四月になり、僕は知人に紹介された町工場で働くことにした。そして、その月給でマーメイドに通っていた。町工場は、サービス残業を課せられて日に十五時間以上も働かされる美原運送とは違って、午前九時に仕事が始
第一話 出会い 第二話 投資 第三話 転職 第四話 麻雀 第五話 激務
マーメイドに通って涼子と楽しい時間を過ごすために、三原運送の運転手として働いていた僕だが、その労働条件は非常に過酷なものだった。 朝は午前六時に出勤し、トラックに乗って三原運送を出発してからは、昼
十月になり、麻雀が大好きな久徳に、三人打ち麻雀を打つように勧められた。レートは『ツー』と呼ばれるハコ一万円の少々高額な賭け麻雀で、フリー雀荘などで一般的に『ピン』と呼ばれて行われるレートの約二倍であ
マーメイドは、僕がよく行く歓楽街に二百軒以上あるスナックの中でも上位を争う人気店だった。その大きな要因となっているのが同伴制度であった。ホステスが客と食事に行ってマーメイドに同伴出勤すれば、ホステス
久徳と出会ってから二ヵ月後の暑い夏。とある日曜日に、久徳に焼肉を食べに行こうと誘われた。僕は暇だったのでそれに応じると、『ロース290円』『ハラミ290円』などと安さだけをアピールする看板が大きく掲
雨がしとしと降る梅雨の時期、僕はアパートの一室にある会社の事務所でコンピューター関係の仕事をしていた。パソコンのキーボードひたすら叩き、文字を入力する単調な仕事である。 この職業に就いて三ヶ月にな
「ブログリーダー」を活用して、松本和也さんをフォローしませんか?