雄祐の誕生日は本人不在で孝太と夕食。 「雄ちゃんは?」 「彼女じゃないの?」 そうなるよな。 「おとうさん、誕プレはどうしたの?」 「何を買っていいのかわからないし」 「渡さないの?」 「渡すけれど、自分で好きなものを買ってにするよ」 6歳から育てて大学も地元京都の大学。長男とは違い反抗期が終わっても 成長を見て来れた。大学に行くと門限はなくなり自己責任。ただ連絡だけは いれるように伝えた。 一気に親の手を離れる。バイトをして自分の欲しいものを手にする。 「自分で稼いだから」文句言われる筋合いはないと思っている。 その通りでもある。 顔の表情や仕草である程度のことがわかる。目が二重になると体調が悪いし、 少しでも咳をすると風邪とわかるのは長年一緒にいるから。 大学生活も残すところあと1年。孝太はまだいるけれどまた一人親離れして行く。 ..