スラムドッグ$ミリオネア～たまに棒を持っているよね。～

昼間、ブランコに乗って将来のことを考えているときに警察から電話があった。先日紹介した「鳥男」が今度は晩飯時に弁当を万引きして捕まり、その"身元引受人"を務めてくれないかという連絡だった。あと、金も持ってきてくれとのこと。「幾らだ？」と尋ねたら「580円だ」と言われた。鳥男のヤツ、まじで金ねえな。友人の猿（saru）が来ていたのでカブに乗せてもらって、代々木警察署を目指した。警察署の前を通るときにいつも思っていたが、あの「門番」は何かの罰ゲームと同じ意味を持つ程、相当辛い仕事だと思う、うわあ、警察って本当に頑張っているなあ。あの瞬間はとくに思う。たまに棒を持っているよね。代々木警察署の門番は、棒を持っていた。僕は猿に「あ、あの人、棒を持っているよ」と言った、猿は「用心深いんだね」と言った。そうか、用心深いんだ。い...スラムドッグ$ミリオネア～たまに棒を持っているよね。～

ラースと、その彼女～ナハハが、たまにナハ・・・で咳き込んだりするようになった～

友人に白鳥鳥男（しらとりとりお）というのが居て、コイツがなんとも良くわからないやつで。真顔で、「中学生の時にバスケの試合で怪我して頭縫ってさ、12針。12針縫ってから12人格なんだよね俺」と、初めから猛スピードで僕に告白してきた。スピードについてゆけず、わき腹をえぐられた気もした。僕は、手に持っていたペプシの缶をあらあらしくテーブルに置いて、何を言っているんだお前は？と率直に聞き返すしかなかった。何だそれは？と。鳥男は15分に1度、ポケットからラムネのようなものを取り出して口に入れてぼりぼりぼりぼり噛み砕いていました。それも一体何なのだ？と、僕はここも率直に尋ねました。お前が先からしょっちょう食っているそれは一体何なのだ？「あ、これ？医者からもらったヤツなんだよね」いまどきの医者は一体何を考えて、15分に一度ク...ラースと、その彼女～ナハハが、たまにナハ・・・で咳き込んだりするようになった～

ベンジャミン・バトン 数奇な人生～マニア向け作品の女流AV監督～

昼間、外には出てみたのだが陽気ではなく、風が肌寒いのでセブンで煙草を買って甲州沿いのCoffeに行った。すると、今日は珍しい客が居た。「お、借キングだ」と、さっそく嫌なことを言ってくる「×塚沼郎（ばってんづかぬまろう）」の向こう側に、「姫ハルミさん（ひめはるみ）」が座っていた。彼女はマニア向けの作品ばかりリリースするレーベルの専属女流AV監督で、マズいピラフやぬるいコーヒーを作るこの店のマスターと長い付き合いらしく、半年に一度ほどこの店に来て、薄く、埃の敷かれた木製のカウンターに腰掛けてだるそうにマスターと世間話をしている。僕は沼郎にあっさりと中指を立てて、マスターとハルミさんに「ちわっす」と声を掛けた。「マニア向けって、どんなマニアなんですか？」と僕は一度聞いたことがあるが、ハルミさんは「あなたにはまだ早い、...ベンジャミン・バトン数奇な人生～マニア向け作品の女流AV監督～

KAMACHOP～鼻の中にローションのようなたるたるしている液体を～

病院に行って来た、治験ブローカーの板坂坂さんの指示通り、高田馬場に足を運んだ。胸焼けも胃もたれもないのに「胃薬の新薬モルモット」をやるハメになった。医者との問答や「胃に関する」簡単なアンケートに関しても、板坂坂さんの言うとおりに答えた。そして鼻から胃キャメラを入れられることになった。聞いてないッスよ聞いてないッスよ。鼻から胃キャメラを入れられることになった。ミミズほどの太さの管の先にキャメラがついている、まず始めに鼻の中にローションのようなたるたるしている液体を流し込んで、5分のインターバルを置いて、鼻から胃キャメラを挿入した。鼻処女を奪われた。胃の検査も終えて。錠剤を飲まされて、しばらく待たされて、また一週間後に来て下さいと言われて、報酬を貰って、なんともいえない気分で病院を出た。鼻からキャメラを入れられて稼...KAMACHOP～鼻の中にローションのようなたるたるしている液体を～

私は猫ストーカー～親指のような薬指にてらてらとデカいダイヤモンド～

先日、一月さいごの満月を見上げながら歩いていた。谷口さんから連絡が来て、「2月の頭には必ず」と言われた。それがもはや意味のない言葉というのはわかっている。それでも期待してしまうのは性ですよ。これもこれで希望ですよ。（竜馬暗殺）谷口さんの本業は不動産だが、実質はブローカーであり、見方を変えればちょっとした詐欺師なのだ。取り巻きも怪しい人物ばかりで、「フィリピン沖の海中で、アメリカの古い100ドル札が見つかったから、今それをアメリカ本土に持ち込んで換金しようとしている、日本円で300億にもなるのです。300億ですよ。その為の資金が必要なので。なんとかなりませんかね社長？」と怪しすぎる話を谷口さんに（思いっきり乞う顔して）言ってくる。谷口さんは馬鹿だからすぐノる。懐に300億の何割か入ったつもりでニコニコで、ハゲ頭を...私は猫ストーカー～親指のような薬指にてらてらとデカいダイヤモンド～

のぼうの城～今日のアイスコーヒーもぬるい～

日頃、ピンク動画選びには時間を掛ける方だ。タブウインドにエロサイトの気にイッた動画を幾つも並べて、一通り流して、決心して、及んだ後、性器先を拭いて。一番良かったピンク動画を、一番良かったシーン（印象に残ったシーン）に戻して、一時停止して、そのシーンをノートにスケッチするのが好きで、よくやっている。ときにはヌく気すら失せてスケッチに夢中になっていて、何やってんだ俺は、とよろずの神や親に申し訳ない気にもなる。あ、2時だ、と思い、ぬぬぬと、外に出ることにした。外は晴れていた。冷奴が食べてえなあ、と口笛を吹きながら言ってみた、ヒュヒュヒュッヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ～。当然といっては当然なのだが特に用事もないしいつものように甲州沿いのCofeeに行った。Cofeeは由緒正しいこの街の喫茶店で、その歴史は50余年と半端...のぼうの城～今日のアイスコーヒーもぬるい～

人のセックスを笑うな～亜美と出逢えるのを糧に～

僕の友人に"猿（saru）"と呼ばれているヤツがいて、これはその猿に聞いた話なのだが。ある日、猿が代々木上原の駅のホームで電車から降りてメールを見ながら歩いていたら前から来た頭の臭そうなサラリーマンとぶつかってしまい、携帯電話を落とした。落ちた携帯電話は頭の臭そうなサラリーマンの次に来たさらに臭そうな頭のおっさんに蹴られて猿の後方に弾かれていった。ふぁふぁふぁと、慌てながら猿が携帯電話を目で追いかけて振り向くと一人の女性が身を屈めて、足元にスライドしてきた携帯電話を取ってくれたらしい。どうも、その女がPUFFYの亜美だったという話だ。よりによって亜美だ、僕の好きな方だ。よりによってTERUの。その話を聞いてから、僕は代々木上原の駅を渚にまつわるエトセトラを小さく歌いながらPUFFYの亜美と出逢えるのを糧に1週間...人のセックスを笑うな～亜美と出逢えるのを糧に～

板尾創路の脱獄王～胸焼けも胃もたれもありませんよ～

谷口氏を通じて治験ブローカーを紹介してもらった、それが板坂坂さんだ。会ったことはない。電話先で言われた「新薬のテストといっても副作用はない、無料で身体検査も受けれる上に、どこか悪いところが見つかれば転ばぬ先の何とやら、ラッキーじゃないですか、良かったですね。もちろん、それなりの報酬は出ますよ」それなりの報酬というのに惹かれて、即承諾した。メールで詳細が届いた。まずは東京駅の近くの雑居ビルの中にあるクリニックで身体検査を受けることになる。尿検査、血液検査、身体検査、簡単なアンケート、医者との問答等等、後日。結果が出て、それが板坂坂さんの手元にも回って、白血球の数や赤血球の数や皮下脂肪云々やら糖尿、性病、アレルギー、アトピー、水虫、その他。僕の身体のデータが出来上がり、板坂坂さんからの連絡を待つ。数日後、板坂坂さん...板尾創路の脱獄王～胸焼けも胃もたれもありませんよ～

竜馬暗殺～先方が大事な印鑑を忘れてきて～

「あす、ようやく30万振り込めそうです」と、電話先の谷口氏は言った。また、少しだけ期待してしまう。周りの連中は、よせやいよせやい、どうせまた延びるのだからとか何とか好き勝手言っているが、今日の電話先の谷口氏は、いつもと違って。自信に満ち溢れていた気がする、ようやく、イケそうだ。ーそして「あす」になり、午前のうちに身なりを整えて今か今かと逸る気持ちを抑えながら電話を待つ。正午に谷口氏から電話が掛かってきて「いま、ちょっとトラブっている。また折り返す」と告げられる。マズい、いつものパターンだ。毎回必ず起こる謎の”トラブル”。昨日は、あんなに自信たっぷりだったのに。結局いつものパターンじゃんクソじじい。17時が過ぎた頃にまた電話が来て、「すいません、明日の午前までズレ込んじゃいました。先方が大事な印鑑を忘れてきて」と...竜馬暗殺～先方が大事な印鑑を忘れてきて～