昭和29年、福井県福井市。戦災と震災の二重苦に苦しんだこの町もようやく復興の時を迎えつつあった。そんな町の姿を映したかのように地元の越前高校に通う音楽部(実態はブラス・バンド部)の3人の男子高校生も青春の時を迎えつつあった。まだ貧しい日本。...
NHK-FMのラジオドラマ番組、青春アドベンチャー・アドベンチャーロードなどの紹介ブログです。
NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。
10月、秋の初め。 大学を中退した真生(まお)は、今、四国、徳島の道をバイクで走っている。 走って走って走りつくしたら何かが見えるかもしれない。 そんな思いを胸に一人走り続ける彼が徳島の田舎町で、ある老人に出会う。 売れるかもわからない野菜を暢気に売っている老人をうさん臭く見ていた真生だが、飄々としていた老人が彼に言い放った一言に心臓がドクンと鳴った。 「お前、後ろにだれか背負うているな」
あたふたオペラ からふる物語 作:萩田頌豊与(青春アドベンチャー)
月曜日から金曜日、毎日放送されるラジオ番組「おとなのためのトークショー・じゃこもかしこも」の今週のゲストは、劇団「盗んだだるま」を主催する劇作家で演出家の唐富士夫(から・ふじお)。 司会の久子と唐との会話は全く嚙み合わないが、唐の特技「25文字で名著」や、唐の学生時代の恋愛話でなんとか番組は進行していく。 しかし、4日目にして番組は緊急事態を迎えてしまう。 そして唐の恋愛話に登場した人たちが次々とスタジオに現れて…
天保10年(1839年)秋深く。 石工頭、岩永三五郎は薩摩藩に依頼された石橋を無事に完成させ、故郷・肥後への帰途にあった。 しかし、事件は工事が終わってから始まった。 ひたひたと追跡してくる怪しい影。 自分は命を狙われているのか。心当たりは…ある。 完成させた橋には中央の石をひとつ取り外すだけで簡単に崩壊させることができる特殊な仕掛けを施してある。当然、戦になった場合を想定してのものだ。 追っ手を差し向けたのは秘密を守りたい薩摩藩か。 死にたくない。 しかし道を外れ山を越えて一安心したのもつかの間、追跡してきた侍は大胆にも直接、宿の部屋に三五郎を訪ねてきた。 覚悟を決めるしかないのか。
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昭和29年、福井県福井市。戦災と震災の二重苦に苦しんだこの町もようやく復興の時を迎えつつあった。そんな町の姿を映したかのように地元の越前高校に通う音楽部(実態はブラス・バンド部)の3人の男子高校生も青春の時を迎えつつあった。まだ貧しい日本。...
作品 : 春山家サミット 番組 : FMシアター 格付 : C+ 分類 : 家族 初出 : 2024年11月30日 回数 : 全1回(50分) 作 : 岸田奈美 音楽 : 渡邊崇 演出 : 小島東洋 主演 : 円井わん世の中は理想の家族で...
2025年現在、NHK-FM青春アドベンチャーで継続している脚本家共作のオムニバスシリーズは「ストーリーボックスシリーズ」と「スケッチブックシリーズ」。その年ごとにどちらかのシリーズしか放送されないことが多いのですがなぜか2025年は両シリ...
アルバイトにあまり多くを求められても困る。「市民健康だより」の取材の時だって実は怒られてばかりだったし、写真が笑顔だったのはたまたまに過ぎない。気難しい陶芸家・前田正太郎さんが気を許してくれたわけではないのだ。ましてや戦争体験の取材なんて受...
両親を亡くしてから心の平衡が保てなくなってしまった夏希(なつき)。だけど、いつも一緒にいてくれるおじいちゃんに支えられてようやく保健室に登校できるようになった。でもみんなと同じ時間は無理だから、朝早く登校して養護教諭の京子先生が保健室のカギ...
2025年に「FMシアター」、「特集オーディオドラマ」において新作として放送された作品のうち、当ブログにて紹介記事を書いた作品の一覧です。あくまで記事を書いた作品の一覧であり、全作品ではないことにご注意ください。まだ紹介作品数が少ないですが...
恋人からプロポーズされたとき、どうして即答できなかったのか自分でもわからない。気持ちを整理するためにひとりで出かけた香川旅行。とにかく自分だけの空間にいたくてレンタカーを借りた。でも答えは出ない。1日延長して迎えた最終日。深い理由もなくネッ...
アニメ銀河英雄伝説(石黒昇版、Die Neue These)の声優さんが出演されているNHK-FMのオーディオドラマを紹介する第2弾。前回の銀河帝国編に続いて今回は自由惑星同盟及びその他の勢力編です。実はこの企画は「謙信サマは今日も気まぐれ...
【特集:青アド・ポーカー23】アニメ「銀河英雄伝説」に出演した声優さんつながり久しぶりのアニメ関連企画です。今回はアニメ銀河英雄伝説(石黒昇版、Die Neue These)の声優さんが出演されているNHK-FMのオーディオドラマを紹介いた...
母と浜辺の宝石を探した日から15年。東京の大学を卒業したあと私は長崎に帰って長崎びいどろの職人見習いになった。でも母には東京で大きな会社で働いている言っている。職人見習いといっても実質的には店番のバイト。言えるわけない。たまに工房を使わせて...
メガネ歴女・富香の目下の悩みは修士2年になるのに論文テーマが決まっていないこと。しかしある日、ふと気が付いたら戦国時代の女性・お松の中に意識だけタイムリープしていた。しかもおまつは富香の推しの武将・上杉謙信の侍女だという。おまつを通して謙信...
中学まではよかった。数学で躓きが始まったのは、あの虚数という得体のしれない数が登場してからだ。だけどわが家は経済的に国公立しか選択肢がない。だから数学を捨てるという選択肢もない。仕方なく塾の先生に相談したところ「高校数学 よくわかる虚数 躓...
大型トラックの運転手に女性は少ない。いたとしても子供を産むまでの仕事などと言われて、珍獣扱いされるのが関の山だ。今日もドライブインで声をかけられた。本当に面倒くさい。だからバスがなくなって困っている男性を乗せたのも気まぐれだ。いや私のトラッ...
2023年に「FMシアター」、「特集オーディオドラマ」において新作として放送された作品のうち、当ブログにて紹介記事を書いた作品の一覧です。あくまで記事を書いた作品の一覧であり、全作品ではないことにご注意ください。
2024年に「FMシアター」、「特集オーディオドラマ」において新作として放送された作品のうち、当ブログにて紹介記事を書いた作品の一覧です。作品数は今後まだまだ増えていく予定です。気長にお待ちください。
客船「サーカス」。横浜・大桟橋を出港し108日間で世界一周をするこの豪華客船に乗るためにはカップルで800万から5000万の費用がかかるそうだ。ただ私が業務乗船するのはプーケットまでの9日間だけ。売れない歌手の需要なんてそんなもの。この9日...
どこかおかしいところがあるわけではない。あえていえばスニーカーにしてはタイトであることくらいか。しかしどうしても本物であるという確信が持てない。本物と断言できないのであれば店頭に並べるわけにはいかない。スニーカー専門店として信用にかかわる。...
イタリア半島とアフリカ大陸の中間、地中海に浮かぶ島・マルタ島。16世紀、その島は聖ヨハネ騎士団が支配する独立国家だった。しかし、世はオスマントルコ帝国の最盛期。キリスト世界の最前線たるマルタ島は、すなわちオスマントルコの次の侵略先ということ...
「ちょっと待ってください!」一言だけ残して走り去った男が駆け戻ってきた。「これ、友郎さんに差し上げます。」自称、気遣いができて、謝るということもできるという学芸員さんだが僕の気持ちを推しはかることはできないようだ。でも。「これはゴニアタイト...
昨日の記事「『逆光のシチリア』の照会文をAIに書いてもらってみた」で興が乗ったので、今度は近年の私の一押し「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」の記事をChatGPTに書いてもらいました。最新のChatGPT4o(無料だと機能制限あり)は2023年12月...
熊本県・鹿児島県を襲った集中豪雨。 山間の一級河川の氾濫は多くの集落を飲み込む大災害を引き起こした。 3年後、久しぶりにサトシが帰った故郷は川こそ以前のままだったが、鉄橋は折れたまま、人口も半分近くに減るなど寂しい状況だった。 そして何より母が園長を務める保育園が閉園を余儀なくされるという。園児が全員地区を離れることになったからだ。 この状況にサトシの心は揺れる。自分にできることはないのか。保育園を再開することは無理でも代わりに人が集まれる施設はできないものだろうか。
腰を痛めた父の面倒をみるために大阪へ戻ってきた。夢を諦めて。 いや違う、本当は逃げ出したんだ。役者で大成する見込みがなかったから。 ホットサンド専門店も特になにか夢があって始めたわけではない。 父がやっていた弁当屋の設備があったから、特別な技術がいらないから、近くに病院があって出前の需要が見込めるから。その程度の理由だ。 そんなホットサンド屋に、ある日、高校生の少女が飛び込んた。 「私、ホットサンド大好きなんです!いつかホットサンドに囲まれて生活したいってずっと思ってました!もうずっとずっと思ってました!働かせてもらえませんか?何でもやります!バイト代とかいらないんで!」
「ソラのスケッチブック」、「風のスケッチブック」に続くスケッチブックシリーズの第3弾、それがこの「雨のスケッチブック」です。とはいえ公式ホームページでスケッチブックシリーズとして紹介されたことはまだないのでシリーズといえるかは微妙なところではあります。 現在の青春アドベンチャーでは「ストーリーボックス」が継続しているので、スケッチブックもシリーズだとすると2シリーズ併存。 不思議屋シリーズ、ライフシリーズ、10人作家シリーズの3シリーズが併存していた20年ほど前ほどではないですが、意外とオムニバスが増えています。 ただ、スケッチブックとストーリーボックスの違いは相変わらずイマイチわからないのですねど。
都会の雑踏の中、生ギター一本で歌うストリートミュージシャン・セージ。 根拠のない自信を頼りに1日も欠かさず路上に立ってきた彼を待っていたのは恋人からの別れの言葉だった。 もう誰に向かって歌っているのかもわからなくなったセイジ。 そんな彼にひとりの老婆が声をかけてきた。 「感心しながら聴いていたのよ、「天使の気持ちをよく知ってるなあ」って。もしかしてあなたも元天使?」
なんて馬鹿なんだろう。軽蔑だわ。結婚なんかしなればよかった。 あなた、いつになったら仕事が来るの。いつになったらお金が入ってくるの。 貧乏の呪いよ。あぁ洋服が欲しい。死んでほしい。うんざりだわ… 結婚して40年になる頼子と秀治の夫婦。 秀治は作家だが、コロナ以降仕事がなく家でぶらぶらする毎日。 お金もないのに何事に対してもお気楽ですぐにはしゃぐ秀治に、頼子はイライラしてならない。 そんな中、頼子は近所のイタリア料理店の若きシェフ中村に心惹かれるのだが。
1859年。貧しい身分から身を起こし弁護士として大貴族に取り入ることに成功。 美しい令嬢ペトロニラの関心も得、自分の立身出世のチェックメイトも近づいている。 アウレリオは得意の絶頂にあった。 しかし、公爵の別荘で過ごすペトロニラとのひと夏に2人の男女と出会ったことにより彼の運命は変わりだす。 ひとりは公爵の農地管理人の息子ベネデット。 もうひとりは英国から来たインゲストル子爵夫人アリス。 激動のシチリアで彼らの運命はいかに。
中学の頃、好きなものの話が長くてしつこいと言われた。 だからなんなん?ってイラっとされた。 そんな私だから高校に入学しても親しい友人はできなかった。 でも東京から来た転校生、深瀬さんは突然話しかけてきたのだ。 「森さんのお家って銭湯なの?かっこいいね!」 すぐに親友になった私達。 あたしの言うことに笑ってくれる人は初めてだった。 人に秘密を打ち明けられるのも初めてだった。 心地いい関係。 でも2年の夏に少し変化が生じたのだ。
本作品「近未来物語」は筒井康隆さんの短編小説から5編を選んでラジオドラマ化した作品で、NHK-FMの「ふたりの部屋」で放送されました。 選択は「10年から20年すればこんな世界になるのではないか」という視点からなされているそうで、いわば「近未来」を舞台にしたディストピア的な設定の作品群です。 ただ本作品放送時から40年経過しているこの記事の執筆時点からみると未来予想としては全くあっていませんでしたね。 なお5作品のうち「ワースト・コンタクト」は短編集「宇宙衞生博覽會」に、それ以外の4作品は短編集「心狸学・社怪学」に収録されています。
本作品「風のスケッチブック」はNHK-FM青春アドベンチャーで放送されたオーディオドラマで、1回15分完結の独立したショートストーリー5篇から構成されるオムニバス作品です。 「○○のスケッチブック」というタイトルの作品は2021年の「ソラのスケッチブック」に次いで2作品目ですが、これをNHKがシリーズとして扱っているかは微妙なところ。 また、最近、青春アドベンチャーで5作品制作されている「ストーリーボックスシリーズ」とどう棲み分けているのかもよくわかりません。 かつて併存していた「不思議やシリーズ」と「ライフシリーズ」は、制作局が分かれていたほか、内容面の傾向も違っていました。 この辺は今後明確になっていくのかも知れません。
【特集:演出家・脚本家別一覧の記事一覧】 オーディオドラマについて、原作者視点でランキング形式で紹介した記事はこちら、オリジナル作品の脚本家についてランキング形式で紹介した記事はこちら、劇伴を作成された作曲家をランキング形式で紹介した記
この記事は当ブログで紹介した中澤香織さんによる脚本・脚色作品の一覧を紹介するものです。 脚本家別の一覧を作るのは、藤井青銅さん、じんのひろあきさん、並木陽さんに次いで4人目になります。 それでは、並木さんが担われた役割ごとに一覧表にします。
1300年ほど昔の奈良時代。 安芸国(あきのくに)佐伯郡(さえきのこおり)の瀬戸内海に面する海辺の里に、街道を行く早馬(はゆま)のための駅家(うまや)が設置されていた。 少女トトメは駅家の長の娘である。 ある日、街道が崩れた影響で泥だらけになった一団を独断で駅家にかくまうことを決める。 その一団は肥後国からやってきた力士とそれを引率する大伴クマゴリなる青年の一団だった。
この記事はNHK-FMのラジオドラマ番組「アドベンチャーロード」で放送された作品の各年の一覧記事へリンクするための記事です。
天平の時代。 今の京都、木津川のほとりでは新しい都の造営が始まっていた。 後に恭仁京(くにきょう)と呼ばれることになるその都は、平城京で起こった様々な悪しき事による祟りを恐れて遷都するためのものだが、貧しい庶民にとっては生活を圧迫するものでしかなかった。 その造営の普請場に春麻呂という少年がいた。 親方にこき使われる毎日に反発の気持ちを強めて春麻呂だが、ある日、鳥の糞と共に堕ちてきた一枚のお札のようなものを入手する。 驚くべきことにそのお札はしゃべることができたのだ。
奈良時代、能登半島は羽咋の浜。 当時、能登は大陸の国家・渤海との交易の窓口であった。 ある日、素潜り漁で生計を立てる少年ヒコナの前で、異国の船が難破する。 ようやく助け出した異国の老人キュロスはひとつの瑠璃の壺を大事に抱えていた。 彼は大陸で出会った日本人の友人にこれを届けるために日本に来たという。 それが人生最後の望みだという老人に請われたヒコナはともに都へと旅立つのだが…
銀座で煙草道具屋を営む相四郎は山東京山(さんとう・きょうざん)のペンネームを持つ戯作作家でもある。 浮世絵師であり大作家でもあった山東京伝(さんとう・きょうでん)の弟だが、流行作家としては兄に比肩すること叶わず、有り体にいって鳴かず飛ばず。 なんとか作家として名を残そうと考えた相四郎は、越後塩沢の縮緬問屋、鈴木儀三治がかつて書いて兄のもとに持ち込んだノンフェクション文学『北越雪譜』(ほくえつせっぷ)のことを思い出した。 江戸の人たちには思いもよらない豪雪地帯の生活を克明に描いたこの作品であれば必ずヒットするはず。これの編者、あわよく作者として歴史に名を残せないものか。 しかし『北越雪譜』の原稿は今や流行作家である曲亭馬琴が預かっている。彼とは因縁浅からぬ中なのだが…
極寒の奥日光にもまた春がやってくる。 ただ、このあたりには観光するものはなにもない。 地元の人間ですらめったに通らない山道を若い女性が歩いているのはやはり不審だ。 そう考えてモーリーこと矢部吉森は彼女に声を掛けたが、彼女は自分に会いに来たという。 確かに国産メープルシロップは珍しい。 ふもとで聞けばこの山に行けば会えると言われるのも確かだろう。 しかし、若い女性がメープルシロップの製造現場を見るためだけに、老人がひとりで暮らす雪深い山中まで来るものだろうか。
親父は冴えない火消だった。 二つ名は「鉄鯢(てつけい)」。 「鉄」で「鯢(さんしょううお)」だなんて鈍くさい親父にお似合いだ。 それに引き換え、あの人、伊神甚兵衛様はまぶしかった。 「大物喰い」「鳳(おおとり)」「日ノ本一の火消」。 初めは大げさと思われた「炎聖」の称号でさえもやがて誰もが相応しいと認めるようになった。 それなのに最後の最後、救ったのは親父、救われたのは伊神様だった。 火付犯に堕ちた伊神様の心を救い、業火の中、最後まで命を救うことを諦めなかった親父。 ふたりの死後、頭になった自分の口から出るセリフはいつしか親父と寸分たがわぬものになっていた。 「火消はどんな命でも救うもの。それが悪人であろうとも。」 しかし、今また起こる怪火。そして死んだはずの伊神様の影。 伊神様は生きているのか、そして再び復讐を始めたというのか。 だとしたら親父の犠牲は一体何だったのか。 いや、俺は人の強さを信じる。親父の最期の言葉はこうだったではないか。 「人の強さは人の弱さを知ることだ。それを喰らって人は強くなる。行け源吾、決して諦めるな。喰ってやれ!」
結婚して銀河の果てまで金を探しに行こう。 それがプロポーズの言葉だった。 人工冬眠とワープ航法を繰り返して100年余り宇宙を彷徨った末に、地球から200光年離れた辺境の星でやっと見つけた金鉱脈。 その頃には2人の息子に恵まれ家族は4人になっていた。 さらに8年を費やして採掘・精錬し続けた結果、小型宇宙艇に乗せられる限度いっぱの123本もの金塊を得ることができた。 今後は12回のワープと48年の人工冬眠により、所要実働時間4年で地球に帰ることができる。 2人の息子にとっては両親以外に初めての人間に出会うことになる。 両親のように心から愛しあえる伴侶を見つけることができるのだろうか。 愛がなければモモタロー号に積んだ莫大な金も一文の価値もないと同然なのだから。
2018年「火喰鳥(ひくいどり)羽州ぼろ鳶組」から始まった今村翔吾さん原作の羽州ぼろ鳶組(うしゅうぼろとびぐみ)シリーズのオーディオドラマ化。 2024年、遂に前半の集大成ともいえる第7弾「襲大鳳(かさねおおとり)羽州ぼろ鳶組」にたどり着き