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  • 四・《ソラへの手紙》・その4

    二人は、手紙をビンに入れ、ビンを海の向こうへ思いっきり投げました。『バッシャーン』ビンは音をたてて海の中にしずんでいきました。「さぁ、そろそろ帰ろう。デンちゃん。」デンちゃんは、夕日の光でオレンジ色に光っている海を見つめながら言いました。「ソラ・・・。ちゃんと来るといいけど・・・。」にほんブログ村四・《ソラへの手紙》・その4

  • 四・《ソラへの手紙》・その3

    「サクラ、書き終わったよ!さっそく読んでみて。」デンちゃんが書いた手紙はこうでした。〈ソラへ元気?ぼくは今、サクラっていう女の子の家に住んでいるよ。とても楽しいよ。ぼく、ソラに会いたくたちゃったんだ。ぼくの所に遊びに来てよ。2月3日の午後3時に、浜辺で待っているね。約束だよ。デンより〉「いいねぇ。じゃ、流しに行こうか。って海に流すんでしょ!?無理だよ!海には夏休みしか行けないよ!」「大じょうぶ。ぼくのまほうで今すぐ行けるよ。さぁ、5秒間目をつぶって。1.2.3,4.5!」サクラが目を開くと、そこは夏に行った海でした。でも、辺りを見回しても、デンちゃんはいません。「大変だ!デンちゃんのまほうが失敗して、私だけ海に来ちゃったんだ!!どうしよう・・・。一人じゃ家に帰れないよ・・・。」サクラがおろおろしていると、目の前...四・《ソラへの手紙》・その3

  • 四・《ソラへの手紙》・その2

    二人は、家で小さなびんせんを見つけました。「これに書こうよ。デンちゃんは字って書ける?」「もちろん!学校でちゃんと習ったよ。見てて。」デンちゃんは、びんせんにきれいな字で『ソラへ』と書きました。「ほんとだ。きれいな字!さぁ、どんどん書いて。」にほんブログ村四・《ソラへの手紙》・その2

  • 四・《ソラへの手紙》・その1

    ある晴れた冬の日、デンちゃんとサクラは公園でひなたぼっこをしていました。「ねぇ、デンちゃんの前の友達ってだれ?」「え・・・?海に住んでいた時の?うーんとねぇ・・・。一番仲が良かったのは、ソラっていう女の子だな」「ソラ?その子って、私みたいな《ものすごいまりょく》を持っている人の家にいるの?」「ううん、まだ海のおく深くに住んでいるよ。だから、ぼくが人間をさがす旅に出る時、すごくさみしがっていたんだ。ああ、ソラにあいたいなあ・・・。」デンちゃんは、雲ひとつない青空を見上げながら言いました。「じゃあ、ソラに手紙を書けばいいじゃない。住所は知っているの?」「海の町では、あて名だけ書いてビンに入れて海に流せばゆうびん局のおじさんがとどけてくれるんだ。さっそく手紙を書こうよ!」にほんブログ村四・《ソラへの手紙》・その1

  • 三・《嵐の日の出会い》・その8

    「サクラちゃんは、何年生?私は四年生なんだけど・・・」「私もだよ!どこの小学校に通うの?」「ええっと・・・。たしか、四丁目にある学校だと思うけど・・・」「それなら、私と同じ学校だ!同じクラスだといいね!」「・・・うん!!そうだね!」ミライが家に帰ると、デンちゃんは人形のすがたにもどって、サクラのポケットの中に入りました。「本当にミライちゃんと同じクラスだといいなァ・・・。ねェ、デンちゃん」「うん。そうだね」デンちゃんは、にっこり笑って言いました。にほんブログ村三・《嵐の日の出会い》・その8

  • 三・《嵐の日の出会い》・その7

    「・・・私ね、二週間ぐらい前に、お父さんの会社のつごうで、にいがた県から引っこしてきたの。このとうの、どうろ側の5階に住んでいるんだ。名前は、・・・ミライっていうの。よろしくね」ミライは、にこにこしながら言いました。「こちらこそよろしくね。私は、サクラっていう名前だよ。それより、この前は木から落ちて大じょうぶだった?」「うん・・・。本当は足をこっせつしちゃって、あの後、すぐに救急車ではこばれたの。一週間、苦い薬も飲んだし、ずっと動かさないで、静かにしていたのよ。それでも3ヶ月は車イスになるって聞いて・・・そこでデンちゃんがまほうで治してくれたんだ!」「へェ。すごいじゃない!デンちゃん!まほうが失敗しなくてよかったね!!」サクラは、笑いながら言いました。にほんブログ村三・《嵐の日の出会い》・その7

  • 三・《嵐の日の出会い》・その6

    「よかった!私、すごく心配したんだよ」サクラは、デンちゃんのかたに手を置いて言いました。「家に着くまで、まよわなかった?」「うん!あの時サクラに、“22の5って書いてあるとうで、ベランダに緑色のうえきばちがかけてある家”っておしえてもらったからね!」サクラがふと、デンちゃんの横を見ると、この前木に登っていた、あの女の子がゼーハー言いながら立っていました。「もぅー。デンちゃん走るの速いよー」「あなた、デンちゃんが見えるの!?」サクラはびっくりして、女の子に聞きました。「・・・うん」女の子はにっこり笑って答えました。「《ものすごいまりょく》を持っている人が見つかってよかったね!!サクラ!」「うん!!」サクラは元気に答えました。にほんブログ村三・《嵐の日の出会い》・その6

  • 三・《嵐の日の出会い》・その5

    一週間たっても、デンちゃんは帰ってきませんでした。サクラは、自分の勉強づくえにすわって、さみしい気持ちで外を見ていました。そのとき、外からこんな声が聞こえてきました。『ねェ。まってよー!デンちゃーん!』(・・・デンちゃん!?)サクラは、はっとして外を見ました。すると、この前、木に登っていた、あの女の子が団地に入ってくるのが見えました。サクラはイスから飛びおりて、外に出ました。見ると、ドアの前に一人の女の子が立っています。女の子は、こしまでのばした黒いかみを水色のピンでとめていて、上はローマ字で、『DEN(デン)』と書かれた黄色い半そでチュニックを着ています。下はジーンズの短いズボンをはいていて、くつは、チュニックに合わせた、黄色いサンダルをはいています。サクラは、チュニックを見て、すぐにだれだか分かりました。「...三・《嵐の日の出会い》・その5

  • 三・《嵐の日の出会い》・その4

    やがて、電気がつかないまま夜の七時になりました。「サッちゃん、ごはんは作れないけど、何か食べる?おかしもあるよ?」と、お母さんが言いました。でもサクラは、「いい・・・。私、あんまりおなかがすいてないから・・・」と、答えました。お父さんとお母さんは、パジャマに着替えてそのままねてしまいました。サクラもパジャマに着がえましたが、デンちゃんのことが心配で、一ばんじゅうねむれませんでした。にほんブログ村三・《嵐の日の出会い》・その4

  • 三・《嵐の日の出会い》・その3

    サクラはこわくなって目をぎゅっとつぶりました。デンちゃんは急いでまどから飛びおりて、木の方へピューッと飛んで行きました。「あっ!どこへいくの!?デンちゃん!」サクラはびっくりして、大声でさけびました。すると、また大きな雷が鳴って、家の明かりや外の電灯、何から何までぜんぶ「バシッ」と音をたてて消えてしまいました。「デンちゃぁぁん!!」向こうの部屋から、かいちゅう電灯を持った、お父さんとお母さんがやってきて言いました。「すごい雷だね。雷のせいで、ブレーカーが落ちちゃったみたいよ。あっ、あの緑のうえきばち、飛ばされそうだね。中に入れとこっか」「やめて!!」と、サクラはさけびました。「飛ばされそうになったら、私がおさえておくから!とにかくそのままにしておいて!!(中に入れちゃったら、デンちゃんが帰ってきた時、どの家か分...三・《嵐の日の出会い》・その3

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