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ぱんくず介護録 https://blog.goo.ne.jp/t-i801025care/

熟年離婚後ん十年。自由気ままに独居するじじとばば。それぞれの在宅介護事情。

井上
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北海道
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2010/03/31

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  • 腕時計

    夕方になって、三日月よりもやや太った月が出ている。じじの細々した遺品を入れた木箱を開けてみると、本人が生前最も大切に肌身離さなかった腕時計が止まっていた。電池が切れている。そうか。葬儀の時はまだ動いていたんだけどな。前回この腕時計の電池交換したのはいつだったろうか、じじがこの腕時計を買ったという昔馴染みの時計店を私は訪ねた記憶がある。それと古い懐中時計の電池を替えて来いと言ってヘルパーを困らせ、結局私が夜になってこの時計店を訪ねたのはもう4年も前の事になるのか。あの時のように古い時計店を訪ねた。ごめんくださいと声をかけると店主が出て来た。第一級職人の店である。電池交換の間しばし店先で待つ。すぐ終わった。会計を済ませると、店主が私の顔を見て言った。「何処かで会った事が…井上さんではありませんか?この腕時計、うちか...腕時計

  • 二重線

    わかった。じじの父親の最後の消息。「区」も「条丁目」も無かった昭和38年当時の「札幌市平岸910番地」は「札幌郡豊平町字平岸910番地」だった。検索、検索、グーグルマップ・・・何だこれ平岸霊園!?いや違う、霊園に隣接した墓場と道路挟んだ向かい側に精神科の医療機関がある。当時の市立札幌病院の精神科部門がここに集約されていたらしい。そうか。じじの父親は私達の間借り部屋を出て所在不明になった後、重い心疾患と肺癌のため大学病院や市立病院、国立がんセンターを転々としていた。重症化し終末期に進行するにつれ孤独と病苦から死に至る不安と恐怖に陥り、精神に変調をきたしたのだろう。随分前に法事の席で親族から聞いた事があった。遠方の実弟に「支離滅裂で悪意ある手紙」を送り付けて親族から絶縁されていた。一番年上の実息であるじじとも没交渉...二重線

  • 皆既月蝕の夜

    ほぼ定時に遅番勤務終わって明日の準備までして職場を出たら、赤銅色の月が欠けて消え入りそうになっていた。写メ撮ってみたけど、ゴミみたいなもんにしか写らんの。(笑自宅に着いたらもう闇に消える寸前だった。赤錆のような月。何となく左が明るくなってきた。帰宅したら、先日札幌市役所に取り寄せたじじの父親の最後の改製原戸籍謄本が届いていた。左側が光り始めた。昭和38年当時の札幌市平岸910番地とは今の札幌市のどこら辺だろう?札幌市にまだ「区」が無かった頃だ。ネットで検索しても見つからない。じじの父親が死んだ時、死亡届を提出したのは知人と聞いていたが、氏名の上に「家屋管理人」と記載されている。祖父は札幌市内の何処かで間借りしながら入退院を繰り返していた。病状悪化して転院に転院を重ね、死んだ時も部屋を借りたままだった事が伺える。...皆既月蝕の夜

  • じじ帰天から3か月

    じじが逝って今日で3ヶ月。まだ写真の山が残っている。時間作ってはコツコツ整理しているんだけどな。まだ1993年の1月のものまでしか作業は進んでいない。寒い。室内も暗いし。午後から雨なんだと。朝からドクヘリが頭上を行ったり来たりしている。低空飛行で轟音を発てるため勤務先の高齢者達の中には空襲と勘違いして動揺する人もあり。室内が冷え込んでいるので暖房の室温を上げ、湯を沸かし珈琲を淹れ、「普通の」日常生活がある事を噛み締める休日。曇りのち雨。間もなく雨と風が来る。それらが去ったら視界の色が一変するだろう。雨降り出したけど出かける。近所のコンビニで密林でポチった本を受け取り、近所花屋に行く。じじが亡くなって3ヶ月めだし、花を新しくしようと思って。近所の花屋、葬式の花輪作成中でごった返していた。秋だからって菊ばかり。3ヶ...じじ帰天から3か月

  • 鬼畜の系図

    うたた寝したまま朝を迎えたらしい。室内の照明とPCと暖房が点けっぱなしだ。雨降りで部屋が暗すぎる。雷が来るのかな。前々から確認しようと思っていた事を今日、する。じじが帰天してまもなく3ヶ月になる。じじの葬儀の後、遺品の中から紫色の、大昔に「ブルーコピー」と呼ばれた書類が出て来た。古い戸籍謄本の写しである。戸籍筆頭者はじじの父親、私から見ると父方の祖父である。じじは祖父の隣の欄に「男」と記載され息子として出生の届け出をされている。じじは祖父から見て長男でも次男でも三男でもなく「男」と記載されている。じじの次には祖父の姉である全盲の大伯母の名前が「姉」として記載されている。大伯母の次には三番目の後妻の名前が「妻」として記載され、更にその次にはこの後妻の産んだ娘が「長女」と記載され、最後に同じ後妻の産んだ息子が「長男...鬼畜の系図

  • 肥大化した薔薇

    昨日友達に花を送った時、じじの遺影の傍に飾る花も買って来た。牡丹みたいに大ぶりな薔薇。もっと普通のささやかなのでよかったんだけどケバい色か寒い色のが多くて結局色でこんなのを選んでしまった。ちゃんと最後まで咲くんだろうか。随分頭が重そうだが。肥大化した薔薇

  • 何でこんな事になるんだろう

    晴れたり曇ったり。三連休二日目、教会行く前に室内の埃払い。掃除機かけてから教会に行く。教会に来たのは1ヶ月ぶりかな。日曜休みは月一回程度あれば御の字、日曜が休みだったとしても前日の仕事が荒れ荒れで日曜には足腰立たず自室で伏せって体力温存する事もある。じじのハイビスカスは赤花は目下休憩中、黄花は幾つか蕾を付けている。礼拝堂で週報を貰って目を通し、愕然。今月に入って私は一度も教会に来ていなかったためまだ聞かされていなかった。教会仲間の息子さんが亡くなっていた。釣りをしていて海に転落し行方不明だったのが8日後に隣町で漁業関係者に発見された。友達は一人で一生懸命働きながら子供二人を育てていた。亡くなった息子さんは今年高校卒業し就職したばかりだった。何でこんな事になるんだろう。招詞;詩編67;1~4讃美歌(21)56、5...何でこんな事になるんだろう

  • 秋の彼岸だから

    はー仕事終わった。今日も橋に寄って行こう。煮詰まった環境でイラつきながら働いて帰って寝るだけの生活はよろしくない。気分転換が必要だ。外気に当たらないと。日光にも。昨日よりも雲が多い。橋に観光客が集まって皆で写メ撮っている。秋の彼岸だからな。太陽は沈む前に雲に遮られた。バスで帰宅。花を買おう。挨拶状を見た親族や父の友人達から「お花でも…」と香典が送られて来たのでその通りに花を遺影の周りに飾っている。今日は花を替えよう。バスを降りて生花店に行くと閉まっていた。しかたない、近所のスーパーの花屋に行くか。何じゃーやたら菊とユリと仏花セットばかりで一般的な花が殆ど売っていないではないか。菊とユリは自室には置きたくないぞ。特にユリはダメだユリは。見た目がどうあろうと匂いの悪いものは除外。生活の場にあっていい植物ではない。葬...秋の彼岸だから

  • じじの親族と電話で話す

    歯科受診の後、一度帰宅してもっと温かいジャケットを着込んで再び出かける。市役所へ。今はここには書かないがじじの遺品の中から変なものが見つかったのでじじの父親、つまり私から見て祖父の除籍謄本を出して調べる。太陽は現れたり雲に隠れたりしている。珈琲店に行くと高齢の常連客が来ていて奥さんも加わって世間話をした。風が冷たくなってきた。じじの親族から郵便物が届いており、お礼の電話入れた。考えるべき事が色々ある。じじの親族と電話で話す

  • 敬老の日

    遅番にて出勤。世の中は祝日なのだな。そうそう、今日は敬老の日だった。去年の今頃はあの老人病院で寝たきりだった。最後の敬老の日は一昨年で、じじは頭頂部に出来た新たな脳梗塞のため入院中だった。病室でリハビリを拒否してふてくされていたので気分転換に車椅子を押して敷地内を風に吹かれながらぐるっと一周し、外来ホールのテーブルで持参した「長生き餅」をじじは喜んで黙々と食べていた。あれがじじにとって最後の敬老の日だった。ちょっとした事でも何でもこうして「最後の***」として思い出す。敬老の日

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