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  • 臓腑弁証54: 肝気犯胃証(1)

    脾胃の消化吸収機能は脾胃だけでやっているのではありません。肝によってスムーズにいくように調節されてこそです。食物が入った時にその場所で消化液が出るんですよね。胆汁も出すべき時にだけ出します。食物が消化管を順に下っていくように調節するのも肝の疏泄作用です。肝の疏泄作用とはブレーキとアクセル、司令官とも言えますね。肝気犯胃証は「肝気が胃を犯す」と読めます。肝気は肝の気、それが悪くなる時は肝そのものが失調した時です。そして肝気が悪くなった時の動きは「鬱滞」か「上逆」。つまり、肝気犯胃証は「肝気が失調して鬱滞あるいは上逆を起こし、それが胃に影響する」動きをします。中医学テキストでは、この肝気の失調の原因を3つに分けています。それによって症状が異なりますので、分けましょう。(1)肝寒気鬱犯胃証・・・寒邪が原因(2)肝欝化...臓腑弁証54:肝気犯胃証(1)

  • 臓腑弁証53:胃火上炎証

    昨日の胃欝熱証と今日の胃火上炎証、何が違うんでしょう?胃に限らず「欝熱」と「上炎」は別の臓腑でも見られます。これらは方向性に差があります。欝熱の場合は停滞、上炎の場合は上行性の火熱です。鬱滞した熱がエネルギーを持ちすぎると炎上するのは、想像つきますか?胃火上炎証の原因は他に五志化火や熱を持ちやすい飲食物(酒や味の濃い物)の過食などがあります。余談ですが、なんで酒や味の濃い物が化火しやすいのかと考えてましたが、どっちも喉が渇きますね。水が飲みたくなる。火を消したいんでしょうね。主症状は、胃かん部の灼熱痛、胸焼け、消穀善飢、歯肉の腫痛や出血・胃かん部の灼熱痛、胸焼け、消穀善飢どれも胃に過剰な熱(火)を持っているために起こります。消穀善飢というのは食べても食べても空腹感を感じる。胃という鍋の火が強いために、食べ物はす...臓腑弁証53:胃火上炎証

  • 臓腑弁証52:胃欝熱証

    「鬱」はどんなイメージでしょう。漢和辞典で引いてみました。「ウツの音は気の充満を意味する「ウン」からきている。むんむんするほど木が茂ることを意味し、また、ひいて、はけ口がなく、悶々とする意となった。」(角川漢和中辞典)鬱の意味はただの停滞ではなく、そこに溜まったエネルギーがこもっているのです。胃欝熱証は「胃に停滞した熱がこもっている」動きをします。熱が停滞するのにはいくつか理由があります。大きくわけて2つ。(1)外邪(湿邪・熱邪)が熱をもたらす。(2)油っこいものや味の濃いもの(胃もたれをおこすようなもの)を食べ過ぎることによって食積が起こり、熱を持つ。どちらも実証で熱証、つまり実熱証となります。主症状は、胃かん部がむかむかする・灼熱感・不眠・食べると嘔吐する・胃かん部がむかむかする・灼熱感「むかむか」は熱の所...臓腑弁証52:胃欝熱証

  • 臓腑弁証51:脾虚食積証

    湿気がしんどいですね。日本人にとってつらい季節となりました。今日は脾虚食積証、「脾虚と食積のコラボレーション」証です。脾虚は虚証、食積は実証なので、これは虚実夾雑証になります。食積とは飲食物の停滞。一時的なものだと実証ですが、繰り返すと脾虚を起こします。暴飲暴食を繰り返したりしているうちに、慢性的に胃腸の具合がおかしくて・・・っていう動きです。主症状は、身体消痩・腹部脹痛・ちょう(やまいだれに徴)積形成・食欲異常これらの症状は大きく食積による実証と脾虚による虚証の症状にわけられます。・身体消痩脾虚によって栄養が吸収できなくなると起こります。顔色もつやがなくなります。長期化して全身の細胞が栄養されなくなると倦怠感や無力感、毛髪や皮膚のつやが悪くなったりなどが見られます。・腹部脹痛・ちょう積形成食積が停滞しているの...臓腑弁証51:脾虚食積証

  • 臓腑弁証50:傷食証

    「傷」は「いためる」と読みます。つまり、「食で傷める」証。何を傷めるって、食がダイレクトに関わるのは脾胃です。傷食証(あるいは食傷証)は、暴飲暴食もしくは食あたりで突然起こる消化器症状を言います。主症状は、暴食後に突如起きるかん腹部の脹痛、ゲップ、嘔吐・暴食後に突如起きるかん腹部の脹痛食後に起こるのが特徴です。食積が脾胃に停滞しているので、拒按となります。・ゲップ、嘔吐胃の和降作用が停滞して上逆すると起こります。脾の昇清作用が阻害されると下痢になります。原因がどの程度のものかで損傷も大きく変わります。通常の食べ過ぎならいいですが、過剰な食べ過ぎを繰り返すと脾胃が弱くなってしまいます。また、食あたりの場合は生命に関わるものもあります。ウイルス性の胃腸疾患の場合は患者さんから鍼灸師が感染することもあります。よく鑑別...臓腑弁証50:傷食証

  • 臓腑弁証49:胃気虚寒証

    ご無沙汰しております。再スタートです。胃気虚寒証を読み替えてみると、「胃気が少なくて虚寒を起こしている」証と読めます。つまり、虚証であることと寒証であることが特徴です。私達の体は元気であると体温は温かくて動きも活溌です。そこに介在するのは気血だと考えます。気が体温であり、動く原動力であり、血が気を運んできます。胃気虚寒証は胃に気血がなくて冷えてる状態をイメージしてください。胃気が減少する原因は暴飲暴食や疲労、ストレスなどがあります。慢性化しやすいです。主症状は、空腹時に胃かん痛が起こりやすい・食事をすると痛みが軽減する・喜按・喜温・・・つまり、胃痛がメインってことです。・空腹時に胃かん痛が起こりやすく、食事をすると痛みが軽減する食事をすると気血が集まるので痛みが楽になります。喜按も同様。虚証の痛みの特徴です。喜...臓腑弁証49:胃気虚寒証

  • しばらくお休みします。

    毎回、アクセスしてくださり、ありがとうございます。こちらの事情でしばらくお休みさせていただきます。再開はめどが立ちませんが・・・6月くらいには。申し訳ありません。しばらくお休みします。

  • 臓腑弁証48:外寒犯胃証

    今日から胃のお話です。胃の機能は受納と和降(降濁)。飲食物を受け容れて下へ下へと降ろすのことです。つまり、胃の機能が失調すると上部消化管から下部消化管へ運べなくなります。外寒犯胃証は「外からの寒邪が胃を犯す」証です。普通、外邪は皮膚表面を最初に犯します。そのため悪寒・発熱などが起きる、いわゆる表証です。外寒犯胃証は直接胃に外寒邪が入ります。なので、表証は通常出ません。急激な外からの寒さ以外に、冷たい物の食べ過ぎも寒邪となります。主症状は、胃かん部の冷痛と嘔吐が突然出現する・胃かん部の冷痛寒邪が入って胃を凝滞させるために起こります。冷痛なので、温めると少し楽になります。・嘔吐胃の受納と和降機能が失調して、上へと逆流して起こります。同じ理由で便秘になったり、飲食物が胃に停滞するとそれ以上食べたくなくなります。・突然...臓腑弁証48:外寒犯胃証

  • 臓腑弁証47:脾湿肝欝証

    脾湿肝欝証、聞き慣れない証です。(私だけ?)肝と脾はどちらも中焦に属してお互いに影響しやすい。木克土の関係でもありますね。昨日の肝気犯脾証は肝気の鬱滞が原因。今日の脾湿肝欝証は脾湿が原因で肝欝が起こっています。実際には肝欝と脾虚湿困の両方の症状が見えて、どっちが先とはいいにくい状態になってるでしょう。脾湿肝欝証は「脾には湿、肝は鬱滞、お互いに悪影響を及ぼしてますます悪くなる」動きをしています。・脾虚は気血を作れなくなる。→肝の動きも悪くなる。・湿は気の流れを停滞させる。→肝欝になる。・肝欝は肝の疏泄を邪魔して運化機能がうまくいかなくなる。→また湿が溜まる。・湿はさらに脾を傷める。→悪循環主症状は、胸脇・かん腹部の脹満や隠痛・情緒抑鬱・食欲不振・大便溏薄。・胸脇・かん腹部の脹満や隠痛・情緒抑鬱肝欝の症状、所見です...臓腑弁証47:脾湿肝欝証

  • 臓腑弁証46:肝気犯脾証

    現代人はみんな肝欝だ!と言う先生がおられました。そうだと思います。ストレス社会だもん。肝気犯脾証は「肝気が脾を犯す」証です。肝気がお隣に位置する脾や胃に影響を与えることを横逆と言います。今日は「肝気が脾に悪さをしている」動きの話です。大事な仕事の前にお腹が痛くなる、下痢してしまう・・・ってよく聞く話ですよね。これです。主症状は、発作性の腹痛・下痢、発作は情緒の変化と関係がある。・発作性の腹痛・下痢肝は疏泄機能によって脾の運化機能がスムーズに行くようにさせています。それがうまく行かなくなると腹痛や下痢が起こります。腹痛・下痢以外に、胸悶や腹脹、腹鳴、噯気などの消化管症状が出るのも同様です。・発作は情緒の変化と関係がある緊張などの情緒ストレスによって肝の疏泄機能が失調するからです。「緊張」→「肝欝」→「犯脾」の流れ...臓腑弁証46:肝気犯脾証

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