信号

傘を打つ激しい雨に、俯きながら急ぎ歩く。足元の悪さと入り込む雨に気を取られ辛うじ...

携帯

気持ちはとうに流れたはずだのに。この小さな箱が収めていた思い出が偶然にその姿を現...

視線

気配を感じて夢から覚めると、僕の顔を覗き込む瞳と目が合った。見慣れない女だ…でも...

登校

子供達が、わいわいと歩いている。彼は彼女が好きで。でも彼女はお友達の取り合い...

夢

遠くから確かに僕を呼ぶ君の声。まろびつつ駆け寄るその足音。倒れ込み抱き付く体の重...

菓子

5分を過ぎた頃、やっと連絡が来て。それからまた待つこと15分、急ぐ素振りも見せず...

身長

わかっていた。わかってはいたが、しかし、数字を目の当たりにすると軽い憎らしさがこ...

測定

…変わらない。周りはどんどん伸びていくのに、僕の身長と来たらここ数年動きをみせた...

通勤

彼女の駅まで、あとふたつ。心が跳ねてくるのが自分でもわかる。そういえばこの2年、...

同窓会

過ぎた時間は皆の上に等しく訪れていて内にも面にも積み上げられたものや剥がれていっ...