アパートに戻り、掃除や洗濯をしながらダラダラ過ごして一日が終わり、翌朝、眠い目を擦りこすりながら会社へ向かった。 今日は新しいプログラムのコーディングを終わらせ、コンパイルに入ら...
ボンクラの、ボンクラによる、ボンクラのためのWeb小説・ネット創作詩のオンライン文芸サイト
映画『北京原人』が「ジュラシック・パークに対する東映からの回答」であるように、「ロード・オブ・ザ・リングに対する東映からの回答」的ボンクラ創作小説を中心に、短編小説やエッセイ、詩を書いています。 マッハ78や東映、バカ映画、B級SF・ホラー映画や小説等が好きな方は、暇つぶしに読んでみてください。
アパートに戻り、掃除や洗濯をしながらダラダラ過ごして一日が終わり、翌朝、眠い目を擦りこすりながら会社へ向かった。 今日は新しいプログラムのコーディングを終わらせ、コンパイルに入ら...
曇り空の下、人もまばらな朝の街を駅を目指して歩いていく。 日曜日のため電車の中も閑散としていて、新宿駅での乗り換えにも苦労せず、目黒まで楽に到着した。 朝飯を食ってないため、途中...
密集したパンクスの熱気で温度が上がるライブハウス、革ジャンまで汗まみれになった体を大勢の男たちに揉みくちゃにされながら興奮度が上がり続ける。 俺の周りで喧嘩をはじめる奴らまで現れ...
朝起きてコンビニで朝食のパンと飲み物を買い、アパートに帰って食事をしながら財布の中身を確認する。 ルイスレザーの革ジャンを買ってしまったり、意図せずラブホテルへ行ってしまったため...
新人歓迎会の夜から昨日まで、なぜか知らない女とセックスばかりしてる気がする。 僅わずか二ヶ月前まではオナニーのための妄想でしかなかったことが、現実の出来事となり体験しているのだ...
会場を後にする客の流れを見ていると、隣に座る板野先輩が立ち上がる気配がして俺も席を立つ。「帰るっぺぇ。何か食っていくか」「そうっスね、腹が減りましたよ」 ライブで興奮したためか、...
なんだろうと思い、立ち止まって二人を交互に見ていると、女がバッグから何かを取り出し歩み寄ってくる。 女は俺の目の前で立ち止まり、何かを手にして両手を差し出した。「マガジン出版でヤ...
端末室のドアを開けると、板野先輩が両手で頭を抱えたまま動かない姿が見える。 足音を立てないよう近付き隣の空いた席に腰掛けると、先輩がこちらに顔を向けた。「安養寺、丁度いいところに...
翌日も、そのまた翌日もプログラムと格闘する日々。帰る時間も十九時、二十時、二十一時と遅くなっていく。 だいたい、プログラムを制御するジェーシーエルという汎用機はんようき向けの言語...
「安養寺君、その頭はなんだ? 鶏のトサカみたいじゃないか」 声をかけられてハッとし、振り向くと大滝課長が立っている。 カツラで偽装した頭を見抜くような厳しい視線を投げつける課長に...
仕事に戻り、再び始まるプログラムとの格闘。 向かいの席に座る薮田さんを見ると、左手で頭を抱えながら体を揺すっており、なにかブツブツと呟つぶやいている。(集中しすぎて独り言でも言...
ボールペンの先で指されるサブシステムのフローチャートは、素人の俺からすると複雑すぎて頭が混乱しそうになる。 それでも必死に説明を聞くが、注意が駒田主任の突き出した胸に向けられてし...
鍋とフライパンを片付けて服を脱ぎ、バスルームに入りシャワーを浴びる。 股間を見れば女の液体がベッタリ付き、白く乾いてバリバリになった自分の陰毛があった。(これじゃ女の匂いがするっ...
途中、アパート近くにある教習所から突然車が飛び出してきて驚いたが、俺より運転している女と助手席の教官のほうがびっくりした顔をしている。 思わず笑ってしまったが、俺も教習所に通っ...
(やるって、なにをやるんだ?) 彼女の言葉を理解できないままでいると、ミーが俺の左腕を掴つかみ歩きはじめた。 引っ張られるまま付いていくと、悲鳴館近くのコンビニの角を曲がり、路地...
股間の痛みに耐えながら駅まで歩き電車に乗るものの、気分は晴れない。ラブホテルに入ってしまったとき、受付のオヤジに助けを求めることもできたはずだ。 吊革に掴まり窓を見ると、虚ろな目...
便器の前に立つと、どれくらい膀胱に入ってたんだと思うほど小便が出る。 スッキリして外に出ると、みんな帰ってしまったのか会社の人たちは誰もいない。 飲み会の喧騒から解放され、週末で...
目の前で一気にビールを飲み干し、空になったジョッキを手に立ち上がると、部屋のドアを開けて叫ぶ。「お姉さーん! 生ビール二杯追加!」 板野は、まるで餌を待つ犬のようにドアの前に立ち...
地下鉄を乗り継ぎ、俺たちは六本木へ。 駅の改札を抜けて地上へ出ると、道路の両側を埋め尽くすように立ち並ぶビルの狭間を、夜の街を彩るネオンや照明に照らされながら、大勢の人たちが歩い...
開発部はユニックス機が置いてある部屋と同じフロア、会社が入っているビルのひとつ上の階にある。 階段を上っていき、「日本データサービス開発部」と書かれたドアを開けると、右側がユニッ...
イフ文にパフォーム文、ピクチャー句、いろんな命令文や定義文が解説され、ノートに書きながら少しづつコボル言語を覚えていく。 駒田主任の説明は分かりやすく、開発部は嫌だと思っていた俺...
お喋りを続ける女二人を引き連れ、ビルの谷間を歩いて会社へ向かう。 後ろを歩く安田さんと馬場さんは、相変わらず俺の顔のことで盛り上がっており、どんな服が似合うか話している。 俺の私...
人事部で書類を訂正して会議室へ戻ると、桑原課長促うながされて席に着く。人事部から、会社の組織がどうなっているのか説明するらしい。「日本データサービスは、銀行や証券会社のコンピュー...
気怠けだるい午後の昼下がり、帝釈天と柴又駅の間を通る道を、春の日差しを浴びながら昨日とは反対方向に歩く。 ガソリンスタンド、コンビニ、焼き肉屋、埼玉の実家付近では絶滅してしまった...
アパートへ来るときに通った道を高砂方面に向かい、駅前にあった大型スーパーを目指す。 昨日は気付かなかったが、高砂駅へ行く途中の踏切手前に蕎麦屋を見つけた。好きな食べ物だし、今日の...
アパートを出て右に行くと少し大きな通りに出る。 その通りを左へ曲がり少し行くと、右側には有名な映画で何度も見た帝釈天の参道が現れ、左側には、失恋した主人公が大きなトランクを持って...
荷物を詰めたバッグを持ち、まずは不動産屋から鍵を預かっている銀座の叔父の店へ向かう。 山手線の新橋で下車し、歩いて銀座へ。 伯父の家は銀座といっても外れにあり、新橋に近い。昔は...
駅までの道のりで一本吸い、銀座線で上野まで行きアメ横へ向かう。 地下鉄の中でも降りてからも、判で押したように若い男はソフトスーツ、若い女はワンレンかトサカ前髪で肩パットが入ったボ...
一月半ば、高校卒業を目前に控え、まだ進路が決まってなかった俺は、親や教師に将来のことを考えるよう言われるのが嫌で、学校帰りに本屋へと足を向けた。 就職情報誌を適当に開いて目に入っ...
この映画について聞かれると、筆者は勝手に「ジュラシック・パークに対する東映からの回答」と説明している。 誰が北京原人を演じているのかという仕掛けもまったく話題にならず、制作した東...
春の冷たい雨の中、後ろが気になり何度も振り返りながら家路を急ぐ。いまだに背中を走るゾクリとした悪寒が治まらない。 稲荷神社から家まで僅か八百メートルの距離、その道のりが途方もなく...
※嫁に「工事現場の騒音みたいなのばかり聴いてないで、これを聴いてみろ」とCDを渡されたので、忘れて夫婦喧嘩にならないよう記しておく。「革のパンツにブーツ、ありきたりなヘヴィメタルの...
「俺は死ぬとき、残される妻に何を言うんだろう」 そう思ったのが、夢幻の旅を考えるきっかけでした。女性の寿命のほうが男性より長く、どう考えても先に死ぬのは俺だろうと。 書くなら夫婦の...
「こんなに早く亡くなるなんて……」「光平、迷わずお父さんのところへ行くんだよ」 八月二十日、身内だけで光平さんの四十九日法要を行い、お義父さんが眠る墓への納骨を終えた。 棺を閉じる...
いまでも俺はやり続けてる お前との約束を果たすためレコードとは違うものになってしまうけどお前のビートに乗せて 言葉を紡ぐ不幸が続き 狂気に抱かれ 闇に沈んだ正気を失くしたお前との約...
そんな気配を感じながら、放射線治療に投薬治療が続く毎日。 ひどく体が痛むときは鎮痛剤の医療用モルヒネを処方され、頭がボゥッとしてしまい意識を保つのも難しい。 ベッドに寝ているだけ...
緩和ケア病棟は、今いる病棟の南側にある。 二つの病棟をつなぐ二階の連絡通路に行くため、俺たちはエレベーターに乗り込んだ。 扉が閉まると、俺は溢あふれ出る涙を袖口で拭き、大きく溜...
しばらくの間、椅子に座ったまま天井を見ていたが、やはりというか、当然のことだが思考が停止してしまい何も考えることができない。 頭の中にあるのは『死』の文字だけ。 人は誰でも死ぬと...
道路に出て、車を走らせてから少しすると、やっと緊張から解放され息が整っていく。 ここ最近、自宅で起こる怪異や俺のスマホに自分からのメールが着信するなど、不思議な現象が続いている。...
駐車場から病院の前を通る道に出ると、東に向かって通勤ラッシュが終わった道路を走る。時間は朝十時過ぎ、交通量は少なく車は快調に走っていく。 やっと退屈な入院生活から解放されたためか...
ケースを開きスマホの画面を見ると、電池が残り三十パーセントを切っている。 この先何日かの入院生活を考えて少々焦り、充電用のケーブルを持ってきてくれたか聞いてみた。「良美、スマホの...
廊下に出て右に行くと、突き当たって左側にテーブルやベンチが設置されたスペースがある。 その場所に人が多くなかったこともあり、窓際まで点滴をぶら下げたイルリガートルを押していき、ベ...
「良美、売店で水を買ってきてくれないか」 俺はベッドに横になったまま、クローゼットに荷物を収納している良美に向かって、水を買ってきてくれるよう頼んだ。 昨夜からの水分補給が朝食の味...
――救急車の通過を知らせる、騒々しいアナウンス。 けたたましく鳴り響くサイレンに叩き起こされて目を開くと、カーテンで仕切られた病室のベッドの上で寝ていた。(そうだ、店で倒れて入院...
「良美! 脚立きゃたつに上ってくれ!」 一階の屋根に付いている雨樋あまどいを外し終えた俺は、季節外れの大雪で壊れた家の雨樋を修理するため、良美に手伝ってもらって新しい雨樋に交換しよ...
――遠くから聞こえてくるサイレン。頭上に感じる人の気配。体に感じるのは冷たく硬い材質。 なぜか俺は寝ているようだが、動こうとしても体が言うことを聞かず、頭と右肩が痛い。 瞼まぶ...
人目に触れないよう店の裏側へ回り、周囲に人がいないことを確かめてから胸のポケットにある煙草とライターを取り出し、左手に持った煙草の先に火を点ける。 ライターを胸のポケットにしまい...
公園を出て丘を降っていくと、下に灯りが見えてくる。 丘の前を通る四車線の道路には多数の外灯が立ち並び、夕暮れが終わろうとしている世界を明るく照らし、道路を幻想的なまでに浮かび上が...
一階に降り、玄関を出て庭の奥にある犬小屋が目に入った途端、昨夜からジョニーに餌えさを与えてないことに気づき、慌てて容器を持ってドッグフードストッカーへ小走りに駆けていく。 容器い...
The Wounds Are Never Healed 其の1
「せい!」「どりゃあ~っ!」 ヘンタイロスが寿司怒雷武で瀕死の料理修行を開始したのと同様、ベラマッチャも舐め犬店「ドッグファイト」で体力の限界を感じる毎日を過ごしていた。 同じ部屋...
スマホを枕元に置き、目を閉じてもの思いに耽ると、俺の脳裏に良美の顔と蛍の顔が同時に浮かんでは消えていく。良美は帰ってきてくれるのか、そのことでメシも喉を通らず、憔悴する俺の姿を見...
良美が家を出ていった事実を受け入れられず、俺は唇を歪めながら右手に持ったメモをクシャクシャに丸め、ゴミ箱めがけておもいっきり投げ捨てた。 病院にいたときから腹が鳴っており、体は食...
ずらりと並んだガキども 希望するのは自由への旅独裁者を蹴散らすために 仲間を集めフォーメーションを整える理不尽に押し付けられるものは力づくで排除 そのための破壊と暴行は正当な権利の...
昨日の希望に満ちた想像が不可思議な現象と共に絶望に変わり、奈落の底に叩き落されたまま床に就いたが、良美と蛍のことを考えているうちに寝てしまったようだ。 朝の光と小鳥のさえずりで目...
「よく聞いてくれ……」 バクバクと破裂しそうなほど高鳴る心臓。慎重に、言葉を選びながら覚悟を決めて口を開く。「お前と知り合う前のことだけど、若いころ付き合ってた人との間に子供がいる...
俺の腕の中で震える良美に目をやり、次いで食器棚に視線を移すと、揺れる食器棚の中に置いてある皿がガチャガチャ音を立てて上下に振動している。「ちょっと……なんなのよ、これ……」「どう...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の6
「うぅっ……」 ヘンタイロスは絶句した! なんと、自身が切り分けたネタとアヘイジが切り分けたネタの味が違うのだ! 驚きのあまり声が出ないヘンタイロスを見て、アヘイジはニヤリと笑って...
翌朝、目を覚まして出社したものの、どうやって蛍のことを話そうか頭がいっぱいで仕事が手につかない。大事な話だし繊細な事柄なので、良美を怒らせないよう慎重に事を進ませたい。 昼休みに...
日本一暑くなる街の近くに住んでるためか、夏が嫌いである。だいたい、天気予報で関東最高気温を記録した街を見ると、毎日のように熊谷市だ。「あついぞ! 熊谷!」などと街おこしに利用して...
昨日に続いての自分で自分に送信しているメールに驚き、メールを確認すると、やっぱりタイトルも本文もない。 なぜこんなメールが着信するのか考えていると、キッチンから良美が話しかけてき...
あの水晶のチョーカーは今でも身に付けている。良美の手前、名前を彫ったタグは取ってしまったが、俺が気に入って作ったんだし毎朝身に付けることが習慣化してしまっていた。 右手で涙を拭い...
――お父さん? なに言ってるんだ、この娘は……。 突然の事で頭が混乱して言葉が出てこない。あたりまえだ、俺に子供はいないんだから。 もしかしたら、この娘は頭がおかしいのかもしれな...
蛍は女性誌を一冊抱えてニコニコ微笑みながら、顔を向けただけの俺を見つめている。 一瞬ドキリとし、抱きしめてしまいたい衝動に駆られるものの、なぜか同時に罪悪感が沸き起こり、一歩踏み...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の5
白目を剥き痙攣するヘンタイロスの頭からは、薄っすらと煙さえ立ち上っている。アヘイジは全身を痙攣させるヘンタイロスを満足そうに眺めると、寿司怒雷武のスイッチを切った。「ポォゥッ! ...
付録を付けるのはスタッフに任せるとして、カートに置いた雑誌を出してしまおう。今日の商品入荷量では、雑誌に付録を付けてからだと開店時間を過ぎても雑誌が出ない。女性誌は付録付き商品が...
翌朝、目を覚ましてダイニングへい向うと、良美が作る朝食の匂いが漂ってくる。「おはよう」「おはよう。あなた、新聞取ってきて。いま手が離せないの」 良美に言われ、門のところまで新聞を...
お前は凡人 俺は破壊者毎日の暮らしに満足して幸せを感じるお前 毎日の生活に疲れて絶望を感じる俺の違いさお前が自分探しの旅をしてるのは 変わらない毎日に飽きてきたからだけど考えてみろ...
風呂から出た後、スマホはダイニングテーブルの上に置いたままだったし、当然パソコンも使ってない。それに、自分で自分のメールアドレスに空メールを送信する理由などないだろう。 左手に持...
二十秒ほどで勢いよくお湯から頭を出し、体が温まったところで風呂を出てダイニングへ向かうと食欲をそそる匂いが漂ってくる。キッチンにある冷蔵庫を開けて缶ビールを一本取り出し、テレビを...
帰宅ラッシュの国道から灯りが全くない山道へ入り、細く曲がりくねった峠をひとつ超えて自宅がある街に入る。早く気持ちを切り替えなければならないのに、俺は車を走らせながら初めて蛍と出...
人の一生はあまりにも短い。これまでの人生を振り返れば走馬灯のように過去が甦り、幻だったかのように消えていく。過ぎ去りし日々に後悔があろうと変えることはできず、悔いなき人生を全うし...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の4
ヘンタイロスがワグカッチの風呂屋でのスペクタクルな体験を思い出して一人エキサイトしていると、アヘイジが屋台の下からなにやら取り出し、埃を払っている。見れば、それは硬そうなバネの塊...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の3
ヘンタイロスとザーメインの前に出されたのは、先ほどと同じコハダの寿司である。なぜ同じネタの寿司を握ったのか真意を量りかねて食べずにいると、アヘイジの声が聞こえてきた。「兄さん、そ...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の2
「うぅっ……」 アヘイジが握った寿司を口に入れた瞬間、ヘンタイロスの後頭部に鈍器で強打されたかのような衝撃が走った! 全神経が勝手に口に集中し、寿司を食べることが止められない。吟味...
Gimme Gimme Shock Treatment 其の1
レストランを出たザーメインとヘンタイロスは、通りを歩きながら先ほどの料理について話していた。大陸料理の華やかさに魅了されたヘンタイロスは、盛り付けの優美を褒めるものの、隣を歩いて...
「犬をいじめると狼が来るぞ!」 子供の頃、犬に追いかけられて石を投げつけながら家に帰ると、小鹿野町出身の祖母に決まって「狼が来るぞ」と怒られた。 昔は犬が放し飼いにされていて、野...
翌朝、目を覚まして朝食を食べ終え、父さんと和幸を見送り小鹿野のおじさんの家に行くため着替えを用意しはじめたものの、今度は何日泊まっていいのか分からない。一階に降りて洗濯している母...
採血が終わり、看護師さんが廊下のベンチに座っていた母さんを呼びに行く。僕がドアを見ていると母さんが入ってきて、榛沢先生が看護師さんが出した椅子に座るよう言う。母さんがバッグを持っ...
椅子に座ったまま靴下を脱ぎ、診察台に上がって仰向けに寝ていると、横に来た榛沢先生が僕の足首を触診し始めた。「痛いっ!」 ズキンとする痛みに思わず声を出してしまったが、先生は気にす...
朝、目を覚ますと鮭を焼く良い匂いが漂ってくる。眠い目を擦りながら布団から抜け出し、匂いを辿りながら居間へ行くと、おじさんが囲炉裏で味噌汁を作っていた。「おう秀人、起きてきたか」「...
「おじさん、思い出したよ! ロボは三年前の夏、両神山で怪我してた子犬だったんだ!」 おじさんは思い出すような顔をしながら助手席に座る僕の顔を見つめ、再び正面を見ながら口を開いた。「...
博物館の前にある土産物屋の横へ行き、木に繋いであった犬たちを駐車場に連れて行こうとすると、三匹の犬がいない。きっとおじさんが連れていったんだろうと思い、一人で駐車場へ向かった。 ...
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アパートに戻り、掃除や洗濯をしながらダラダラ過ごして一日が終わり、翌朝、眠い目を擦りこすりながら会社へ向かった。 今日は新しいプログラムのコーディングを終わらせ、コンパイルに入ら...
曇り空の下、人もまばらな朝の街を駅を目指して歩いていく。 日曜日のため電車の中も閑散としていて、新宿駅での乗り換えにも苦労せず、目黒まで楽に到着した。 朝飯を食ってないため、途中...
密集したパンクスの熱気で温度が上がるライブハウス、革ジャンまで汗まみれになった体を大勢の男たちに揉みくちゃにされながら興奮度が上がり続ける。 俺の周りで喧嘩をはじめる奴らまで現れ...
朝起きてコンビニで朝食のパンと飲み物を買い、アパートに帰って食事をしながら財布の中身を確認する。 ルイスレザーの革ジャンを買ってしまったり、意図せずラブホテルへ行ってしまったため...
新人歓迎会の夜から昨日まで、なぜか知らない女とセックスばかりしてる気がする。 僅わずか二ヶ月前まではオナニーのための妄想でしかなかったことが、現実の出来事となり体験しているのだ...
会場を後にする客の流れを見ていると、隣に座る板野先輩が立ち上がる気配がして俺も席を立つ。「帰るっぺぇ。何か食っていくか」「そうっスね、腹が減りましたよ」 ライブで興奮したためか、...
なんだろうと思い、立ち止まって二人を交互に見ていると、女がバッグから何かを取り出し歩み寄ってくる。 女は俺の目の前で立ち止まり、何かを手にして両手を差し出した。「マガジン出版でヤ...
端末室のドアを開けると、板野先輩が両手で頭を抱えたまま動かない姿が見える。 足音を立てないよう近付き隣の空いた席に腰掛けると、先輩がこちらに顔を向けた。「安養寺、丁度いいところに...
翌日も、そのまた翌日もプログラムと格闘する日々。帰る時間も十九時、二十時、二十一時と遅くなっていく。 だいたい、プログラムを制御するジェーシーエルという汎用機はんようき向けの言語...
「安養寺君、その頭はなんだ? 鶏のトサカみたいじゃないか」 声をかけられてハッとし、振り向くと大滝課長が立っている。 カツラで偽装した頭を見抜くような厳しい視線を投げつける課長に...
仕事に戻り、再び始まるプログラムとの格闘。 向かいの席に座る薮田さんを見ると、左手で頭を抱えながら体を揺すっており、なにかブツブツと呟つぶやいている。(集中しすぎて独り言でも言...
ボールペンの先で指されるサブシステムのフローチャートは、素人の俺からすると複雑すぎて頭が混乱しそうになる。 それでも必死に説明を聞くが、注意が駒田主任の突き出した胸に向けられてし...
鍋とフライパンを片付けて服を脱ぎ、バスルームに入りシャワーを浴びる。 股間を見れば女の液体がベッタリ付き、白く乾いてバリバリになった自分の陰毛があった。(これじゃ女の匂いがするっ...
途中、アパート近くにある教習所から突然車が飛び出してきて驚いたが、俺より運転している女と助手席の教官のほうがびっくりした顔をしている。 思わず笑ってしまったが、俺も教習所に通っ...
(やるって、なにをやるんだ?) 彼女の言葉を理解できないままでいると、ミーが俺の左腕を掴つかみ歩きはじめた。 引っ張られるまま付いていくと、悲鳴館近くのコンビニの角を曲がり、路地...
股間の痛みに耐えながら駅まで歩き電車に乗るものの、気分は晴れない。ラブホテルに入ってしまったとき、受付のオヤジに助けを求めることもできたはずだ。 吊革に掴まり窓を見ると、虚ろな目...
便器の前に立つと、どれくらい膀胱に入ってたんだと思うほど小便が出る。 スッキリして外に出ると、みんな帰ってしまったのか会社の人たちは誰もいない。 飲み会の喧騒から解放され、週末で...
目の前で一気にビールを飲み干し、空になったジョッキを手に立ち上がると、部屋のドアを開けて叫ぶ。「お姉さーん! 生ビール二杯追加!」 板野は、まるで餌を待つ犬のようにドアの前に立ち...
地下鉄を乗り継ぎ、俺たちは六本木へ。 駅の改札を抜けて地上へ出ると、道路の両側を埋め尽くすように立ち並ぶビルの狭間を、夜の街を彩るネオンや照明に照らされながら、大勢の人たちが歩い...
開発部はユニックス機が置いてある部屋と同じフロア、会社が入っているビルのひとつ上の階にある。 階段を上っていき、「日本データサービス開発部」と書かれたドアを開けると、右側がユニッ...
密集したパンクスの熱気で温度が上がるライブハウス、革ジャンまで汗まみれになった体を大勢の男たちに揉みくちゃにされながら興奮度が上がり続ける。 俺の周りで喧嘩をはじめる奴らまで現れ...