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  • たまたまDVDで観た映画②:河瀬直美『2つ目の窓』に五感の奥底を揺さぶられる

    ■思いがけず届いたDVD映画鑑賞メモシリーズ・もう1作は、河瀬直美『2つ目の窓』(2014)です。じつは河瀬直美作品、食わず嫌いでずーっと気になりながらも全然観てこなかったのです(観ていたのは第一作『萌の朱雀』(1997)のみだった!!)。でも、今回、偶然、DVD発売とほぼ同時のタイミングで届いたこ...

  • たまたまDVDで観た映画①:70年代ノスタルジーSF娯楽アクション『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

    ■やらなければいけないことが進まず、思わずしゃにむにDVDで映画鑑賞を重ねている。そんな動機では映画にも申し訳ない気がしますが、逃避先的DVD鑑賞メモ、第一弾です(この映画が好きな方には、ネガティブな書き留め方になっていることをあらかじめお詫びしておきます)。というわけで、『ガーディアンズ・オブ・ギ...

  • アングロサクソン系古典喜劇に疲れる

    ■TSUTAYA DISCASで届いた希少物件のクラシックシリーズ、フランク・キャプラ『毒薬と老嬢』(1944)とロバート・ハマー『カインド・ハート』(1949)を観る。この2作はどちらもIMDb top 250の200位近辺に時々ランクインする常連で、その割にレンタルで入手しにくかったので今まで鑑...

  • 「言論の自由」と、国家や宗教のレベルでの「名誉毀損」と。

    ■2015年1月11日の日曜日に、パリで反テロリズムと言論の自由を訴える巨大デモが行われた。各国首脳がデモの戦列に加わる、って、歴史的にも今までない光景なのでは。デモは「民衆」のもの(「首脳」は糾弾される側)、みたいな、私のなかのステレオタイプに照らし合わせると、どこか奇妙な居心地の悪さを感...

  • 高倉健、昭和40年代という時代の沸点、その後の‘巨人’にして‘市井の人’

    ■昨日11/18の昼頃、スマホの待ち受け画面に「高倉健死去」の速報が流れた瞬間からほとんどずっと高倉健のことを考えている、みたいな状態。ニュース速報からわずか3時間後ぐらいに放送されたTBSラジオ「たまむすび」での町田智浩による高倉健映画総括がすごかった。全体をバランスよく概観しつつ、偏愛的な勘どこ...

  • 時の経過=生長し/老いる様を‘生け捕り’にし、まるごと肯定する『6才のボクが大人になるまで』

    ■公開初日の映画の最初の回を見に外出するなんて、私にとっては前代未聞(!?)に近い入れ込み方。その作品の名は、リチャード・リンクレーター『6才のボクが大人になるまで』(2014)、行った劇場は新宿武蔵野館でした。■ある意味、重要な「ネタバレ」を浴びるように聞いた上で観に行ったことが多少災いし...

  • 妻と下女の弁証法、あるいは、懲りない男の願望ムービー(こわいけど)

    ■念願かなってやっと観られたキム・ギヨン『下女』(1960)@シネマヴェーラ(渋谷)。(以下、思い切りネタばれです。)オープニング映像で延々と映し出される姉弟の「あやとり」が、私の知っている日本のあやとりと完全一致形だということに驚きながらまずは見始める。結論を先に言うと、しかも、身も蓋もない言い方...

  • 引き続きゴーゴリ、狐と狸の化かし合い喜劇『査察官』/ 話は飛んで、橋本忍『複眼の映像』の息を呑む面白さ

    ■ゴーゴリ古典新訳文庫(光文社、浦雅春訳)より、先日の短編小説『鼻』に続いて戯曲『査察官』を読む(一番有名な『外套』は、わりと最近再読していたので飛ばす)。当時のロシアの社会を戯画化したということかもしれないが、下品であさましい小悪党や、スポイルされた有産階級の婦女子若造が次々と出てきては、だまし合...

  • 嵐の夜に嵐の映画を観る

    ■「嵐の映画」とは、W・アンダーソン『ムーンライズ・キングダム』(2012)のことです。ウェス・アンダーソン節、全開。絵本のような、寓話のような、独特の世界。どこかディメンションが狂った蛍光パステル色のジオラマ風舞台装置のなかで繰り広げられる、屈折した少年と屈折した少女によるW・アンダーソン流「小さ...

  • ゴーゴリ『鼻』に埋め込まれた19世紀ロンドンの猟奇譚スウィーニー・トッドのことなど

    ■高2息子から学校の課題図書ゴーゴリ『鼻』(光文社古典新訳文庫、浦雅春訳)を差し出され、「これってどう思う?」と聞かれたので、読んでみた(昨日の午後のことです)。落語のような文体の訳文、カフカ『変身』の先駆かよ、とも思える奇天烈な展開であちこち笑えるので笑いながら読んでいたら息子には「笑える話?」と...

  • 構造の脆さが本質的な欠点に思えるD・ヴィルヌーヴのサスペンス映画

    ■DVDで観たドゥニ・ヴィルヌーヴ『プリズナーズ』(2013)の後味が悪すぎて、というかこの嫌な感じ、不承認の意思表明をどういうことばにしたらいいのかなかなか整理がつかなくて、IMDbやrotten tomateを回遊し過ぎてしまう。■サスペンス映画、スリラー映画、といったジャンル内映画と考えれば、...

  • 『RUSH』は二度観ても十分面白かった / 佐世保事件その後の後味の悪さ

    ■高2息子を付き合わせて、ロン・ハワード『RUSH ラッシュ/プライドと友情』(2013)のDVDをもういちど観る。息子は今日、台風のための休校で在宅。2度目の鑑賞でも十分面白い。どこがこんなに面白いんだろう。いろいろな意味で完璧。レースの迫真性。緊張がとぎれない画面構成。色彩と音、音楽。ふたりのレ...

  • 思いがけない傑作『RUSH』に、‘あしたのジョー’を連想する

    ■台風が迫ってきていて気ぜわしいので、先週新宿に行った時TSUTAYAで借りてきたVHS物件を前倒しでダビング&鑑賞し、昨日のうちに返却宅急便に出した。エドワード・ヤン『クーリンツェ少年殺人事件』(1991)以外のもうひとつは、同じ台湾よりホウ・シャオシェン最初期の作品『風が踊る』(1981)。...

  • 柳の下に二匹目のドジョウ!?『三四郎』百余年ぶり再連載もけっこうイケます

    ■そうだ10月1日から漱石『三四郎』の百何年ぶりだかの新聞再連載、例の『こころ』再連載成功の二番煎じ企画(!?)が始まっていたはず、と気づき、朝日新聞デジタル版朝刊(紙面スタイル)を急いで2日遡って第1回から読み始める。これがまた面白いのです。三四郎も少なくとも過去に1回は読んでいるのだが、書かれた...

  • インド映画の陽気さと筋の込み入り方について / 神は限りなく残酷

    ■新宿シネマカリテにインド映画『バルフィ!人生に唄えば』(2012)を観に行った。『きっと、うまくいく』(2009)と、系統としては連なるのかな。陽性でエンタメで無駄に?といいたくなるほど筋が込み入っていて長大で盛り沢山な映画。映像が美しかった。音楽が古典映画風。そもそも、名作喜劇サイレント映画...

  • 文豪ググ祭りの意外な愉しみ / 40年以上前の前衛演劇論(P・ブルック)が古くない

    ■朝日新聞が死にかけている。先月の慰安婦報道訂正と昨日の福島原発吉田調書誤報謝罪で。まあそれはいいとして(よくない?)、朝日新聞で‘100年ぶりに’再連載されている新聞小説・夏目漱石『こころ』は、今日9/12の朝刊に掲載された、初出大正三年八月三日の「百二回」でとうとう、「K」が自殺しました。ここの...

  • 普通の「いい映画」について

    ■朝のニュースで「東日本大震災から3年半」と告げられるのを聞き、とすると今日は「9・11」か、と思う。13年を経過した9・11には一言も言及がない。そういうものか。■マシュー・マコノヒーの体を賭けた演技で話題になっていて米アカデミー賞主演・助演男優賞も取っているジャン=マルク・ヴァレー『ダラ...

  • R・ポランスキーの不条理劇とF・ドルレアックの存在感に心奪われる

    ■ローレンス・オリヴィエ×マイケル・ケイン出演の『探偵スルース』(1972、監督はジョセフ・L・マンキウィッツ)(渋谷TSUTAYAで借りたVHS物件)、見終わったあとしばし放心。ローレンス・オリヴィエがなぜ「名優」の代名詞なのか、初めて納得した感あり。そして、サー・ローレンス・オリヴィエの向こ...

  • ‘極北系’作品のメッカ?

    ■渋谷に出てきて、イメージフォーラムで『リヴァイアサン』(2012)を観る。「ドキュメンタリーの極北」と銘打たれているが、ほんとうにそう。という以前に、このところイメフォで観ているのは‘極北’系の作品ばっかりみたいな気がしてきました。■で、リヴァイアサン。“音”の映画だった。「リヴァイアサン」とは、...

  • T・アンゲロプロス『エレニの帰郷』における動態の美学 / M・ベロッキオ『眠れる美女』に見え隠れする狂気

    ■テオ・アンゲロプロス『エレニの帰郷』(2008)を観た。東欧の激動の20世紀史を、一人の女性と彼女をめぐる二人の男性の流転の人生を通して俯瞰的and微視的and情緒的に描く。あああこう書いてみると本当にアンゲロプロスだなあ。…と言いながら、アンゲロプロスを観たのは実は70年代末の学生時代、岩波...

  • 寅さんの奥行きの深さについて

    ■夜、偶然チャンネルが合った『男はつらいよ』を最後まで観る。TVKで毎週土曜日、順を追って全作品上映をやっているらしい『男はつらいよ』をこの枠で偶然観たのはじつは今日で2度目。こないだは桃井かおり、布施明がゲストの回だった(『男はつらいよ 飛んでる寅次郎』(1979、第23作))。今回は後藤久美子、...

  • ヨコトリ@横浜美術館はとりとめなくも見えた

    ■横浜トリエンナーレの横浜美術館会場に行く(今回は横浜美術館のみ)。タイトルは「華氏451度の芸術:世界の中心には忘却の海がある」となっていて、ということは「焚書」「忘却」を謳っているわけだが、その奥に「反戦」への連想、意志が作動し、そこがテーマだったと言っていいのだろうか。しかし、もうひとつぴんと...

  • 男子高校生向け「戦争アクション傑作選」再開---今回はキューブリック特集

    ■西荻TSUTAYAまでチャリで走り、久々に「夏休み名画座企画for男子高校生 戦争アクション傑作編」再開のためにDVDを3本借り出してきた。今回はキューブリック特集。古い順に『突撃』(1957)、『博士の異常な愛情』(1964)、『フルメタル・ジャケット』(1987)。で、まずは『フルメタル・ジャ...

  • ワン・ビンのドキュメンタリーは長過ぎる(←いつかの前言と矛盾するかもしれない)

    ■午後、渋谷へ。イメージフォーラムにてワン・ビン『収容病棟』(2013)を鑑賞。予想できたはずだが、おそろしく汚さと貧しさに溢れた映画だった。映っていたのは人間というより動物といったほうが近い感じ(そんなことを言ってはいけない??)。一方で「狂気」はあまり前景化していなかった。フレデリック・ワイズマ...

  • イランとメキシコの新旧名監督の作品をつづけて鑑賞

    ■今日の夕方TSUTAYA DISCASから届いたDVDを2本、立て続けに観た。アッバス・キアロスタミが日本人の俳優を起用して日本で撮った『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)と、メキシコの俊英マイケル・フランコによる『父の秘密』(2012)。キアロスタミの方はあまり好きになれなかった(老教授...

  • すり替え・詐欺・‘美談’にいらだつ

    ■また1ヶ月が終わる。夏はまだまだこれからだが。■夜、高2息子のリクエストに従って、男子高校生向け「戦争アクション傑作選」第三弾(←事実上)となる百田尚樹×山崎貴『永遠の0』(2013)鑑賞会となりました。あああこういうの、いやだなあ。前半、岡田准一演ずる主人公の天才肌飛行機乗り(特攻隊員)...

  • 夏目漱石「こころ」を、100年前の新聞小説として読むことのドキドキ感。

    ■暑さがぶり返している。■吉祥寺図書館から延長借り出ししている「新潮」2014年1月号、掲載されている文芸作品群が予想外に面白くて、読み終えるまでは惜しい気がしてきてしまいまだ返却できないでいる。今日は、無頼にしてスノッブで文化人なボケ老人の独白による短編 筒井康隆「ペニスに命中」がとにかく可笑...

  • 1979年=蟹江敬三35歳の達成。---『十九歳の地図』と『天使のはらわた 赤い教室』

    ■蟹江敬三が見たくてTSUTAYA DISCASにリクエストしていた旧作DVD2本が、昨日届いた。昨日、そして今日と続けて観る。根岸吉太郎(×立松和平)『遠雷』(1981)と柳町光男(×中上健次)『十九歳の地図』(1979)。『遠雷』は、目当ての蟹江敬三さんの出番が少なくてちょっとがっかり。20年後...

  • 引き続き、ジャ・ジャンクー / 男子高校生向け「戦争アクション傑作選」

    ■DISCASから届いていたジャ・ジャンクーのDVD2作より、『世界』(2004)の続きを観る。現代中国の大都会に溢れる「ニセモノ」を‘牢獄’と捉え結局そこから脱出できない男女の絶望を描いた作品だった。今回観たもう一本の『青の稲妻』(2002)は、処女作『一瞬の夢』(1997)にどこか似て、「田舎」...

  • 男子高校生のための「夏休み名画座企画」(ただし家庭内)をスタートする

    ■午前中、ジャ・ジャンクー2本目『世界』(2004)を半分だけ観る。舞台は、北京郊外にあるという、‘世界’の観光名所や名建築を縮小コピーで再現したアミューズメント施設「世界」。(東武ワールドスクエアそっくりだけど、ネットでみる限り関連はなさそう。)ここで働くダンサーの女性と保安員の男性のカップルを...

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