◇ 15年間で静岡県に匹敵する人口が消えた = 総務省は先週12日、23年10月1日時点の人口推計を発表した。それによると、総人口は1億2435万2000人で前年より59万5000人減少した。減少は13年連続。このうち日本人だけをみると、総人口は1億2119万3000人で前年比83万7000人の減少。外国人は315万9000人で24万3000人の増加だった。総人口のピークは08年の1億2808万人だったから、それから15年間で373万人も減ったことになる。都道府県...
経済問題の分析、解説。特に政府の政策に対する批判。いくつかの大学で教科書代わりに利用されています。
最近の例では、1000円高速料金やエコポイントへの批判。景気回復の芽をいち早く探し出しています。またアメリカのGMやクライスラーが破産法の申請しか可能性がないことも、数か月前から予想しています。 原則として祝日以外は、記事を更新。株価の上昇、下落も毎日予想しています。これまで3年間の騰落予想では、勝率が約7割。証券マンの読者も少なくありません。
「ブログリーダー」を活用して、経済なんでも研究会さんをフォローしませんか?
◇ 15年間で静岡県に匹敵する人口が消えた = 総務省は先週12日、23年10月1日時点の人口推計を発表した。それによると、総人口は1億2435万2000人で前年より59万5000人減少した。減少は13年連続。このうち日本人だけをみると、総人口は1億2119万3000人で前年比83万7000人の減少。外国人は315万9000人で24万3000人の増加だった。総人口のピークは08年の1億2808万人だったから、それから15年間で373万人も減ったことになる。都道府県...
◇ ドル高はG20会議でも主要な議題に = 円の対ドル相場は154円台にまで下落した。アメリカで3月の物価上昇率が拡大、FRBによる利下げが遠のいたという観測が強まって金利水準が上昇。日米間の金利差が拡大したためである。だが実に34年ぶりの安さになったのに、政府・日銀は介入しなかった。なぜ介入しなかったのか。相場がどこまで下落したら介入するのか。市場では疑問と思惑が渦巻いている。先週は日米首脳会談のため、岸田首...
◇ アメリカのインフレが再燃? = ダウ平均は先週921ドルの大幅な値下がり。5日間の続落で、終り値は3万8000ドルを割り込んだ。3万7000ドル台は1月24日以来のこと。原因は3月の物価が反転上昇したことにある。消費者物価は前年比3.5%の上昇で2月の3.2%を上回り、生産者物価も2.1%の上昇で2月の1.6%を上回った。これでFRBによる利下げは遠のいたという観測が強まり、金利が上昇、株価は下落した。中東情勢の悪化も、株価を下...
◇ とても単純な誤りとは思えない = 3月29日。こども家庭庁が少子化対策の財源にする支援金について、1人当たりの負担額を試算し公表した。それによると、大企業の社員は月額500円、中小企業の社員は月額450円、公務員は600円。また自営業者は400円、後期高齢者は350円、低所得者は50円となっている。国民1人当たりの負担額は月450円。さらに賃上げが進めば「国民の負担は実質的にゼロになる」と、岸田首相が得々として解説した...
◇ 日本は円安で値上がりがさらに増幅 = 金価格を押し上げる経済的な要因は数多いが、最も大きいのはインフレだろう。物価が上がれば、通貨の価値は下がる。その損失を避けるために、インフレで価値が上がる金を買う。歴史的にみても、インフレ時には金が買われた。また株価が下がると、金が上がることも多い。投資資金を一時的に安全資産に移すためである。さらに財政状態の悪化でも、金が買われる。国債価格の下落による損失を...
◇ 政治・経済の複合要因で最高値を更新中 = 金(きん)の価格が高騰している。ニューヨーク商品取引所の先物価格は9日、1トロイオンス=2384.5ドルに上昇。8日間連続で、史上最高値を更新した。ことしに入ってからの上げ幅は約15%に達している。ロンドン市場の現物取り引きでも最高値を更新。東京の小売り価格も、1グラム=1万2622円の最高値を記録した。当面の価格上昇について、市場では「FRBが利下げすれば、利子を産まない...
◇ 日本への影響も大きい原油価格の上昇 = 原油の国際価格が、また上昇している。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は先週87ドル台に上昇、北海ブレンドも90ドル台に乗せた。上昇のきっかけは、イスラエルがシリア首都ダマスカスのイラン大使館周辺をミサイル攻撃したこと。中東情勢の緊迫感が強まり、原油供給への不安が高まった。この原油価格の上昇で、アメリカではインフレ再燃論が拡大。金利が上昇、株価...
◇ 「年内の利下げナシ」の発言も飛び出す = ダウ平均は先週903ドルの大幅な値下がり。終り値は3万9000ドルを割り込んだ。景気が堅調なことを示す指標が続出、そこへ原油価格の急騰が加わった。このためインフレ再燃への警戒が強まって、長期金利が上昇。さらにパウエルFRB議長が「利下げを急ぐ必要はない」と発言。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「年内は利下げを見送る可能性がある」とまで言及した。株価は上がりようが...
◇ 長くなった子どものネット利用時間を黙認? = 高校生はインターネットを利用している時間が1日平均で6時間14分、前年より31分延びた。6-9歳の小学校低学年でも2時間17分、スマホなどを見ている。さらに10歳の65%が、自分のスマホを持っている。こども家庭庁が、こんな23年度の調査結果を発表した。--日経新聞が1日の夕刊で、こう報道した。(不思議なことに、こども家庭庁のホームページをみても、この調査は載っていない...
◇ 日銀はETFの購入を止めただけ = FRBは国債と住宅ローン担保証券を売買することで、量的な金融操作を実施した。これに対して日銀は、国債とETF(上場投資信託)を売買している。ETFというのは株式の集合体だから、中央銀行が株式を売買することになってしまう。このため先進国の中央銀行が、ETFを金融操作のために売買することはない。しかし日銀は株価を下支えすることが重要だと考えて、一種の禁じ手を使用した。日銀は17-2...
◇ 利上げでも株価が下がらない根本的な原因 = FRBも日銀も、いま金融を引き締めている。しかしニューヨーク市場でも東京市場でも、株価は下がらない。下がらないどころか、史上最高値の更新を続けている。経済学の教科書には「金融が引き締まると、株価は下落する」と書いてある。でも、どうして下落しないのか。答えは「まだカネ余りの状態が続いているから」だ。まずはニューヨーク市場の状態から、検証してみよう。FRB...
◇ 業況判断の低下は一時的だが = 日銀は1日、3月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、最も注目される大企業・製造業の業況判断指数はプラス11で、前回調査よりも2ポイント低下した。低下は4四半期ぶり。中小企業・製造業の指数もマイナス1で、前回より3ポイント悪化している。最大の原因はダイハツ工業の認証不正事件で、自動車の生産台数が減少したこと。自動車産業だけではなく、鉄鋼などの周辺産業にも悪影響を...
◇ ダウとSP500がまたまた最高値 = ダウ平均は先週331ドルの値上がり。終り値は3万9807ドルで、またまた史上最高値を更新した。SP500も新高値を記録している。景気動向が堅調な一方で、FRBは年内3回の利下げを断念していない。市場はこの状態を好感、幅広い分野に買いを入れている。ダウ平均は1-3月期に2117ドル、率にすると5.6%の上昇だった。日経平均は先週519円の値下がり。ただ終り値は4万円台を維持している。前週に20...
◇ 消費者庁は手ぬる過ぎる = 悪質な誇大広告が、テレビやSNSで野放しになっている。全く効果がないのに、飲むだけで痩せるとか、病気が治るとか。こういう広告がよく使う表現が「何万個売れた」とか「業界一の売り上げ」とか。消費者庁ではこうした事例を規制するために、景品表示法を改正。悪質な事例に対しては、罰則を強化する方針だ。しかし摘発には時間と人手がかかるため、措置命令を出す件数はごく僅か。実効はきわめて...
◇ 岸田内閣はバラマキ依存症 = ガソリン補助金は延長せず、代わりにトリガー条項の凍結を解除したらどうか。トリガー条項というのは、ガソリン価格が高騰した場合に、ガソリン税の暫定上乗せ分の約25%分を免除できる仕組み。現在は東日本大震災の復興財源とするため凍結されている。国民民主党がこの方式を強く主張、予算の成立に協力までして自民党に迫ったが、結局は“裏ガネ問題”で霧消してしまった。この交渉の自民党の責任...
◇ 予算規模は防衛費並みに膨張 = 岸田首相は先週の参院予算委員会で、ガソリンに対する補助金について「国民経済や経済活動への影響を考慮して、検討して行くことが重要だ」と述べ、4月末で終了する予定の補助金政策を延長することに前向きな姿勢をみせた。この制度で、たしかにガソリンの小売り価格は1リットル=175円程度に抑えられている。しかし反対論も多いなかで、補助金はまたしても延長されることになりそうだ。ガソリ...
◇ 早ければ4月にも円高へ向かう可能性 = 日銀がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。一方、FRBは金利を据え置いたから、日米間の金利差はわずかに縮小。したがって理論的には、円高が進むはずだった。ところが実際は円安が進行。円の対ドル相場は151円台にまで下落している。株式市場はこれを好感して日経平均は先週、史上最高値を更新した。この円安は、いつまで続くのだろうか。アメリカのインフレは予...
◇ 日米市場で最高値更新ラッシュ = ダウ平均は先週761ドルの値上がり。水曜日と木曜日には、ダウ・ナスダック・SP500の3指数がそろって史上最高値を更新という素晴らしい記録を作っている。FRBが政策金利を据え置き、さらに年内3回の利下げ可能性を維持したことを好感した。ニューヨーク市場では「当面の懸案事項はすべて消滅した」という感じが広まっている。高値警戒感はあるが、4万ドルを狙う勢いは衰えていない。日経...
◇ 香港・シンガポール・韓国に及ばず = UNDP(国連開発計画機関)が、各国の‟豊かさ”を測る24年度版「人間開発指数」の世界ランキングを発表した。それによると、日本は2年前よりも2つ順位を下げて24位となった。1位はスイス、次いでノルウェー、アイスランド、香港、デンマークが続いている。アジアでは香港のほかシンガポールが9位、韓国が19位となっており、日本はアジアで4番目にランク付けされた。この「人間開発指...
◇ 90ドル台が続けば影響が大きい = 北半球はこれから行楽シーズン入り、ガソリンの消費が増える。このため専門家の間では「原油の国際価格は90ドル台に乗せるかもしれない」という見方が強い。仮に90ドル台になると、直近の安値60ドル台に比べて5割高。その日本経済に与える影響は、決して無視できない。電気やガス代、それにガソリン価格が急騰。物価の上昇は加速する。日銀はマイナス金利政策を解除、17年ぶりの利上げに踏...
◇ コロナが変えた働く意識 = いま「人手が足りなーい」と大騒ぎをしているのは、飲食や宿泊サービス業界だ。経済の正常化で外出や旅行が盛んになり、外国人旅行客も戻ってきた。ところがコロナ時に減らした従業員が、なかなか復帰してこない。若い人たちが接客業を敬遠する一方で、製造業や金融業からの転職も難しい。コロナによって、働く人の意識が変わった面も見逃せない。在宅勤務に慣れた人のなかには、通勤電車に乗ること...
◇ 生産年齢人口が12年連続で減少 = 総務省は先週12日、22年10月1日時点の人口推計を発表した。それによると、総人口は1億2494万7000人で、前年より55万6000人減少した。東京都を除く46道府県のすべてで減少している。このうち日本人は1億2203万1000人で75万人の減少。外国人は291万6000人で19万4000人の増加だった。出生児数は79万9000人、死亡者数は153万人で、差し引き73万1000人が自然減少ということになる。また生産年齢人...
◇ 好材料が重なって活気づいた市場 = ダウ平均は先週401ドルの値上がり。4週連続の上昇で、一時は3万4000ドルを覗いた。好材料が重なったことで、買いに勢いが付いている。その好材料は、まず金融不安が遠のいたこと。また物価上昇が鈍化したこと。さらに雇用の状態が良くも悪くもなく、FRBの引き締め政策にも景気の見通しにも影響しなかったこと・・・。日経平均は先週975円の値上がり。先々週末から6連騰となった。終り値は2...
◇ コロナの即時データがなくなる = コロナのパンデミック(世界的大流行)状態を示す毎日の感染者数と死亡者数は、米メリーランド州のジョンズ・ホプキンズ大学が当初から集計して公表してきた。ところが、この作業は3月末で停止。理由は多くの国が毎日の集計を止めてしまったからである。WHO(世界保健機関)も最初に中国が公表を停止したときには批判したが、今回は沈黙。今後は即時データがないまま、手さぐりでコロナ・ウイ...
◇ 日本は魅力の少ない国になっている = 政府の有識者会議は10日、技能実習制度の廃止を提案する中間報告書をまとめた。途上国への技術移転という本来の目的と実態とが、乖離してしまったからだという。実態は労働者不足を補うための補完的労働者に。管理も十分でなく、給料の不払いや酷使、暴力行為もしばしば問題となっている。現在の人数は約34万人。21年には約7000人が失踪した。こうした問題は早くから指摘されていた。だか...
◇ 責任の所在を明確にせよ = 原子力規制委員会は5日、日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)について「安全審査を中断する」と発表した。理由は日本原電が提出した資料に「多数の記載ミスが発見されたため」だという。規制委員会は、提出された書類の一部を8月末までに修正するよう行政指導した。この結果、安全審査はさらに長引き、敦賀原発2号機の再稼働は遠のくことになった。敦賀原発2号機の安全審査は、原子炉建屋の直...
◇ なぜ、いまは利上げ出来ないのか? = 経済学者の植田和男氏が、第32代の日銀総裁に就任した。10日夜の初めての記者会見では「現在の大規模緩和政策は継続することが適当」「その副作用については、適当なタイミングで正常化へ」などと発言。サプライズもなく、まずは無難な船出だった。これを好感して11日の株価は上昇、為替は円安の方向に動いている。副作用が最も大きいのは、長期金利を0.5%以下に抑え付けるイールドカー...
◇ グッド・フライデーのいたずら = 先週のダウ平均は211ドルの上昇。しかし水曜日は80ドル、木曜日は3ドルの値上がりにとどまった。これは金曜日に、3月の雇用統計が発表されるため。加えてこの日、株式市場はグッド・フライデーでお休み。どうなるか見当が付かないので売りと買いが拮抗、出来高も目立って縮小した。グッド・フライデーはキリスト教の祝日。だが一般人は休まない。だから官公庁は普段通りで、雇用統計も発表さ...
◇ 金融不安の後遺症に注目 = ダウ平均は先週211ドルの値上がり。3週連続の上昇で、この間の上げ幅は1600ドルを超えた。失業保険の申請件数が増えたり、景況感指数の低下にもかかわらず、株価は堅調。ただ週の後半は雇用統計の発表を控えて、株価の動きは鈍くなった。日経平均は先週523円の値下がり。終り値はまたまた2万8000円を割り込んだ。週初は日銀短観が業況感の低下を伝えたが、株価は上昇。しかし、その後はアメリカ景気...
◇ アメリカの中東に対する影響力が低下 = 世界各国間の政治・経済的な力学が大きく変動したきっかけは、アメリカがシェール石油の増産に成功したことだ。これでアメリカは石油の純輸出国となり、中東産原油に頼る必要がなくなった。産油国側にとっても、アメリカは‟上客”ではなくなった。こうした間隙を突いて、中国がサウジアラビアとイランの関係を修復。この結果、サウジアラビアはロシアとの関係を深めることになった。OPEC...
◇ 電気値上げ圧縮は空振りか? = 大手電力6社は、家庭向け規制料金の値上げ幅を圧縮して再申請した。経済産業省の要請に従い、原油や天然ガスの輸入価格が低下した昨年11月-本年1月を積算の根拠とすることで圧縮が可能となった。たとえば東京電力の場合、当初は29.3%の値上げを申請していたが、再申請では17.1%に縮小されている。経産省は値上げ申請のあった北海道・東北・東京・北陸・中国・四国・沖縄の7社に圧縮を要請し...
◇ 大きすぎる仕事量をこなせるのか = こども家庭庁が発足した。内閣府・文部科学省・厚生労働省に分かれていた子ども関連の部署を一本化し、タテ割りを廃して子ども問題の司令塔とすることが目的。だが職員は総勢430人で、官庁としてはかなり小ぶり。ところが今年度の予算は、4兆8000億円ときわめて大きい。このことは職員1人当たりの仕事量が、非常に多いことを暗示しているようだ。最初の仕事は、政府が3月末に公表した「少子...
◇ 景気後退は敵か味方か = シリコン・バレー銀行の倒産に端を発した金融不安は、どうやら収束したようだ。このため先週のニューヨーク市場では、株価が大幅高を演じている。だが連鎖倒産などの危険性はなくなったが、その副作用はまだ色濃く残っている。たとえば株式市場では銀行、保険などの金融株が売られたまま。金融機関の企業に対する融資態度も、にわかに厳しさを増した。市場はこの副作用をどう評価するのか。金融不安の...
◇ 23年度の純利益は3.8%の減少へ = 日銀は3日、3月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス1で、昨年12月調査に比べて6ポイントの悪化だった。業種別では石油・石炭がマイナス46で13ポイントの悪化、電機がプラス3で15ポイントの悪化、自動車がマイナス9で5ポイントの改善などとなっている。悪化の原因は原材料・エネルギー価格の高騰、欧米諸国の金融引き締め。自動車は部品...
◇ 金融不安の減退で活気づいた株式市場 = ダウ平均は先週1037ドルの大幅な値上がり。昨年11月上旬以来の週間上げ幅となった。終り値は3万3000ドルを回復、金融不安による落ち込み分をほぼ取り戻している。特に大きな上げ材料はなかったが、シリコン・バレー銀行の倒産から3週間たって金融不安がほぼ解消したことが心理的な支えになった。日経平均は先週656円の値上がり。終り値は2万8000円台を回復した。こちらも金融不安の減退...
◇ 政府はこの1年間なにをやったのか? = 日経新聞は29日の夕刊(東京版)で「電力需給、今夏も逼迫」と報じた。経済産業省がこの夏の電力予備率を予測したところ、東京電力管内では「7月が3.0%、8月が3.9%」になる見通し。電力の安定供給には3%の予備率が必要な最低限度。また政府は予備率が5%を下回ると「電力需給逼迫注意報」を出すことにしている。したがって、この数値は完全な危険水域だと言える。予備率というのは、...
◇ 財政状態は悪化するばかり = 一般会計の総額が114兆3812億円。この巨大な23年度予算案が28日、国会を通過し成立した。22年度の当初予算と比べて6兆7849億円の増加。11年連続で過去最大を更新した。税や税外収入ではとても賄い切れず、今回もまた国債を35兆6000億円発行して資金を調達することになった。この結果、日本の財政状態はいっそう悪化する。少子高齢化の進行で自然に増加する社会保障費は36兆8000億円。また国債費も...
◇ 補助金は持続不可能性 = 総務省が発表した2月の消費者物価は、生鮮食品を除いた総合指数で前年比3.1%の上昇だった。この上昇率は1月の4.2%から大きく縮小しており、インフレの鈍化を歓迎する論評も少なくない。ただ、これは政府が2月徴収分から実施した電気・都市ガス代の補助金による効果。むしろ生鮮食品とエネルギーを除いた総合指数は3.5%の上昇で、1月の3.2%より上げ幅を拡大している。政府の補助金は電気と都市ガス...
◇ 景気後退の可能性が強まる = 政策金利が5%にまで上昇したことで、景気に対する抑制効果はかなり大きくなったと考えられる。さらに金融不安が解消されず、金融機関の貸し出し態度も厳しくなるに違いない。その結果、アメリカ経済が景気後退に陥る可能性は、いちだんと大きくなった。たとえばバンク・オブ・アメリカが機関投資家を対象に実施した調査では「スタグフレーションに突入する」とみる回答が88%にものぼった。金融...
◇ 利上げの一方で量的緩和 = FRBは先週22日、政策金利の0.25%引き上げを決定。これで政策金利は5.0%、15年半ぶりの高さに上昇した。金融不安よりもインフレ抑制を優先する姿勢を鮮明にしたことになる。声明文では前回の「継続的な引き上げが適切」という一文が削除されたことから株価は上昇したが、あとの記者会見でパウエル議長が「年内の利下げはない」と言明したため、結局は530ドルの大幅な値下がりに終わった。ところが2...