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オリジBL。親の借金のカタにヤクザの所有物になったイツキの、ハランバン☆ジョー物語。一応、純愛。

白黒ぼたん
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2009/03/19

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  • 可哀想な関くん

    茗荷谷と酒を飲んだ翌朝、関の体調は最悪に近いものだった。 二日酔いになる程、飲みすぎた訳ではない。 ただ少し、ペースが早かったのかも知れない。 バックヤードで見かけた面白い男子店員の事を茗荷谷に話してからは 妙に、テンションも高く、落ち着かないところもあった。 それでも帰り道ではまだ、頭ははっきりとしていた。 一人暮らしのアパートに帰る途中に、…

  • 無意識のアレ

    『……大丈夫?…今、カート動かすから、足、…抜ける?』 『…あ、はい。……大丈夫です……、…あ、……っと…』 車輪のストッパーを外し、関がゆっくりとカートを動かす。 イツキは挟まった足を引き抜き、体勢を整えようとして……そのまま後にひっくり返りそうになる。 咄嗟に、関がそれを支える。 最低限の灯りしか付いていないバックヤード。 薄暗がりの中…

  • 違う感想

    「…ハーバルの男子店員…、……ああ、顔は知っています…」 「その子がね……ははは、……俺、最後の荷物の点検にバックヤードに行ったんですけど…」 思いがけず、イツキの話題になり、茗荷谷は軽く驚く。 勿論そんな素振りは見せずに、冷静に話を聞く。関は笑いながら、話を続ける。 「奥の棚でガサガサやってるから、何かなって思って見たんすけど その子が、…

  • 思い出し笑い

    「遅くなりました、マネージャー。お疲れさまです」 「ああ、お疲れさま、関くん。先に始めちゃってるよ」 百貨店近くの気軽な居酒屋で酒を飲んでいたのは、茗荷谷。 遅れてやって来たのは関と言う、以前、茗荷谷と同じ部署で働いていた若い男。 関は今は荷物の搬入を管理する部署にいるのだが、先日、違法駐車の車の件で顔を合わせ、久しぶりに酒でも飲もうという話にな…

  • ツイスターゲーム

    さて 作業はどうにか終わり、イツキとミカは後片付けをして解散する。 イツキは最後に、資材の入った段ボールを、バックヤードに片付けに行く。 箱はそう重たくは無いが、両手で抱えるほどの大きさ。 イツキは足元に注意しながら廊下を進み、その場所に辿り着くのだが… ハーバルが使える資材置き場の前に、他のテナントの商品が積まれたカートが置かれ どうにも、困って…

  • ミカ姐さん

    「イツキくん。話し、聞くよ? 当事者同士でぐるぐるしてると、オカシイ事があっても、気付かないんだよ。 あたしじゃ不安だったら、ちゃんとした相談の窓口とかあるよ? DV被害者のシェルターとかさ…」 閉店後。従業員用のスペースでノベルティの袋詰め作業をしていたイツキに、ミカが言う。 小さな石鹸を箱詰めし、しおり型のサシェとリーフレットと一緒にビニール…

  • 静かな夜

    おそらく、真夜中。 巣箱で寝ていたイツキは喉の渇きで目を覚まし、キッチンへ向かうと リビングに小さな明かり。 「………あ。マサヤ。おかえり」 「…………ああ」 ガラスシェードの卓上ランプ。淡い光が、ソファに座る黒川を照らす。 テーブルにはワインボトルと、イツキが買って来たラザニアの皿があった。 黒川は、ちょいちょい、とイツキを手招きする。 イ…

  • ラザニア

    黒川は元々、他人と深く関わるタイプの男ではない。 苦手なのか、そういう感覚が無いのか、薄情なのか、……未だ、その対象となる人間に出会っていないだけなのか。 こんな性格は黒川の仕事には、大いに役に立つものだった。 情を挟まず、ビジネスの損得だけで動くことが出来る。 そのやり方で今まで困った事はないし、この先も別に、困ることは無いだろう。 ただ、イ…

  • 幕間・2

    「また、イツキくんと何か、…ありましたか?」 事務所で。 今度は一ノ宮と黒川の二人。 仕事の手が一段落したところで、一ノ宮が、お茶のついでに尋ねる。 黒川は熱い緑茶を啜り、どれの事だろうかと考える。 一ノ宮が「また」と言う程だ。思い当たる節は多い。 「………さあな。……何だ?イツキが泣き言でも吐いたのか?」 「あなたと、お別れしような、と」 …

  • 幕間

    酷く乱暴に扱った、その後は しばらくは、大人しく、優しい。 その繰り返しに、慣れてしまった。 『暴力男とは距離を取った方がいい』と ミカに言われたところで 黒川と距離を取ることなど、考えられない。 心も身体もすっかり混ざり、癒着している。 「……もし、俺が、マサヤから離れたい…って言ったら、どうなると思う?」 事務所で。 一ノ宮と二人…

  • 二度見

    仕事を終えたイツキがケータイをチェックすると、黒川から着信が入っていた。 イツキは、仕事中は電話には出ない。売り場には持って来ているが、見ている暇がないし 見ることも忘れてしまう。 本当に緊急の場合は、売り場の直通電話に連絡をして欲しいと言っているが まあ、黒川がそんな場所に電話を掛けて来ることは無いだろう。 着信は、2時間ほど前。 何か用事でもある…

  • 別れのワルツ

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  • ダニー、再び

    「…すみません、茗荷谷マネージャー。…ウチの主任、今日は他所に行ってて…」 「構いませんよ。まだ実害はないのでしょう?…どの車ですか?」 「あの、角の、黒い…。…2、3時間前から停まっていて…」 茗荷谷が搬入口で届いた商品のチェックをしていると、以前、同じ部署にいた顔なじみのスタッフが助けを求めて来た。 建物の、駐停車禁止のエリアに、車がずっと停め…

  • まあ、確かに

    「…喧嘩じゃないんだよね…。一方的過ぎて、喧嘩ですらないって感じ… 言われた通りにちゃんとしてても、急に怒られたりして。……よく解らない。 それでも前よりはマシなんだけどさ。……その、扱い的に…、かなり良くはなって… 何でもない時は、穏やかだったりもするんだけど……。でも酷いときは酷くて…… 昨日は俺、ちょっと………、………」 客のいない昼下がり。 …

  • 女のカン

    翌日昼過ぎ。 黒川が目を覚ました頃には、すでにイツキは仕事に出た後で いつも恩着せがましくキッチンに置いてある、破れた目玉焼きも焦げたベーコンも、何も無かった。 「……ふん」 と、黒川は鼻息を鳴らし、水を一杯飲む。 別に、目玉焼きが食べたかった訳ではない。 夕べ、ホテルから戻ってくるとすぐ、イツキは自分の「巣箱」に籠り出て来なかった。 ……

  • いじめっ子

    食事会の後に黒川は「……飲み直す」などと言って、イツキと一緒に事務所の近くの焼き鳥屋に行き 珍しく最初から日本酒を飲み、飲む内に機嫌も良くなり、ほろ酔いで店を出て そのままマンションには帰らずに、裏の路地にある小さな古いラブホテルへとしけ込む。 歩いて数分の場所に自分達の寝床があるのにわざわざ、別の場所に行く時は 大きな声を出したり、…あちこちを…

  • 食事会・終

    「…… 別に俺、何もしてないよ? マサヤに言われた通りにスーツ着て ホテルに来て、ご飯食べただけじゃん…」 何をしても黒川の不興を買うと、イツキは若干むくれ、そっぽを向く。 エレベーターはフロントの階に着き、黒川が降りイツキも後に続く。 黒川は用事があるのか、フロントに行き、何やら話をしている。 イツキは少し離れた所にぽつんと立つ。 …

  • 食事会・7

    「……可愛いコだったね。お前のお気に入りかい?…何も弄っていない男の子だろう?」 楽しい食事会は何事もなく終わる。 この場は、松田が持つようで、丁重な挨拶をして黒川とイツキは先に店を出る。 残った松田親子は最後にと、バーボンのグラスを頼み、夜景を見ながら傾ける。 「…弄って…?……ああ、どこもメスは入れてないんじゃないかな。ホルモン注射…

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