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  • 「金子みすゞ再発見」堀切実・木原豊美

    著者の一人である堀切先生から贈呈されて、拝読した。堀切先生は早稲田大学の名誉教授である。小生は迂闊にもご尊名を存じ上げなかったが、先生のご論考「金子みすゞの色彩表現」の中で拙著「詩論 金子みすゞーその視点の謎」を引用していただき、みすゞの詩「八百屋のお鳩」「海の色」「暗夜」「私と小鳥と鈴と」について、小生の論考について言及していただいた。特に「暗夜」については、小生の論考を「注目すべき解釈」と評...

  • 短編小説「手合(てごう)」原稿用紙換算24枚

    「こちらは江田島警察署ですが」その電話は師走も半ばを過ぎ、そろそろおせち料理の買い出しに行こうかと考えていた日曜日の昼下がりにかかってきた。江田島には六十九歳になる父が一人で住んでいる。父に何かあったんだ。私は思わず受話器を握りしめた。 電話の奥のくぐもった声は私の名前を確認したあと、さらにたずねた。「里村雄三さんの娘さんですね」「はい、そうですけど、父に何か……」 父の名を告げられたことで、私の胸...

  • 「苦役列車」西村賢太☆☆☆☆

    「そろそろ風俗に行こうかと思っていたら、芥川賞受賞の電話が来た」という何とも人を食った受賞の弁で世間を沸かせた(?)西村氏の受賞作である。西村氏のウリは中卒、そして父親が性犯罪の加害者として服役したことらしい。さてこの作品だが、帯に「平成の私小説家、ついに誕生」とあるが、主人公の名か「北町貫多」である。著者のペンネームをもじったことは一目瞭然であり、中卒で現場作業員をしているところなんぞが「私小説...

  • 花粉症に苦しむ

    花粉症に苦しむ人を見て、自分は九州生まれの田舎者だから、スギの花粉なんぞにアレルギー症状を起こすはずなんぞ、断じてないという妙な自信があった。しかし、突然、今年、花粉症になってしまった。鼻はむずがゆく、鼻水がダラダラ出て、鼻ばかりかんでいる。熱はなく、くしゃみも出ないので、風邪ではないのは間違いないのだが、どうしても「花粉症になった」と認めたくないので、病院に行かず、鼻スプレーだけで治そうとして...

  • 早く起きてもすることがない

    最近、歳のせいか5時半とか6時に目が覚める。そんなに早く起きる必要はないので、それからまた眠ろうとするのだが、なかなか眠れず、結局あれこれ考え事をしながら7時前には起床する。それから新聞を読んだり、テレビを観たりして時間をつぶすのだが、朝から疲れが残っていて、なかなか爽快な朝を迎えられない。せっかく早く起きたのだから、散歩でもすればいいと思うが、そんな習慣はないので、朝食を食べたらもうすることが...

  • 式を長く書ける子は算数が伸びる

    問題1)1冊120円のノートを3冊、70円の消しゴムを2個買って、1000円札1枚を出しました。消費税は5%です。おつりはいくらですか。 このような問題を1000-{(120x3+70X2)X1.05}=と、式を一発で書いて解く小学生はまず「できる」と考えて間違いない。多くの生徒が120x3=360、70X2=140 360+140=500、1000-500=500を計算し、これに消費税を加えて5...

  • 吉野弘の詩は疑問から始まる

    吉野弘が亡くなった。吉野弘という詩人の名を聞いて新聞記者が思い出すのは「お互いが少し愚かなほうがいい」というフレーズが有名な「祝婚歌」らしく、この詩が結婚式のスピーチで紹介されることが多いと天声人語は伝えていた。たしかにに「祝婚歌」や「酸っぱい苦労がふえた」という一節が印象的な「奈々子へ」も悪くはないが、彼の魅力はそれだけにはとどまらないと考える。電車で席を老人に譲れなかった少女の詩「夕焼け」や...

  • 「赤ヘル1975」重松清 ☆☆☆☆

    1975年というより、昭和五十年と元号で呼んだほうが私にはしっくりくるのだが、カープの奇跡の初優勝の軌跡(韻を踏んでみました)を縦軸に、転校生マナブ・野球少年のヤス・漢字が苦手なユキオの三人の中学一年生の友情を横軸に展開する物語である。主人公はマナブだから、「よそモン」を自覚するマナブの視点で物語は進むが、昭和五十年当時の広島の雰囲気がよく描かれ、「原爆文学」としても一級の作品だと感じた。 しか...

  • 大晦日を迎えて

    歳月人を待たずというが、歳を取れば取るほど、月日の経つのが早く感じる。いろいろあった一年だが、何もできず無為に過ごした一年のようにも感じる。来年はもっと充実した一年を過ごしたいと思うのだが、果たしてどんな年になるやら見当がつかない。とりあえず今年は病気らしい病気をしなかっただけでもよしとしよう。ただ年の暮に腰を痛めて、いまも脚にしびれが残っているが。...

  • 「何者」朝井リョウ ☆☆☆

    就活生の日常を書いた小説だが、この本を読んで、SNSに毒されている最近の学生が可哀想に思えてならなかった。私はブログこそやるものの、FACEBOOKもtwitterもやらない。やらなくてよかったとつくづく感じた。友だちの輪を広げるためなのか、さびしくてなのかは知らないが、「建前」として日常の雑事を細々と書き、そして本来ならば日記かノートにでも書きなぐっておけばよいものを、おそらくは「お前は特別な人間だ...

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