ジャックと豆の木

昔々、ジャックという男の子が、お母さんと一緒に暮らしていました。ジャックは毎朝、飼っている牛のミルクを絞り、それを町で売って生計を立てていました。しかしその牛は、かなりの老牛だったので、とうとうミルクを出さなくなってしまいました。「田中ヨシタケの牧場から

金太郎

昔々、足柄山の山奥に、金太郎という男の子がいました。誰が名づけたのかはわかりませんが、いつの間にやらそう呼ばれていたのです。彼は、山中一人でサバイバル生活を送っています。だから、友人はいません。仮にいるとするならば、それは山の動物達です。しかし、野生を従

赤頭巾

昔々あるところに、女の子がいました。その女の子は、いつも赤いきれで作った頭巾をかぶっていたので、皆は「赤ずきん」と呼んでいました。ある日、お母さんは赤頭巾を呼んで言いました。「おばあさんが、病気になってしまったのよ。だから、お見舞いに行ってきなさい。きっ

浦島太郎

ある海辺の村に、浦島太郎という者が住んでいました。ある日浦島太郎は、浜辺で数人の若者に取り囲まれ、亀甲縛りにされてしまいました。そして若者達は、おもむろに浦島の褌を剥ぎ取ると、中から現れた亀を虐めはじめたのです。寄ってたかって弄られる感覚に、最初は抵抗し

ガリバー旅行記

ガリバーという若者のお話です。ガリバーは旅が大好きで、船乗りになりました。なぜなら、船乗りになれば、船で色々な国へと旅する事が出来るからです。でも、単なる下っ端水夫であるガリバーに、渡航先で楽しむ余裕なんてありはしません。朝から朝まで、1日24時間、劣悪

一寸法師

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。二人には子供がいなかったので、毎日毎日、神様にお願いしていました。「どうか神様、小さくてももけっこうです。御願いですから、授けてください」するとある日、本当におばあさんが妊娠しました。そして10月10

青い鳥

昔々、あるところに、貧しい小さな二人の兄妹がいました。兄をチルチル、妹をミチルと言います。あるクリスマス・イブの夜・・・・・・・。深夜、二人が寝入っていると、どこからともなく、枕元に魔法使いのおばあさんが現れて言いました。「わしの孫が、病気なんだよぉ。で

花咲か爺さん

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は子どもがいなかったので、代わりに犬を飼っていました。名をシロと言います。ある日、シロが畑で吠えました。前足で地面をほじくるとワンワンワンワンと喧しく吠えるのです。「ここを掘れと言っているのか

オオカミと7匹の子ヤギ

昔々、あるところに、母ヤギと、七匹の子ヤギたちが住んでいました。ある日、母ヤギが言いました。「お前達、お母さんは用事で出かけるから、ちゃんと留守番をしているのですよ。それから、最近はオオカミが出るから、用心するんですよ」「お母さん、オオカミって、こわいの

かちかち山

昔々、おじいさんの家の裏山に、一匹のタヌキが住んでいました。タヌキは相当に悪いタヌキで、おじいさんが畑で働いていると、「やーい、ヨボヨボじじい。ヨボヨボじじい」と、悪口を言っては糞尿を撒き散らしたり、夜間に畑からイモを盗んで行ったりしていました。そんな悪

桃太郎

昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日おじいさんは山へ芝を刈りに出かけましたが、それっきり帰って来ませんでした。村では神隠しと騒がれましたが、それは女癖の悪いおじいさんに対する、おばあさんの復讐だったのです。なんと、山中で撲殺

金のオノ 銀のオノ

昔々ある男が、沼のそばで木を切っていました。ところが手が滑って、持っていたオノを川に落としてしまいました。男は「チッ」と舌打ちすると、ズタ袋の中から予備のオノを取り出し、再び木を切り始めました。すると、沼の中から神様が出てきて、ぴかぴかに光る金のオノを見

ツルの恩返し

昔々、ある所に、貧しいおじいさんとおばあさんがいました。ある冬の日、おじいさんは町へ薪を売りに出かけました。すると途中の田んぼの中で、一羽のツルが罠にかかってもがいていたのです。「おお、晩ご飯のオカズにもってこいだ」おじいさんは、生唾を飲み込みながら、