サワーを飲みつつポール・オースターを読んで、次の日になったら内容をちっとも理解できていなかったことに驚いた。途中から読み始めようとしたのに、気がついたらそこは前の晩に読んでいたくだり。よく分からないまま読み進めていた。朝、読むと普通だった。爽やかな朝。通勤。灰色の街。気をつけて歩...
明日を想像したりだとか、そういった能力はどんどん失っていくのに、代わりに手にできるものは少ないから、生活するというのはかなり辛い。油断ができない。ひとは物事に動じなくなったと言うかも知れないけれど、単に何も感じられなくなっただけなのかも知れない。不安てなんだっけ、というそれを思い...
僕たちの女の子は生活を快適に過ごすための、いくつものアイデアを持っている。でも、男たちにしてみれば、そのアイデアが存在していること自体が快適でない。そして、ついそれが態度に出されてしまうときがある。それでたくさんの皿が割られてきただろう。皿の災難を記憶しておきたい。 本を読む...
週末に風邪をひいてまだ治らない。熱は下がったのだけど、依然体調が悪い。というより、去年の年末に体調を悪くしてから、ずっと調子が戻っていない。外に出る気になれないから、部屋でずっと本を読んでいた。僕の体調が年中悪ければ、僕はたくさんの本を、今日までに読んだろう。読んだよ、本当に。
コタツに入ったことがなかった。いや、小さい頃はあったかもしれない。ただ、そのあとのかなり長い時間をコタツと無縁に過ごしてきた。それが今は家にある。一階の、なかなか暖かくならないリビングを諦めて、食後の時間をコタツのある部屋で過ごすことにしている。ここは適度に小さくて、暖かい、コタ...
梅の花が咲いていると思ったけれど、あとでじっくり考えてみればこの辺りで梅が咲くのにはかなり早くて、あれはそういう品種だったのか、それとも違うなにかの花だったのか、今ではもう分からない。花の名前を知らないまま、多分これから知ることもなく、生きてきた。膳に並ぶ魚の名前も分からないし、...
帰ってくる途中に、仲通商店街みたいな名前の相当に長い通りがあって、少し凝った作りの、あの商店街らしいフォルムをした街灯が鈴なりになっていたけれど、点いているのは2つに1つくらいだった。ましてお店はちらほらある程度。シャッター通りになる前に、この辺りであればアパートが建ってしまうの...
さよならソルシエというマンガを読んだ。ゴッホ兄弟の話で、兄には才能があるけど弟にはない、才覚はある。そして本当は才能を渇望していた。そういう話だった。才能ばかりはどうにもならない。ピンポンのはげた人を思い出す。 新横浜まで歩いて、振り袖の人がたくさんいるのを見て、今日が成...
誕生日の前日は隣県まで車で行った。友だちの1人が仕事で時間通りに来られず、合流が朝になり、仕方がないので隣県でボーリングなどをして朝を待った。本当は夜のうちに済ませておくはずだった予定がすべて朝にまわされたので、全員が徹夜あけのまま、本題がスタートになった。眠かった。車のなかでは...
ツイッターを見ていて、コメットさん※の人が死んでしまったことを知った。そのことをネットで検索したら、現在では主にエロ同人誌の作家として認知されていたようで、コメットさん※の作者としての言及はあまりなかった。そういうことに少なからず隔世の感。下ネタを頻用した笑いのテンポも、急に哲学...
職場の研修で栃木県に来ている。ここは何にも無いところで、行く道の先に朝陽がさしているのが見えて、写真を撮ったりしている。まだ暗い空に、オレンジ色の朝陽が輪郭になって、いくつにも分かれた枝がくっきりと映った。端的に言うととても綺麗だった。
洗車をしていたら手元に虹ができた。スーツの裾はびしょびしょになった。水と流れていく泥と陽の光とか。昨日の、そのずっと前の昨日のことさえ思い出せそうでうまくいかない。全部がとんでもなく昔のことのように感じる。そして、事実そのとおりなのだろう。 昨日の、そのずっと前の昨日の感覚を...
今日の昼近く、京急川崎線の駅の外は長蛇の列だった。話に聞いただけではあるけれど、ソビエト連邦が崩壊する前の、物資配給に並ぶ列はあんな感じだったのかも知れない。当時のロシアの人たちは、列を見ればとりあえず並んでみるのが習慣になったらしい(何のために並んでいるのかは知らなかったりする...
東急東横線が雨の影響で運休していた。そのまま帰ってきて何年降りかでROVOをかけてコーヒーを飲んでいる。外はすごい風だったけれど、家の中にいるともうそれはずっと前の話だったみたいだ。遠くでサイレンが鳴り続けている。その音さえ夢のなかで聞いているような。
友だちの家に遊びに行ったんだけど、なんだか気を遣いに行ったみたいだった。酒はおいしかった。新築はきれいだ。でも、一番印象に残っているのは、とにかく気を遣ったということだった。誰ひとりそんなことは望んでいないのだから、残念なことだった。彼らだって、僕だって。 ここ最近はケルアックの...
職場の下の階にある、屋外に面したベンチに座って通りの向こうを見ている。ハトが飛んでいる。僕の職場は治安がいいとは言い難い場所にある。いつもは上階からガラス越しに見ている風景。ガラス越しの世界には、姿があっても音はなかった。ここでは風が吹いている。とても強い風。川も海も近いから、本...
四国に行ってきた。 四万十川沿いでキャンプをしようと思って、偶然場所を見つけて車を止めたところが、国内の最高気温を最近記録した町だった。『日本一暑い町』みたいなことを書いた、浮かれたノボリは見かけたけれど、僕が行った日はそんなに暑くはなかった。むしろ涼しいくらいで、それは着いたの...
行ったところ(展示会など) ・東京都写真美術館-米田知子『暗なきところで逢えれば』 http://syabi.com/contents/exhibition/index-1864.html ・国立新美術館-アメリカン・ポップ・アート展 http://www.nac...
髪を切ってきた。サルトルの短編を読んでいるのはいいと思っているけど、サルトルを読んでいるということが人にどういう印象を与えるのかが分からない。「持っている本、小説ですか?」と聞かれたので「そうです」と答えた。質問の意図を読み取る能力に欠けているのではなく、自意識が過剰。前髪だけが...
ユング心理学事典、ピザ、どっちも三千円だった。この欲求を両方同時に叶えるのも何だな、と思ってネットからピザを頼んだ。辞典は中古で買った。だいじょうぶ、我慢はしている。二千円分の我慢。
「女神転生」がやりたくて買ったニンテンドー3DS、クリアしたらやることがなくなった。もったいないので、「モンスターハンター」を買ってきて毎日やってる。「もったいない」の感性はずれているかもしれない。 今日はお高いパンケーキを食べてきた。僕は金に窮乏すると真っ先に食費をけずるタ...
最近、ユングの本を読んでいる。 この難渋な云々によると、ものごとに考えることで対処することの多い人間は、感情が未分化であることが多いそうだ。未分化というのはこの場合、俺に感情などないぜ、みたいなクールなものではなく、むしろ一面的な感情にとらわれやすかったりするらしい。つまり激...
ウィルス性の胃腸炎だった。今も胃腸炎は治らない。 フェスで牛串を食べたり、暑いからとビールを水のように飲んでいたら、ある日の夜、寝ていられないくらいの吐き気と腹痛、翌朝になって病院に行くとウィルス性の胃腸炎ですね、と言われた。つまり食あたり。仕事を休めない旨を説明して、対症的...
タバコを吸わなくなってから大体半月くらい。毎日が不安だし、気分的に不安定だしで、タバコというのは、それはそれですごかったのだな、と思う。タバコで何かが治ったりすることはないのだろうけれど、少なくともそこは逃げ道ではあったのだと。とにかく一日一箱分のお金は浮くようになったので、音楽...
そう言えばここでブログを書いていたな、と思った。ほぼ1年降りくらいでページを開いた。IDやパスワードはパソコンが覚えていた。1年経てば人も少しは変わる。あのときのあの子とも、今ならいくらかは上手に話せるかも知れない。歳月が持つ意味というのは、だいたいがそんなものなんじゃないかと思...
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