人生を見つめたから。一人一人の運命を描いたから。1906年に刊行された当時の並び順と同じ配列で9つの短編が読めます。暗い順から明るい順へ、と解説にあったけど、読んでいてもそんな印象を受けました。最初の方は、本当に...運命

  • 文化が人を育てる

    残暑お見舞い申し上げます。またしても30度越え。もう十分なのですが、1週間くらいは続きそうです。お体お大事に。昨日は、気仙沼で3年ぶりのみなとまつり。仙台では今日まで七夕まつり。東北でこの時期に祭りがあるのは邪気を払うためとも言われています。東北人は暑さに弱いのか。私はほんと苦手で、うつ病になったのも夏なので、もしかして季節性なのかもと思い、このつらい暑さの中に祭りを楽しむ文化に、改めて共感する次第です。鬱々としていても、どかーんと花火が上がれば、気持ちも晴れるもの。原爆が落とされたのも夏でした。あれから77年。6日に広島で行われた式典で平和への誓いを述べたこども代表に感動しました。翌日の新聞で全文を読んだのですが、ここに一部抜粋します。「大切な人を一瞬で亡くし、当たり前の日常や未来が突然奪われました。あ...文化が人を育てる

  • 縦糸と横糸

    写真とは関係ないかもしれませんが、最近思っていることを少し。新しい小説の着想を得てから、もうすぐ1年。この間、ひたすら「想造」をしていました。「想造」は、小説家の松岡圭祐さんの造語。「小説家になって億を稼ごう」(新潮新書)に出てきます。12人の登場人物をネットからお顔をお借りし、プリントアウトして名前とプロフィールを記入して壁に貼る。3つの舞台もネットから拝借し、壁に貼る。あとはひたすら「想造」。要するに頭で物語を作り出すこと。人物から何が聞こえてくるか。人物に何を投影しているか。この人はどこからきて何をしているのか。誰が主人公で、視点は誰か。いつ物語は始まり、いつ終わるのか。どのように?重要な場面は繰り返し浮かんでくる。そして細部まで見えてくる。逆に、ただの思いつきは、時間と共に自ずと消えていく。12人...縦糸と横糸

  • トム・ソーヤーの冒険

    これもまたジュンク堂池袋店で開催されている文芸誌の編集者によるフェアで出会い、読みたくなったもの。ちなみにこのフェアの本は今回で終わりです。私もまだ少年だったころ、読んだような気がする。その程度の記憶しか残っていませんでした。読み始めたら止まらない。小説で笑ったのはいつ以来でしょうか?奥田英朗の伊良部シリーズ以来でしょうか。伊良部シリーズは、文春文庫に収まっている「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」、「町長選挙」のことで、アンダーグラウンドな精神科医が活躍する話です。そちらも面白いのでよかったら。で、トムは、話が巧みでいたずら好き。実の母は亡くなっており、ポリーおばさんが母親になっていますが、ポリーおばさんを困らせてばかり。おばさんもおばさんで、根拠のない迷信にすぐ浸って、インチキな商品を買ってはトムに...トム・ソーヤーの冒険

  • 書くことが希望

    暑中お見舞い申し上げます。今日は暑すぎて、走ることを断念しました。仕方ない。こんな日もあります。走らないでできた時間、ぼーっとするのも好きですが、今日はピクルスを作りました。さまざまな、信じられない事件が起こります。事実を事実のままに報道しないメディアもある。家の近くでは、一家心中という火事がありました。元首相の銃殺事件は言わずもがな。大国による軍事侵攻(パワハラ以外の何ものでもない)も終わっていない。衝撃を受けるたび、胸の中がざわめき、不快な空気が充満します。なぜ、なぜと一人問い、テレビやネットを見ても、溜飲が下がることはない。理解し尽くすことなどできない。時とともに、事件は忘れ去られていく。また衝撃的な事件に上書きされもする。でも、自分の心に残った傷は、ずっとそのまま。降り積り、降り積もって自分という...書くことが希望

  • 里に帰った少女

    5月に仙台に行ったとき、大学の先輩が営んでいる「マゼラン」という古本屋で買ってきた本。店内をぐるっと見回して、直感で選んだ一冊。ほぼタイトルと表紙だけで。でも、どんぴしゃりだった。まるで、小説のお手本のよう。小説って、こうやって書くんだよと教えられた気分。最初からぐいぐい引き込まれた。「児童書」というくくりは一応あるけど、大人でも十分に読み応えがある。今、ドラマ化したって全然おかしくない。12歳の少女、マミ子が、ある日、バスで塾に行こうとしたら、まったく見覚えのないところに来てしまった。金色の銀杏の葉っぱが敷き詰められた神社で、マミ子は杏子(キョウコ)という同い年の子と出会い、心を通わせるようになる。で、どうやら、誕生日プレゼントにマミ子の母からもらった年代物のコートに入っていた古びた切符のせいなのではな...里に帰った少女

  • 時を忘れること

    梅雨が終わってしまった。早過ぎますね。まだ6月なのに。関東では、最速の梅雨明け。まだ心身とも夏を受け入れがたい感じ。で、紫陽花の写真をあげました。これは16日に撮ったもの。あれから10日で梅雨明けするとも思わず。ジメジメした梅雨は、一年で最も苦手な季節だった。でも、紫陽花のおかげで、少なくとも苦手でも嫌いでもなくなった。不思議なものです。好きなものを見つければ、嫌いなものは気にならなくなる。夏もまた苦手な季節です。苦手だからこそ、生まれるものがあった。日記もランニングも、これから執筆する小説も8月に始まった。年中走るようになったから、年中好きになった。凍てつくような冬も、溶けそうな酷暑も。今日も11キロ走った。流石にまだ暑さに慣れておらず、かなり消耗しましたが。対策や休息を十分すれば、走れるものです。夏の...時を忘れること

  • 桜の園・三人姉妹

    この本も、ジュンク堂池袋店で開催されている文芸誌編集者のフェアで見て、買いたくなったもの。戯曲を読むのは何年振りだろう?もう思い出せないくらい。かつて、ベケットの「ゴドーを待ちながら」を読んだ。その前はもう学生時代、シェイクスピアをいくつか。久々過ぎて、登場人物を把握するだけでも大変だった。ラネーフスカヤ、アーニャ、ワーリャ、ガーエフ、ロバーヒン。トロフィーモフ、ピーチシク、エピホードフ……。小説のように、人物の描写は一切ない。劇で演じるための本だから、どんな俳優で、どんな演出かは、自分で想像するしかない。慣れてくれば、一人一人のセリフの背景にある人物像がつかめてくる。そして、じわじわ心に沁みてくる。「桜の園」は、没落貴族の話。「桜の園」を売るしかないほど金に困っているのに、湯水のように浪費する奥様。その...桜の園・三人姉妹

  • 梅雨になりました

    最近、写真をブログに載せていませんが、ご覧のように写真は撮っています。インスタグラムが楽しくなってきて、そっちに載せることが増えました。インスタグラム、知らない人もいるでしょう。私も、少し前までは初心者でした。今でも、魅力的な写真を載せている人を真似たりしています。#(ハッシュタグ)、どれが有効なのか、とか。インスタでは、#のついたキーワードで検索できます。例えば「紫陽花」。すると紫陽花の画像がたくさん出てきます。そして、少しでも「いい」と感じたものには「いいね❤️」をします。すると、昔の(今もだったらすいません)、ミクシイのように、足跡じゃないけど、訪れた人がどんな人だかわかる。写真を公開していれば写真を見ることができる。そしてもっと見ていきたいと思えばフォローする。ダイレクトメッセージを送れたりもする...梅雨になりました

  • 掃除婦のための手引き書

    このタイトルだけだと、なんのこっちゃという感じですよね。この本は小説です。短編集。著者はルシア・ベルリンというアラスカ生まれの女性。1936年に生まれ、2004年に亡くなっています。知る人ぞ知る小説家だったらしいのですが、その作品たちが独特で、胸に迫り、確実に質の高いものであることから、理解者の輪が広がり、読者が増え、読者が読者を呼び、ついに日本でも翻訳され、文庫化されました。私も身近にいる人たちの声によって買って読む気になった一人です。そして引き込まれた。著者の体験が素材となり、それらの素材はざらざらして、決して心地いいものではないのですが、語り口がユーモアを帯び、人生の中の印象的な物語を一つの作品として掬い取っている。単なる体験談ならば先が読めてつまらなくなりそうですが、この人に限ってそんなことはない...掃除婦のための手引き書

  • 終盤 競技場前

    最後の最後。競技場に入る手間なので、残り400メートルくらいでしょうか。苦しすぎてあまり覚えていないのですが、右手はピースサイン。靴下は黄色、帽子と上着は青で、ウクライナカラーを意識していました。平和でなければマラソン大会はできません。健全な競争を楽しむことができるのも、公平なルールがあってこそ。コロナ禍を経てやっとのレースでもあり、右手には万感の思いがこもっていたのかも。終盤競技場前

  • レース前

    仙台ハーフマラソンで撮ってもらった写真が届きました。顔出しは2年3ヶ月ぶり。老けました?久々のレース前なので、少し緊張していた感じ。仙台から帰ってからは疲れも出ましたが、やっと走れるようにもなっています。腰を据えて、次の小説へ。りきまず、あせらず、おこたらず。り、あ、お、と机の前に書いて貼りました。レース前

  • 同志少女よ敵を撃て

    帯は「本屋大賞ノミネート」で、私が買ったときはそうだったのですが、この本が本屋大賞受賞作です。発売前から評判は耳に入っていました。ジュンク堂池袋店の「変貌する文芸誌」という特集でも、編集者がすすめており、買うことにしました。まさかロシアがウクライナに侵攻するとは。著者も考えてはいなかったでしょう。この小説は、1942年、当時のソ連の片田舎から始まる。平穏な日常が、ドイツ軍たちの虐殺によって一変してしまう。村の娘、セラフィマも、犯され、殺される寸前、ソ連の赤軍によって助けられる。そのとき助けた女軍人、イリーナによって、セラフィマは生きることを選択する。家族も友人も仲間も失ったセラフィマは、復讐を唯一の希望として命をつないでいく。イリーナが教官を務める狙撃兵の訓練を経て、実践へ。何度、頭が弾け飛んだでしょう。赤い血...同志少女よ敵を撃て

  • 中尊寺金色堂

    仙台からバスで1時間半、岩手県の一関へ。そこからまたバスで20分ちょっと。初めて中尊寺に行きました。マラソンの翌日です。きつい月見坂を登っていくと、右手に中尊寺、そして左奥に金色堂が待っていた。その日の平泉は五月晴れ。好天もあって、ここが浄土かと思うほど、空気がおいしく、清々しかった。小鳥たちのさえずりも耳に心地よく。中尊寺は、敵味方の区別なく、戦争で亡くなった方たちを弔うために建てられました。その奥州藤原家も、戦争に巻き込まれて滅亡してしまいました。平安時代末期のこと。源氏が平家を倒し、また源氏の内部抗争(兄弟喧嘩?)に巻き込まれる形で。平泉には豊富な金があった。また名馬の産地でもあり、豊かな文化を作り上げることができた。たくさんの宝も残されています。金色堂が最たるもので、建造物としては唯一のもの。撮影は禁止...中尊寺金色堂

  • 杜に聴く

    仙台の広瀬川沿いにある、かつての私が住んでいた場所とも近い西公園にある「杜に聴く」という銅像。昭和61年(1986年)、今から36年前に設置されたそうです。仙台は彫刻の街。しかも風景に溶け込んでいます。風景と銅像に再会し、風に吹かれ、光を浴び、学生時代の自分を呼び起こし、対話を重ねてきました。作者の雨宮敬子さんは、「健康で豊かな仙台市の発展を願って制作した」とおっしゃったそうです。健康で豊か。確かに、発展していると思います。宮城に住む友人二人ともコロナ後初めて再会できました。いろいろ話せて本当によかった。牛タン定食も、仙台っこラーメンも、気仙沼あさひ寿司も、ずんだシェークも、食べることができました。白松がモナカとささかまをお土産に買う。友人からもらった福島産のエゴマ油、もう一人の友人が営む古本屋(「マゼラン」と...杜に聴く

  • 仙台国際ハーフマラソン大会 2022

    マラソンのリアル大会は、2年と3ヶ月ぶり。久々で、楽しみではありましたが、コロナ対策でやることも増え、走り終えるまで気の抜くことはできませんでした。帰ってきてからも検温と問診、専用アプリでの送信が続いています(2週間後まで)。大会前日の抗原検査、初めてで一番不安だった。だけど、結果はすぐ出て陰性。証拠写真を取って、アプリにアップ。当日は薄曇り。気温17度で西寄りの冷たい風が3メートルくらいでしょうか。向かい風と上り坂が重なるとペースも落ちましたが、逆に追い風と下り坂もあるので、それほど影響はなく、むしろ走るにはちょうどいいくらいでした。目標タイムは1時間40分切り。そのための設定タイムは、1キロで4分45秒を下回るくらい。競技場に入ってから十分に準備し、整列してからも人との間は保たれていたのでストレッチなどして...仙台国際ハーフマラソン大会2022

  • 荒浜の空

    空は一つ。空は、つながっています。荒浜の空

  • 生き残った松

    深沼海岸にあった松林を想像することも難しくなった場所。荒浜小学校にいた案内の方に教えられて驚きました。津波に流されなかった松が、仙台にもあったとは知らず。ただ、枝のない部分は、津波に持っていかれました。その高さにまで津波は来たということです。それでも、生き残っている。ものすごい強風でも、立ち続けている。なんて強いんだろう。なんて健気なんだろう。生き残った松

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