出て行かないと、いけない鬼にした原因の私が、傍にいてはいけない離れないと、いけないでも・・・離れようと思うと、胸が苦しくなる出て行こうと思うと、涙が出るこの思…
―――― その夜は、ひどい嵐のよるだった激しい風と雨の音にセイは目を覚ました昼間の天気が嘘のように、雨風がひどく障子ががたがたと音を立てて、隙間から風が入って…
「宗ちゃん?」返事がない宗次郎に向かって、セイはもう一度問いかけた見られた・・見られた!一番見られたくなっかた人に一体今の私はどんな顔をしているのだろう?それ…
苦しんでいる苦しんでいる私のせいで・・・!私が、あの人を変えてしまった大切な、あの人を変えてしまった何が出来る?私に、出来ることは何?わからなくてわからなくて…
手に残る、嫌な感触肉を断つ、骨を断つ、あの感触命の灯火が消えていく、顔許しを請うような、絶望したような、顔どこまでも紅い、血ぬるりとした、生温かい、血忘れられ…
ちがうの、ちがうの本当は『すき』なの背伸びをしている顔が幸せそうだったから、真似してみたくなったの『しあわせ』わけてもらいたかったのなのに、幸せそうな顔が、怒…
本当は、寂しい本当は、兄上たちを探しにいきたい本当は、辛い気持ちを言いたい本当は、泣きたいでも・・・でも、我慢しなくてはいけないだって此処は、私の本当の家では…
『子供のうちにいっぱい泣くのは、大人になったら泣かないで公方さまのお役に立つためだもの』泣き虫だった私に、そう諭してくれた女の子泣いていた私を、『武士の子』と…
「・・ん、・・・おも、い・・・」宗次郎は、真夜中にふと息苦しさを感じ、目を覚ました。なにかが、身体に乗っかっている気がする・・・そう思い、どうにか動く頭を持ち…
「おにいちゃん、ヒラメみたい」目の前の桜の精は、大きな瞳をさらに大きくさせてじいっと宗次郎を見つめるともう一度、今度ははっきりとした声でそう言った「こら!セイ…
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