ライトノベルを書いています。 恋愛・ファンタジー・たまにBLなど。
最近始めたばかりですが、ライトノベルを書いています。恋愛・ファンタジー・たまにBLを書いていく予定です。 ただ今男女・BL織り交ぜた青春ラブストーリー「ボクラノキモチ」を連載中です。 http://blog.livedoor.jp/kazakuraakane/
―――誰よりも焦がれただけだ。 その愛が、常に自分を通して別の誰かを見ていたから。「はぁっ、はぁっ」 覆い茂る木々たちが行く手を阻むように視界を塞ぐ。 茨の棘が肌を切り裂いて血を滲ませた。けれど、立ち止まっている余裕はない。 後ろ手に掴んだ細い腕に力を込
「ここでいい。ありがとう。」 空は少しずつ夜色に染まっていき、まだ明るさの残る通りに街灯がちかちかと灯りはじめていた。 2階建てのアパートが見える曲がり角で、由利は小さく呟いた。 送ってくれた優奈が困ったような顔をしている。「あの、本当に大丈夫?」 由利は
紅い瞳 体育の後の更衣室はむっとするくらい暑い。 しかも思春期特有の男臭さが相まって、最悪だ。 早々に着替えて、清水優奈は水道の水で顔を洗った。 一応、高校3年なので受験生だ。 まだ日本の大学を受験するのか、受けたい大学はどこなのか、そもそも将来なんにな
深夜2時。住宅街の一角にあるその公園は、グラウンドと併設になっており、街頭の届かない中央部分は暗闇が声を潜めている。 新興住宅地だというのに、住むところを持たない男がベンチに寝そべっていた。 あたりは闇夜に静まり返っている。 ふと、男は前方の何もない空間
紅い瞳 純粋に人助けだったか、と言われたら、そうじゃないかもしれない。 あゆみはフローリングの床に座り込んで、ベッドで寝息を立てる不思議な少年を見上げていた。 寝かせると数秒で眠りについてしまった。 テレビのスイッチをつけることもできず、暗い部屋であゆ
紅い瞳 「……ん。」 頬をくすぐる冷たい風に目が覚めると、ぼんやりと視界が開けてきた。 公園のベンチに横たえた体には、見慣れない黒い服がかけられている。 「学生服」というものだ。さっき出会ったあの男が着ていた。「起きたかい。」 すっかり日は暮れて、街灯が
屋根の上は強い風が吹いていた。 少し身を乗り出して、芝生を覗く。誰も外に出る様子はない。 屋根づたいに木に飛び移れば、塀まで登っていけそうだ。 リトは助走をつけて、屋根から木の枝へ飛び移った。 土の塀を登っていくとやがて頂上が見えてくる。今度は慎重に手
目が覚めると、見知らぬ場所にいた。 建具も壁も真っ白で、どこか遠くの宮殿にでもいるような錯覚を覚える。 微かな体の痺れを感じながらリトは身を起こした。 一人では大きすぎる寝具に敷かれたシーツは白く滑らかで、ひどく寝心地が良かったのを思い出す。土に藁を敷
―――誰よりも焦がれただけだ。 その愛が、常に自分を通して別の誰かを見ていたから。「はぁっ、はぁっ」 覆い茂る木々たちが行く手を阻むように視界を塞ぐ。 茨の棘が肌を切り裂いて血を滲ませた。けれど、立ち止まっている余裕はない。 後ろ手に掴んだ細い腕に力を
ボクラノキモチ<目次> 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17<登場人物紹介> 椎名 一樹(17)2月15日生まれAB型 身長/173cm 体重/57㎏ 趣味/バスケ・映画鑑賞
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