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おりーぶピクルス100g https://rukaaoi.jugem.jp/

オリジナルBL小説。ハッピーエンドのみ。性的描写が入るので18歳未満立入禁止。不定期更新

天才空手少年と俺様ピアニストの恋「あの月の下で」 ウルフドッグ×リーマン「アラカワ(仮)君と俺」 借金のカタに売られたへこたれないサクラとヤクザの恋「サクラシリーズ」 が割とご好評いただいた話です。

アオイるか
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2011/05/29

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  • サクラss 嫁入り編5

    剃毛の挙句、散々ヤりまくって、郁人さんは次の日の早朝、寝てる俺を残して出かけて行った。土曜日だから恭一さんもクリニックを開ける為に朝食を食べて帰っていったらしい。当然、シズルさんも一緒だ。俺は、どうにか起き上がれる感じではあったけれど、ツル

  • サクラss 嫁入り編4(R18)

    驚きのあまり、目を見開いたまま咄嗟に固く唇を閉じたから、舌は入れられずに済んだ。だけど、恭一さんは大変ご不満だったらしい。ムッと眉を顰めたと思ったら、下半身に伸びた指先が、俺のペニスの先端をスルリと撫でた。「んぁっ……! 」郁人さんにリング

  • サクラss 嫁入り編3(R15)

    羽毛の布団はフカフカしていて、2人分の体重を乗せ、心地よく沈みこんでいる。暴れても難なく抵抗を抑えられ、気づいた時にはうつ伏せにひっくり返されていた。両手はまとめて着流しの帯で縛られている。相変わらず問答無用っていうか、これ、殆ど強姦じゃな

  • サクラss 嫁入り編2

    俺たちと見下ろす郁人さんの目が暗く陰っている。えらくご立腹なのが明らかだった。「い……郁人、あの、その」「西川ァ!! 」「ひィィ!! 申し訳ございまセンッッ!! 」文字通り飛び上がったあと、頭を畳に擦りつけながら10mくらい後退した西川くん

  • サクラss 嫁入り編1

    小田桐本宅の中庭には、樹齢ン百年の立派な桜の大木が3本ある。元々は大名屋敷だったものを、何代か前の小田桐当主が買い取ったのだそうだ。ちょうど一年前の春、薄桃色の花びらが舞い散る中、鮮やかな刺青を背に浮かばせた郁人さんの姿を、今もはっきりと思

  • サクラss バレンタインおまけ3(R18)

    涙目で見上げたら、郁人さんが笑いを堪えて、馬鹿にしたような顔で見返してきた。「お前なァ。変な声出すんじゃねえよ」完勃ちのくせして、息も荒げず冷静な声の郁人さんに言われたから、急激に羞恥が湧き起って頬が熱くなった。ちょっと弄られただけで俺ばっ

  • サクラss バレンタインおまけ 2

    「0時半だ」俺の独り言が聞こえたらしくて、キッチンの方から姿を現した郁人さんが教えてくれた。結構前に帰ってきたみたいで、すでに着流しに着替えている。「あ・・・夕めし」「置いてあったの適当に食ったからいい」そのまま起き上がろうとしてた俺のとこ

  • サクラss バレンタインおまけ 1

    橘川から電話が掛かってきたのは、2月半ばの夕方だった。「あれ、こんな時間に珍しいな」橘川は部活で忙しいから、大抵夜遅くにメールしてくる。声を聞くのは久しぶりだ。嬉しくなって通話ボタンを押した途端、『・・・佐倉・・・助けてくれ・・・っ』切羽詰

  • 翡翠の翼〜Marriage Blue〜 3

    レイはまるで月のように綺麗だと、いつも思う。むしろ暗闇の中にあって輝きを際立たせ、凍える道を照らしてくれる。「参るね、ほんと。ダメだよ、他所でそんな顔しちゃ」苦笑しながら、レイがそんなことを言っているが、意味がよく分からず困った顔をしている

  • 翡翠の翼〜Marriage Blue〜 2

    城に戻ると、ユーリは待ち構えていた「鬼より怖い」という家庭教師によって、部屋に連れ戻されていった。城を出て行くハクを見かけて、勉強を抜け出してきたらしい。ユーリの泣きそうな顔を見て、気の毒に・・・。と同情したが、ハクも立場は同じだ。レイが静

  • 翡翠の翼〜Marriage Blue〜 1

    アンソロジー桃源郷の「翡翠の翼」続きssです。城の広大な敷地内にある東の湖は、レイに連れてきてもらってからというもの、ハクの気に入りの場所だ。城の中に居ると、常に王族付きの女官が傍に居て、なにくれと世話をしたがり、トイレに入るのですら一緒に

  • サクラss「Chocolat」3(R18)

    首筋から背骨を伝い、やがて末端まで伝播した震えが俺の体を支配して、立っているのがやっとだった。耳に残る郁人さんの囁きが、まだ頭を痺れさせている。フッと微かな笑いとともに吹きかけられた息に、ビクリと身を竦ませた。「まあ、俺を殺れる奴なんざ、い

  • サクラss「Chocolat」2(R15)

    キッチンの床に座り込んで、わんわん泣いていた俺と凛は、「・・・何やってんだ、お前ら」という、郁人さんの呆れ声に我にかえった。「え・・・?・・・!お、おがえりなざい」玄関の開く音にも気づかなかった。それにしても、まだ6時過ぎだ。こんなに早く帰

  • サクラss「Chocolat」1

    今朝、テレビを見ていたら『冬の食材特集』をやっていて、郁人さんが急におでんが食いたいと言い出した。飯を作る係としては、メニューが決まっているというのは結構有難い。それで、味を染み込ませるのに昼過ぎから作っていたんだけれど、トマトを買い忘れた

  • 年を越したら(洸太郎×哲平)2(R18)

    お蕎麦が沢山あるから、と、お母さんが出してくれたので、遠慮なく頂きながら兄の話になった。広いダイニングテーブルに、俺と哲平さんが並んで座り、向かいにお父さんとお母さんが座っている。「ご結婚されたんですってね。お子さんは?」お母さんに聞かれて

  • 年を越したら(洸太郎×哲平)1

    HOME(総目次)へBL KANCHOROU企画参加作品目次「春がくるまで1」*以前書いた「春夏秋冬シリーズ」のssです。<登場人物>四月一日 洸太郎(わたぬき こうたろう)23歳。兄の高校時代からの友人、哲平に12年間片思いしていた。昨年

  • サクラ番外編「1on1」(雲居×セイ)3(R18)

    橘川セイは見た目男前ですが、♀なのでNLになります。客間に引っ張っていったセイをベッドに座らせ、財布の中からコンドーさんを抜いてきて、隣にくっついて腰を掛けた。肩を抱いたら、カタカタと微かに震えている。「オレ、今まで自分の外見はどうだろうが

  • サクラ クリスマスss「Silent Night」最終話(R18)

    座っている郁人さんの上に俺が覆いかぶさる形で腰を引き寄せられ、喰いつくされてしまいそうなキスをされた。入りこんできた舌に自らの舌を絡め、僅かな隙間から密やかに息を吐くと、郁人さんが俺の下唇を柔らかく噛みながら、触れ合うギリギリの位置で熱を伝

  • サクラ クリスマスss「Silent Night」4

    毛布を肩に掛けていたから気づかなかったけれど、よく見たら、長い髪が右側だけ無残にバッサリと切られていた。「くそ、髪切られたのか・・・」「大丈夫だよ。ちょうどショートにしてみようって思ってたし」凛の髪の毛はサラサラストレートで綺麗だった。心配

  • サクラ クリスマスss「Silent Night」3

    凛が帰ってきてすぐに三村さんと別れ、ホテルをあとにした。しばらくここに泊まって、その間、どこか適当なところへ引っ越す手筈を整えるのだそうだ。凛をマンション前で降ろしてもらって、自宅マンションに向かう途中、すっかり凹んでいる宝井さんと松本さん

  • サクラ クリスマスss「Silent Night」2

    クリスマスが近いので、通りもデパートも、もの凄く混んでいた。並んで歩く凛と俺に、つかず離れずの距離を取り、宝井さんと松本さんが付いてきてくれている。あれこれ見て歩いたけれど、なかなかプレゼントが決まらなくて、結局旅行券を贈ることにした。「デ

  • サクラ クリスマスss「Silent Night」1(R18)

    一時期俺を事務所に呼び出していた郁人さんだったけど、多忙を極めて昼飯どころじゃなくなってしまった。せっかく組の人達と打ち解けられそうだったのに、あれきり事務所に顔を出す機会も無い。つまんねーの。年末忙しくなるのはヤクザも同じらしい。劉との件

  • サクラ番外編「1on1」(雲居×セイ)2

    バスケをやったことが無い、と言っていたセイは、バスケ部に入ると、めきめきと頭角を現した。とにかく運動神経の良さが半端じゃない。瞬発力もスタミナもある。特に相手の動きを予測して不意を衝く能力に長けていた。それは、長年格闘技をやってきたから身に

  • サクラss「昼下がりの・・・」後編(R18)

    「三村さん呼び戻すって・・・え?なんで?」「三村が任されてた店、劉との一件で経営立て直すのに、後任が苦心してましてね。三村には経営の才能がある。それに、あの混乱の時期にオヤジがサクラさんの護衛任せるほど信頼してましたし、そういう人間はなかな

  • サクラss「昼下がりの・・・」前編(R15)

    先月休みを取って俺と南の島に行っていた郁人さんは、帰ってきてからほとんど寝てないんじゃないかと思うほど、仕事に忙殺されていた。あれだけ羽伸ばしたんだから当然なんだけど、新宿にある組の事務所に泊まり込んでいて、マンションに帰ってくるのは週末だ

  • サクラ番外編「1on1」(雲居×セイ)1 ※NLです

    橘川は女なのでNLになります。ご注意を。セイと出会ったのは大学に入って半年ほどの頃だった。あの日、友達に美味い定食屋があると教えて貰って、昼飯を食いにいこうと、初めて通る裏門へ向かって行ったら、構内の片隅にある外コートにバスケゴールが置いて

  • サクラss「桜咲くPromenade」13(R18)

    俺たちの乗ったクルーザーがホテルのある島に引き返した時には、すでに夕刻になっていた。郁人さんは来た時と同じく、ずっと無言で操船している。俺も話しかけることなく、クルーザーの縁に肘を乗せ、少し屈んだ姿勢でスクリューが立てる白い波を見ていた。な

  • サクラss「桜咲くPromenade」12

    しばらくして、勝俣さんたちが海から上がってきた。適度に運動してスッキリしたらしく、上機嫌だ。「さて、じゃあ私たちは部屋に戻って、少し休憩しますね。勝俣さん、砂だらけですよ。バスルームで洗って差しあげましょうか」春魁さんが椅子から長い足を降ろ

  • サクラss「桜咲くPromenade」11

    船着場に船体が付けられると、春魁さんが日傘をたたんで、手を差し伸べてくる。「春魁さん!もう体はいいんですか?!」嬉しさの余り、胸に飛びこむようにしてクルーザーから降りた俺を、春魁さんはぎゅっと抱きしめてくれた。ふわりと花の香りがして、なんと

  • サクラss「桜咲くPromenade」10(R18)

    ルームミラーに写っている海江田さんたちは、ひたすら無反応で、時折窓の外に鋭い視線を遣り、警戒を怠らない。まるで俺たちの間に壁があって、向こうからは何も見えなくなっている・・・訳は無い。当然ながら。郁人さんの膝の上で散々揺すられて、それでも声

  • サクラss「桜咲くPromenade」9(R18)

    凛のお陰で父さんたちに認めてもらえて、安堵しながらアパートをあとにした俺は、再び舎弟衆のガードを受けつつ、車に乗り込んだ。結局金は受け取らない、と頑として拒む父さんたちに、郁人さんは、取り敢えず俺に預けておく、と言ってその場は収めたんだけど

  • サクラss「桜咲くPromenade」8

    あぐらを掻いて両手を膝に置いた郁人さんは、眼光鋭く前を睨みつけている。「海江田、もういい。それ仕舞って、出てろ」低く唸るような声で郁人さんが言うと、海江田さんがジュラルミンケースの留め金をパチンと閉めて床に置き、無言で頭を下げて出て行った。

  • サクラss「桜咲くPromenade」7

    普通、相手の実家に挨拶に行く場合、緊張するのは訪問する側の筈だと思う。手土産片手に、男が若干震える手で玄関チャイムを押すとか、ガチガチの口カラカラの、噛み噛みで父親に頭下げるとか、そういうシーンなら、ドラマで何度か見た覚えがある。だけど当然

  • サクラss「桜咲くPromenade」6

    すっかり日が高くなってから目が覚めた。今日は天気がいいらしく、部屋の中に陽が射している。「んぅぅ・・・」そんな清々しい秋晴れの日差しが、寝不足の俺には明るすぎて、すぐに目が開かない。寝返りをうって枕に突っ伏していた。喉が痛い。腰も、ケツも、

  • サクラss「桜咲くPromenade」5(R18)

    俺の指を丹念に舐めていく光景があんまりにも卑猥だから、口を半開きにして見ていたら、いきなり両足首を掴まれて高く持ち上げられ、でんぐり返しで尻穴を晒した無様な格好にされた。「うわっ」「ハハッ、相変わらず体やわらけぇな」膝を使って俺の太腿を抑え

  • サクラss「桜咲くPromenade」4(R18)

    初夜って、何言って・・・っ。かぁぁぁッ、と頬に血が集中して蒸気が出そうだった。慌てて両腕で顔を隠して、「で・・・電気消してください」頼んだけど、恥ずかしさの余り蚊の鳴くような声しか出なかった。「何言ってんだ、今更。電気消してヤったことなんか

  • サクラss「桜咲くPromenade」3

    俺を担いだまま、郁人さんが板場を出て中庭に面した外廊下を進む。ライトに照らされた黒竹が闇に浮かび上がっていた。離れの部屋の障子戸を乱暴に開け、後ろ手にスパンと閉める。部屋は2間続きで、居間を抜け、奥の間に進むと、布団が敷いてあった。いつもな

  • サクラss「桜咲くPromenade」2

    こっそり抜け出したことがバレなきゃいい訳だし、確かめたら帰ってくればいい。なんて、冷静なつもりでも頭に血が上って衝動的になっていたんだと思う。本家の裏口近くでタクシーを降り、再び携帯を取り出した。夜11時近くになって、本家の周りは闇に包まれ

  • サクラss「桜咲くPromenade」1

    11月半ばを過ぎて、すっかり季節は冬になった。晴れて青空が広がっているけれど、やっぱり夏とは違って、なんとなく空気が透明な気がする。入院中の着替えやら何やら、荷物をまとめつつ、そんなことを思いながら窓の外を見ていたら、病室のドアがノックされ

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」最終話(R18)

    郁人さんの汗が胸にボタリと垂れてきて、固く閉じていた目を開けた。肋骨折ってるくせに、俺の足に負担がかからないように微妙な姿勢をしているから、多分郁人さんも辛いのだと思う。お互い無理な事して、何やってんだろ俺たち。俺も郁人さんも傷だらけだ。回

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」51(R18)

    ドサ、とソファに仰向けに倒れた俺の上に、郁人さんが乗っかってくる。そのまままた、キスをしようとして体重を掛けてきて、「い・・・ってぇぇぇえええ〜〜〜!!」耳元に俺の大絶叫をまともに浴び、片眉を顰めた。高級革張りで相当な大きさとはいえ、ソファ

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」50

    俺たちがいるのは、以前俺と郁人さんが運び込まれた病院で、今度は俺が特別室に寝かされていた。部屋には、他に誰も居ない。他の病室とは隔てられているから、廊下に人の気配も無く、静かだった。俺は1日半、気を失っていたらしい。泣き止むまで、郁人さんは

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」49

    微かな鈴音に目を開けた。徐々に幾重にも音が重なり、激しくなっていく。右からと思えば左から、頭上から、足元から、一体どこから聞こえるのか、シャン、シャン、と、鳴り響いている。体がうまく動かなくて、眼球だけキョロキョロと動かして辺りを見回すうち

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」48

    有毒ガスが含まれている煙を吸えば、火に焼かれなくても命は無い。今の俺は、息を止めたまま、3階分降りることなんてできない。ただの足手まといだ。「郁人さん、あっちの階段で行ってください。郁人さんだけなら行けるでしょ?」「・・・あぁ?何言ってんだ

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」47

    「郁朗が・・・死んだ・・・?」呆然と呟く有坂さんをまっすぐ見つめて頷いた。もうこんなことはやめて欲しい、という想いを込めて。「だから郁人さんを殺しても意味なんかないんです。あの会社は郁人さんが買い戻して、書類上の共同経営者は有坂さんの実名に

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」46

    不気味な建物の揺れに、思わず上を見た。俺が気を失っている間、有坂さんは何か作業をする、と言っていた。まさか・・・、と思った途端また揺れが来た。明らかに地震とは違う。「1階と最上階に、解体用のダイナマイトをタイマーで爆発するよう仕掛けました。

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」45

    体が揺らされる感覚で目が覚めた。窓から降り注いでいた秋の日差しはいつの間にか消え去って濃い灰色の空が寒々とした空気を感じさせていた。撃たれた太腿の痛みに盛大に眉をしかめながら顔を上げて見回した。俺はどうやら有坂さんの肩の上に担がれて移動して

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」44

    夜が明けた。昨夜は、有坂さんの膝枕で髪を撫でられていたら、いつの間にか眠り込んでいた。自分でも呆れる図太さだ。だけど、いまだにあれは有坂さんのタチの悪い冗談なんじゃないかと、信じられずにいたから、優しい有坂さんの膝の温もりに、ついほっとして

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」43

    凶器を持った有坂さんに逆らえなくて、促されるまま、病院の裏口から外に出た。持っていたのは拳銃で、一度それを俺に見せてから、有坂さんはジャケットのポケットに、握った手ごと仕舞った。モデルガンなんかじゃないんだろう。有坂さんは、そういう子供だま

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」42

    夜11時過ぎにシェアハウスへ戻ったけれど、もう夜中だ。静かに音を立てないように入って行った途端、パン!パン!と破裂音が聞こえ、驚きの余り頭を抱えて座り込んでしまった。「ウエルカム〜〜サクラちゃん!」咄嗟に、誰かが銃で撃ってきたのか、なんて普

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」41

    シェアハウスの部屋に荷物を置きに行くと、土曜なのでみんなバイトに出払っていて、インド出身で工業大学留学生のアルーンさんだけが在室していた。浅黒い肌と掘りの深い顔立ちの、エキゾチックハンサムだ。「ハーイ、来たネー。サクラチャン」軽いノリと、に

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」40

    劉が手を引いたことで、小田桐組関係のゴタゴタは収束した。でも今度は、郁人さんが逮捕されて会社の株が大暴落した上、社長が極道だったことが明るみに出て、辞める社員が続出し、この先立て直すことができるかどうか分からない状況だ。マスコミも嗅ぎつけて

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」39

    橘川が、劉の娘、ジンツェイ・ラウ・・・?!驚きにしばらく口が半開きになってしまった。だから、あんな凄いマンションに住んでたのか。そういや、オヤジは悪どく儲けてるって言ってた。「ジンツェイ、何をしに来た。どうして結婚のことを知っている。・・・

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」38

    郁人さんの手に、照明を反射させて光るナイフが握られている。「・・・ふん。三村のためか」郁人さんが三村さんを処分しないことは分かってる。だけど、それを口にしても仕方ない。俺を殺せば、劉とのいざこざは丸く収まって、会社を守ることに専念できる。そ

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」37

    涙が涸れるほど泣いて体中の水分が出尽くした頃、新幹線が終点の上野に到着した。懐かしい都会の匂いがする。何もかも涙と一緒に洗い流したせいで、余計な事を考えずに、新宿までたどり着いた。本当なら、恐怖に身が竦んで、ここまで来られなかったかもしれな

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」36

    他人の荷物を漁るっていうのは気がひけるけど、この際仕方ない。すいません、と、この場に居ない相手に謝りつつ、三村さんの旅行バッグを探っていたら、側面のポケットから俺の携帯が見つかった。20日ぶりに電源を入れると、物凄い量の着信がある。有坂さん

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」35

    弟は、遺書も遺さずに死んだ。半年後、弟の部屋で、三村さんが以前土産に買ってきてあげた、寄木細工のからくり箱を何気なく手にとったのは、何かの導きだったのかもしれない。手順通りに仕掛けを解いて中を見ると、何枚かの紙が入っている。破かれたノート3

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」34(R18)

    俺たちが泊まっている貸し別荘は、那須の山奥にある。東京からは適当に遠くて、足が付きにくい。それでも、三村さんは用心に用心を重ねて、俺に敷地内から出ないこと、誰か来ても出ないこと、知り合いに連絡しないことを約束させた。三村さんの傷がもう少し癒

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」33(R18)

    三村さんは、医薬品を一通り揃えていた。医薬品と言っても、そのへんの薬局に売ってるようなやつじゃなくて、闇医者から仕入れた抗生剤や止血剤、医療用のモルヒネなんかだ。手当の仕方まで教わっていたのは、俺を殺せと言われた時から、こうするつもりで下準

  • サクラ ファイナル「いつか桜の散る下で」32

    俺と三村さんが居るのは、2階建てのログハウスだった。窓からは鬱蒼と茂った木々が見える。どうやら相当山の中らしい。俺が寝かされていた2階の寝室から廊下に出ると、吹き抜けになっている階下のリビングが見えた。「貸し別荘です。前払いで1ヶ月分払い込

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