side*M宗一のキスはとても優しかった…腕の長さも背丈もずいぶんと変わったけど腕の中の温もりはあの頃のままだった。宗一だけは傷つけたくないのに…だから遠くへ行こうとするのに…あたしなんかを選ぶなんてどうかしてる
side*広海こうなる事くらいはどこかで覚悟してた。自分で傷つけて泣かせるくらいなら、いっそ気持ちのままに行ってしまえばと…真雪の気持ちは知ってるから。自分の気持ちを隠し続けるのに疲れたけど、想いを伝えるワケにはいかなくて…
サイド*史乃私に海斗との過去がなければ、この涙の意味はきっと違ってた…どんな形でもあなたが私をこんなに見つめて必死に向かって来てくれるコトに涙が止まらなかったと思うよ。*〜*〜*「や…渚っっ……!」
side*真雪あれからずっと胸の奥が痛い…どうしてかな……もうワケわかんなくて、自分の部屋から出て行けずに昔誕生日プレゼントでひーくんがくれたクマのぬいぐるみを抱きしめてた。時計を見るともう8時を過ぎてる。ひーくん、もう
side*広海真雪が家に来てから1週間が過ぎた。オレは春休み中も朝から部活、たまに同じ部員で親友の(中瀬)智也のとこに泊まったりで、意識的に真雪と顔合わせるのを避けてた。そんなオレはさておき、母さんは女の子が欲しかったから大はしゃぎして真
登場人物紹介星野 真雪(ほしの まゆき)…16歳。高1。広海とは母方の従兄妹。10歳から16歳まで父親の単身赴任で大阪へ。その後父が海外赴任することになり、春から高校進学と大学受験の準備のために従兄の広海の家に住むことになった。病弱だった実母とは8歳の時
あなたであなたの残して行った足跡を消す。 10話 side*理人
side*理人25日、Xmas…どこにでもある様なBARのトイレ。客は時間帯もあってまばら、だけどXmasムード一色で誰も酔っ払って気づかない。空虚で埋め尽くされた心は性欲処理に走った。結果、快感も何も感じずに、ただやり場のない
あなたであなたの残して行った足跡を消す。9話 side*茉歩
side*茉歩私はとっさに人生最大のウソをついた。心の中はグチャグチャで、椎名くんについてくなんて出来なかった。私はあの頃からずっと弱虫のまま。いつの間にか構って欲しくて怒ったフリをしたり、無関心を装っては注意を引こうと必
サイド*慎司一体、何が何だかワケがわからない。だってあいつ……いきなり弁当押しつけて、私じゃダメだとかどーのこーの勝手に喋りだしてさ…正直怖かった。先輩との事がバレるわけないのに、スゴく怖かった。後ろめたさ
あなたであなたの残して行った足跡を消す。 8話 side*理人
side*理人やっぱり男といたんだな。あらかた想像はついてた。イブに出かける約束なんて、相手はほぼ男だ。隠してやがって…ムッカつく女。このまま何もなく帰れると思うなよ。このオレを騙しておいて、他の男
サイド*尚輝オレはどこに向かって行けばいいんだろう。亜美はこんなオレに見切りつけて、沢渡とつき合ってしまうかもしれない。だけどそれを許してしまったのはオレ自身だ。今のオレには、それを止める資格も何もない……頭ではそ
サイド*渚入学式の、桜の花びらが風に吹かれ舞い散る中で君が海斗と仲良さげに話してるのを見たんだ。友達にしてはそれ以上のような、だけど、どこか違うような… 今思えば、どこかで予感してたのかも知れない。こんな鈍感なオレで
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