桜庭一樹『私の男』読了。親娘のタブーを扱った作品だが、嫌な感じがしない。現在から、過去に遡って親娘それぞれの罪が明らかになるという趣向。語り手が変わるので、映画で描かれていない登場人物たちので心模様が明らかに。この作品を […]
桜庭一樹『私の男』読了。親娘のタブーを扱った作品だが、嫌な感じがしない。現在から、過去に遡って親娘それぞれの罪が明らかになるという趣向。語り手が変わるので、映画で描かれていない登場人物たちので心模様が明らかに。この作品を […]
ハーラン・コーベン 『 ステイ・クロース 』は、ある男の失踪事件を契機に、パパラッチくずれの写真家と過去を隠す元ストリッパーの主婦、二人の過去が明らかになるというミステリ。失うまで幸福の大きさに気付かない。そんな危うさが上手く表現されています。
小塚亮大、成り代り 手記、きっかけ少女誘拐死の葬式、クラスメイトの妹 手記、私、母の連子、妹告げ口、理不尽な祖母の叱責、 妹崖から突き落とし、怪我で済んだものの、母と私追い出され 母生活の乱れ、暴力を感受する、私性衝動、 […]
ダン・ライオンズ 『 スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家 』は、52歳のおじさんのスタートアップ企業での奮闘記です。ビジネス書というよりギョーカイ暴露本に近いでしょうか。スタートアップの錬金術のカラクリと、一部に富の偏在する実態が良く分かります。
原田マハ 『 楽園のカンヴァス 』は、アンリ・ルソーを取り上げたアート・ミステリです。ルソーについては、ヘタウマ絵ぐらいの認識でしかなかったのですが、本作品を読んで考えを新たにしました。著者のアート系の作品は、刺激的であり勉強にもなるので、恋愛小説や成長小説よりも好みです。
長嶋有 『 佐渡の三人 』は、死にまつわるお話4作品を収めた連作短編集です。亡くなった親族の納骨に向かう、ある家族の”ゆるゆる”とした日々が描かれています。この”ゆるゆる”感は、著者ならでは。さしてドラマチックな出来事は起こりませんが、それが良いのです。
ビル・プロンジーニ 『 脅迫 』は、作中に主人公の名前が表れないハードボイルド、名無しの探偵シリーズの第7弾です。これまでとは違った趣となっています。密室トリックとしてはイマイチだし、犯人もインパクトが少ないのですが、地味な探偵小説に多様性を与える意味はあったと言えるでしょう。
スティーヴン・キング『クージョ』は、狂犬病を患った巨大な犬が、車に立て籠もった母子をひたすら襲うというごく単純なストーリ―です。短編ですら間が持たないシチュエーションでしょう。これを、読み手を飽きさせるどころか、息もつかせぬ極上のパニック長編に仕立て上げるのが巨匠キング。
ジェイン・アン・クレンツ 『 ガラスのかけらたち 』は、ロマンティックミステリです。恋愛+殺人ミステリに加え、サイドストーリが絡み合って読み応えはあります。事件の結末はあっけなくて肩すかし気味なので、愛憎と癒しのドラマとして理解した方が良いかもしれません。
中薗英助 『闇のカーニバル スパイミステリィへの招待』は、スパイをテーマとした評論集です。著者の幾つかの作品を読み終えていれば、著者の主張に首肯したり、反発を覚えたり、感慨を深めることができるのでしょうが、残念ながら目が滑って時間ばかりかかってしまいました。
横山秀夫 『 ノースライト 』は、再生の物語です。D県警シリーズ、F県警シリーズといった、事件をとりまく男たちが沸騰する警察小説・・・とは全く異なります。本作品は、ミステリとしては、サスペンスフルな展開よりも、叙情的なシーンが勝っているのです。
エドワード・D・ホック『ホックと13人の仲間たち』は、著者のシリーズキャラクターが13人を集めた短編集です。こう並べてみると、作風はキャラ先行型と言えますか。物語が、キャラクターを際立たせるためにあるような印象を受けます。これは!という作品がないのが残念です。
山内昌之 『 嫉妬の世界史 』は、嫉妬の視点で世界史を切り取ったものです。歴史は夜作られる、でななくて、歴史は嫉妬で作られるを、洋の東西の文献から証明を試みています。ただし、嫉妬があったんじゃね?ぐらいの想像の範疇ではありますね。
樺沢紫苑 『 学びを結果に変えるアウトプット大全 』は、精神科医である著者が、心理学や脳科学に言及しつつ、「話す」「書く」「行動する」によるアウトプットを、ノウハウとしてまとめたものです。テーマ毎に見開きページで完結する体裁で解説を進めており、読み易くはあります。
ロバート・ゴダード 『 日輪の果て 』は、名品『蒼穹のかなたへ』の続編です。前作から6年後、引き続き文芸作品もかくやという重厚さを期待すると、大きく外してしまいます。例えるならば、まるで下手くそなドナルド・E・ウェストレイクの作品を読んでいるようです
原田マハ 『 たゆたえども沈まず 』は、フィンセント・ファン・ゴッホ、テオ兄弟と、パリの日本人美術商の物語です。美し過ぎる兄弟愛と友情がつづられていますが、そこはフィクションということで。フィンセント・ファン・ゴッホの生涯に、林忠正を絡ませて、よりドラマチックに仕上がっています。
米澤穂信 『 愚者のエンドロール 』は、省エネ男子高校生が、日常の謎を解く、古典部シリーズの第二弾です。一つの事件に様々な探偵が推理を述べ、二転三転しながら真相を導き出すという点で、アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』のまさにオマージュとなっています。
氏家幹人 『 江戸人の老い 』は、文献を紐解き、江戸時代の老人の姿から老いを考え直す試みです。本書は、鈴木牧之、徳川吉宗、敬順、江戸時代の3名の老人を取り上げています。三者三様の老後から、自分の老い先にも思いを馳せてしまいました。
ジョー・ゴアズ 『 狙撃の理由 』は、自身を狙撃した犯人を追う追跡劇です。本作品で際立っているのは、キャラクターの心の機微が、微に入り細を穿つが如く描かれている点です。クライマックスは、多いに盛り上がるのですが、さてさて、ラストは・・・こういう結末も嫌いじゃありません。
ジョー・ゴアズ 『 狙撃の理由 』は、自身を狙撃した犯人を追う追跡劇です。本作品で際立っているのは、キャラクターの心の機微が、微に入り細を穿つが如く描かれている点です。クライマックスは、多いに盛り上がるのですが、さてさて、ラストは・・・こういう結末も嫌いじゃありません。
桜庭一樹『私の男』読了。親娘のタブーを扱った作品だが、嫌な感じがしない。現在から、過去に遡って親娘それぞれの罪が明らかになるという趣向。語り手が変わるので、映画で描かれていない登場人物たちので心模様が明らかに。この作品を […]
ハーラン・コーベン 『 ステイ・クロース 』は、ある男の失踪事件を契機に、パパラッチくずれの写真家と過去を隠す元ストリッパーの主婦、二人の過去が明らかになるというミステリ。失うまで幸福の大きさに気付かない。そんな危うさが上手く表現されています。
小塚亮大、成り代り 手記、きっかけ少女誘拐死の葬式、クラスメイトの妹 手記、私、母の連子、妹告げ口、理不尽な祖母の叱責、 妹崖から突き落とし、怪我で済んだものの、母と私追い出され 母生活の乱れ、暴力を感受する、私性衝動、 […]