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三月 さくら待つ月、四月 しあわせの始まり http://sangatusakura.seesaa.net/

☆自作の純愛小説と詩、毎日更新☆愛が人の心を開き、夢を繋ぎ、人と人、命と命、あの世にまで橋を架けます

愛が連れてくる幸せと、いつか来る別れ。 でも、彼らには永遠の別れはなかった…。 三代に渡る愛の物語。 ブログタイトルと同名の小説の他に、『時の追いかけっこ』『ひのくに物語』『雪洗YOU禅物語』『忘れられた零地点』『あの人は広い傘をもっている』などがあります。 別ブログ「幽霊っているんでしょうか」http://kuri-ma.seesaa.net/もどうぞ

kuri-ma
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松戸市
出身
焼津市
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2010/06/03

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  • 7 《時の追いかけっこ'23》 ~Kasumi (かすみ)~胸に住むひと1 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 恋人の死を乗り越えることができず、 日本を離れ、 海外にまで来ました★ 〜kasumi (かすみ)〜 胸に住むひと 中学を辞め、かすみの思い出のある一切から逃げ出してここまで来た。 現地の素朴な人たちとの出会いは、私にとっては、ある意味癒やしだった。 何もないけれども、これから発展するのだという希望だけはある。もっと貧しくなるかもしれないという心配は、足るを知る人たちには無用だった。 何もかも忘れたように生きていたが、かすみのことだけは、忘れることができなかった。というより、その..

  • 6 《時の追いかけっこ'22》 時間(とき)のポスト2 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 日本とのしばしのお別れ。 そして、5年前の少女、澄子とも しばしのお別れです★ 後輩部員から鍵を預かり、駐車している車に向かいながら、もう帰途についた森口先生を再び呼び出した。そして、車の後部座席にちょこんと乗っていた下駄箱の形をした「時間(とき)のポスト」を持って、もう一度、ブラスバンド部の部室に戻った。 一人で鍵を開け、電気をつけ、奥の楽器部屋に行った。 古い事務机が一つ、後は楽器を収納する扉つきの大きな棚が三方向の壁に作りつけてあるだけの部屋。パート練習などに使うので、できるだけ広いスペースを確..

  • 5 《時の追いかけっこ'23》 傷心 ・ 時間(とき)のポスト1 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 予期しない出来事。 打ちのめされる彼です★ 傷 心 あの日の突然の事故で、かすみは帰らぬ人となった。 かすみと付き合うようになった期間は、一年にも満たなかった。彼女が私の側にいてくれた日々は、もしかしたら、夢だったのかもしれない、とも思う。 事故の翌日、置きっぱなしだった車の元に行くと、何事もなかったように車はそのままそこにあり、後部座席には待っていたように、時間のポストがあった。 澄子に状況を説明する手紙を送りながら、私はようやく、客観的にその事実を受け止めざるを得なかった。 ..

  • 4 《時の追いかけっこ'23》 告白の日 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ かすみへの 告白に向けて 準備をする彼です★ 告白の日 初めて会った時、かすみはまだ小学生だった。しかし当時から今のように成長する兆しをもっていた。 中央図書館、市役所、中央郵便局などが連なる街中に、かすみが通っていた中央小学校があった。私も小中学校時代、その近くの学習塾に通っていた。 最初の本屋と図書館での出会いは、その時間の偶然の一致だった。 偶然に私たちは出会い、母校の高校で再会した。 そして付き合うようになったのは、最初に会った街での、やはり偶然の出会いだった。 偶..

  • (詩) 萩(ハナ)と月を待つ八月 ──花火の夜を偲ぶ夏の終わりの詩── 2022 〔「8月」の「は」の頭韻第5弾〕

    七、五調で描く、 ちょっとレトロな恋。。。☆ 萩(はな)と月を待つ八月 ── 花火の夜を偲ぶ夏の終わりの詩 ── 花の命は はかなくて はじらううちに 春は過ぎ 花の盛りは 散る初め はやく はやくと 急くように はしゃいだ時は 流れ行く 花陰香る 春遠く 葉陰にそよぐ 夏の夕 初めて取られた 手は見ずに 花火の開く 空ばかり 見上げたままで 半月の 下弦に傾きかけていき 離れがたきは 我のみか 歯がゆいくらいに 物言えず はんなり揺れた 湾の月 「はなから君が好きだった」 ..

  • 3 《時の追いかけっこ'23》 過去の少女からの手紙 [THE PAST POST] 時の追いかけっこ

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 当たり前の日常に、 突然起こった アメイジングな出来事… 今日は、一挙3話お届けします★ 過去の少女からの手紙 大学卒業後、私は、中学教師となり、初めての学校に赴任した。 それは、私がファンタジーの扉を開けることになる発端の場所だった。 生意気盛りの中学生と体当たりの日々の中で、もう一人の生徒と出会ったのだ。 彼女の姿を一度も見たことがなかったから、正確には「出会った」とはいえないが、いずれにしても、私たちは知り合うことになった。 その少女とは、手紙を交し合うだけの存在だった。..

  • 2 《時の追いかけっこ'23》 再会 ・ 胸に住む少女 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 少年と少女の出会い、 十年日記、 そして時は流れ…★ 再 会 どうして、あの日、ああまで十年日記にこだわって、お互いに買うことになったのか分からないが、その出会いは、一つの運命だったのかもしれない。 一年目は、白紙の十年の未来に対する期待を糧に、いつしか、その日記をつけることを楽しみにするようになった。 十年日記を書いていると、時間の流れの不思議を感じることがある。毎年、同じ季節が来て、同じものを見たとしても、別人になったように全然違った見方をしたり、感心ごとが移り変わっていく自分を..

  • 1 《時の追いかけっこ’23》 プロローグ ・ 十年日記 [THE PAST POST]

    [THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 今日からは タイム・パラドックスものの ラブ・ファンタジー 再公開です★ 登場人物・目次 ▼△ [THE PAST POST] 時の追いかけっこ△▼ THE PAST POST 時の追いかけっこ プロローグ 「先生に魔法を見せてあげる」 街路樹の道に、雪のように白い可憐な花をつけた鈴蘭が、一斉に帯状に生え広がっていった。子どもが走っていくスピードで、見る間に緑と白の花のラインができた。一呼吸おいて、また反対側にもその帯は折り返していった。 ビデオを早送りしたような、その情..

  • (詩) キスをする時目を閉じるのはなぜ? 2023

    「赤ちゃん」と 「キス」の共通項は。。。★ 「 キスをする時目を閉じるのはなぜ? 」 赤ちゃんが 手を握り締め 生まれてくるのはなぜ? 神様からの贈り物を離さないために 何を握っているの? まだ知らない未来を握って生まれてくる 神様から授かった 夢、希望、運命… 赤ちゃんが握りしめたものは 目には見えないけれど 無垢でまだ言葉をもたない 小さな手に指を入れると ぎゅっと握り返してくれる その力に命を感じる まるで指きりした時のように 何かを約束したつもりになる 少し大きくなって 手をつなぐの..

  • 〈終〉10 夏の忘れ形見 さちの娘みち'22 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ “星の家”には キューピット役が好きな 妖精がいるようです。 そして、そこに集まる人たちも 同じみたいですね★ 昂輝とみちは顔を見合わせた。昂輝が言った。 「一回くらい、普通にデートしたいんです。前に俺がもっと男らしく誘っていれば、きっとできたはずのことですから…」と、昂輝はまっすぐ初樹を見つめた。 初樹は二人を見てから言った。 「じゃあ、みんなから知恵をもらおう。来て」 初樹は、二人を中央のピアノの横に立たせた。志幸に何か耳打ちすると、ここでは暗示的に何かすぐわかる曲を、一フレーズだけ弾いた。 ..

  • 9 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ さて、みちの婚約者の発表は? 有力候補がいたはずですが… 昂輝とみちの会話の続きから★ 「ここには来てもいいって許可はもらえたんだけど、志貴までも、叔父さんたちが選ぶ相手の方が君を幸せに出来るって言うんだ。 どうしたら俺が認めてもらえるか考えて、俳優に本腰を入れた。何かこれってものを掴めるまでは、君とは会えないと思ってたんだ。覚悟がゆらむから。 ごめん。この間の打ち上げでも素っ気なくして。君の気持ちも知らなかったし、志貴からいよいよ君の婚約者が決まりそうだって聞いてたから、今日あたり来てるだろうなって思って..

  • 8 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 昂輝の何年越しかの思いが ようやく 実る時が来たようです★ 「嬉しい」みちが言った。 「…嬉しい、って?」ようやく彼は上ずった声で聞き返した。 みちは昂輝を見上げて言った。「ええ」 「…ってことは?」 「私も昂輝さんが好きです」 確かに両耳でその言葉を聞くや否や、抑えていた彼の思いは頂点に達し、彼女を強く抱き締めた。昂輝の心には、今まで味わったことのない感情がわっと湧いて来ていた。 思ってもいなかった。よもや彼女が、自分の思いに応えてくれるなど。 彼の目からも涙が溢れ、止まらなかった。絶対難し..

  • 7 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ “星の家”の集まりにやってきた昂輝。 やはり好きな人の姿は見たいですし 決定的なことがないかぎり 諦められないようです★ 昂輝は、その場にみちの婚約者がいるのだろうと、目で探した。 大体は、前と同じ顔ぶれの、“星の家ファミリー”だったが、一人、目新しい男が目に留まった。麗美たち叔母さん連と、談笑していた。彼に違いない。 志貴に確認しようと思ったが、昂輝はたちまち皆に取り囲まれ、様々な質問を受けた。皆がみちの相手役の彼を、好意的にしかも好奇心旺盛に見ているのだった。 ひとしきりの質問で、皆の関心が去っ..

  • (詩) Happy Bride 叶えたい (八月の花嫁) 2023 〔「8月」の「は」の頭韻第4弾〕

    どうして花嫁というのは 涙を流すのでしょう。 幸せなはずなのに。 真夏の日の結婚式──★ 「 Happy Bride 叶えたい 」 (八月の花嫁) 始まりは 笑顔で 晴れ渡った夏空の下 拍手の波に押されて はずむ思い 早まる鼓動 恥じらいと はにかみの ハーモニー 花嫁の求めるものは… Happy Bride 叶えたい 話してくれた夢 Happy Bride あなたへと 走り出した心 Happy Bride 今までの ハードルはどれも 八月の花嫁 あなたと共に 始まる未来のため 花嫁は..

  • 6 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ みちが女優デビュー?! それも昂輝と共演?! そして、ロミ・ジュリ?! さて、一旦断った昂輝でしたが…。 二人は再会するのでしょうか? 今日は一気に展開します★ 初樹は治郎の話をひとしきりして、昂輝の心を解きほぐしていった。そして、最後に余裕の口調で言った。 「実はね、君の事務所からは、OKを既にもらってるんだ。もちろん、君が嫌なら正式に契約はしていないから、白紙に戻せばいいんだけど…」 今日の初樹は若い頃から会得したその微笑みと、覗き込むような視線で、完全に彼を落としてしまった。昂輝は、どうして自分..

  • 5 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ みちとの関係を、 志貴に相談した 昂輝でしたが…★ 昂輝は言った。「無事に送ることしか考えてなかったっていうか、それしか会う口実もなかったし…」 「口実って、そんなもん、いくらでも作れたろ?」 「実は、ただ毎日会えるだけで満足っていうか、十分って気持ちで」 「ボディーガード役に徹したんだな。その間に約束の一つも取り付けなかったのか?」と、志貴は呆れて言った。 昂輝は黙った。最後の誘いは約束と言えるだろうか。 「まあ、幸いだったかもしれないけどな」と、志貴は言った。「お前がみちを口説いていたら、叔父さん..

  • 4 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 夏も終わりです。 何かが始まる… かもしれないのですが…★ 毎年、葉奈の命日がやって来ると、もうじき夏休みも終わりだという合図だった。連れ合いの一郎はすっかり老人と言われる年になっていたが、掲げられた葉奈の写真は、若いまま年を取らなかった。 夏休みの最終日、みちの“星の家”のバイトも終わりだった。最後の帰り道、自転車を並んで走らせながら、昂輝とみちはあまり言葉は交わさなかった。 青山家の近くまで来ると、いつもはそのまま自転車を走らせながら、挨拶を交わし別れるのだが、その夜は昂輝は自転車から降りた。 ..

  • 3 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 高校生の夏休み。 “星の家”のバイトをしながら、 一朗の家に滞在するさち。 今日はイケメン・キャラの登場です★ また、滞在先が青山家だったから、みちは一朗と接する機会も多かった。 七月の終わりの葉奈の月命日の日、みちは従兄姉や叔父たちと共に早朝からお墓参りをし、その後、いつもなら一朗が一人で巡るという葉奈との思い出の場所を、一緒に周って過ごした。 その時、生前父、志道が妻子に伝えてほしいと言っていたという話を、一朗から直に聞かされたのだった。 亡くなった人が、目には見えなくても近くにいるのかもしれな..

  • 2 夏の忘れ形見 さちの娘みち'23 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 叔母の未来から 若かった頃の話を聞くみち。。。 みちのゆく道は?★ 親と言ってしまってからみちは、ハッとして言い直した。「お祖父ちゃんやお祖母ちゃんに勧められたのかなって」 未来叔母は優しく笑って言った。「私たちのことは、あなたのお祖父ちゃんお祖母ちゃんも、亡くなった曾お祖父様もみんな喜んでくれたの。でも、一番嬉しかったのは私。付き合い始めた時も、結婚が決まった時も、嬉しくて仕方なかった」 「叔母さんは、三和の会社のために犠牲になったのかなって。私たちは違うけど、普通みんな恋愛結婚が多いじゃない?」 「私..

  • 1 夏の忘れ形見 さちの娘みち'22 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】

    ある夏から始まる物語── 一挙連載で1年ぶりに再登場★小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 「碧斗&未来の物語」からは 1世代あとの物語。でありながら、 不思議に歴史は繰り返すようです。 志道の娘・みちを主人公にすえたお話。 父の死から数年、 高校生の夏の日々を振りかえりつつ、 数年間を追いかけます。 さて、どんな物語が 彼女を待ち受けているのでしょうか★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第三章 〜夏の忘れ形見〜 さちの娘みち ──その頃は、夏が大好きだった。 志道(しどう)の忘れ形..

  • (詩) 八月の栞(しおり) 2023 〔「8月」の「は」の頭韻第3弾〕

    八月。 私の取り置きの とっておきの夏を こっそり教えます・・・★ 八月の栞 遥かな夏に誓ったことがある 晴れた空のように笑っていようと 八月の栞 はさんでおいた優しさ 白紙のままの私の心 遥かに見えていた夢 近づけてゆく はじかれていたピース もう一度はめ込んで 犯人探しはもうやめて はじめから始めよう 言い出しっぺの私から 八月の栞 反対に返しても 私は私 離れていても 心はひとつ はっきり言わなくても 以心伝心?! 八月の栞 はさんでおいた記憶 はい、今日はここまで 続..

  • 〈終〉5 眠り姫の子供たち ~ニュー・ムーン・ウィーク~ 泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2023 【三月さくらⅦ2-2】

    志道を中心とする物語の最終話! 主人公の最期の、後日談★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 新しい節は、 志道が亡くなってからの エピソード★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第2章 泣いてしまうのはきっと… 第二節 眠り姫の子供たち 〜ニュー・ムーン・ウィーク〜 志道が亡くなった晩、大きく円かった月が、日に日に痩せていき三日月になる頃、彼の死を悼む人たちがまたひと所に集まった。 彼のラストコンサートに参加した顔ぶれは残らず“Jiro’s music home..

  • 4 志道の最期 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2023 【三月さくらⅦ2-1】

    いよいよ別れのときが 迫っています。 「志道の最期」一挙3話どうぞ小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 志道の最後の願いとは? 最後まで、わがままというか、 志道は志道というか…★ 志道の最期 志道が父に告げた願いとは以下のようだった。 「まだ作曲し掛けの曲があるんですよ。コンサートもやりたい。もう一度だけでいいから。いつかは、キリをつけなければならないですが」 志道は、子供たち一人一人と、一対一で、あるいはさちも交えて三人での時間を綿密に取っていった。それぞれの子供たちのピアノ演奏も聞いて、最後の指導の時間を取った。 志..

  • 3 天(そら)からの特別便2 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2023 【三月さくらⅦ2-1】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 死が近づく時、 誰もが祈ってみたり あの世のことを考えたりするようですね。 今日は志道と、 父、治郎の会話です。 * 志道が居間のソファーにもたれるように座っていた。夜が更けた時間、仕事に疲れてそうやって座っている姿を、治郎は数えられないくらい見て来た。 たとえ、すごく疲れていたとしても、曲が浮かべば徹夜でもピアノに向かうし、常に精力的に活動していた。父が見ても、タフな男だと思っていたのに…。 今はベッドで大半は休んで、調子のいい時でも、もたれるものがある場所で座っているだけだった。 「さちさんを..

  • 2 天(そら)からの特別便1 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2023 【三月さくらⅦ2-1】

    この世とあの世を繋ぐ 不思議な物語、 「天(そら)からの特別便」を 一挙2日でお送りします★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 若い頃妻を亡くして 今は幸せなお祖父ちゃんになった一朗。 彼の、あの世との 不思議な関わりの世界とは…★ 天(そら)からの特別便 「もうずっと若くに奥さんを亡くされてるおじさんに訊くのは申し訳ないんですが、やっぱり訊いていいですか?」と、志道は言った。 「奥さんを亡くした頃の話を聞きたい?」と、一朗は既にそのつもりで来たようだった。 「できれば。いいですか?」 一朗は生涯のほとんど大半を亡..

  • 1 涙の理由 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2023 【三月さくらⅦ2-1】

    今日からは、 結婚後21年を経た「志道とさちの物語」。 数話ずつ一気にUPします★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 涙のクィーンと笑顔のキングの登場。 いきなり、さちの涙と それに笑顔で対する志道のシーンが★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第2章 泣いてしまうのはきっと… 第一節 涙の理由 涙は潮のように満ち引きし 涙は微かに海の味がする 何を願うのか 人は 泣いても人を求め 何を信じるの あなたは 何でも笑い飛ばしてくれる 何かが..

  • (詩) 初デート はつでーと 2023 〔「8月」の「は」の頭韻第2弾〕

    夏・・・ 八月 そして ふたり・・・ 初々しい こんな詩をどうぞ★ 「 初 デ ー ト 」 初めての戸惑いは はじらいか 反発か 華やいだ その思い はずんでも すぐ沈む 半分は 嬉しくて 半分は 困ってる 早く過ぎてほしいのか 早く行くのが惜しいのか…… 季節感はないのですが 八..

  • 〈終〉8 孔雀の羽が広がる瞬間8 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2023 【三月さくらⅦ-1】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 碧斗と未来の 婚約パーティーでのインタビュー、 一挙公開!!★ その晩、碧斗は蒔原家の自分の部屋でくつろいでいた。三和家に籍は入ったが、生活は以前と変わらず、新生活は結婚後になる予定だった。 今日の婚約披露パーティーでの、気持ちのよい疲労が彼を包んでいた。その顔には微笑が浮かんでいた。 未来と並んでいられたことは、照れ臭くて仕方がなかったが、やはり嬉しかった。今まで、あんなふうに一緒にいられたことがなかったから、公認されたことのが夢のようだった。 インタビューで訊かれたひとつひとつのことも、二人で顔を..

  • 7 孔雀の羽が広がる瞬間7 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2023 【三月さくらⅦ-1】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 碧斗と未来が壇上に。 お待たせしました さぁ、婚約発表の瞬間です★ 「では未来こちらに…」会長、三和孝司がいよいよ未来の名を呼んだ。そして、司会者にマイクを返した。未来はゆっくり壇上に上がった。 先程から、婚約者らしき人の姿もなく、その件に関しては何も知らされていないので内心気にしていた司会者は、未来が渡した紙を開いて、一目見て一瞬明らかに驚いたのだろう、間を置いてから、また口を開いた ゆっくりと碧斗の名前が呼ばれた。 ざわめきの後、大きな拍手が起こった。 未来が用意した碧斗の経歴紹介が読み上げられ..

  • 6 孔雀の羽が広がる瞬間6 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2023 【三月さくらⅦ-1】

    小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 未来の涙には めっきり弱いのが 碧斗です。 撮影中ですよ!★ 碧斗には想定外の未来の反応で、彼は今内緒の撮影の最中だということも、どこかに飛んでしまった。 プロポーズで未来が泣き出した時も、人目がなければそうしてあげたかった。カメラの位置と方向ももう全然頭になかった。 彼は未来を立たせると、固く抱きしめた。 「君が心配することないさ。大丈夫だよ。いろいろ波風があるのも覚悟してるさ。大丈夫。たとえこれ以上何か言われても、俺たちが結婚するのは変わらないよ」夢中で言っていた。 部屋に兄姉たちが入っ..

  • (詩) 八月、はじめて愛を知りました 2023 〔「8月」の「は」の頭韻第1弾〕

    初恋のはかなさと 永遠の愛の違いはなんでしょうか。 夜空に花開く花火は どんなに美しくても消えてしまいますが、 いつまでも火種が残り なんどでも打ち上げることができ 心に思い描くことができるとしたら、 誰が消そうとしても消すことはできません。 それが永遠の愛です★ 「 八月、はじめて愛を知りました 」 初めて 自分の足で歩いた 初めて 君に出会い 初めて 歯がゆいくらいに 無力な自分を知った 初めて 愛を知ったのだ 橋を掛けたい はぐれそうな君の心目指して 橋を掛けたい 離ればなれだった昨日を 過去にしてしまうため ..

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