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  • 【備忘録】2023年 鑑賞映画作品リスト+α

    あけましておめでとうございます。 〇 昨年の後半から、なんとはなしに元気が出ずにボンヤリしていたら、「あっ」という間もなく年が変わって2024年が始まってしまいました。光陰矢の如し。 〇 というわけで、2023年に観た映画等の備忘録リストです。今年初見は135作品(短篇、TVMなど含む)とTVアニメ、ドラマシリーズなどをいくつかでした。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、本年もよろしくお願いいたします。 ※ 【2023年 鑑賞作品リスト】 ◆『神々の山嶺』(パトリック…

  • 『ゴジラ-1.0』(山崎貴監督、2023)感想と雑考(ネタバレ)

    ◆『ゴジラ-1.0』(山崎貴監督、2023)……太平洋戦争終結後、とある出来事のせいで心に深い傷を負ったまま復員し、天涯孤独の身となった青年・敷島浩一は、あるとき闇市で出会った女性・大石典子と、彼女が連れていた戦災孤児の赤ん坊・明子の3人での共同生活を成り行きではじめることとなった。ようやっと職を見つけ、少しずつ生活を取り戻しつつあった敷島の前に、黒く巨大で無気味な影が刻一刻と迫っているのだった……。あの衝撃の『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督、2016)から7年──その間にハリウッド版「モンスター・ヴァース」シリーズや劇場用アニメーション『GODZILLA』3部作(静野孔文、瀬下寛之監督、20…

  • 2023 ひとこと超短評集【Part 3】

    今年になって劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集【Part 3】です。備忘録、備忘録。 ※ ◆自我を持ち暴走を始めた最新軍事AI ”エンティティ” を巡って、イーサン・ハントたちの戦いが始まる 『ミッション: インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(クリストファー・マッカリー監督、2023)は、驚天動地の生身アクションが「これでもか、これでもか」とつるべ落としに展開される一大巨編だった。予告編でさんざんフィーチャーされた、バイクにまたがって絶壁の崖から飛び降りるアクションなど──撮影順からいっても──序の口も序の口。パリ…

  • 2023 ひとこと超短評集【Part 2】

    今年になって劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集【Part 2】です。備忘録、備忘録。 ※ ◆世界初のファンタジー・テーブルトークRPGを改めて映画化した『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー監督、2023)は、おそらく画面外で本当にロールプレイをしている人物たちがいるのだろうなと思わせる、キャラクターのきっちりとした役割分担感が面白いし、アクションもギャグも特撮もよい按配で画面を盛り上げる。贅沢をいえば、もうすこしドラゴン要素があれば──以前の映画化『ダンジョン…

  • 『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督、2023)についての雑思あるいは妄想ノート(ネタバレ)

    ◆ポスター・ヴィジュアルを除くいっさいの宣伝を排したことが話題となった宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』(2023)は、なるほど完璧に予備知識なしで映画を観ることの新鮮さと、彼の作品ならではの絵の美しさと動きの快楽、そしてこれまで以上に「なにを見せられているのか」とあっけに取られるような感覚に呑まれるような非常に不思議な──もっといえばヘンテコな──映画体験を得られる1作だった。それでも鑑賞後あれこれ考えてみるとなるほどストンとタイトルが腑に落ちる、そんな1作だった。では、本作をとおして宮崎駿がなにをどのように語ろうとしていたのかを、鑑賞後の薄ぼんやりとした意識のなか、以下で忘備録的に考…

  • 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』感想

    1969年、かつて第二次大戦中にナチスから奪還した「アンティキティラのダイヤル」を巡って、年老いたインディが最後の冒険に出る『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(ジェームズ・マンゴールド監督、2023)は、なるほどこういうアプローチで来たかという驚きと趣深さに溢れた1作だった。 〇 本作は、これまでスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスのタッグによって製作された、皆さんご存じ「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作にして最終作だ。大学で考古学を教えるインディが謎に包まれた古代の秘宝を巡り、世界を股にかけて追いつ追われつの捕り物合戦を演じる冒険活劇映画シリーズが世に放たれたのは、19…

  • 2023 5月感想(短)まとめ+ひとこと超短評集【Part 1】

    2023年5月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)と、今年になって劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集【Part 1】です。 ※ 【劇 場】 ◆人生下り坂のシャルルの運転するタクシーに乗り込んだ老女マドレーヌが、入居する介護施設への道すがら、その人生を語ってゆく『パリタクシー』(クリスチャン・カリオン監督、2022)は、車窓を流れるパリの風景とマドレーヌの想い出が交錯する丁寧なドラマを味わえる1作だ。登場人物や彼/彼女らの関係性を象徴する衣装の色彩設計の巧みさ、そしてタクシーの車窓から──と…

  • 【備忘録】映画の好きな悪役10選(順不同)

    ちょっとばかし前、大学時代からお世話になっているとある先輩から「そういえば、君の好きな映画の悪役って誰なのか」とふいに尋ねれられたことがありました。そういった観点でものを考えたことがなかったので、そのときはなんとなく咄嗟に思い出される悪役──ということは、印象に残っており、好きな悪役と言っても間違いではないなと思ったからです──を挙げてそのときの返答としました。そこで、それから今一度記憶をひっくり返し、改めて自分の好きな悪役は誰なのか──そして、その理由──を考えて、なんとなく10人くらい挙げて個人的な忘備録としようと思って、いまキーを叩いてる次第です。怪獣、怪人、怪物はノー・カウントです。 …

  • 2023 3月感想(短)まとめ -Part2-

    2023年3月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆両親に連れられて観た「映画」に魅了された少年サミーが、やがて映画づくりと家族の秘密の狭間で葛藤することになる『フェイブルマンズ』(スティーヴン・スピルバーグ監督、2022)は、たいへん面白いのはもちろんのこと、スピルバーグの原点と、彼の映画についての考え方に触れられる1作だった。 本作で描かれるスピルバーグ少年期を観ていると、彼の映画に通底する要素が如実に思い出されて興味深い。たとえば、劇中の子どもと両親との関係を巡る描写がスピルバーグの経験を反映しているとよく云われてきたけ…

  • 2023 3月感想(短)まとめ -Part1-

    2023年3月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆2010年、へんぴな田舎に暮らすチャイ売りの少年サマイが町ではじめて観た映画に魅力にのめり込み、やがて映写技師の男ファザルと出会う『エンドロールのつづき』(パン・ナリン監督、2021)は、思いがけず射程の深い「映画」についての作品だった。 本作の舞台となるのは、インド北西部に位置するグジャラート州の片田舎。ガンディーの出身地として知られるこの地方独自の公用語「グジャラート語」を用いた映画が日本で公開されるのは本作がはじめてという。そういうこともあってか、スクリーンに映される風…

  • 2023 1-2月感想(短)まとめ

    2023年1月から2月にかけて、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【ソフト】 ◆山岳雑誌のカメラマン深町誠が、かつて神童と謳われたものの現在消息不明の登山家・羽生丈二と出逢う夢枕獏による小説を、谷口ジローが作画した同名漫画をアニメ化した『神々の山嶺』(パトリック・アンベール監督、2021)は、画面に映る日本の風景やリミテッド・アニメーションによる作画がいかにも日本アニメのようでありつつも、いっぽう現状の日本アニメではおそらくあり得ない写実的に日本人のキャラクター・デザインや背景美術の質感の組み合わせが観たことのない手触りで面白いし、これを大…

  • 2022年劇場鑑賞映画ベスト10

    ※ あけましておめでとうございます。 いつのまにか、3歩進んで2歩下がる暇もなく2022年が終わってしまいました。 ほんとうに実感がない。わがなけなしの生産性よ、どこ行った。 ○ 唯一まざまざと覚えているのは、夏ごろ夜間に歩いていたら自転車に当て逃げされて、 全治1ヶ月ほどのケガ──左足の踵を3針縫った、など──を負ったことでありましょうか。 その晩、神経が高ぶって寝られなくてツイートした絵。 犯人もわからず保険も下りず、ただただ心身と財布に痛い思いをして人間不信になるばかり。 はやく平穏で幸せになりたいものですね。皆様もお気をつけくださいませ。 ○ あと思い出深いのは、はじめて漫画作品につい…

  • 【備忘録】2022年 鑑賞作品リスト

    It's TOSHINOSE, O-MISOKA!!! というわけで、2022年に観た映画等の備忘録リストです。今年初見は209作品(短篇、TVMなど含む)とTVアニメ、OVA、ドラマシリーズなどをいくつかでした。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、よいお年を。 ※ 【2022年 鑑賞作品リスト】◆『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』(トニ・ベスタルド、マルコス・カボタ監督、2015) ◆『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』(ジョン…

  • 2022 12月感想(短)まとめ + 11-12月 ひとこと超短評集

    2022年12月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)と、11月以降に劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集です。 ※ 【劇 場】 ◆前作から10年後、ふたたび人類による略奪が開始された惑星パンドラで、原住民 ”ナヴィ” に帰化して森の民を導いてきたジェイクだったが、人類の狙いが自分だと悟った彼は、家族とともに遠く離れた海の民のもとに身を寄せる第2作『アバター: ウェイ・オブ・ウォーター』(ジェームズ・キャメロン監督、2022)は、3時間を越す長尺を見せきる映像は驚異的ないっぽう……といった1作…

  • 2022 11月感想(短)まとめ

    2022年11月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆九州の静かな町に暮らす女子高校生・鈴芽が「扉」を探しているという青年・草太と出会うことで、世界の知られざる理(ことわり)を目の当たりにする『すずめの戸締まり』(新海誠監督、2022)は、これまで新海作品の集大成であり新機軸を打ち出したような1作だった。 【脚注で若干のネタバレあります】 本作の概略をあえて内容に触れず喩えるなら、諸星大二郎と星野之宣の漫画へ白石晃士監督作と『新世紀エヴァンゲリオン』や「水曜どうでしょう」のエッセンスを隠し味にすこしばかり加えて、新海誠が自己流…

  • 2022月 7-10月 ひとこと超短評集

    7月から10月にかけて劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく、なんとなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集です。 ※ ◆人気女流作家とその表紙を飾るイケメンモデルがひょんなことから孤島での宝探しを強要される『ザ・ロストシティ』(アーロン・ニー、アダム・ニー監督、2022)は、いわゆる古めかしいハーレイクインものを思わせる宣伝だったし、表面的には馬鹿馬鹿しいユルいギャグやツッコミどころ満載だが、観終わってみると本作はむしろそんなジャンル的なお約束をことごとくパロディにすることで、非常に今日的な価値観で映画を作っていたことがわかるだろう。各キャラクターの設定や関係性に見える…

  • 2022 10月感想(短)まとめ

    2022年10月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆とある山間の田舎町で謎の失踪事件が頻発、そこで農業を営む田中淳一のひとり息子・一也が森の中で得体のしれないなにかに遭遇する『“それ” がいる森』(中田秀夫監督、2022)は、なんとも知れぬ、エンタメとしてはもったいない1作だった。本作が取り扱う題材や、予告や宣伝でこれでもかと隠されていた “それ” の正体について、とくに不満があるわけではない。やがてつまびらかにされる ”それ” の姿や設定など、つっこみどころはなくはないが、それなりのインパクトと理屈が添えられていて、ことさ…

  • 2022 9月感想(短)まとめ

    2022年9月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆謎の赤い隕石を目撃した三好麻里亜を取材のため自宅を訪れた映画監督・黒石光司と助監督・市川美保が次々と奇妙な怪異に襲われる『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(白石晃士監督、2022) *1は、白石監督がこれまで『オカルト』(2009)や『カルト』(2013)、OVシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』(2012-)など、一見バラバラに見える作品群によって積み上げてきた、いわば “白石晃士マルチバース” とでもいうべき世界観の、現時点での集大成的作品だった。本作を観…

  • 2022 8月感想(短)まとめ

    2022年8月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆映画撮影用に馬を飼育・調教する牧場を亡き父から引き継いだOJ とエムの兄妹が、敷地の上空にいる “なにか” の存在に気づく『NOPE/ノープ』(ジョーダン・ピール監督、2022)は、エンタメ性と寓意性が絶妙にミックスされた見事な1作だった。 【脚注で一部ネタバレしてます】 と(↑)は書いたものの、なかなか本作はネタバレをしたくないタイプの作品である。とりあえず少なくともいえるのは、これまでも同様のジャンルを描く作品は古くから数多あるけれど、本作はその面白さをきちんと継承し、か…

  • 2022 7月感想(短)まとめ

    2022年7月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆自身の失敗で、とある惑星に移民団ごと逗留することになったバズ・ライトイヤーが、人々をなんとか脱出させようと奮闘する『バズ・ライトイヤー』(アンガス・マクレーン監督、2022)は、懐かしさと新しさが同居した、奥深い味わいのある作品だ。 本作は、『トイ・ストーリー』(ジョン・ラセター監督、1995)に登場する少年アンディが1995年ごろに観て夢中になった映画──おそらくは実写──という体(てい)の作品ということもあり、もちろん実際の本編は最新のCGアニメーションによる映像とはいえ…

  • 2022 3-6月 ひとこと超短評集

    3月以降に劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく、なんとなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集です。 ※ 【なんとなく書きそびれていた劇場鑑賞作品の超短評(3-6月)】 ◆地図にない場所に眠る秘宝を巡るネイサンとサリーの冒険を描く『アンチャーテッド』(ルーベン・フライシャー監督、2022)は、冒険活劇映画を体験することをコンセプトにしたゲームを映画に逆輸入した作品だけあって、天井知らずな握力の持久力によって繰り広げられる立体的で荒唐無稽なアクションの連続が楽しい。また、この手の作品に珍しく、登場人物の誰しもが大なり小なりクソ野郎なのも可笑しい。 〇 ◆とある夫婦の新婚旅…

  • 2022 5月感想(短)まとめ

    2022年5月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※【劇 場】 ◆日本にばかり出現する敵性大型生物〈禍威獣(カイジュウ)〉への対抗に特化した精鋭部隊〈禍特対(カトクタイ)〉の前に、謎の光の巨人が現れる『シン・ウルトラマン』(樋口真嗣監督、2022)は、明るく楽しい “空想特撮映画” として見事に結実した1作だった。 「特撮の神様」こと円谷英二が設立した円谷プロが制作・放送して人気を博した特撮テレビドラマ『ウルトラマン』(円谷一ほか監督、1966-1967)を庵野秀明が企画・脚本等を務めて映画としてリブートした本作についていえることは、まず端的…

  • 2022 4月感想(短)まとめ

    2022年4月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【ソフト】 ◆父の再婚が決まった陽や、心臓の持病のために手術が決まった陸たちが日々を生きてゆく『かそけきサンカヨウ』(今泉力哉監督、2021)は、カメラワークが──とくに切り返しでのサイズが各々の登場人物でほぼ変化しないので──いささか単調なきらいがあるけれど、小さなエピソードを重ねて人物たちの関係性の変化を描いた非常に丁寧な青春映画だった。なかでも、登場人物たちの着る衣服の色彩選択は見応えがあった。シーンごとにキャラクターが背景からパッと浮き出すような色のものを着ているのか、それとも背景…

  • 漫画『さよなら絵梨』(藤本タツキ、2022)感想と雑考

    文化祭で上映した自主映画の評判のあまりの悪さに自殺を決意した高校生・優太が、ただひとりその映画を「気に入った」という絵梨に出会う、Twitter 上でまるで「クソ映画みたい」だと話題の漫画『さよなら絵梨』(藤本タツキ、2022)は、僕にとって激烈に心へ刺さりまくるタイプの作品とまではいわないまでも、技巧的で完成度の高い、そして本質論的にいろいろと考えさせられる1作だった。 〇 【以下、ネタバレありなのでご注意ください】 本作が「クソ映画」としてトレンドとなっているのは、題材が映画(撮ること/観ること)を扱っている点と、それ以上にいわゆる「爆発オチ」が採用 *1されているからのようだけれど、それ…

  • 2022 2月感想(短)まとめ +α

    2022年2月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。それにくわえて、この2ヶ月間に劇場で観たにもかかわらず、とくにこれといった理由もなく、なんとなく書きそびれていた作品群の、ひとこと超短評集です。 ※ 【劇 場】 ◆生活に困窮し、亡き祖父の持ち家で暮らすこととなったフィービーと兄トレヴァー、母キャリーの家族のまわりでゴーストが騒ぎ出す『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(ジェイソン・ライトマン監督、2021)は、「まさか」と思いつつも涙させられる素敵な続篇だった。 本作は ’80年代に一世を風靡した第1作『ゴーストバスターズ』(アイヴァン・ライ…

  • 2022 1月感想(短)まとめ

    2022年1月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【ソフト】 ◆あることがきっかけで父や周囲と確執のある高校生ゾーイが、高校で勃発した銃乱射事件の犯人たちにたったひとりで立ち向かう『ラン・ハイド・ファイト』(カイル・ランキン監督、2020)は、ハイスクール版 “ダイハード” といった趣──作り手も、あきらかに意識しているだろう──で、ほのかに張られた伏線とみなぎる緊張感で一気に惹き込まれる見事な面白さに満ちている。たぶん『ダークナイト』(クリストファー・ノーラン監督、2008)のジョーカーにかぶれたんだろうなと思わせる犯人の造型もいろいろ…

  • 2021年劇場鑑賞映画ベスト10

    ○ あけましておめでとうございます。いつのまにか、名残り惜しむ暇もなく2021年が終わってしまいました。光陰矢のごとし。 さて、以下に僕が昨年劇場で鑑賞した映画からベスト10を選んでリスト化してみました。 地方在住の偏食家ゆえ、鑑賞作品に偏りがあることを、ひとつご容赦ください。それはさておきも、本年が皆様にとって善い年であるよう、心よりお祈り申し上げます。 ○ 【2021年劇場鑑賞映画ベスト10】◆1.『DUNE/デューン 砂の惑星』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、2021) ◆2.『シン・エヴァンゲリオン劇場版: 』(庵野秀明総監督、鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏監督、2021)◆3.『ザ・スー…

  • 【備忘録】2021年 鑑賞作品リスト

    2021年に観た映画等の備忘録リストです。今年初見は193作品(短篇、TVMなど含む)とTVアニメ、OVA、ドラマそれぞれ1シリーズでした。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、よいお年を。 ※ ◆『ザ・ソウルメイト』(チョ・ウォニ監督、2018) ◆『ザ・バウンサー』(ジュリアン・ルクレール監督、2018) ◆『プライズ~秘密と嘘がくれたもの~』(パウラ・マルコヴィッチ監督、2011) ◆『新感染半島 ファイナル・ステージ』(ヨン・サンホ監督、2020)◎ ◆『ジョジ…

  • 2021 12月感想(短)まとめ

    2021年12月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆天才ゲームクリエイターのトーマスが、意に沿わぬゲームの続篇制作を強要されることで精神をすり減らしてゆく『マトリックス レザレクションズ』(ラナ・ウォシャウスキー監督、2021)は、非常に内省的で根源的な問いに立ち返るような1作だった。 すでにそこかしこで、本作について「『マトリックス』と思って観に行ったら『○○○』だった」というような指摘がなされているとおり、本作はたしかに『マトリックス』シリーズの続篇であるけれども、それ以上にもっと本質的なことを語ろうとする作品だった。い…

  • 2021 “年忘れ” ひとこと超短評集

    ことし劇場で観たにも関わらず、とくにこれといった理由もなく、なんとなく書きそびれていた作品群(リバイバル上映作は除く)の、ひとこと超短評集です。 ※ ◆『新感染半島 ファイナル・ステージ』(ヨン・サンホ監督、2020)……前作とはガラっと雰囲気を変えたディストピアちょいジュヴナイル足し映画として基本的には楽しく、クライマックスのカーチェイスは見応え抜群。ただ、ラストの愁嘆場はいくらなんでも鈍重。 ○ ◆『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』(岩合光昭監督、2021)……人間が見たいと願うネコらしさを満喫する意味では、たいへんネコネコしい作品。T・S・エリオットが残…

  • 2021 11月感想(短)まとめ

    2021年11月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆人類の歴史を7,000年前から見守ってきた不死の宇宙種族たちが、地球滅亡の危機を前に再集結する『エターナルズ』(クロエ・ジャオ監督、2021)は、シリーズとしては新鮮な味わいを醸す諸々の要素が楽しい1作だった。まずは、なんといっても撮影──ジャオ監督らしく、とくに自然を映すショット群──の美しさは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)史上でも格別。もちろんアクションシーンなど、VFXによる要素の追加等が施されている部分も多分にあるものの、ロケ現場の自然光を活かした…

  • 2021 10月感想(短)まとめ

    2021年10月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(キャリー・ジョージ・フクナガ監督、2021)……https://masakitsu.hatenablog.com/entry/2021/10/13/175559 ○ ◆遠い未来、宇宙で最高の価値を持った香料〈メランジ〉の原産地である惑星アラキスの覇権を巡る領家間の戦争に巻き込まれたアトレイデス家の後継者ポールの姿を描くフランク・ハーバートの古典的SF小説の傑作を実写化した『DUNE/デューン 砂の惑星』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、202…

  • 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』感想(ネタバレ)

    ◆『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(キャリー・ジョージ・フクナガ監督、2021)……007シリーズ第25作目。最強の敵サフィンにラミ・マレック、新たな英国諜報部員ノーミにラシャーナ・リンチ、新人CIA諜報部員パロマにアナ・デ・アルマスが登板し、レア・セドゥ、レイフ・ファインズ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリスといったお馴染みのキャストも続投した、ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じる最後の007作品であり、「クレイグ=ボンド」シリーズ完結編。ジャマイカで人知れず引退生活を送っていた元英国諜報部員007ことジェームズ・ボンドは、旧知の仲であるCIAのフェリックス・ライターから助…

  • 2021 9月感想(短)まとめ

    2021年9月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆近未来、専用機器で記憶を再体験させる稼業を営むニックが、運命的に出会い、そして愛し合ったニナの失踪の謎を探る『レミニセンス』(リサ・ジョイ監督、2021)は、フィルム・ノワールの耽美さを堪能できる1作だった。本作でまず目を惹くのが、その都市描写である。本作の舞台は、地球温暖化が原因で地上が半水没した近未来のマイアミが主な舞台である。かつてのビル群が水面からそびえて離れ小島のような区域を形成し、そこに干拓や橋を増設することで都市としての機能を保っている。主な移動手段は自動車に代…

  • 2021 8月感想(短)まとめ

    2021年8月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆独裁国家が有する謎の「スターフィッシュ計画」壊滅のために最強の悪人たちが集められる『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』(ジェームズ・ガン監督、2021)は、コメディ映画としてもヒーロー映画としても、たしかな強度と面白さを持った傑作だった。ガン監督といえば、トロマ映画仕込みのパロディや痛烈な皮肉をこめたユーモア、きちんとツボを押さえた作劇、そして『スリザー』(2006)や『スーパー!』(2010)でも見せた──仕方のないこととはいえディズニー傘下のMCUでの『ガー…

  • 2021 7月感想(短)まとめ

    2021年7月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆『ゴジラvsコング』(アダム・ウィンガード監督、2021)……https://masakitsu.hatenablog.com/entry/2021/07/02/200823 ○ ◆『竜とそばかすの姫』(細田守監督、2021)……https://masakitsu.hatenablog.com/entry/2021/07/30/042834 ※ 【ソフト】 ◆不可思議な死体に遭遇したマーフィー刑事が、捜査の果てにとある日本人家族に行き着く『ミュータンツ 光と闇の能力者』(ジョ…

  • 『竜とそばかすの姫』感想

    ◆とある出来事をきっかけに歌を歌えなくなった少女・鈴が親友に薦められた超巨大インターネット空間の仮想世界「U」の世界でベルという歌姫となる『竜とそばかすの姫』(細田守監督、2021)は、やりたいことはわかるけど、いささか詰め込みすぎかつ整理不足では? という疑念を拭いきれない1作だった。 ○ 【本記事には、若干のネタバレが含まれます】 ○ 本作の予告編を観たとき、これは『サマーウォーズ』(同監督、2009)以来のネット空間と現実世界とをリンクする作品であると同時に、筒井康隆原作の『時をかける少女』(同監督、2006)を髣髴とさせる青春劇と、細田守監督によるオリジナル作品の原典回帰的かつアップデ…

  • 映画の感想を書くとき

    学生時代からお世話になっているとある先輩から次のような質問がありました。まず、「映画の感想を書く時にどういうふうに(手順・気をつけてること等)書いてるのか」──そして、「何見ても『面白かった』しか言えない人間へのアドバイスも」とのことでした(一部抜粋)。かつ、それをブログ投稿ないしツイートしてほしいとも。じつに、むつかしいことを仰る。というのも僕は自身の客観視/客体化が大の苦手であるからです。映画の感想といったって、この弱小ブログに備忘録 *1のために書きなぐっているにすぎませんし、いっそ、モルモット吉田『映画評論・入門! 観る、書く、読む』(洋泉社、2017)を読んでください、と丸投げしたい…

  • 『ゴジラvsコング』感想(ネタバレ)

    ◆『ゴジラvsコング』(アダム・ウィンガード監督、2021)……全世界を股にかけて繰り広げられたゴジラとキングギドラの激闘から数年。それ以降活動を沈静化していたゴジラがふいに大手テクノロジー企業APEX社の巨大工場を襲撃し、大きな被害が発生してしまう。このゴジラの行動に疑問を覚えた少女マディソンは、級友ジョシュとともに謎の真相に迫るべく、怪獣に関する陰謀論を展開する覆面ポッドキャスターのバーニーとのコンタクトを図ろうと奔走する。いっぽう、地球空洞説を唱える科学者ネイサンは自説の正しさを証明するため、永年コングの研究と管理を担当しているモナークの元同僚アイリーン博士のもとに赴く。ネイサンはコング…

  • 2021 6月感想(短)まとめ

    2021年6月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆幕末の動乱期、長州派維新志士として暗躍する “人斬り抜刀斎” と呼ばれた男の前に雪代巴と名乗る女が現れる『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(大友啓史監督、2021)は、なんとも練り込み不足がもったいない1作だった。やはりなんといっても、谷垣健治アクション監督による剣戟アクションは相変わらず見応え十分。本作は時系列が過去編ということで、剣心が持つのは後の彼が使用する “逆刃刀(さかばとう)” という斬れない刀ではなく普通に斬れる刀なので、これまでの “るろ剣”…

  • 2021 5月感想(短)まとめ

    2021年5月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆明治12年、上海マフィアの頭目・雪代縁が、とある因縁から緋村剣心への復讐を断行するシリーズ第4作『るろうに剣心 最終章 The Final』(大友啓史監督、2021)は、これまでとは格段にブラッシュアップされた出来栄えとなった1作だった。不勉強ながら、漫画実写化の邦画史上でも評価の極めて高い実写版『るろうに剣心』シリーズ(同監督、2012-2014)をこれまで観ずじまいだったので、この機会にと思い立って前3作を観たうえで、いそいそと映画館に出かけて参りました(と申しつつ、いよ…

  • 2021 4月感想(短)まとめ

    2021年4月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆警官をも殺した強盗たちを捕らえるべく奔走する敏腕刑事アンドレが、やがて事件の暗部に踏み込んでゆく『21ブリッジ』(ブライアン・カーク監督、2019)は、ある種の地味さと苦味が堪らない1作。本作を予告編や惹句から受ける「これは『ニューヨーク1997』(ジョン・カーペンター監督、1981)か、はたまた『ダークナイト ライジング』(クリストファー・ノーラン監督、2012)か」という派手な印象を思って観ると、あるいは「意外に地味だな」と肩透かしを食らうかもしれない。しかし、本作はこの…

  • 2021 3月感想(短)まとめ

    2021年3月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆かつての恋人リリィがアルツハイマーを患っていることを知ったクロードが、自らも病気を偽って彼女の暮らす老人ホームに入居する『43年後のアイ・ラヴ・ユー』(マルティン・ロセテ監督、2019)は、ユルい部分もあるが、役者陣の好演が光る可愛らしい雰囲気が楽しめる1作。本作の魅力は、なんといっても役者陣の好演だろう。主人公クロードを演じたブルース・ダーンの飄々とした振る舞いのなかに現れるリリィへの想いを秘めた瞳の力強さにハッとさせられ、お隣さんのシェーンを演じたブライアン・コックスとの…

  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版: 』感想 4.0(ネタバレ)

    ◆父・碇ゲンドウが進める人類補完計画によって崩壊の一途を辿る世界を救うべく立ち上がる碇シンジたちを描く『シン・エヴァンゲリオン劇場版: 』(庵野秀明総監督、鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏監督、2021 *1)は、まさしく「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」というべき大団円だった。圧倒の155分間、映像表現は豊潤で音響も美しく豪快に鳴り、思いがけないフックに継ぐフックで観客をいっさい飽きさせない見事な作品であり、なにより本作は、たとえば『アベンジャーズ/エンドゲーム』(アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督、2019)もかくやに、なにを書いてもネタバレになってしまうという、紛うことなき──そし…

  • 2021 1-2月感想(短)まとめ

    2021年1月から2月にかけて、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆鳴と響の姉妹が、自殺の名所としても知られる青木ケ原に存在するという謎の村と箱の呪いに襲われる『樹海村』(清水崇監督、2021)は、「村」ではないが、バランスよく楽しいホラー作品だった。前作『犬鳴村』(同監督、2020 *1)に続く「実録! 恐怖の村シリーズ」第2弾と謳われる本作だが、「村」自体が都市伝説だった前作と異なり、本作では「村」ではなく、有名なネット怪談のひとつに登場する「コトリバコ」を主軸に据えた作品となっている。コトリバコとは、出雲の国(島根県) *…

  • 2020年劇場鑑賞映画ベスト10

    あけましておめでとうございます。 昨年はいろいろあり、まだ収束も見込めておりませんが、 本年が皆様にとって善い年であるよう、心よりお祈り申し上げます。 ○ 【2020年劇場鑑賞映画ベスト10】◆1.『TENET テネット』(クリストファー・ノーラン監督、2020) ◆2.『透明人間』(リー・ワネル監督、2020)◆3.『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督、2019) ◆4.『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』(MTJJ監督、2019)◆5.『ミッドサマー』(アリ・アスター監督、2019) ◆6.『82年生まれ、キム・ジヨン』(キム・ドヨン監督、2019)◆7.『191…

  • 【備忘録】2020年 鑑賞作品リスト

    2020年に観た映画等の備忘録リストです。今年初見は226作品(短篇、TVMなど含む)とTVアニメ1シリーズでした。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、よいお年を。 ※ ◆『密偵』(キム・ジウン監督、2016) ◆『トニー滝谷』(市川準監督、2005) ◆『パトリオット・デイ』(ピーター・バーグ監督、2016) ◆『ザ・フォーリナー/復讐者』(マーティン・キャンベル監督、2017) ◆『マイル22』(ピーター・バーグ監督、2018)◆『永遠の門 ゴッホの見た未来』(ジ…

  • 2020 12月感想(短)まとめ +α

    2020年12月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正) プラス なんとなく書きそびれていた劇場鑑賞作品の超短評集です。 ※ 【劇 場】 ◆交通事故によって両親を亡くし、お婆ちゃんに引き取られた少年が、今度は魔女によってネズミに変えられてしまう『魔女がいっぱい』(ロバート・ゼメキス監督、2020)は、ロアルド・ダール原作の児童文学を、ギレルモ・デル・トロらが愛着たっぷりに作り上げた1作。本作は、本を読み聞かせするようなリズム感そのままに映画化されており、昨今の大作映画としては珍しく、ゆっくりとしたテンポで展開される。これを是とするか否かは、観る人の好みに…

  • 2020 10月-11月感想(短)まとめ

    2020年10月から11月にかけて、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆“ボルケーノ・ロック・シティ” の女王バーブが企てる世界征服を防ぐため、“ポップ村” の女王ポピーと仲間たちが旅に出る『トロールズ ミュージック★パワー』(ウォルト・ドーン、デヴィッド・P・スミス監督、2020)は、可愛らしい見た目と裏腹に、とても奥深いテーマに切り込んだ1作だった。ポップでカラフルな色使いが目に楽しい本作の色彩設計も然ることながら、おそらく本シリーズの世界とは子どもたちの人形を使ったごっこ遊びなのだろう──日本でも '90年代にトロール人形…

  • 2020 9月感想(短)まとめ

    2020年9月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆売れないお笑い芸人である山野ヤマメが起死回生をかけて、いわくつきの物件に居住して心霊現象をカメラに収めようとする『事故物件 恐い間取り』(中田秀夫監督、2020)は、なんだかいろいろ喰い合わせが悪かったのかしらん、といった印象の1作だった。とりあえず、本作で僕のいちばん好きだったところを挙げるなら、主人公が傷心のヒロインをテレビ局の控え室で慰める本編中盤のシーンでのカメラワーク。そこで交わされる会話の内容からピアノとストリングスがポロロンと鳴る劇伴にいたるまで、あくまでちょっ…

  • 2020 8月感想(短)まとめ +α

    2020年8月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆亡き父を1日だけ甦らせる魔法を完遂するために、隠された秘石を探す旅に出る兄弟の冒険を描いた『2分の1の魔法』(ダン・スキャンロン監督、2019)は、冒険の果てに主人公イアンの見る光景に思いがけず感動させられた、冒険映画の快作だ。本作の舞台は、中世ファンタジー的な魔法の世界が科学や技術の発展によって現代アメリカのような世界へと変化したものという一風変わったもので、その見せ方やデザインが面白い。冒頭に描かれる、魔法が道具にとって代わり、やがて電力の発展によって完全に廃れるまでの歴…

  • 2020 7月感想(短)まとめ

    2020年7月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆海底遺跡でスキューバ・ダイビングを楽しんでいた女子高校生たち4人が、不慮の事故でそこに閉じ込められてしまい、しかもそこは凶暴な盲目ホオジロザメの棲息地でもあった『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(ヨハネス・ロバーツ監督、2019)は、 “サメ × 閉所” のコンセプトがなかなかフレッシュな一作だった。本作の予告編を観て、今度のサメはホオジロザメでかつ盲目で、舞台は迷路のような古代マヤ文明の海底洞窟遺跡……と、2作目にしてずいぶん要素をメガ盛りしてきたなと驚いたものだが、昨今の…

  • 【備忘録】2020年上半期 鑑賞作品リスト

    2020年上半期(1月~6月)に観た映画等の備忘録リストです。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。今年はあと何本観られるかしらん。 ※ ◆『密偵』(キム・ジウン監督、2016) ◆『トニー滝谷』(市川準監督、2005) ◆『パトリオット・デイ』(ピーター・バーグ監督、2016) ◆『ザ・フォーリナー/復讐者』(マーティン・キャンベル監督、2017) ◆『マイル22』(ピーター・バーグ監督、2018)◆『永遠の門 ゴッホの見た未来』(ジュリアン・シュナーベル監督、2018)◎ ◆『魂のゆくえ』(ポール・シュレイダー監督、2017) ◆『ネメシス』(アルバート・ピュン監督、1992)…

  • 2020 6月感想(短)まとめ

    2020年6月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆いまから約100年前に勃発した第1次大戦を映した記録フィルムを現代に甦らせた『彼らは生きていた』(ピーター・ジャクソン監督、2018)は、凄まじい映像と証言の数々が生々しく迫るドキュメンタリー作品だった。本作が描く1910年代といった映画黎明期から20世紀初頭に撮影された映像をいま我々が観るとき、その動きが奇妙にちょこまかと早回しに見える。これは、当時のフィルムの撮影速度が主に毎秒16コマ──さらに機材や環境によってもまばらだっという──が技術的な限界であったものが、トーキー…

  • 2020 4月感想(短)まとめ

    2020年4月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆第一次大戦の最中、罠とも知らず独軍めがけて明朝突撃しようとする連隊への攻撃中止命令を携えて戦場を走る2人の兵士を描いた『1917 命をかけた伝令』(サム・メンデス監督、2019)は、全篇1カット(ふう)を限りなく完遂した見事な冒険映画だった。まずはなんといっても、本作で第92回アカデミー賞撮影賞を受賞したロジャー・ディーキンスによる撮影が凄まじい。絶妙に白んだ曇り空と荒地と化した土地の色合いや、朝陽の昇る前の淡いのしっとりと薄明かり、ラストに拡がる楽園のように──皮肉にも──…

  • 2020 3月感想(短)まとめ

    2020年3月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆タウンゼント探偵社が擁するスパイの一員であるサビーナとジェーンのもとに、新エネルギー装置「カリスト」の主任プログラマーであるエレーナから、それが武器への転用も可能であるとの内部告発がもたらされる『チャーリーズ・エンジェル』(エリザベス・バンクス監督、2019)は、粗がないではないが、シリーズの価値観のアップデートを試みた意欲作だった。冒頭、クリステン・スチュワート演じるサビーナが悪役(=男)──そしてスクリーンをとおして僕ら観客──と文字どおり正面から対話する内容が、愚直なま…

  • 2020 2月感想(短)まとめ

    2020年2月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆半地下物件にて貧困のなか暮らすキム一家が、ひょんなことから富裕層パク一家の邸宅へ様々な使用人として身分を偽って入り込んでゆく『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督、2019)は、まずはもうさすがのジュノ監督節満載の、とにもかくにもメチャクチャ面白い作品だった。ベリー・インタレスティング(←本編リスペクト!)。まずは予告編でも明かされている、最初に息子ギウと娘ギジョンがパク家の姉弟の家庭教師として、そして父ギテクが運転手、やがて母チュンスクが家政婦として、それぞれが身分…

  • 2020 1月感想(短)まとめ

    2020年1月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆1996年のアトランタ五輪爆破事件において、最初に爆弾を発見して犠牲者の軽減に努めた警備員リチャードだったが、それによってFBIから第1容疑者として捜査対象になってしまう『リチャード・ジュエル』(クリント・イーストウッド監督、2019)は、太刀筋軽やかながらズシンと心に迫る、さすが名人芸が光るイーストウッド実録モノだった。例によって無駄な描写や説明を極力省き、カメラ・ワークも奇をてらわず、そして永年イーストウッド監督作に携わってきたジョエル・コックスによる一見単調だが実にテン…

  • 2019年劇場鑑賞映画ベスト10

    あけましておめでとうございます。 本年が皆様にとって善い年であるよう、心よりお祈り申し上げます。 ※ 【2019年劇場鑑賞映画ベスト10】◆『ヘレディタリー/継承』(アリ・アスター監督、2018) ◆『ロケットマン』(デクスター・フレッチャー監督、2019) ◆『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』(ジョン・ワッツ監督、2019) ◆『トイ・ストーリー4』(ジョシュ・クーリー監督、2019) ◆『バイス』(アダム・マッケイ監督、2018) ◆『名探偵ピカチュウ』(ロブ・レターマン監督、2019) ◆『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ監督、201…

  • 【備忘録】2019年鑑賞作品リスト

    2019年に観た映画等の備忘録リストです。今年は初見194+α作品でした。 末尾に “◎” のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、よいお年を。 ※ ◆『ジュピターズ・ムーン』(コルネル・ムンドルッツォ監督、2017) ◆『ソイレント・グリーン』(リチャード・フライシャー監督、1973) ◆『地球最後の男オメガマン』(ボリス・セイガル監督、1971) ◆『タイクーン!!!!!』(ノンタコーン・タウィースック監督、2018) ◆『アリー/スター誕生』(ブラッドリー・クーパー監督、2018)◎…

  • 2019 12月感想(短)まとめ

    2019年12月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆展望台ホテルの惨劇から生還したものの、やがて父同様にアルコール依存症に苦しむようになったダニーが、同じ能力を持つ少女アブラとともに闇の勢力との戦いに巻き込まれてゆく姿を描いたスティーヴン・キング原作の『ドクター・スリープ』(マイク・フラナガン監督、2019)は、いかにもキングらしいサイキック・バトルものだった。本作は、予告編が謳っていたような──あるいは前作『シャイニング』(スタンリー・キューブリック監督、1980)をそのまま継承したような──心霊ホラーやサイコ・ホラー的な…

  • 2019 11月感想(短)まとめ

    2019年11月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆DIA(米国防情報局)に雇われる凄腕の狙撃手ヘンリーが何者かの陰謀によって、若き日の自分に生き写しの暗殺者に追われる『ジェミニマン』(アン・リー監督、2019)は、画面内に使用された技術は凄いのであろうことは感じられるSFアクションだった。というのも、本作を鑑賞するにあたっては本来であれば作り手たちが想定した「3D + in HFR(ハイ・フレーム・レート)」という上映形態──今作では通常の映画が24fps(秒24コマ)であるのに対して120fps(秒120コマ)からなる素…

  • 2019 10月感想(短)まとめ

    2019年10月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆1970年代後半、スタンダップ・コメディアンとして成功することを夢見ながらピエロの出張役者として貧しい暮らしを送る青年アーサーが、やがて狂気と暴力に呑まれてゆく姿を描く、DCコミックス『バットマン』に登場する最強の悪役の誕生譚『ジョーカー』(トッド・フィリップス監督、2019)は、観た者に重々しく痕を残す、ひとりの人間の物語だった。本作の時代設定がそうであることや、ホアキン・フェニックス演じるアーサーが憧れるトークショーの司会者マレー役にロバート・デ・ニーロが登板しているこ…

  • 2019 9月感想(短)まとめ

    2019年9月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆1969年、スタントマンのクリフ・ブースが永年コンビを組みんでいる現在キャリア停滞中の俳優リック・ダルトンの邸宅の隣にロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ監督、2019)は、当時のフィルムを思わせる乾いた色調で描かれた、なるほどタランティーノの語る “おとぎ話” といった作品だった。もちろん本作には、タランティーノ自身が子供時代を過ごしたという1960年代終盤のハリウッド界…

  • 2019 8月感想(短)まとめ

    2019年8月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 飼い主のケイティが結婚して誕生した男の子リアムを自分の子供のように思う小型犬マックスの冒険を描く『ペット2』(クリス・ルノー、ジョナサン・デル・ヴァル監督、2019)は、映画のルックがそうであるような軽やかで可愛らしい作品だった。前作『ペット』(クリス・ルノー、ヤーロー・チーニー監督、2016)に引き続き、マックスやその相棒である大型犬デュークといった動物たちのデフォルメされたデザインと、戯画化──そして適度に擬人化──された動作との按配がじつに愛らしく、犬や猫、あるいは乳児の…

  • 2019 7月感想(短)まとめ

    2019年7月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆アベンジャーズの決死の活躍によってサノスの野望が砕かれ、徐々に世界が平穏を取り戻しつつあった夏、クラブの修学旅行でヨーロッパに向かったピーター・パーカーがまたもや世界の危機に直面する『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』(ジョン・ワッツ監督、2019)は、続編として、なにより娯楽映画として申し分ない見事な作品だった。楽しい、というのは本作のようなことをいうのだ。本作は、まずなにより画面が楽しい。ヨーロッパ各地に二転三転するロケーションの変化が鮮やかなので観光映画としても…

  • 2019 6月感想(短)まとめ

    2019年6月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆『ゴジラ キンブ・オブ・モンスターズ』(マイケル・ドハティ監督、2019)……別記事参照。 ○ ◆ジョージ・W・ブッシュ政権下で副大統領を務めたディック・チェイニーの半生を描く『バイス』(アダム・マッケイ監督、2018)は、大増量の肉体改造を経てチェイニーを演じた上げたクリスチャン・ベールたち俳優陣の熱演合戦も素晴らしい、たいへん面白く、そしてソラ恐ろしい作品だった。たとえば本作の後半において触れられる「9.11同時多発テロ」発生当時、僕はまだ一介のハナタレ小僧であって、世界…

  • 『ゴジラ キンブ・オブ・モンスターズ』感想(一部ネタバレ有り)

    ◆『ゴジラ キンブ・オブ・モンスターズ』(マイケル・ドハティ監督、2019)……サンフランシスコを舞台に繰り広げられたゴジラとムートーの激戦から5年後、怪獣たちの生態を極秘裏に調査・研究するする未確認生物特務機関 “モナーク” に所属するエマ・ラッセル博士は、怪獣たちとの意思疎通を可能にする音声合成装置 “オルカ” の開発に成功する。しかし、その類稀れな性能に目をつけたアラン・ジョナ率いるエコ・テロリストの一団によって、“オルカ” ともども彼女は娘のマディソンとともに拉致されてしまう。事態を重く見たモナークの芹沢猪四郎博士らは、現在は別居中であるエマの夫マークに協力を要請し、彼女たちの行方を追…

  • 2019 4月- 5月感想(短)まとめ

    2019年4月から5月にかけて、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆サーカスに生まれ落ちた耳の大きな赤ちゃんゾウの冒険を描くディズニー不朽の名作『ダンボ』(ベン・シャープスティーン監督、1941)を半世紀以上の年月を経て実写映画化した『ダンボ』(ティム・バートン監督、2019)は、予告編を観たときに感じた第1印象──バートンが監督だから画は凄かろうが、しかし人間の登場人物メインで脚本がアーレン・クルーガーという点においては不安しかない──が残念ながら的中した1作となってしまった。映像は──いささかカメラ・ワークに難ありだったが─…

  • 2019 3月感想(短)まとめ

    2019年3月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆元園芸家で、後にシナロア・カルテルの運び屋に就いた老人レオ・シャープの実話をモデルにした『運び屋』(クリント・イーストウッド監督、2018)は、イーストウッドによる歳を重ねながらも作品ごとにいまだソリッドに研ぎ澄まされ、しかし同時に肩肘の張り過ぎない、適度に力の抜けた軽やかな──散文詩、いや、短歌や俳句のような余白感とでもいおうか──演出の枯れることのない妙技を味わえる一品だ。運転中、ずっと鼻歌を歌い、ハンドルに置いた手でペシペシとリズムを取っている姿など、もはや素である。本…

  • 2019 2月感想(短)まとめ

    2019年2月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆前作『メリー・ポピンズ』(ロバート・スティーヴンソン、ハミルトン・S・ラスク監督、1964)の物語から25年、とある悲劇に見舞われたせいで生きる喜びを見失っていジェーンとマイケル姉弟とその家族のもとに、かつての姿のままのメリー・ポピンズが現れる『メリー・ポピンズ リターンズ』(ロブ・マーシャル監督、2018)は、わりと期待していたし、好評価も耳にしていたぶん「本はカバーよりも中身が大切」と、いみじくも劇中歌で歌われているとおりの印象を受ける、ちょっと残念な出来の作品だった。も…

  • 2019 1月感想(短)まとめ

    2019年1月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆カントリー歌手として名を馳せていたジャクソンによって見出されたアリーが、やがてスターの階段を駆け上って行く『アリー/スター誕生』(ブラッドリー・クーパー監督、2018)は、作曲から演奏、そして演技までをすべてこなしたレディ・ガガとブラッドリー・クーパーのパフォーマンスが圧巻の一作。物語の展開や、キャラクターの心情を照らし出すかのような劇中歌はじつに名曲ぞろいだ。そして、本作が初監督作とは思えぬクーパーの演出力も素晴らしい。音楽によって心を通じ合わせたアリーとジャクソンの内的な…

  • 拙ブログ10周年記念: 自薦レビュー記事20

    僕のこの拙い映画感想ブログ『つらつら津々浦々』は、2009年1月21日にHatena Diaryにて開設して以来、なんやかんやで10周年を迎えることになりました。読んでいただいた方々に厚く御礼申し上げます。それにしても、学生時代に始めて──クオリティや熱量の差、表記方法の試行錯誤、Hatena Blogへの移行、そして私生活における様々な変化などの変遷はあれど──よくもまあ続いたものです。10年といえば、赤ん坊は少年となって自我に目覚め、少年は新成人となって酒に酔っ払い、新成人は三十路となって「やあい」と後ろ指をさされるのに十分な時間であります。ランチュウならば一生分だ。自分のメモによると、開…

  • 2019

    あけましておめでとうございます。 本年が皆様にとって善い年であるよう、心よりお祈り申し上げます。

  • 2018年鑑賞作品リスト

    2018年に観た映画等の備忘録リストです。今年は209+α作品でした。 末尾に“◎”のあるものは劇場で観たものです。気まぐれに短い感想を書いた作品もありますので、よろしければ過去投稿記事をご参照いただければ幸いです。それでは皆様、よいお年を。 ※ 【映画(ソフト含む)】◆『アメリカン・ハッスル』(デビッド・O・ラッセル監督、2013) ◆『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』(オリヴィエ・ダアン監督、2004) ◆『キングスマン: ゴールデン・サークル』(マシュー・ヴォーン監督、2017)◎ ◆『人形霊』(チョン・ヨンギ監督、2004) ◆『OVER SUMMER 爆裂刑事』(ウィルソン・…

  • 2018年 映画館で観た作品ランキング

    すっかり開店休業状態なので恐縮ですが、今年僕が映画館で観た映画(56作品)を備忘録としてゆるやかなランキング形式──“○”で区切られたなかは、ほぼ順不同くらいの気持ち──で並べております。もちろん、この並びはいまの気分や好みであり、また、地方在住者であることに加えて、自身の偏食具合から、かなり偏った作品リストになっていることをご容赦ください。リストの内の数本を除き、簡単な感想を過去記事にてご覧いただけますので、よければご参照ください。 ※ ◆『ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー、デクスター・フレッチャー監督、2018) ◆『ペンギン・ハイウェイ』(石田裕康監督、2018) ◆『パデ…

  • 2018 10-12月感想(短)まとめ

    ちょこまかとtwitterにて書いていた2018年10月から12月にかけての備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】◆タクシーの運転手に転職しながらも、目についた悪を持てる技術全開で制裁する元CIA特殊捜査官マッコールの活躍を描く『イコライザー2』(アントワーン・フークア監督、2018)は、クズの大小やイデオロギーに関わらず正義の鉄槌を下すマッコールの勇姿に胸がすく快作。本作において、マッコールがタクシーという移動手段を得たことでより一層の広がりと増加を見せた活動範囲とタスクを淡々とこなしてゆく様子は、快感であると同時にちょっと怖ろしくすら──彼が敢えて“ナメられキャラ”を演じる瞬間の妙な…

  • 2018 7-9月感想(短)まとめ

    ちょこまかとtwitterにて書いていた2018年7月から9月にかけての備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】◆若き日のハン・ソロの冒険を描く『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(ロン・ハワード監督、2018)は、たしかにおもしろく観られるのだけれど、オリジナル3部作──いいかえれば、本作の辿る未来──との関連付けをアレもコレもと盛り込みすぎた感があって、そういったノルマは達成したのだろうけど、いささか鈍重な印象が拭えない。正直、過去作との関連づけは、チューバッカとの出会いだけに絞ったほうが、よかったのではなかろうか。まあ、本作も監督の交代劇やら脚本の修正やら再撮影やら制作途上の…

  • “はてなダイアリー”から移行しました

    近く訪れる“はてなダイアリー”のサービス終了*1に伴い、拙ブログ「つらつら津々浦々」をこの“はてなブログ”に移行しました。これまで前ダイアリー使用時に投稿した記事は、すべてこちらの新ブログにてお読みいただけます。前ダイアリーの9年間に渡るご愛顧に厚く御礼申し上げるとともに、今後ともお楽しみいただければ幸いです。 「つらつら津々浦々」新URL: https://masakitsu.hatenablog.com/ ※なお、ダイアリー時のリンク/ブックマークは、新ページに直接飛ぶように設定されています。 *1:2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はて…

  • 2018 4-6月感想(短)まとめ

    ちょこまかとtwitterにて書いていた2018年4月から6月にかけての備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆1971年、米国の対ベトナム政策を決定的に左右したスクープを巡るワシントン・ポスト紙の攻防を、初の女性社主となったキャサリン・グラハムが直面する同紙の経営問題も絡めつつ描く『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(スティーヴン・スピルバーグ監督、2017)は、単なる実録ドラマに留まらない、現代にも──というか、まさに今日の現実問題に──通ずるテーマを内包した見事な傑作。メリル・ストリープやトム・ハンクスらの繊細な演技、構図や影の濃淡ひとつで状況や感情の機微を切り取るヤヌス・カ…

  • 2018 1-3月感想(短)まとめ

    ちょこまかとtwitterにて書いていた2018年1月から3月の備忘録(一部加筆修正)です。 ※ 【劇 場】 ◆奇抜なアイディアとケレン味、そして行き過ぎたユーモアに溢れるアクションを前作から十二分に引き継いだ『キングスマン: ゴールデン・サークル』(マシュー・ヴォーン監督、2017)は、しかし一方で展開をあれもこれもと盛り込みすぎの嫌いがあって、いささか感情のやり場に困った作品であった。 ○ ◆劇場公開“も”するOVA『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』(水島努監督、2017)は、そのメディアの性質上「えっ、そこで終わるの?」という物足りなさはあるが、それなりにいいぞ……てな印象。戦車ば…

  • 2018 ご挨拶

    2018 ご挨拶 - つらつら津々浦々(blog)

  • 2017年映画ランキング(映画館鑑賞作品) + 鑑賞作品リスト

    すっかり開店休業状態なので恐縮ですが、今年僕が映画館で観た映画(39本)を備忘録としてゆるやかなランキング形式──“○”で区切られたなかは、ほぼ順不同くらいの気持ち──で並べております。なお、地方在住者であることに加えて、筆者の偏食具合から、かなり偏った作品リストになっていることをご容赦ください。それでは皆様、"Have yourself a merry little Christmas"。※気まぐれになんらかのコメントを書いた作品は、タイトルの後ろに記事へのリンクを貼っています。 ▼ ◆『LOGAN/ローガン』(ジェームズ・マンゴールド監督、2017)……記事参照 ◆『ブレードランナー 20…

  • 2017年残りの雑記。

    ちょこまかとtwitterにて書いていた備忘録(一部加筆修正)です。 ○ ◆陸・海・空の3視点が交錯する『ダンケルク』(クリストファー・ノーラン監督、2017)は、古くは『イントレランス』(D・W・グリフィス監督、1916)、最近では『クラウド アトラス』(ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー監督、2012)にあったような時空変形圧縮型の編集と凄まじい撮影の美しさで、まさに観客自身が戦争状態にあることを複眼的に楽しめる(怖がれる)戦争映画の新たな傑作。ハッとさせられるラストの音響演出にも注目。 ○ ◆シリーズ最新作『エイリアン: コヴェナント』(リドリー・スコッ…

  • 2017年鑑賞映画 感想リスト/21-30

    ◆『不思議惑星キン・ザ・ザ』(ゲオルギー・ダネリヤ監督、1986)……1980年代モスクワ。異星人と名乗る男に声をかけたマシコフとゲデバンは、その男が持っていた移動装置によって宇宙の彼方にある砂漠の惑星へと転送されてしまう。通りかかった小型船から降りてきた現地人たちは人間とそっくりだったが、彼らは「クー」としか喋らないのであった。果たしてマシコフたちは地球へ戻れるのか──崩壊間際のソ連製コメディSF。なんとも不思議な映画だった。基本的なプロットは見知らぬ惑星からの脱出劇なので、状況としてはたいへん緊迫しているはずなのだが、そのリズムと展開は非常にまったりとしたオフビートな笑いを醸しつつ、なんと…

  • 『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2D日本語吹替え版)感想

    カイル・バルダ、ピエール・コフィン監督。晴れて結婚したグルーとルーシーの前に、新たな敵バルタザール・ブラットが現れる。1980年代ファッションに身を包んで奇抜な犯罪を繰り返すバルタザールを取り逃してしまったグルーとルーシーは、新たに“反悪党同名”局長となったヴァレリーから解雇されてしまう。そんなとき、グルーに生き別れた双子の兄ドルーがいることが発覚。ドルーは父の志を継ぎ、天下の大悪党になることを夢見ており、グルーに手ほどきを求めてきたのだった。一方、グルーの相棒であるミニオンたちは、いよいよ甲斐性なしとなったグルーに愛想を尽かし、家出をしてしまう……。イルミネーション・エンターテインメントによ…

  • 2017年鑑賞映画 感想リスト/11-20

    ◆『ラ・ラ・ランド』(デミアン・チャゼル監督、2016)……偶然の出会いと再会を果たした女優志望のミアと、ジャズ・ピアニストのセブ。お互いになかなか芽の出ない厳しい現実のなかで、ふたりはいつしか恋に落ち、互いを励ましながら夢に向かって奮闘するが──現代に蘇った本格的ミュージカル映画。主人公のふたりを演じたライアン・ゴズリングとエマ・ストーンや、数多のパフォーマーたちのダンスと音楽、そしてシネマスコープいっぱいに拡がる総天然色が、マジックアワーが、暗く沈んだ影が、この上なく美しい。その大胆で微細な色彩で描かれる人生の甘く、そしてほろ苦い機微に涙する。人生はハリウッド黄金期のミュージカルのようには…

  • 2017年鑑賞映画 感想リスト/1-10

    ◆『バイオハザード:ザ・ファイナル』(ポール・W・S・アンダーソン監督、2016)……T-ウィルスによって世界を壊滅させたアンブレラ社とアリスとの最後の闘いを描くシリーズ最終作。続篇が公開されるたびに劇場に足を運んでは、なんとも知れぬ虚脱感に浸って帰ってくること15年……やっと肩の荷がおりた。ともあれ、終わってくれて、ありがとう。まあ、それはそれとして、物語もそうだが、アクションをこうも判りづらく撮って繋げるものなのかと逆に感心することしきり。3D版を観たけれど、うまくないチャカチャカ編集で全篇貫かれるので、3Dの楽しみは皆無。でも、なんだかんだで微笑ましく観られたのは、このシリーズがきっかけ…

  • 2017年のはじまり。

    昨年に引き続き、どれほど更新できるかわかりませんが、本年もよろしくお願いいたします。

  • 2016年鑑賞映画作品ベスト3+α(劇場、ソフト)、鑑賞作品リスト

    皆さま、年の瀬をいかがお過ごしでしょうか。というわけで、いろんなところで実施されている行事にあやかりまして、いま去らんとする2016年に鑑賞した映画作品(劇場・ソフト)のベスト3+ワースト作品を記してみました。今年は映画に関する文章をほとんど残せなかったので、甚だ説得力に欠ける感は否めませんが、そこはそれ、気は心ということでご容赦ください。また、劇場鑑賞作品に関しましては、地方在住者という限られた条件の中での選定ですので、かなりの偏りがあることをご了承ください。それでは皆さま、よいお年を。 ○ 【劇場で観た映画ランキング】_第1位:『ズートピア』(リッチ・ムーア、バイロン・ハワード監督、ジャレ…

  • 映画雑記-2016-

    相も変わらずいろいろ映画を観ながらも、今年はまとまった感想をあまり書けなかったのですが、時折Twitterにて偶発的に、長さもバラバラに呟いていた感想を、一部加筆修正のうえ、備忘録として残します。 ※ ◆『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』(友永和秀総監督、矢野雄一郎監督、2016*1)は昨年のTV版(未見)の再編集+新規カットという構成の影響もあるのだろうが、それにしてもストーリーとアクションとギャグのパートが分裂しすぎじゃないかしら。それぞれで進展を一時停止しているような愚鈍さが否めない。テレコムだから画作りと動きは安定して楽しいのだけどなあ。 ○ ◆Blu-ray版『ザ・ビートルズ/イエロ…

  • 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2D日本語字幕版)感想

    ギャレス・エドワーズ監督。かつて帝国によって家族を奪われ、天涯孤独のアウトローとなっていたジン・アーソ。あるとき彼女は、いままさに完成しようとする帝国軍の究極兵器の設計に父ゲイレンが関わっていたことを、反乱軍将校キャシアン・アンドーから聞かされる。ジンはその真相を確かめるため、兵器の設計図を奪取するミッションに身を投じてゆくが……。 ○ デス・スターの設計図を巡る名もなき戦士たちの攻防を描いた『スター・ウォーズ』シリーズの番外編である本作は、4割撮り直しとなるような制作のゴタゴタもあってか、全体としての完成度──とくに、キャラクターの描き込みにはかなり粗がある。ジンをはじめ、設定的には魅力いっ…

  • コミックマーケット91に出展します【1日目(12.29)東地区v-37b】

    ふたたび更新が滞って、すっかりご無沙汰してしまいました。唐突ではありますが、お知らせがございます。 ○ このたび、コミックマーケット91(冬コミ2016)初日の12月29日(木)、 東地区v-37b“かげふみ同好会” にて無料配布される、CD-ROM式合同小説誌『久北さやの辻斬』 に、小説、一部デザイン担当として、“津 雅樹”名義で参加させていただいています。 ○ 同好会メンバーの筆によるバラエティ豊かなオリジナル小説作品群、美麗イラストレーションにまじって、短篇SF小説「瑛斗という実像、トオルという虚像」を収録させていただいたほか、ライナーや小説カバーなどの一部デザイン・ワークス等も担当させ…

  • 『シン・ゴジラ』感想

    庵野秀明総監督(2016)。続編のシリーズ化、キングコングとの対決も決定したハリウッド版リメイク『GODZILLA ゴジラ』(ギャレス・エドワーズ監督、2014)から2年、そして本家本元である東宝映画作品としては『ゴジラ FINAL WARS』(北村龍平監督、2004)から12年(!)のときを経て公開されたゴジラ最新作。監督・特技監督には樋口真嗣、未曾有の災厄に挑む登場人物として長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、市川実日子*1ら総勢328人のキャスティングがなされた。 ○ 11月3日*2午前8時30分ごろ、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出。同時に海底トンネル“東京湾アクアライン”でも崩落事故が…

  • コミックマーケット90に出展しました 【3日目(8.14) 西地区e-25a】

    先日お知らせいたしました、C90「かげふみ同好会」(3日目西e25a)の新刊・CD-ROM式合同小説誌『久北さやの呟き』は、既刊誌等含め予定枚数をすべて配布終了したとのことです。僕自身は会場へは参れませんでしたが、現地にお越しいただい皆様、また本誌にご興味をお持ちいただいた皆様に心より感謝御礼申し上げます。 ○ これを記念して、『久北さやの呟き』収録作品をダウンロードしていただけるサイトが公開されることとなりました。▼http://d-nomads.com/kgfm02.html また、同好会の前作『フィリピンパブ vs 峠の走り屋 with スクリュードライバー』についても同様に、サイトが公…

  • コミックマーケット90に出展します 【3日目(8.14) 西地区e-25a】

    更新が滞って、すっかりご無沙汰してしまいました。唐突ではありますが、お知らせがございます。 ○ このたび、コミックマーケット90(夏コミ2016)3日目の8月14日(日)、 西地区e-25a“かげふみ同好会” にて無料配布される、CD-ROM式合同小説誌『久北さやの呟き』 に、小説と音楽、そして一部デザイン担当として、“津 雅樹”名義で参加させていただいています。 ○ 同好会メンバーの筆によるバラエティ豊かなオリジナル小説作品群、美麗イラストレーションにまじって、連作短篇SF小説『アップ・オン・ザ・ルーフ〈Part 1〉』(約7万字)、これまでのオリジナル楽曲をまとめたミニ・アルバム「Coll…

  • 『ガールズ&パンツァー 劇場版』感想

    水島努監督。学校教育は洋上の学園艦にて行なわれ、戦車を使った武道「戦車道」が華道や茶道とならび“大和撫子の嗜み”とされる架空の日本を舞台にしたテレビアニメ『ガールズ&パンツァー』(同監督、2012 - 2013)*1の完全新作劇場版。戦車道の公式戦である戦車道全国高校生大会に見事優勝し、廃校の危機に瀕した母校“大洗女子学園”を救った西住みほたち戦車道チーム。ホームの大洗町では、優勝記念のエキシビジョンマッチが開催され、大洗女子学園と知波単学園の混成チームと聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校の混成チームによる試合が行われていた。試合は参加者と観戦者たちが一丸となって大盛り上がりのうちに終幕し、大…

  • 2015年に観たけれど感想を書き切れなかったタイトル備忘録(‐189)。

    遅まきながら、あけましておめでとうございます。 本年が皆様にとって善き年であることを 心よりお祈り申し上げます。 ○ さて、去る2015年に観はしたものの、まごまごしているうちに結局感想を書き切れなかった映画がずいぶん溜まってしまいました。その数79作品。ペース配分を完全に誤りました。僕の不足の致すところであります。本来ならば、全部書きたいし、書くのが本当だとは思うのですが、とりあえず、それらのタイトルだけを個人的な備忘録として残しておきます。なんとなく公開順に並べてみましたが、どれも面白かったですよ(残念なくらいテキトーな文章。でも嘘ではないですよ。しかし偏ってるなァ……)。本年も、よろしく…

  • 2015年鑑賞映画 感想リスト/101-110

    『007 スペクター』(2015)……記事参照>>http://d.hatena.ne.jp/MasakiTSU/20151203/1449139195 ○ 『ウォルト・ディズニーの約束』(2013)……ジョン・リー・ハンコック監督。1961年、作家P・L・トラヴァースは自著の『メリー・ポピンズ』を映画化したいというウォルト・ディズニーの再三の懇願に折れ、その企画会議に出席するため、ロンドンからハリウッドへ降り立った。しかし、あまりに自作を理解していないウォルトとスタッフに憤ったトラヴァースは、彼らが用意したプレゼン内容にことごとく難癖をつけてゆく。そのあまりの猛烈さに、ウォルトたちは頭を抱え…

  • 『007 スペクター』感想

    サム・メンデス監督。ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じたシリーズ第24作目。久々の登場となった犯罪組織スペクターの長・ブロスフェルドをクリストフ・ヴァルツが、ある因縁によってボンドと冒険を共にする“ボンドガール”マドレーヌ・スワンをレア・セドゥが演じる。“死者の日”の祭りでにぎわうメキシコシティで、凶悪犯スキアラを仕留めたジェームズ・ボンドだったが、このことでMから職務停止を言い渡されてしまう。折しもロンドンでは、スパイ不要論を掲げるマックス・デンビが国家安全保障局の新たなトップとなり、“00部門”を閉鎖しようと画策していた。表立って活動することができなくなったボンドだったが、…

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