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空を見ていた・・ http://hayato-temari.at.webry.info/

夢なのか本当なのか・・誰にもわからない。。 天国へ行ったハヤト猫が懐かしい人々や動物と出会います。

Rumi
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中野区
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東京都
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2009/03/19

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  • 13.

    「じゃあ、ハヤトちゃん、これからはおばあちゃんと仲良く暮らしましょう。 また後でね。」 そう言って、急いで踊りの稽古に戻った。 おばあちゃんが生前大好きで稽古してた民踊は《南部坂雪の別れ》 これは歌舞伎や講談で有名な忠臣蔵討ち入りにまつわる美談です。 赤穂浪士が、亡き主君浅野内匠頭の仇を討とうとしてるという 噂が世間ではささやかれていたが・・ あす朝、決行という前日の夜、大石内…

  • 12.

    あの娘ったら・・ ただのわがまま娘かと思ってたけど 少しは反省してたのね。 ハヤト猫からママの言付けを聞いたおばあちゃんは言った。 いったい誰に似たのか・・ おじいちゃんは贅沢しない人だし、 私の育て方が間違ってたのかしら。 お嬢様学校で、どうも身分不相応の生活が身についてしまったのね。 私は田舎育ちだから、娘とは気が合わなかったのよ。 でも、ハヤトちゃんにそんなこと言うなんて、少しは…

  • 11.

    極楽で、初めておばあちゃんに抱いてもらって すっかり安らかな気持ちになっていたハヤトは 「お空に行ったら伝えて・・」って 飼い主ママが言った言葉を思い出した。 それは・・ “ ごめんなさい ” と “ ありがとう ” おばあちゃんはね、突然の医療ミスで亡くなったから おじいちゃんもママもとてもショックが大きくて 満足に お別れの挨拶ができなかったのよ。 “ ごめんなさい ” は親不…

  • 10.

    夕方になると、鳩のクーちゃんが戻ってきた。 飼われてるとき、1度も空を飛んだことが無かったので 極楽では毎日思う存分青空を満喫しているのだ。 家では一番強い存在。 まるまる太ったクーちゃんが身の危険を感じることも無く・・ 猫たちが近づこうものなら くちばし攻撃で追い返した。 S家では、猫キックとクーちゃんのくちばし、 どっちが強いんだろうねえ・・と永遠のナゾであった。 挨拶が済んだところ…

  • 9.

    ハヤトは、閻魔大王からの審判を受け、再び極楽へ向かって 歩きだしていた。 六七日(むなのか)忌には弥勒菩薩が現われて、 いつくしみの心を授けられた。 弥勒菩薩は未だ下界には現われてはいない。 5億6700万年もの未来に現世に現れ、人々を救済して下さるという。 (56億7千万年後との説もあるそうだ。) これから5億年もの間に どんな進化がなされるのか。 人間の歴史が続いているのだろうか。 …

  • 8.

    ちび子は野良猫だったので、 時々不安になるらしく、 部屋のあちこちに3匹の子猫をくわえては隠そうとしていた。 その都度、飼い主ママは 「どこにもやりはしないよ。 マスコさんとうちで飼うことにしたからね。」 子猫達の乳離れが済んでからは 再び家の外へ出かけて行った。 ある時、マンションの踊り場で 大きなカッコイイ雄猫2匹を 侍べらせているちび子を見かけた。 子猫は茶トラと黒トラだから、旦…

  • 7.

    猫のちび子は野良猫で 時々エレべーターが無いマンションの 階段の途中でゴロゴロしていました。 飼い主ママとお隣マスコ家のお母さん・・2人で可愛がっていたので 2軒の間を都合の良いように行き来していたのでした。 三毛猫で、尻尾はまっすぐ。 日本猫ではあるが、美猫の条件を満たしていました。 甘えるような声もせつなく・・ ある時、マスコさんと飼い主ママが井戸端会議をしてる時、 4本の足の間を8…

  • 6.

    ちび子お母さん、鳩のクーちゃんから聞いたんだけど、 あのおチビちゃんハヤトがお爺さんになって 極楽にやってくるんだって。 え? あのおチビちゃんのハヤト君が? ええ。 クーちゃんはお空を飛べるから情報早いわねえ。 なんでも 三途の河を船で渡って、草原を歩いたり 日向で寝そべったりしてるのを見たんだって。 それで、さっき閻魔様のお裁き見事に極楽行きが 決まったそうよ。 …

  • 5.

    ハヤトは、拾われてから死ぬまでの13年間 1度も土を踏んだことが無かった。。 飼い主の家は都内の小さな一戸建て。 「ウチの庭なんて、ハヤトの額より狭いわあ。。」 そう言って、ママは必ず額をなでるのだった。 狭い庭だが・・ 春には数本植えられた木の花が咲き 金柑の実も成る。 雪柳の揺れる枝先が 網戸越しに鼻先をかすめる。 時に どこかの猫が はきだし窓の下に現れたりする。 最初はお互…

  • 4.

    生涯家猫であったハヤトは 憧れの草原を楽しみながら どこまでも歩いた。 途中で 七日ごとの審判を受けなければならなかったが、 その都度 不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩が現われて お助けくださり、、三十五日目 ついに閻魔大王の前に立ったのである。 閻魔大王の審判は、死した者が 来世にどこの世界へ 行くのかを決める大切なもの。 天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄 この六道には どこ…

  • 3.

    死して七日目。 三途の河の激流を自力で渡る者もある中で、 ハヤトは船に乗って難なく岸に着いた。 さて、どうしたら良いのか。 どちらへ行こうか。 迷うと仏様が現れて「西に向かっておゆきなさい。」 「西とはどちらであろう。 ワタシは飼い猫で、外を歩いたことがございません。」 では、朝はお天道様を背にして歩き 昼はお天道様を体の左に見ながらおゆきなさい。 そうして日が暮れたら 気持ちの良い…

  • 2.

    死にそうなところを拾われて何年が経ったのか、ワシはもう爺さんだ。 それに、ここはどこなのだろう? きょろきょろしながら歩くと、河が流れているところに着いた。 猫は水が嫌いだから、とても泳げやしない。 まあ、ワシはよく水を飲む方だと言われたがなあ。。 「猫さん、乗りますかい?」 「? どなたですか? この船は向こう岸に連れて行って下さるのかな?」 「私は船頭。 ここは三途の河と言って、…

  • 1.

    ふわふわと・・気持ちの良い風に、そっと頬をなでられて ハヤトは目が覚めた。 「・・・? ワシ、どうしたのだろう。。 なんだかとても気持ちが良い。」 前足をちょっと踏み踏みしてみたら思うように動く。。 「ワシ・・ このところ手足の自由が利かなくなって、動けなかったのに・・」 そうだ、飯も食べられず、トイレにも行けなかった。 なのに、今は・・ちょっと若返ったような気さえする。 耳を凝ら…

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