徘徊、恫喝、そして強制連行

岸本はしばらくオフィス内を徘徊し、各部署の様子を睥睨し、隙あらばどこかの会話の輪に入り込もうとした・・・しかしながら、先週の出来事が出来事だったので、社員はほ…

翌週の光景

・・・結局、その週には、岸本社長は出社してこなかった・・・「会社が飛ぶ」かもしれない事態だったのだが、代表取締役は布団をかぶって嵐が去るのをただただ待ちながら…

引き続き不在

「しっかし、どうすんのや、これ」メニューを眺めながら与田さんがつぶやいた。パンフのクレームがきたのが水曜日。そしていまは金曜日の午後1時すぎである。オレは与田…

経営者の不在

クレームの来た翌朝、オレはいつも通り淡々と出社し、惰性で業務の準備をおこなっていた。与田さんいわく「会社が飛ぶ」かもしれない事態であるから、それなりに緊迫して…

クレーマー

ビッグブラザー社内では、グループウェアを利用して仕事を管理しており、プロジェクトメンバー間でメッセージが飛び交っていると、直接そのプロジェクトに関わっていない…

リスク・マネジメント

と、まあ、チンケな会社が吹っ飛ぶような事態が起こったわけなのではあるが、かんじんの社長は頭痛とかいいつつ早退してしまっている・・・与田さんが繰り返し岸本の携帯…

トラブル

オレは与田さんのそばまで歩み寄ったものの、呆然としている上司にどう声をかけるべきか躊躇した・・・その刹那、景山が与田さんにすっと歩み寄ってきて、「なにかトラブ…

電話

その日は鉛色の曇り空だった・・・岸本は、「どうも昨夜から、頭痛がひどいんです・・・珍しく風邪をひいたんでしょうか？わたし、自己管理は完璧なはずなんですが・・・…

新風

それ以外にも、オフィス内の空気が一変するようなことがあった。まず、例の謎のインド人、ムクールが開発部の端っこに鎮座するようになった。彼はほとんど日本語が出来な…

いろは

10月になると、オレは与田さんのお伴で営業に同行することが多くなった。ここでオレは営業のイロハを学び始めた。与田さんを中心に社内の活気も出てきたように感じる。…