ワクワク胞子を風に乗せ、一気に世界に飛散させまいと、 電脳掲示板へと威風堂々の初挑戦です。
名前は蜜柑と申します。皆さんから「蜜柑ちゃん」と呼んで頂く明日を夢に見て、徒然なるブログを綴って参ります。
八坂の塔を越えまして、路地をそそそと行きますと、小さな明かりが続きます。 ・ はたと気付けば清水寺。ほんのり明かりが灯ります。 ・ 花見のお客が続きます。わさわさ言っては列を成して・・・。 ・ 見れば、皆、のっぺらぼう。ちょうちん片手に続きます。 ・ これは狸の仕業に違いない。 このまま伏見の稲荷まで、行列行列、大行進。 見れば、みーんな、赤ら顔。太鼓片手に続きます。 これは狐に違いない。 このまま伏見の稲荷まで、夜中の嫁入り続きます。 京都、そんなに素敵な響きに吸い込まれます。 きっと最後には、ここに帰ってきます。 きっときっと最後には、..
美味しい話にランチョンマット! 美味しいといえば、出町ふたばの豆大福でしょう? 鴨川は、うねるように流れ出て。 柳にしたって、わそう、わそうと流れますもの。 ・ 「あ、天狗」 ・ 糾ノ森を越えて飛んでく天狗。 あれは鞍馬の天狗でしょう。あれは愛宕の天狗でしょう。 太郎坊に次郎坊、僧正坊に薬師坊。 月影は、ゆらゆらゆらゆら炎のように、町屋の軒を青々照らし、小さな瓶に映します。 絶景かな絶景かな。 「そこは蹴上のインクライン」 遠き遠き、夢も繋がる在りし日の面影、琵琶湖疎水。 さかさに読んでも琵琶湖疎水。 そこか..
私は可愛らしいアート感覚抜群のワインラベルを見つけると 「ほうっ」と溜息をついてしまいます。 私のお気に入りはイタリアのドンナフガータのシリーズですが、 少々お高いワインだそうです。 そこで! 気軽に楽しめる、お洒落なラベルで抜群に美味しいワインを おじ様に紹介して頂きました。 「ラ・ベンディミア」 やっぱり美味しいスペインワイン。 天才と作り手による抜群のパフォーマンス! 「プリオラートの4人組」の一人アルバロ・パラシオス氏の手によるモダンワイン! おじ様から、皆様に是非とも紹介したいワインの一本だそうです。 そしてもう..
こんにちは! いえいえ、このブログは大概は夜中にアップされますので 「こんばんは」でしょうか? 私、蜜柑のブログを楽しんで貰えてますでしょうか? 今回は皆様に素敵な映像をご紹介致しますので、 携帯で楽しんでいて下さる皆様も パソコンにて「蜜柑の話」で検索頂き 「絶対映像主義」のページまでお越し頂いて、 是非、お薦めの「ワクワクな素敵映像」をお楽しみくだされ・・・ますように。 http://www.daiheishibata.jp/the-view-from-there view the movieをクリックしてみて観て満たされてくださいませませ。..
お二人は同じ大学の同級生で、かなり親しいご友人という事のようです。 ナンパな外人ジョバンニさんは生まれてこの方、 一度も日本を出た事が無い生粋の江戸っ子だそうで、 イタリアには一度たりとも足を踏み入れた経験がないと 自慢されました。 結局、私はお二人に連れられて、ジョバンニさんが「プロデュース」された、 ナウでキッチュな(とご自慢の)お店へ行く事になったのです。 街路はモダンに染色されて、春風が道行く乙女たちの髪を揺らします。 ・ 「どうよ。この店、飯は不味くて、ぼったくりさ」とジョバンニさんが ご自慢のお店を披露しました。 「経営に困窮さ..
「お嬢さん。俺とお茶しない?」 黒髪の外人さんにお声を掛けられたのは、 永井さんのご家族とお別れした私が折角の東京を満喫しようと 銀座に立ち寄ってすぐの出来事でした。 私などに声をかけるとは、 余程に鯉の泳ぐダイダイ色の着物姿が珍しかったのでしょう。 流暢な日本語に感心していると、 外人さんは大きな声で「ね?おー茶!」と言いました。 「しません!」と私が首を振っても、 外人さんは「なんでやねん?」と指を立ててす回して見せ、意に介しません。 「関西の方ですか?」と尋ねると外人さんは 「俺、イタリア」と笑いました。 それを聞いて、私は「あ、そ..
「味がきついかい?」と永井さんが心配そうに私の顔を覗き込みます。 線香花火が弾けるような、ピチパチ、ピチっとした発砲が 私の視界をピンクに染めて、嬉しい気持ちになっていきます。 それは夏の夜風のような穏やかさ。官能の極み。 私は最初、チビチビと舐めるようにしていたのですが、 そのうち喉を鳴らして飲んでいました。 「もう一杯!」 「蜜柑ちゃん、大丈夫?顔が赤いよ」 「だひひょううふふふ。うっふふふっ。あっはは、あはは」 私は何かとっても嬉しくて。楽しくて、前後不覚にふわふわし、 見ると永井さんも奥さんも赤ちゃんも二人づつ居るのです。 その..
ワインとウィルキンソン・ジンジャーエール 中編<br /><br />
「ラ・パッション?」 私が首を捻ると 「ああ、このワインよ」と言って 奥さんが持ってきたボトルには、なんとも愛らしいイラストが描かれてました。 私は思わず「さすが!おしゃれ夫婦」と小さく呟いてしまい、慌てて口を抑えました。 「これは南仏産だが、かなり旨いな。 特にカレーのような料理にも抜群に合うし、 千円程度のワインなのにグルナッシュ100%の味わいが確実に堪能できる。 秀逸だ。」 永井さんはまじまじとボトルを見てい言いました。 私には難しいお話は分かりません。 それでも、でっぷりとしたグラスに注がれた真紅の液体は乙女心を揺すのです。 「蜜..
「ご馳走するから、うちにおいでよ」と永井さんが私を誘ったのは、 突風の影響で骨董市が早い幕切れを宣言した時でした。 「嫁さんには内緒で奢るからさ」と言われてたのに・・・。 あれは数日前の電話口での甘いお誘い。 へそくりはたいて、金借りて・・・。 私が絢爛(けんらん)たる美食の卓を夢に見て、 京都から新幹線に乗ったのは早朝6時20分だったのです。 それは「銀座料亭の味」それは「豪華フランス料理」 ・ 永井さんは携帯電話で奥様と話をしながら私に向かって 「ね、いいよね?」と言いました。 私は「はい・・・」と答え、着物の帯を締めなおし 「諦め..
「へくしゅん!!」 泣き叫ぶ酒田さんを尻目に永井さんはどこからか古い着物と羽織りを手に入れてきて、 空を見上げて鼻水を垂らす私の肩に掛けてくれました。 コートもセーターもどこかへ飛ばされてしまったのです。 永井さんの背中から赤ちゃんが丸い目をしてこちらを見ているのに気付き、私がたじろぐと 「さっきのは僕の腹話術だよ」 と永井さんは片手でゴメンをしました。 「・・・・」 永井さんは、私の耳に手をあてて言いました。「蜜柑ちゃんにお願いがあってね…」 そのご依頼に私は「分かりました!」と今や被災地と化した骨董の海原へ 迅速果敢と乗り出したのです。 ..
「こんな所で乳を放り出す気かぁ!?」 永井さんの強烈な叱咤に私は下唇を突き出して 「ぶう・・・」と鳴きました。 「こいつはペテンの偽骨董屋だ。遠慮はいらないから、 欲しい物は何でも持っていきな!」 永井さんは酒田さんからポスターを取り上げて私に手渡しました。 星がちらつく視界、激しい痛み。 私は前のめりになりながらポスターをやっとの思いでつかまえました。 「馬鹿言え、冗談じゃないぞ!」 酒田さんの髭が怒りに振るえたその時です。 関東各地で被害を続出させた突風が有楽町、 東京フォーラム大江戸骨董市会場を襲ったのです。 ビルの谷間で増..
「ルービロポッサ?」 私は聞き覚えのある響きに心を鷲づかみされ、 どうしてもポスターが欲しくなりました。 「どうだい気に入ったかい?本当は百万円なんだけど、半額にするよ」 「・・・・」 「なんだい、君、お金無いの?」 私が黙って頷くとチョビ髭は「お尻触らせてくれたら25万に負けるよ」と言いました。 「無い?じゃあ、おっぱい触らせてくれたら三万円で」 「だったらさぁ、一回やらせて…」と究極の下心を口にした時、 私の後から「こら、酒田!」と声がして、 振り返ると永井さんが腕を組んで立っていました。 「あんた、来てのか?」 チョビ髭は慌てて..
アワアワとおののく私は永井さんの袖口を引っ張って赤ちゃんを指差し、 必死に状況を伝えようとしました。 「あわわ、あわわわ」言葉になりません。 「何を慌てとるね?ネェサンよぉ」 またもや赤ちゃんは目を閉じたまま私に言葉を掛けてきます。 「ひゃ!」 たまらず私は広い骨董市の中へ紛れ込むようにして逃げ混みました。 「蜜柑ちゃん待って!」 永井さんは私を引き止めようとしましたが、体が言うことを聞きません。 巨大な高層ビルの切れ目に割って現れた空間に 何十という露店がひしめく大江戸骨董市はまるで中東の市場ようです。 私はハァハァと息を切らして広場..
永井さんが奥様の石鹸作りを全身全霊で支えていくのだと、 燃えるような鼻息を噴出させたのは、バンクーバーでの真央さんの涙を見た晩でした。 時代は移り変わろうと、いたいけなる女性の涙は世の殿方を奮い立たせるものなのです。 ・ 永井さんが私を骨董市に誘ったのは石鹸作りに日夜いそしむ奥様が 「オリジナル石鹸」 の開発に成功した翌日でした。 「君は可愛らしいものに敏感で、見識もふかいから・・・」 永井さんは電話口でそう言って深い溜息をついてのです。 「ふ〜ぅ」と私も深い溜息をついたのです。 常々に私が思うことは、何故に既婚の殿方からのお誘いばかりなのか?..
「美子さん!」 私は口を横一文字にして、コックンと大きく頷きました。 「であろう?一度、ローラーボールの滑らかな書き味を憶えた人間は 決して離れることは出来ないねぇ。」と美子さんは言ってもう一回転して腕を広げます。 「モンブランでも普通のボールペンではダメなのよ。ローラーボールでなくっちゃね。 芯を変える時は気をつけて!ローラーボールとご指名を!」 美子さんは歌うように言って、今度はクルリクルリと2回転です。 何かを自慢げに歌ってはクルリ、クルクルと回る美子さん。 その楽しげで痛々しいお姿に見とれていると、だんだん眠くなっています。 私はとうとう..
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