華奢の……

華奢の……

砂浜に打ち捨てられたガラスの破片、ふと目について気まぐれに拾い上げる誰か、わずかに残る色味と覚束ない光の反射、磨り減った感触を確かめると、ポケットに納められることもなくそれは再び波打ち際で忘れ去られる。そんな物語でいいのだ。こちらはほとんど立ち寄ることなく廃墟と化しています。近頃はもっぱらあちらにいます。蛹子華奢の……