東海道は名神高速道路の高架を潜ると、甲賀市から栗東市に入る。最初の集落を「伊勢落」と書いて読みもそのものズバリ、「いせおち」と読み、「生涯学習都市」を宣言したまちだ。古代当地には、東海道を下り伊勢へと向かう斎宮の禊場があったとの伝承があるが、これが地名の謂れでもないらし。何だか曰くありげな地名だが、その謂れは良く分からないらしく、混沌としている。集落の中程に「栗太八景伊勢落晴嵐」と書かれた石碑が建っていた。「梅痩せ柳疎にて柴扉鎖す簷外は半ば晴れ野草肥ゆ山色の末分の雲気は晴れ一声鳥啼き霧破りて飛ぶ寛延三年十二月素月作」と彫られている。これは、栗太八景詩碑の内の一つで、他にも松島秋月(大橋の慶崇寺)、金山暮雪(大橋の三輪神社境内)、上野夜雨(旧東海道筋林)、砥山夕照(北山の上池)、赤坂帰樵(小野の赤坂公園)、...伊勢落(東海道歩き旅・近江の国)