第弐百四拾四話
身の危険を察知した鳥獣はその土地を離れると言われている。クルスとオムーの戦いも例外ではない。鳥や虫の鳴き声さえも辺りからは消えていた。選手観覧席に来ているボルケノゴーレムの足がまた僅かに震えているのがわかったhananaは、何倍も大きくゴツゴツとしたゴーレムの手をさすりながらゴーレムの顔を伺うように見上げ呟くように言った。hanana『ボルケノさん・・・』下がり始めた太陽の横にボルケノゴーレムの赤黒い顔がある。大きな体がhananaへの太陽の直射を遮り、優しい光がhananaへあたっている。ボルケノ『グフ・・・』挨拶代わりとなる切り抜き攻撃を終え、凄まじい波動を伴う攻撃を繰り出したクルス。それを魔法剣により受けきり、距離を取るオムーの肩には、雷が落下したかのような衝撃を受け飛散した石畳の破片がパラパラと上空より...第弐百四拾四話
2011/07/24 21:20