夢の片隅で恋におちて

春先から延々と数カ月かけ、2つほど「物語」を妄想し続けていた。厳密に言えば、頭と心をフル回転させて「登場人物」になりきり、その人物が生きている「現実」をバーチャル体験していたのだ。主要人物や主人公の人物造形は最重要だから、隅々までしっかり創り込むべし！ とは心得の常套句。自分が読者になればキャラの魅力は大切なので、書く側に回っても当然のこととして納得はできるが、掘り下げていくうちにワケがワカラナク...

ぞくり

前回ちょっと暗い話題で終わっていたので、仕切り直しを兼ねて短めの話など。エロさとはなんぞや、ということをのんびり考える。美術館などで見かける彫像は、男女問わず全裸なものが多い。しかも人体をデフォルメすることなくリアルに再現している。しかしあれを眺めて卑猥な妄想に耽るケースは少ないと思う。全裸なのにエロティシズムを感じないのは何故だろう。ではあれに下着をつけてみたらどうか、と更に考える。芸術作品に対...

空は思っていたより青いかもしれない

あとほんの少しだけ、時代の変化のスピードが緩やかであったらと願う。あの頃はよかったという世間の口癖が、叶うことのない過去への羨望となり、生きづらさを徒に加速させる。図画工作の時間に描いた未来予想図は、今や実現可能なものばかりになったというのに、憧れはいつも過去の中にしかなくて。かつてあれほど嫌った不便さと不自由さが、その条件下でしか生み出せない感情や感覚の源だったのだと、今頃になって気づく。「贅沢...

ひとり、ということ

読書やら読書やら読書やらの怠惰な日々を返上し（笑）、このところ黙々と書いている。教訓としては、医師を主人公にすると調べものが多くて大変。ついでに相手が刑事だと、やっぱり調べものが多くて大変。医学も法律も日進月歩で、うかうかしているとすぐ改正されてしまうから、確認作業にひと苦労だ。頭も肩も疲れてきたので、ちょっと息抜きなど。今回は「孤独」のお話。いろんなものを書いたり読んだりしていると、作中に、登場...

拍手返信

年明け間もないというのに、他愛もない日々が飛ぶように過ぎていきます……。以下、コメントレス。Sさん拍手コメントありがとうございます。当初あの短編は、犬猿の仲の幼馴染みがひょんなことから温泉旅行に行く羽目になり……という設定でした。本当はそちらの方が面白くなるんですが、相性の悪い2人の人間が親しくなっていくという展開は、やはりどうしても長編でじっくり読みたい！ と、自分なりに強くこだわっています（読み応...