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「 キミが学校へ行く理由 」 - 元塾長からの手紙- http://teoitto.blog48.fc2.com/

学校って、いったいなんなんだろう。なぜ行くんだろう。そんな素朴な疑問に、いまいちど取り組んでみます

実際のところは、マルクスが社会主義国家を共産主義への手段ととらえたように、学校制度を、真に自律した学びへの移行段階にあるものととらえる。学校がときに生徒らにとって桎梏である理由をここに求める。その論考。

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2010/02/22

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  • …未来へ…

    これでこの本も終わりなので、ひとつ白状しておきたいと思います。ボクはこどものころ、音楽と図工・美術と体育と家庭科と書道が、苦手だったし大きらいだった。夏休みに絵を描いてくる宿題が出たりすると、じごくの苦しみを味わった。だからどんどんきらいになった。大学生になったとき、こういうのをやらなくて済んで、それが一番ほっとしたりしたのを覚えています。 いま大人になっている自分を見ると、そこには音楽も書道も...

  • 子どもは地元で育つ、地元で育てる

    ちょっと以前に、荒れる学校とかいじめの問題が起きたりして、公立の小中学校でも、決められた地域以外の学校へ通えるようにしようという市があらわれました。越境通学の容認、とかいうやつです。だけどこえは、ずいぶんおかしな考え方だとボクは思う。 だって、さっきブライスの言葉で見たように、町は学校そのものであり、学校は町そのものだとすれば、越境通学しなきゃならない状態というのは、その町に住んでいられない状...

  • 地域社会が学校運営の主役

    そうすると、地域はどんどんよくなる。地域のひとの交流が盛んになると、みんな元気になる。よい町づくりができると思うんです。実は、ボクが中学生のときの社会で学習して、そのとき全く意味がわからなかったことのひとつに、イギリスの法学・政治学者であるブライスが「地方自治は民主主義の学校である」と言った、というのがあるんです。地方自治というのは町の政治のことだから、町の政治で練習して、あとから国の政治にとり...

  • 学校を、減らそう

    ところで、小学校も中学校も、どっちも義務教育という点では同じなのに、なぜこの二つは分かれているのでしょうか。あれは本当は、くっついていないといけないとボクは思う。 だって、小学生が中学生になったからと言って、突然別人になるわけじゃない。中学校の先生にしたって、ある生徒がたとえばすごく数学が苦手だったりしたとき、小学校時代の先生にすぐ相談できるようになっていたほうがいいにきまっている。塾をやっていて...

  • 正しい試験、まちがった試験

    そしてテストも国が管理して、もっと厳密にやる。先生が、自分が教えた内容にそって出題するなんていうのは全然だめだ。 ボクは前に地元の中学で、それは英語の試験だったんだけど、アメリカから招待されたゲストの先生の出身地や家族の名前、人数が問題として出題されているのを見たことがある。死ぬほど驚きました。そんなことと英語の学力と、なんの関係があるんだ。ボクはそう思ったんです。きっとそのアメリカ人先生は英語...

  • 義務教育を、守る

    もう一度、ちょっと整理します。ボクは高校や大学、それから塾とかの、ひとりひとりが自由に個性を生かして学ぶ場所は、税金で助けたりするのはやめ、ぜんぶ私立にしてなるべく自由にさせたらよいと主張してきました。だけど、小中学校でやる義務教育、つまり子どもが立派な大人になるための最低限の知識を身につけさせる場面のことは、全くそれとは逆に考えています。これはもう、完全に国が責任をもってやる。大人になるのに必...

  • 塾を学校に、だって?

    ボクの塾は、ほんとうに自由な学びの場でした。国や県や市から、税金を一円たりとももらっていなかったから。逆に、あまり儲からなかったから多くはないけど、税金を払っていた。税金をもらう側でなく、支払う側でした。だから自由に学べたし、優秀な子がたくさん育った。塾というのは、そういうところです。学校の勉強ができないからといって、それを補うためにある場所ではありません。もっと学ぶ。そのためにあるのです。そし...

  • 正しい税金の使い方

    確かに、授業を受けるということはお金のかかることです。前に示したデータによると、在学者一人あたりの学校教育費は高等学校全日制で百十万円あまり、専修学校においては百四十三万円あまりで、大学の場合はさらに高額なことでしょう。この負担に耐え切れるひとは、そうざらにはいません。 お家は貧しいけど、高校・大学に行きたい。その能力もある。そういう子の希望を社会はどうかなえたら良いか。さっきも言いましたが、ボ...

  • 私学の思い上がり

    実は、私立系の高校や大学も、相当の税金を国や県からもらっています。でも、助成金をもらえば助成金をくれる国や県のことばかり考えるようになる。人間というのは、そういうものです。だから助成金を出すなら出すで、生徒にいったん渡し、生徒の側から学校に支払うようにしたほうが、いい。生徒に見えないところで大きなお金が動いているのは、ぜったいによくない。10年ぐらい前に、東京都の石原慎太郎知事は、私学に対する公費...

  • 国立大学法人

    もっとも、この国立大学法人というものも、今の段階では中途半端な点が多いです。文部科学省がじっくり監視しているからです。文科省の言い分を聞かないと予算が配分されない。文科省は教育・経営計画についてまで指示することになっています。これで前の制度と基本的に変わりません。国から予算をもらうからいけないのです。国も予算を割り振る以上、その予算はみんなの税金なんだから、きちんと使われているかどうか、監視しな...

  • 政治の関与を断つ

    ボクは、日本の教育がうまくいっていないのは、日本の政治が教育のことを真剣に考えないからというより、政治がよぶんなことばかりしているからだと考えています。 とくに、自由な学びの場であるはずの高校や大学については、政治は口を出さないほうが絶対に、いい。大学入試センターなどというものをつくって、入試を管理したりしないほうが、絶対にいい。大学は自分の責任で合格者を決めるのがほんとうのやり方だ。 問題なの...

  • 高校間格差はなぜある

    この、災難のような高校入試を無事に通過したとしても、まだまだ救われません。高校にはその高校の「ランク」というものがあって、その学校の「ランク」とうものが、どうしてもがつきまとうのです。 「ランク」というのは、良いとか悪いとかの意味で、言葉を変えると「ブランド」と同じです。もちろん高校は、自由な学びを行う場所ですから、お互いに自由に競走して、その結果として格差が生まれ、ブランドが発生するのは自然な...

  • 知表(8) 無責任教育行政

    もっと無責任なのは、文科省。文部科学省の初等中等教育局は、この愛知県の調査結果について、『5の分布に47倍もの差があるのは驚きだ。絶対評価はまだ試行錯誤の段階。』と述べました。愛知の15才は今年、言いだしっぺの文科省さえびっくりするぐらい無茶苦茶な内容の内申書を持たされて、入試に挑まされたのです。文科省はそれを「試行錯誤」だと言っています。試行錯誤というのは、実験だったという意味です。文科省と愛...

  • 通知表(7) 入試はどうあるべきか。

    しかしながら現実には、内申書に重点を置いて高校の合否を決定するシステムを採用する都道府県は実に多いのです。例えば愛知県の公立高校が採用する複合選抜制度の場合、以前は、内申書:入試当日のテストの点数配分が45:50で、ほぼ同等でした。これは、当日のテストをいくらがんばっても、内申点の不足をカバーするのは、とても難しいことになります。ということは、高校入試は中学の最初っから始まっているのだということ...

  • 通知表(6) 学校は人生を決める役所か

    さてこの推薦入試のように、内申点というものが高校入試でたいせつな役割を果たすようになってくると、中学の先生が進路指導で持つ権限というか権力は、おそろしく大きなものだということになります。きちんと学校を運営している一部の高校はいいのですが、そうでない大半の私立高校は中学へ出向き、良い生徒を推薦してくださいとお願いしてまわらないといけません。中学だけではありません、塾へもお願いにまわってきます。ごく...

  • 通知表(5) ウソだらけの入試

    こんなやり方の通知表評価なのに、この通知表評定=内申点はそのまま高校進学のための資料とされたりします。そういう高校は多いのです。これはとても問題です。だって、本来、大学なり高校なりは、自由の精神にもとづく学びを行う場なのだから、それぞれの学校の精神にのっとって、独自の観点で入学者を選抜するべきではありませんか。なのに、下級の学校でどういう成績を収めたかを、合格の資料としたり、あるいは内申点だけで...

  • 通知表(4) 絶対評価で「1」?

    ボクがそう言ったら、それはものの見方がひねくれている、生徒の可能性は誰にだってあるのだから、その点を考えれば通知表で「1」や「2」などはつけられないと思うと反論したひとがいました。でも、そんなあてにもならない気持ちで通知表の仕組みを変えるなら、いっそ通知表評価自体を排斥したほうがすっきりするのではないでしょうか。この絶対評価方式が導入されたとき、マスコミとか世間の大人は、これで努力した子が全員「...

  • 通知表(3) 管理教育の元凶、内申書

    こういう批判があったからなのか、何年か前に、通知表のつけ方がこれまでの競争型・輪切り方=相対評価型をやめて、その子その子の習得度を測る絶対評価型へと変更されました。これで、競争をさせているわけじゃなくなったのだから良いではないかという考え方があるようです。大人はだいたいそう思っています。でもこんなのは、うそっぱちです。前よりもっとひどいです。 これが言い出されたのは平成12年。この年、文部省の教...

  • 通知表(2) なんのための競争

    もっと分からないのは、教師が生徒に対して一方的に、5つの段階に分けるなどするそのやり方だ。これは、国民を「格付け」したり序列化したりしているのと同じなわけで、もし大人に対して同じことをやったら、えらいことになります。それがなんでこども相手だと許されるのだろう。評価とか格付けされなければならないのは、仕事として取り組んでいる教師の側であって、たとえば、その先生の教え方がうまいかどうかを生徒が五段階...

  • 通知表(1) 通知表とは

    ところで通知表といえば、これはとても不思議な存在です。ボクには、通知表がなぜあるのか、よくわからない。 高校以上ならわかります。それぞれが競争しながらもっと才能を自由に伸ばして行こうと思うとき、自分の位置を確かめるのはわるいことじゃない。だけど、大人になる最低限の資質を身につけるための義務教育の段階で、つまり小学校や中学校では、ほかの人との競争なんか意味がない。必要なことを自分がきちんと理解した...

  • 高校への進学が常識化しているとしても。

    ここまでは高校・大学への進学のことばかり書いてきましたが、もちろん、小中学校の義務教育をきちんと終えたら、キミたちは社会に出て、はたらいてもいいのです。自分で働いて、お金をかせいでいい。石川遼くんにも、吉田えりさんも、そうしている。テレビに出てくる若いタレントさんたちも、そうだ。基礎を学んだら、自分の力を生かして働いていいのです。別に高校も大学も、行かなくてはいけないなんていうことは、ない。行き...

  • 飛び級・落第生で、学校はもっとよくなる (5)

    もちろん、大学以外もこういう努力をしないといけない。たとえばファッションの専門学校なんかは、小中高生で、ファッションデザイナーになりたい希望を持っている子たちを集めて、ファッション画の基礎を教える授業などをやってもいい。というか、やらないといけない。最近、知り合いの大学教授が、その人はコンピュータでやるグラフィック・デザインの専門家なのですが、最近の学生は勉強こそまぁまぁだけれども、基本的なデッサ...

  • 飛び級・落第制で、学校はもっとよくなる (4)

    こういった、いま小学校や中学校でかかえている問題をいちばん悪くしている犯人は、つまり「諸悪の原因」は、大学です。大学が、入試のやり方をまったく考えていない。それはもう、ぜんぜん考えていない。ちょっと前に、大学の医学部に入ってくる新入生の学力が低い、ということが問題になりました。これから医学を学ぼうというのに、高校で化学の勉強をしていない学生が増えてきたというのです。化学の知識は、これから薬品とかの...

  • 飛び級・落第制で、学校はもっとよくなる (3)

    だから、高校の授業や試験も、やり方とか内容とかをきちんとみんなでもう一度話し合ったほうがいい。大人になってぜんぜん必要のないことや、苦手なことまで、どうして全員に強制するのか、さっぱりボクはわからない。苦手なことまでしつこくやらされて、せっかく得意だった科目の勉強も投げ出しちゃうという子は、けっこう多いんです。とてももったいないことです。ひとには、得意と不得意とがどうしても、あります。それはよく言...

  • 飛び級・落第制で、学校はもっとよくなる (2)

    そうしたことをするには、もちろん費用がかかりますが、それも大丈夫なんです。前に、今の子たちの勉強範囲は昔の子の三分の二になっちゃってると書きました。そうだとするなら、学習期間も三分の二にできるはずなんです。中学校は二年間で済む。だいたいそもそも、飛び級で早め早めに卒業していく子もどんどん、出る。だからきちんと取り組むと、教育にかかる費用は毎年一兆円ぐらい、余る。この一兆円を使えばいいじゃないです...

  • 飛び級・落第制で、学校はもっとよくなる

    もちろん、飛び級の権利も落第の権利も、それぞれの科目ごとに行使できるようにしなければなりません。そうでないと、その子が得意なものはどんどん伸ばしたり、苦手なものは何度でも繰り返して学習したりすることができないからです。飛び級も落第も、科目ごとに認めないと、意味がない。一科目だけできないからと言ってぜんぶ落第させてたら、それは罰をあたえるのと同じだ。だけど、もし飛び級とか落第とかを科目ごとに選択して...

  • 落第するのは権利なのだ…26条領域の死守

    さて、マスターするのが速い場合に飛び級とか早目のの卒業とかが認められるなら、こんどは逆に、ゆっくりマスターしたい場合には、落第してもう一度勉強しなおす権利とか卒業をあとまわしにする権利が認められていいと思いませんか。みんなはどう思いますか。大人はここのところがいちばんわかりにくいらしい。落第する「権利」という言い方がさっぱりわからないらしい。 大人だけじゃなくて、みんなも、落第するのって、イヤだ...

  • 自由な学びに立ちふさがるカベ

    それは、今のような、生徒の全員をひとくくりにして9年間学校にしばりつけるやり方では、絵画好きもサッカー好きも音楽好きも勉強好きも、自由に伸びることができないからです。 だから結局のところ、本当にこどもの個性を伸ばそうと考えるなら、学校からこどもを開放するしかないのです。こどもたちが「その道のプロ」の下で指導を受けるなりして自由に学ぶことを、じゃましないようにするべきなのです。 はっきり言うと、大...

  • 義務教育をはみ出す「熱血」生徒 (2)

    ここで、ちょっと重大な事実を教えましょう。実は「ゆとり教育」が始まる前から、そして終わった今も、キミたちは、あたまがよくなるためのチャンスをじゅうぶんに与えられていません。いまの中学生が学習する内容は、お父さん・お母さんの時代のものと比べて、だいたい三分の二に削られてしまっています。 勉強内容が減って楽になったと喜んだら大まちがい。なぜなら、その分、勉強時間が減っているわけではないからです。中学...

  • 義務教育をはみ出す「熱血」生徒

    こんどは反対に、「義務教育のわく」を飛び越えちゃいたい生徒のことを考えてみましょう。つまり、優秀すぎる場合です。全科目優秀ならすごいことですが、例えば算数とか理科とか、科目によっては学校の授業は簡単すぎてつまらないと思ったことはありませんか。国語は、もっとむつかしい文章を読んでみたいなぁとか、キミも思ったことがあるでしょう。とくに、十年ぐらい前に文部省が「ゆとり教育」というのを打ち出した初めのこ...

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