リスクと財産目録

不倫は、多大なリスクを伴う行為です。発覚した時に起きる事態の重大さを受け止める覚悟もなく、寂しさや性欲だけに引きずられ、軽い気持ちで身を投じると後悔することになりやすいです。 離婚に至ったり、子どもから軽蔑されたり、多額の慰謝料を支払わなくてはならなかったり、会社を辞めることになるかもしれない。それに釣り合う「やむにやまれぬ事情や動機」があるか、それを自問してみることは、とても重…

罪の意識

パートナーに不倫された時、多くの人が「裏切られた」と感じるはずです。ネット上の不倫相談掲示板などでも、この感情を訴える人が大半です。 裏切りとは「味方を捨てて敵方についたり、約束・信義・期待に背いたりすること」です。この場合は後半の意味が当たるのでしょう。 つまり、結婚する時に「一緒に幸せになろう」と交わした約束を破る行為であり、子どもにとっては家庭を守ってくれるとい…

不倫には不倫を？

金銭面での罪から精神面での罪までは、主に自分の家族や周囲に対しての罪という視点で書きましたが、相手の家族に対しても同様に罪を犯しているのは当然です。 さて、罪と罰といえば思い出すのが「目には目を、歯には歯を」という有名なフレーズ。一般には復讐を奨励する言…

精神面での罪

不倫における最大の罪がこの精神面にあるのは、論を俟ちません。最も許せない伴侶の裏切りは、自分以外の相手に恋愛感情を抱く事だと、ほぼすべての既婚者は思っている筈です。 これは、ロマンチック・ラブが結婚の礎だとする考え方によるものでしょう。つまり、夫婦は伴侶に対する恋愛感情を一生持ち続けるべきで、婚外に恋愛対象を持ってはならないという考え方です。 恋愛感情の伴わないセック…

信用面での罪

ここでの信用は、社会的な信用・立場を指します。不倫が発覚した場合、社会的な制裁を受けることになります。本人たちがそれを受けるのは、いわば当然の報い。しかし、家族にもそれが及ぶのはやはり罪でしょう。 犯罪には当たらない不倫ですが、世間の目は法的にどういう扱いかより、興味を引くかどうかで噂の餌食になるかどうかが決まります。発覚したら、ほぼ避けようがありません。 では、発覚しなければいい…

物理面での罪

物理面（フィジカル）には、二つの分類があります。ひとつは、本来は家族と楽しんだり、妻や夫を愛するべき時間を不倫相手に費やすこと。体は二つありませんから、金銭面と同じような罪にあたる場合があります。 しかし、会社から帰宅する途中の数時間を不倫相手とのデート使うレベルだと、それだけでの実害はないと思います。毎晩、午前様になったり、休日は朝から夕方までゴルフやパチンコするとかの方が、よほど迷惑…

金銭面での罪

四種類の罪のうちで、これが一番軽い罪ではないかと思います。つまり、お金を不倫相手に費やすことですが、ちゃんと稼ぎがあり、自分の小遣いの範囲内であれば、ほぼ問題がないといえます。 たとえば、小遣いのほとんどを趣味につぎ込む人は、決して珍しくないです。釣りやゴルフ、鉄道模型やフィギア、それらが心から好きならば、他の事を我慢してもそのための費用を捻出できるし、費やすことが喜びです。 不倫…

罪科の全容

不倫の罪がsin（宗教上・道徳上の罪）であるとして、不倫を構成するもののうち、具体的にどこが罪に当たるのか。そこを考えてみることにします。 不倫には、やや恣意的な分類ですが、精神的な要素、物理的な要素、金銭的な要素、社会的立場という要素があるように思います。 最初の精神面は、いわゆる恋愛感情です。次の物理面はセックスが最大の要素ですが、不倫相手との逢瀬によって、家族と過ごす筈の時間が…

sinとcrime（2）

不倫をするなら、その秘密を墓の中まで持って行く覚悟が必要である。これは、よく言われることです。不倫が発覚することで、自分たちだけでなく、周囲の人たちにも多大な苦痛を与えることになるので。 潔癖な人たちの中には、自分がしたことを伴侶に告白して、許しを請わずにいられないという人もいますが、これは独りよがりな行動といわねばならないでしょう。 不倫がcrimeでなくsinである以上、それは誰かによ…

sinとcrime（1）

罪には、二種類あるとされます。英語でいえば、sinとcrimeです。前者は宗教上・道徳上の罪であり、後者は法律上の罪です。 法律は、人が人を裁くためのもの。人が裁くためには、何をしたのかが分かっている必要があります。不倫だと、発覚した上で証拠があることが条件。そうでなくては、crimeとして成立しません。 これに対して、sinは実際に行為を起こさずとも罪にあたります。有名な「だれでも情欲をいだいて…

不倫は民法違反とはいえない

先ず、不倫は刑事罰の対象ではないです。戦前は姦通罪というものが存在したようですが、現在はありません。 民法770条がよく引き合いに出され、「民法によって、不倫は不法行為とされている」と言われますが、書かれているのは、以下のような表現です。 夫婦の一方は、左の場合に限り、離婚の訴を提起することができる。 1．配偶者に不貞な行為があったとき。 ここで問題となるのが「不貞」とは何…