ヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂には、ミケランジェロの『最後の審判』が描かれている。この礼拝堂には、ボッティチェッリの『モーセの試練』と題する壁画もある。『…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
最近の企業価値というものは、株式の時価総額が全ての基準になっている。かつて、企業は質の良い社員を雇い入れ、堅実な経営を営むことが求められていたが、最近の経営と…
人は、他の人が何気なく語った言葉に感動したり、癒されたりする時がある。エドガー・ポー(Edgar Poe) に『大鴉(The Raven)』と題する詩がある。…
動物学者のライアル・ワトソンの著書には、インドネシアで色彩と音を共感覚で語る少女のことが書かれていた。我々も、かつては甲高い声のことを「黄色い声」などの表現を…
山田洋次監督の映画『男はつらいよ』は、全部で48作。その映画では、渥美清が演じる「フーテンの寅」こと車寅次郎は、旅のテキ屋稼業をしている。毎回「マドンナ」役の…
ラテン語で"Memento mori" なる言葉がある。これは「死を覚えておけ」という意味。「死を忘れるな」とも訳され、さらに改編して英語流に表現すれば "M…
「遊びをせんとや生まれけむ」という言葉がある。これは、『梁塵秘抄』に収められている一編。意味は、「人は遊びをするために生まれてきたのだろうか?」歌の後半は「遊…
「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候」この言葉は良寛禅師が71歳に時に書き送った手紙分の一部。ここには、子供と遊んでいる「良寛さん」とは違う趣がある。その年…
「和を以て貴しと為す」これは聖徳太子が定めたとされる17条憲法の最初に出てくる条文。それぞれの主張はあるだろうけど、まず挙げなければならないもの、それは「和」…
「鶴は千年、亀は万年」などという言葉がある。実際のところタンチョウ鶴は平均して二十年から三十年ほどの寿命だという。渡り鳥としての鶴を毎年観察しているような人な…
「ペシミストは胃の悪い人間だ。人は自分の哲学を変えたいと思ったなら胃を治さなければならないのではなく、胃を治したいのなら哲学を変えなければならない」こんな人を…
窓の外は雪が降り積もっている。あまり積もることがない当地でも、庭の木々に雪の花を咲かせている。こんな様子を見ていると「蛍雪の功」なるものを思い起こした。これは…
「羊」は日本ではあまり飼われていないので、生態については馴染みではないが、一般的には大人しくて従順とされている。聖書にも「見よ、神の子羊」などの表現がある。こ…
「フッテージ(Footage)」と呼ばれるものがある。これは撮影済みだが編集されていない「素材」としての映像のことを言う。例えば、映画撮影の端切れにあたるもの…
「採算は度外視して皆様にご奉仕」などの表現がある。この「度外視」は無視や考慮に入れないなどの意味を持っている。「採算が取れるなんてことは考えないほどの安さで、…
人間には利き腕というものがある。一般的には80%から90%までが右利きだという。動物を探ってみると、それに相当するものはない。さらに、原人やネアンデルタール人…
古代ギリシア時代の医師の祖として知られるヒポクラテスは、ソクラテスとほぼ同時代の人。このヒポクラテスが残した言葉として知られるのは、「学芸は長し、生涯は短し(…
世阿弥が説いた言葉に『秘すれば花』というのがある。日本人の美学を端的に表す言葉でもある。いいことにつけ悪いことにつけ、感情をあからさまに表さないことをよしとす…
今年は雪の便りがよく聞かれる。雪があまりない地域の人間にとっては、雪はロマンの象徴のようなところがあるが、多い地域にとっては、なんとも頭痛の種のようである。災…
アガサ・クリスティの小説に『クリスタル殺人事件』という邦題がつけられた作品があった。この原作のタイトルは"The Mirror Crack'd from Si…
我が家の近くにある神社は小さな社ながら初詣の人出は多い。参拝客は長い坂を登り上がってくるのだが、例年は、鳥居の前で入場制限がかかり、それでも順序よく並んで参拝…
新型コロナが身近なものとして登場してから丸2年が経過した。何度か「もう終息かも?」などと思ったことがあったが、どっこい、今に至るまで終わりが見えてこない。中世…
お正月休みが明けて、外国人講師たちはそれぞれにレッスンに戻ってきた。やはり、どのようにお正月を過ごしたかという話題になる。ある外国人講師は、日本人の奥さんの実…
様々なことから人は笑ったりするもの。「人の笑いはどこから?」などという研究は、かなりの昔から大きなテーマの一つ。その一つとして、「緊張の緩和」が挙げられる。一…
「解剖台の上で ミシンと こうもり傘の突然の出会いのように美しい」この出会いを思い浮かべ、これが「美しい」と思える人は一体どれほどいるのだろうか?上記は186…
スタンダールはロマンあふれる色男として知られる。職業的には官吏であったが、派手な衣装に身を包んだ彼女を馬車に乗せて、大通りを闊歩させていたという話がある。それ…
「遠くて近きは、男女の仲」こんな言葉を聞くことがある。全然、縁遠いと思っていた同士が急に親密な関係になったりする。この言葉の出典は、『枕草子』。その百六十二段…
お正月には恒例となっているのが『百人一首』。この「百人一首」を編纂したのは平安時代の歌人・藤原定家と言われている。彼は様々な和歌集の編纂にも取り組んでいる。こ…
「恋」と「嘘」とは、全く似ても似つかぬ存在と思えるが、この二つは、同じ親から生まれた「姉妹」と語った詩人がいた。メリメが描いた『カルメン』は、「恋」多き女性。…
「回文(かいぶん)」 は上から読んでも下から読んでも同じ文になるものをいう。子供の頃に「しんぶんし」「たけやぶやけた」などの言葉遊びをした方も多かろう。日本語…
新年を迎えて、新しい一日を過ごすと、何か心も刷新されたような気分になる。ひと月ひと月、それぞれの月ごとに違う雰囲気を持っているもの。一月を旧暦では睦月と呼んで…
「定めなき世」なる表現がある。幾分、古語的言い回し。わかりやすい言葉で言えば「決まった形に展開していかない世の中」と言えばいいのだろうか。もっと言えば「思った…
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ヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂には、ミケランジェロの『最後の審判』が描かれている。この礼拝堂には、ボッティチェッリの『モーセの試練』と題する壁画もある。『…
今年のパリ・オリンピックが開かれる期間だけ、立ち退きを要請された「ブキニスト(Bouquiniste)」すなわち、セーヌの川沿いにある「古書店」が一転、そのま…
1973年公開の映画『パピヨン(Papillon)』は、何かにつけ印象に残る映画だった。主演は、スティーブ・マックイーン。ダスティン・ホフマンが脇を固めていた…
19世紀の終わり頃から20世紀初頭にかけて、若きアーティストが集った「洗濯船(Bateau-Lavoir)」と呼ばれる建物があった。洗濯船(Bateau-La…
フランス人は、犯罪者でも自分の信念を持つ反体制の人物を好む傾向がある。その代表となるのが、小説家モーリス・ルブランが作り上げた「怪盗ルパン」。このルパンは、た…
1961年公開の映画『去年マリエンバートで(L'Année dernière à Marienbad)』は、なんとも奇妙な構成の映画だった。監督は、フランスの…
「一生に一度の短い恋」これをどう思うだろうか?26歳の時、燃えるような恋を募らせて同じ屋根の下に住みつつ、思いを寄せるその女性に、半年に300通の手紙を書き送…
プーチン大統領の選挙戦での勝利が確定した。彼はレーニンを嫌いスターリンを評価しているという。レーニンと言えば社会主義国ソビエト連邦を形作った初代の指導者。その…
現在、金の価格は天井を知らない如くどんどんと値を上げている。金の元素記号を覚えるのに「金は全ての金属のAu(英雄)だ」などの覚え方があった。思えば、ヨーロッパ…
「美食の国フランス」という呼称は、今は誰も疑うことはない。ではいつから?ということを探れば、長きにわたってフランスの美食を支えてきたトゥールダルジャンという名…
『黒いユーモア選集(Séries Surréalisme)』なるものがある。これはアンドレ・ブルトンを中心とするシュルレアリストが選定した作家たちを列挙したも…
ヨーロッパの歴史には「決闘」が名誉と誇りを守る儀式として長い間残っていた。日本では、果たし合いとして、やはり、名誉をかけて戦いを挑んだ。決闘が日本で廃止になっ…
坂口安吾といえば『堕落論』が出てくる。そんな坂口安吾が翻訳したジャン・コクトーの『エリック・サティ』という著書がある。エリック・サティは、「音楽界の異端児」と…
マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)やブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)のように、姓と名のイニシャルが同じというのは、運勢が…
バルザックの小説には、いかにも胡散臭い人物たちが数多く登場する。彼自身もそのようなところがある。トゥールで生まれ、不遇の少年時代を過ごし15歳の時にパリに出る…
抵抗運動をするときにガイ・フォークスのお面をつけて反対の意思を示すことがある。その表情は半ば笑みを浮かべているようでもあり、変な不気味さがある。夏目漱石の著書…
かつて、戦後間のない頃の映画のタイトルに「名もなく貧しく美しく」というのがあった。その当時のほとんどの人は、名もなく貧しかった。そんな生き方とは対照的に、何か…
このブログもエッセイらしいものを書いて15年余りが過ぎ、毎日書いているので5,200余の数になった。これらは、我が死後にも、ずっと残ることになるのだろうか?そ…
今年「古稀」を迎える。すなわち70歳。やっと人生というものが解りかけてきたところなのに、もう終わり?そんな感慨を持ちながら、今日は、テオドール・ジェリコー(T…
かつて、カミュ・サルトル論争なるものがあった。これは、戦後のフランス社会で碩学としてその名を轟かせたサルトルに対して、新進気鋭のカミュが挑むという形での論争と…
平安時代の物語などには、物の怪(もののけ) の話がよく出てくる。これは人間にとり憑いて苦を与えたり病気や死に至らせたりする霊的存在。その正体ははっきりせず、怨…
『竹取物語』は現存する日本最古の物語と言われる。日本の昔話として、そのストーリーは誰もが知っている。児童文学のように取り扱われているが、ところがどっこい、文体…
『春雨 (はるさめ)』は普通に降る雨よりも、もっとささやかに降る雨で、霧吹きで飛ばしたような雨のこと。降るというより、静かにあたりを濡らす雨。万葉集の中に、そ…
「モノ忘れ」は歳をとってくれば、致し方のないところだが、また、忘れてしまった、などと「忘れる恐怖」がだんだん増してきた。とは言え、全て覚えていると脳ははパンク…
かつて流行した言葉に「地域一番店」などというものがある。同じ業種のライバルに打ち勝って地域で一番となること。これによって、さらに人々が集まる良い循環の店舗とな…
世界的建築家であり、長く日本に滞在し、いくつかの著書も書いているブルーノ・タウト氏が「日本人は目で考える」と語っていた。外国人に比べて、見た目で判断することが…
太宰治の小説『人間失格』の中で言葉の意味を探る遊びとして、対義語(アントニム) と同義語(シノニム) を挙げていくシーンがある。その部分を抜粋すると、「黒のア…
「レシピ」という言葉が日常的な言葉となって久しい。日本で使われているレシピは、英語のRecipe から来たらしく、一般的に料理法という意味で使われている。英語…
「暑さ寒さも彼岸まで」などの言葉があるが、そのお彼岸がやってきた。行きつ戻りつしながら、着実に春の歩みを深めている。まだ、花粉が気になる季節ではあるが、SNS…
芥川龍之介の文に「詩という言葉がわかる人」という表現がある。中々味わい深い表現だと思う。詩という言葉がわかる人とそうでない人がいる。日常使っている言葉は、誰で…
「パーキンソンの法則(Parkinson's law)」というのがある。これは、イギリスの歴史学者であり政治学者でもあるシリル・ノースコート・パーキンソンによ…
「災害ユートピア(disaster utopia)」という言葉がある。これは、大規模災害の後に一時的な現象として発生する理想郷的コミュニティを指す呼称。これを…
執行を猶予(ゆうよ)したり、その期間のことを「モラトリアム」と呼んでいる。よく厳しい社会の荒波にいきなり出るのを婉曲的に拒み、大学に残っている若者を「モラトリ…
江戸時代の川柳に 「売り家」と唐様で書く三代目 というのがある。今は、慣用的表現として使われることも多い。意味としては、初代が苦労して財産を築き、2代目は親の…
今は、大相撲の春場所真っ只中。新型コロナなどで「待った!」がかかったり、不祥事があったりなど祟られた3年間だった。思えば、大相撲はスポーツというより娯楽的要素…
「あれっ、今日はブログのメンテナンス?」アメブロ画面には、深夜午前1時から朝10時までメンテナンスと出ている。こんなにも大規模で長時間にわたるアメブロのメンテ…
日本人は会議が苦手と言われている。大きくは、国際舞台でも、雄弁に語る姿を見たことがない。日本人そのものが言葉を使わない文化をDNAの中に継承しているのか?とに…
最近、あまり聞かなくなった言葉の一つに「ごまんとある」という表現がある。これは、溢れるほどあるという意味で使われ、漢字をあてると「五万と」ではなく「巨万と」の…
イギリスの国旗はユニオン・ジャックと呼ばれている。イギリスは連邦制を採っており、4つの国が統合した形。国旗も4つの国の旗を合わせた格好。正式にはユニオン・フラ…
巴里(パリ)、倫敦(ロンドン)、亜米利加(アメリカ)など、かつては、日本でも外国の地名などをこのような漢字で書いていたことがあった。今、こういった漢字表記にす…