A 曰く

「国民が馬鹿ってのは、実に、ありがたい。」 ― 馬鹿！？ここの人々は勤勉で優秀だよ！ 「馬鹿ってのはお勉強のことじゃない、無関心なこと...

サイレン

船の上 けたたましい音が 眠りを破る 目覚まし時計じゃない そのベルは 人体にただちに影響があるかもしれない 警告音...

秋の思い出

夏休みの子ども達がラジオ体操に集まる神社で、わたしは初めて三毛猫を見た。 女の子たちがめちゃくちゃに撫で回したり、男の子たちが無理やり家に連れ帰ろう...

かくれんぼ

せせらぎの森でかくれんぼ 大樹の陰で鬼になる 遠ざかる声 「まあだだよ」 夏の終わりのかくれんぼ 「もういいかい」 って聞いた...

なかいまの風

あなたは おぼえているのかな わたしにうたった 子守唄 あなたは 思い出すのかな 夜道でにぎった 小さな手 あなたは 忘れてしまうでし...

気のせい

あきらめます 手放してもいい そうして この手が何も持っていないことに気付く むりなんです これ以上つづけられません ...

隠蔽物語

第一章は 恐怖におののく人々と隠そうとするヒトビト 第二章は 怒りにふるえる人々と誤魔化し続けるヒトビト 第三章は ...

水滴

目に見えるものだけが 存在しているわけじゃない すべての物質がヒトだけに都合よく 存在しているわけじゃない たとえば 夕方雨上がり...

くじらうた

花が落ち 夏は往くのを 見届けて 魂でうたう くじらうた 約束の海、約束の宵 ...

朝靄

つながっているか つながっていないか と言えば つながっていると思う 届くか 届かないか と言えば 届かない...

夏の思い出

厳しい目をした、無口で働き者のじいちゃんだった。 わたしは子どもの頃、じいちゃんが怖かった。 ある日、三五郎（犬の名前です）と一緒に、 スコップ...

身体と魂の万能薬

新生姜が届きました！ 辛い匂いと甘い匂いが同時にする 身体の内側からエネルギーが湧いてくる さっそく 生姜ごはん！！ ...

花火酔い

入道雲や三日月、雨の宵。 好きだけど、 ほんとは毎日ちがうんだけど、 くりかえし経験することで足したり引いたり、...

うたかた

待ちに待った 旧い灯台で待ち合わせ 35℃ 潮が薫るにつれ 風がどんどん強くなる 何から話そう なんて言おう ...

ふたつの王国

誰かのために 相手のために 笑顔が見たくて することが幸せだと 感じる人 予期せず その厚意が返ってきたことに 花のように笑う人 ...