娘カップルはボルダリングにはまり、週2回壁をよじ登っている。だんだん難易度の高い壁に挑戦していて、先週、娘は難易度“中”の壁の頂上まで上ったところで、「足が滑って一気に落ちた!」と聞いて母は一瞬青くなる。「どのくらいの高さの壁?!」「わたしの身長の3倍以上」というから5mくらいか。もちろん地上にはマットレスが敷いてあるので「かすり傷だけ」。でも「落ちている間に、これまでの人生が早回しで見えた」そうい...
猫たちがこの“見張り態勢”に入っている、ということは、ネズミがいるということで、キッチンに入ることさえ怖くなる。昨日はリュリュが冷蔵庫の前で見張っていたけど、あまり興奮していなかったので「クモかも」と安心していたのだ。ところが今日はフンまで見つけてしまった。母の日だというのに、最悪のプレゼントじゃない。友達が夕食に来ることになっていたので、ビクビクしながら準備していたら、目の隅で何か動いた。ハッとそ...
エマニュエル・マクロンが再選され、26日後に(記録的長さ!)ようやく総理大臣が任命され、バタバタと各相が決まった。決まった途端、雇用・連帯相に任命されたダミアン・アバドが、性的暴行で訴えられていることをオンライン紙Mediapartが暴いた:2010年と11年に2人の女性が「強姦された」photo:l'Obs野党からは「辞職しろ」の声が上がったけど、本人は「絶対していない。無実のわたしがなぜ辞職しなければならないか?」目下、...
アリス(マリオン・コティヤール)は舞台女優、ルイ(メルヴィル・プーパ)は教師&作家。姉と弟は仲たがいし、20年以上会っていない。このままずっと会わないだろう、と思っていた。ある日、両親が交通事故で重傷を負い、病院に運び込まれる。姉と弟は顔を合わせないわけにはいかない。廊下に座っているルイ(↓)に気づいたアリスは、気を失ってパッタリ倒れる。それほど強い拒絶なのだ。理由がよくわからない愛憎、その激しさ、...
日本語の生徒さんの中に、彼女のようなおばあさんになりたい、と思うようなエネルギッシュなマダムがいる。アメリカで長く暮らし、アメリカではフランス語の先生、フランスに戻ってからは英語の先生。10年前にリタイアし、今も時々通訳やガイドをしている74歳。毎回、「1週間にしたこと」を日本語で書いて読んでくれる。散歩で見た光景(毎日6~7㎞歩く)、2人の孫娘と何をしたか、コンサート、映画の話…「今週はアメリカ人の...
フランスの公営プールでは 「衛生上の理由から、プールに入るときは純粋に泳ぐための衣類をつけること」になっていて、男子のバミューダ型パンツは禁止されている。「同じ衛生上の理由から」ブルキニも禁止されている。ブルキニは、イスラム教徒の女性用の、全身を覆う水着。2016年には30あまりの市が海岸でのブルキニも禁止している。でもブルキニを着て身体を隠さなければならないのは宗教上の理由だから、「同じ理由」で括るの...
の名前はブルス・ドゥ・コメルス・ピノー・コレクション。この建物の起源は13世紀に遡り、16世紀にはカトリーヌ・ド・メディシスの住居になり、18世紀初めはパリの証券取引所になり、小麦市場に変わり…最後は商工会議所で、会社の登記に行ったことがある。建物こそ大きくて立派だけど中は古いお役所だった。2016年、フランソワ・ピノーとパリ市が、ここをピノー氏の膨大なアートコレクションの展示場にすると発表。個人所有だった...
という議論をラジオでやっていた。街頭インタビューでは「礼儀正しいと思う」と答えた人が多くて(「パリジャンを除いて」という注釈つきもあった)へぇーそういう認識なんだ、と一人笑い。フランス人が礼儀正しかったら、日本人はどうなるの?でもよく考えると、礼儀の種類が違う気がする。例えばメトロで、人が降りる前にドヤドヤ乗ってくるのはパリ。東京では、降りる人優先がきちんと守られていた。こういう光景もパリでは見ら...
モード業界紙に「Circular Fashion Index ranking 2022」のというタイトルがあって、「サーキュラーって?」と見たら、持続&再使用可能な服を作っているブランドのランキングだ。米コンサルティングファームKearneyが20か国、150ブランドを、-どのくらいリサイクル素材を使っているか。-ブランドメッセージの中で、循環性が占める重要性。-修理&メンテナンスサービスと情報の有無。-セカンドハンド&レンタルの流通度。-着古した...
警察発表11万人、主催者(主要労組)発表21万人。どういう数え方をすれば、こんな開きが出るのか理解できないけど、5月1日のメーデー、全国でデモに参加した人の数だ。スローガンは、購買力向上、マクロン大統領の年金改革(定年65歳)反対…道にはスズラン売りが10m置きくらいに並んでいる。スズランを贈る習慣は中世に始まったそうだ。まだヴァレンタインデーが存在しなくて、男性は5月1日に妻や恋人に花の冠を贈っていた(...
復活祭の休暇で夫は田舎に行っている。おお、独身暮らし!と喜んでいたら、夫の従妹に「たまには顔を見せなさい」と言われ、2日間だけ行くことにした。シャンパーニュ地方の田舎は寒く湿気があり、運転できないわたしは誰かに頼まないと移動できない…などの理由で滅多に行かないのだ。でも時々行かないと、今に忘れられる。飛行機にはイヤというほど乗ったけど、電車に乗るのは久しぶりだし。天気予報では雨だったのに、幸いまた...
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娘カップルはボルダリングにはまり、週2回壁をよじ登っている。だんだん難易度の高い壁に挑戦していて、先週、娘は難易度“中”の壁の頂上まで上ったところで、「足が滑って一気に落ちた!」と聞いて母は一瞬青くなる。「どのくらいの高さの壁?!」「わたしの身長の3倍以上」というから5mくらいか。もちろん地上にはマットレスが敷いてあるので「かすり傷だけ」。でも「落ちている間に、これまでの人生が早回しで見えた」そうい...
というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...
邦訳が再版になり、出版社に招待された作家のシドニー。行こうか、行くまいか、ギリギリまで迷い、遅れて空港に着くと、出発が3時間遅れていて飛行機に乗れてしまう。関空では編集者、溝口が待っていた。お話はシドニー(イザベル・ユペール)と溝口(伊原剛志)の、なんとも非現実的な雰囲気の6日間。第一、シドニーが招待された理由も現実味がない。訳書が再版になる度、著者を招待していたら日本の出版社は全部倒産してしまう...
1940年代後半、イタリアの田舎町。戦後の物資不足で人々の生活は貧しいけど、新しい民主主義への希望が感じられる。夫と3人の子供、寝たきりの義父と暮らすダリア。家事の合間に縫物や傘修理の内職に走り回り、ちょっと気に入らないことがあると暴力を振るう夫に耐えている。長女のマルセラはそんな母を見るのが、自分の将来を見るようで辛い。「どうして逃げ出さないの!」「逃げるって・・・どこへ行けって言うの?」そこへ突然、...
茶色くて2-3㎜で、外で見れば可愛いと思えるけど、それが群れをなしてうちの中にいると可愛くない。台所の壁際をせかせかと歩き、流しまで上ってきている。食べ物は全部隠し、猫がいるから殺虫剤は危いよね、と思いつつモノプリに見に行ったら、アリ&ゴキブリ専用で「子供、動物にも安心」という殺虫剤を見つけた。しかしあまり効果なし。数時間で戻って来る。ゴキブリは小動物より頑丈だから、アリとゴキブリを一緒くたにしてい...
コレージュ3学級(14~15歳)のフランス語の授業でロンサールの詩を勉強している。若い先生、ジュリアンは「Astéisme」という手法を「誰かを褒める時、非難のように聞こえる表現を用いること」と説明し、生徒たちの“ピンと来ない”という表情を見て、例を挙げる。「例えば『レスリー、その新しいヘアスタイル、素敵だね』という代わりに『レスリー、何そのヘアスタイル!』…」先生が言い終わらないうちにクラスは騒然となった。「...
人工妊娠中絶の権利が憲法に加えられた式典で、TF1のジャーナリストに聞かれたマクロン大統領。「間違った情報やでっちあげのシナリオが横行し、信じる人がいること。それが当事者、家族を深く傷つけること」持って回った言い方に、「それはブリジット・マクロンが男性だという噂のことですか?」「もちろんそうです」マクロンは答え、「これ以上話したくない」と苦々しく。この噂を知らなかったわたしは(読者の方に教えていただ...
娘カップルが新百合ヶ丘のシェアハウスに入居して2か月。部屋は狭いけどバス&トイレつき、キッチンやサロンの共有スペースは広くてきれい。サロンで会ったイギリス人の女性は「何でも聞いて」と親切そうだった。数週間経って聞いてみたら、「住人がアホばっか」「!?」娘曰く、英、米、豪、仏・・・つまり白人たちが、アフリカ系の住人に差別的発言&態度をするのだと。「それも精神年齢を疑っちゃうような、あからさまな差別」と...
片頭痛防止対策のひとつで、月に1回オステオパシー (骨矯正術)に通っている。うなじの左側が凝って-先生曰く“ブロック”されていて-それが片頭痛の一因になっているらしい。カイロプラクティックのように骨をポキポキせず-しても1回くらいー両手を頭や首筋に当ててじっとしている。だけなのに、よく効いてここ数か月大きな片頭痛になっていない。こういうのをマジックハンドと呼ぶのでは。なにしろ先生はオペラ座ダンサーた...
猫たちがソファを気に入ったのはいいけど、気に入りすぎて彼らの場所になってしまった。メリディアンヌ(méridienne)と呼ばれる長椅子で雑誌を読むのが夢だったけど、いつ行っても先客がいる。近寄るとキッと睨まれるので、「はいはい、お邪魔はしません」元祖メリディアンヌ。人間が寝そべり、猫は床、が正しかった。Edouard Manet 1862何がそんなに気持ちいいかというと、生地でしょうね。前のズタズタソファは皮でひんやりし...
相続をめぐる家族紛争が週刊誌をにぎわしていて、渦中の人、アヌーシュカ・ドロンがラジオで話していた。アラン・ドロンにはアントニー(59歳。母親はナタリー・ドロン)、アヌーシュカとアラン=ファビアン(33歳と30歳。母親はロザリー・ファン ブレーメン)の3人の子供がいる。この3人が、ドロンの近年の“伴侶”ヒロミさんを追い出した。追い出すまでは団結していた3人が仲間割れ。ドロンが遺産を圧倒的に多くアヌーシュカに...
Habitat倒産の被害者になり、その後どうなったかというと、弁護士2人が債権者代理になったことがネットで告知され、その人物に領収書や必要事項を記入した用紙を送った。「ほとんど望みはない」と夫。会社が倒産した場合、法定財産管理人が任命され、その人がまず自分の報酬を確保する。次に未払いの税金、社員の給料、契約会社の請求書が払われ、お客は最後だから。だからと言って、見ただけで気が滅入るこのソファ・・・・最近は猫...
最近ひんぱんに耳にする名前、ラファエル・クナール。金曜日のセザール賞授賞式では『最も期待される男優賞』『最優秀男優賞』、監督として『最優秀短編ドキュメンタリー賞』の3つにノミネートされ、『最も期待される・・・』を獲得した。射るような眼差し。笑うと優しくなる。©Capture d'écran canal+ 受賞のきっかけ映画『どう猛な犬』は、南仏の田舎町で仕事もしないでたむろしている若者たちのお話し。アントワーヌ(ラファエル...
アウシュヴィッツ強制収容所所長のルドルフ・ヘスは妻ヘートヴィヒ、5人の子供と大きい邸宅に暮らしている。使用人もゾロゾロいて、広い庭にはプールがあり花が咲き乱れる。みんなが飢えている戦時に、ここには食べ物も豊富にある。訪ねてきたヘートヴィヒの母親は「楽園のようね」と目を見張る。その通り、この邸宅はヘス夫妻の理想の楽園。しかし。壁の向こうはアウシュヴィッツなのだ。“囚人”たちの悲鳴、監視の怒鳴り声、殴る...
先着猫タマの砂箱は浴室の隅、後着猫リュリュのは2階の廊下に置いてあり、2匹ともルールを守って暮らしていた。と言っても、タマは不満があるとそれを表明するため、砂箱の外で用を足す。不満とは、-娘かわたしが不在。-砂箱が汚れている。最近、タマが頻繁に「砂箱の外」でするので、何が不満なのよ、と観察していたら、ある日、リュリュが我が物顔で、タマのトイレで用を足しているではないか。それをタマが洗面台から恐ろし...
Vasectomie(精管を切除して閉鎖)がフランスで急速に増えていて、2010年比で15倍(!)になったとニュースで言っていた。この手術、フランスでは2001年から許可され、アメリカや韓国と違って非常に稀だったのが、2010年には1940人、2022年に3万人を超えたそうだ。希望者は「これ以上子供は欲しくない」という35歳以上の男性が多かったのが、最近では子供がいない18から25歳の若者が増えている。これに反対する女性も少なくない。...
カンヌ映画祭でシナリオ賞を取ってから、ずっと観たかった是枝裕和の『怪物』。フランス版タイトルは『L’innocence/無垢』封切りになったのは12月末、日本は2023年6月公開だから半年遅れ。東京に発つ前日で観れず、戻ってからもグズグズしていたのは、観た人たちの感想がイマイチだったからだ。息子とその話をしたとき「自分の目で観なければわからないよ」と言われ、全くその通りだ、と観に行った。夫に先立たれた早織は、ひとり...
に降りたのは午前4時。零下6度。雪。外を歩くわけじゃないからいいけれど、雪景色とガランとした空港は寒々しく、東京の青空がもう恋しい。チケットはJALのサイトで買ったのに、東京-ヘルシンキもフィンエアー。正確にはJAL、フィンエアー、ブリティッシュの共同運航。後日、友人に話したら「それって文句言っていいんじゃない?」乗務員は愛想のないオバサンたちで「荷物の入れ場所がない」と言ったら「今忙しい」と一蹴された...
ある晩、息子がメガネを一緒に選んでくれと言うので、二子玉川のメガネ屋に行った。アレコレ試し、決まったのは8時の閉店間際。「うちでご飯を食べよう」と息子。駅から息子のアパートに向かって歩きながら(15分)、誘ってくれるのは嬉しいけど、寒いしお腹が空いた。今から買い物して料理して、食べるのは10時か?まず入ったのは魚屋。お刺身やお寿司コーナーまであり、こんな店が近くにあったら毎日通いたい、と思う魚屋。でも...
大学の友達が集まったとき、「コンビニのおでんを4回食べた」と言ったら、「コンビニのものはあまり食べないほうがいいよ」そういえば息子も同じようなことを言っていたっけ。別にわざわざコンビニのおでんを買いに行ったわけではなく、娘と夜道を帰りながら「もう一度出るのはめんどくさい」「寒いし」「そんなら・・・」と、通り道でおでんを買ったのだ。あったかくて薄味で飽きない味、とリピーターになったのは…中毒性があるって...
ホテルに荷物を置いたのは13時過ぎ。「この辺でお昼を食べられるとこありますか?」と聞くと、「すぐ近くにフランス料理のレストランがあります」。ここまで来てフレンチを食べたくないけど、お腹が空いてえり好みは言ってられない。お店の名前はROI(王様)、お客さんは誰もいない。お昼のメニューは:ハンバーグ、メンチカツ、ポークソテー、シーフードグラタン。どれもスープとサラダつき。日本で(本場の)味を、とわたしはハ...
わたしは東京で諸々用事があるけど、久しぶりに日本に来る夫のために、1泊でどこかへ出かけよう。「山がいい」と言われ、思いつくのは箱根。近いし、山だし…何よりわたしには思い出のある場所。その昔、おばあちゃんが「二束三文で」土地を買い、「もしかしたら温泉が出るかも」と庭のあちこちを掘り返したけど、何も出なかった。温泉を諦め、茅葺の山小屋のような家を建て、わたしたちは毎年夏休みをそこで過ごした。当時は小涌...
年金改革反対のスト&デモが頻度を増し、週一になっている。日本に発つ日に当たりませんように、とお祈りまでしたのに、13日、12回目のストにぶつかってしまった。RATP(パリ交通公団)は「ほぼ正常」とニュースで言っているけど、RERをよく使う友人が「ニュースはトラブルを過小評価する、スーツケース持って混んだB線に乗るのは避けた方がいい」前日、デモのコースが発表された:オペラからバスティーユ。デモ隊が終着点に着くの...
年金改革でエマニュエル・マクロン支持が落下し、野党連合NUPESは、チンピラのようなヤジや暴言で国会を混乱させ評判を落とした。それを傍観し、時々まともな発言(「マクロンは象牙の塔に篭り、国民の声を聞かない」「49.3の連発は民主主義の危機」…)をしていたマリーヌ・ルペンが一気に点数を稼いだ。先週のアンケートで「1週間後に大統領選を行えば」第一回投票でルペンは31%獲得。与党のエドゥアール・フィリップ28%、急進...
一昔前のフランスで、子供の名前はカレンダーに記されている聖人名、歴史的に知られている人の名前に限られていた。それが“自由化”されたのが1993年1月。その後に生まれた子供にはテス、ケヴィン、オセアンヌ(océan/大洋のギリシャ語)…など外国名が出てきて、それでもまだ常識的だったのが、最近、戸籍責任者が仰天するトンデモナイ名前が続出:Nutella(ニュテラ:仏版ピーナツバター)Fraise(フレーズ:イチゴ)Anomalie (...
「エイプリルフールの冗談かと思いました」とニュースキャスター。社会福祉&連帯閣外相マルレーヌ・シアパが4月8日発売の『プレイボーイ』に、女性の権利について長いインタビューを載せ、表紙に(服を着て)登場する。2017~2022年(マクロン大統領1期目)に、男女平等&差別廃止担当閣外相、次いで市民権担当大臣と若くして重要ポストに就いた。でも一見、政界より芸能界のほうが似合いそうな雰囲気の40歳。photo:causeurエ...
誰もいない田舎の夜道を走るタクシー。乗っているのは母と娘と犬、行き先は古い館を改造したホテルだ。レセプションの女性は不愛想で、母娘の予約を見つけるのに手間取り、ホテルはガラガラなのに希望の部屋は空いていないという。ジュリーが交渉している間、母親は何も言わず隅の椅子で待っている。なんとか希望の部屋をゲットしたジュリー、「ママ、この部屋、覚えてる?」「天井の壁紙を覚えているわ」母は若い頃、このホテルに...
木曜の9回目の年金改革反対スト&デモは参加者が108万人、抗議の声も激しくなった。出発点のバスティーユ数時間後、終着点のオペラでは過激極左派も加わった。photo:BMFTV2日前の火曜日、年金改革案は可決されたものの、僅か9票差。政府に同調するはずの右派レピュブリカンの一部が寝返って不信任案に票を入れ、スレスレの可決。反対派を強気にさせた。翌日水曜、沈黙していたマクロン大統領がやっとTVニュースに現れた。大統領...
金曜日以来「49.3(キャラント・ヌフ・トロワ)」「モーション・ドゥ・ソンシュール/不信任決議案」という言葉が、耳にタコができるほど繰り返される。ラジオをつけっぱなしにしているからタコができるんだけど。49.3、憲法49条3項とは、政府が、審議中の法案を国民議会の投票なしで可決できる。つまり強行採決。モーション・・・・は強行採決をひっくり返すことができる野党の手段。国民の3分の2が反対している年金改革法案を「投...
英語(=国語)教師のチャーリーはオンラインで授業を行っている。でも「カメラが壊れている」と自分の姿は見せない。チャーリーは何年か前、男性と激しい恋に落ち、妻と娘を捨てた。その彼が亡くなったあと、無茶食い障害になり、270㎏の、クジラのような身体になった。トイレに行くのも歩行器が必要で、一日中ソファから動けない。手当たり次第に食べまくる発作と自己嫌悪、孤独、後悔…の毎日。通ってくる看護師のリズが唯一の友...
モーリーンはCFGT(CGTに次ぎフランス第二の労働組合)組合員で、同時に国営原子力発電会社AREVAの労組秘書としてAREVA従業員の権利を守る。モーリーン(イザベル・ユペール)のファッションも見もの。女社長から支持されていたが、社長が代わり、男性社長になると「女に何ができる」という風潮になった。2012年、モーリーンは、EDF(フランス電力)の情報提供者から「EDF、AREVAと中国の原発会社の間で密約が取り交わされた」こと...
昨日3月7日、年金改革反対ゼネストで公共交通はほぼマヒし、学校の一部は閉まり(推定で、小学校教員60%がスト)製油所も閉まり…。全国のデモ参加者は警察発表で130万人、労組の発表は約3倍の300万人。どう数えればこれだけ差が出るのか、フランス七不思議のひとつだが、政府VS労組の対立の深さに比例して、“参加者数”の開きも大きくなる。年金改革は、エマニュエル・マクロン立候補時の公約であるだけに、いくら反対されても...
とFrance infoのニュース。ナニナニ?とボリュームを上げた。「40年来、日本は出生率低下に直面しているが、事態は年々悪くなる一方。2022年に生まれた赤ちゃんは80万人を割った。人口はフランスの倍近いのに、フランスの出生率(72万3000)をわずかに上回るだけ」フランスもコロナのせいで、1946年以来一番低い出生数「3年間続いたコロナ禍で、出会い&結婚は減り、状況は悪化した。日本で、結婚は子供を持つための前提条件な...
予告編がつまらなそうだったので迷っていたら、観た友人が口をそろえて「とてもよかった」。そんなら、と映画館に行ったら2度満員。封切り1か月後でやっと観た。2週間で消える作品が多い中、1か月以上の上映、観客の評価が4.1/5と非常に高い。日本では2020年公開なので「今頃?」と思われるだろうけど。「人生は一度だけ。楽しんでください」のキャッチ、『La Famille Asada』写真家志望の政志のテーマは家族。家族(両親と兄...
週2回、サルサとバシャタに通っている。ダンスをスポーツと呼べるかどうかわからないけど、男性は冬でも汗をかく運動だ。サルサを始めたのは10年くらい前。スキーで脚を折った後のリハビリで始めたのが、やめられなくなった。踊るのは好きだから、最初は「うまくなりたい」なんて思っていたが、年齢か、資質がないか、その両方かで、万年“中の下”。楽しめればいいか、と開き直ることにした。ラテン音楽が(も)好きで、頭が空っぽ...
ローコストの靴メーカーSan Marinoが清算(=倒産)、中級プレタのKookaïに会社更生法、Go Sport とGap Franceは買い手探し…どれも近年パッとしなかったブランドではあるけど、こうバタバタと倒れると不吉な予感。そこへ、「ギャラリー・ラファイエットが経営困難」。パリのデパートの代名詞じゃない!全国に57の店舗を持っていた大チェーンは2018年から経営困難になり、2021年までに33の地方店舗を売り渡した(ギャラリー・ラファ...
11歳のソフィは元気と明るさに溢れた女の子。パパとふたり、トルコでヴァカンスを過ごす。パパとママは別れたから一緒に暮らしていないのだ。海辺のヴァカンス村で、泳いだり、ビリヤードをしたり、何もしないでプールサイドに寝そべっていたり、ダンスしたり…ふたりは仲のいい兄妹のように一緒に遊び、からかい合い、喧嘩もする。パパといる時間は楽しい。「また一緒に暮らせないの?」とソフィ。「もう元には戻れないんだ」とパ...
ユモリスト、つまりお笑いタレントの「ピエール・パルマッドが運転する車が対向車に激突。パルマッド重症」のニュースは金曜日の夜。photo: le Parisienその後、毎日ニュースになるのは、パルマッドが有名タレント(わたしの知っている範囲で言えば明石家さんま?)だから、だけでなく、-パルマッドがコカイン+アルコールの覚醒状態で運転していた(駆けつけた消防隊員「目が完全にイっていた」)-対向車に乗っていた女性(28)...
ソウルのホテルのフロントで向き合う若い女性2人。お客のフレディは生まれてすぐフランス人カップルにもらわれ、韓国は初めて。言葉も全然わからない。フランス語が話せるフロント係りの女性は、その晩、フレディを夕食に誘う。フレディはレストランの見知らぬお客たちをテーブルに呼んでガンガン飲んだ。二日酔いの頭で目を覚ますと、横に若い男が寝ていた。彼女は実の両親を探そうと決める。両親は別れていることがわかり、父親...
の法制化について、荒井勝喜秘書官の「(同性のカップルを)見るのも嫌だ。となりに住んでいるのもちょっと嫌だ」「秘書官室もみんな反対する」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」…の発言には唖然とした。オフレコで記者団の取材に応じたときの発言が、内容の重大さから表沙汰になって慌て、「差別的なことを思っていると捉えられたとしたら撤回する」と荒井秘書官。この言い方!自分の発言の問題を、「差別的なことを思...