というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...
日本人と結婚し、年に一度は日本に帰っているフランス人の友人が大憤慨して教えてくれた。茨木県の潮来保健所が、外国人が働く農家に感染予防を呼びかけた文書に、「外国人から感染した可能性が疑われる新型コロナウィルス患者が多く発生している」“可能性が疑わられる”という表現は二重の推測で、医学的根拠も数字も書かれていない。さらに、「外国人と話をするときは必ずマスクをつけてください」「外国人と食事をしないようにし...
わたしがなかなか田舎に行かない理由(口実)は、①パリより寒い。②車がないとどこにも行けない(免許を持っていない)。③自分の部屋がない。①と②はどうしようもないけど、③はなんとかならないものか。しょっちゅう行く夫は庭に面した“一番いい部屋”を使い、長期行く娘は2階の“大きな寝室”を占領している。文句を言うと「たまにしか来ないんだから ・・・」と言い返され、ますます行かないという悪循環になっていた。11月も田舎でコン...
思えば最後に長距離の電車に乗ったのは去年の8月。わたしは本も開かず、窓を流れる景色に見とれていた。パリを出たときは青空が見えたのに、進行方向には不吉な黒雲。久しぶりに田舎に行くっていうのに雨を降らせないでよ!シャンパーニュ地方の小さな駅に降りると果たしてポツポツと落ちてきた。「あなたが雨を連れてきたの?!」とお隣さんの第一声。このお隣さん夫婦は妻43歳、夫79歳。銀行員だった夫のジャンがコートジボワー...
カフェ&レストランのテラス席が再開になった翌日に会ったお医者さんが、「これでは2-3週間で感染が再上昇になる」4月20日にコロナで入院した人は20750人、1週間で12.28%減少。集中治療の患者数3769人、1週間で15.15%減少。と、日に日に減っているのに、「カフェのテラスだけじゃない。今朝、リヴォリ通りを歩いてきたら、何十人も若者がくっつき合ってブティックの開店を待っていた。ワクチン接種の進行に比べて、再開する...
朝市の花は新鮮で、お店で買うのより若干安く、何より長持ちする。食料を買った後に(花より団子)花屋を覗くのが楽しみ。朝市の花の多くはオランダから来るので、今のシーズン、チューリップが多い。特別好きな花ではないけど、花びらがたくさんある黄色いチューリップに惹かれて立ち止まったら、「2束15€にしとくよ!」1束12€だから、すごいおまけじゃない!ひとつは花好きの友達にあげようか・・・と家に帰りつくまではご機嫌だ...
5月10日からワクチン対象が50歳以上(その他の条件なし)になった。さらに11日から、18歳以上が残ったワクチンの「翌日予約」ができるようになり、30代の友人が「受けた!」「明日の予約ができた!」このワクチン促進に一役買ったのが「Vite ma dose!/わたしの定量を早く!」。ギヨーム・ロジエという青年が作ったワクチン予約お助けサイトだ。郵便番号を押すと予約可能なラボ、ワクチン会場や薬局が一挙に出て、最寄りを選ぶとD...
3月10日、レセピセと呼ばれる仮の在住カード/CARTE DE RESIDENTをもらったとき、「2か月以内に“カードができた”というメッセージが届きます」「届かなかったら?」「このページからメールを送ってください」と、3行に渡るURLを渡された。これだけ長いってことは、奥深く隠れていて見つけにくいということだ。あと1日で2か月、という時メッセージが届いた。「あなたのカードができています。下記のページでランデヴーを取って...
緩やかなロックダウン解除が5月19日に始まる。夜間外出禁止が19時→21時になり、カフェ、レストランのテラス、“生活必需品でない”ものの店が再開。明かりの消えていたブティック、シャッターの閉まっていたレストランに、準備を始める人影が見え出した。街が長い眠りから目を覚ます・・・隣のバーのオーナー夫婦も久しぶりにやってきた。いつも二日酔いみたいで昼間は機嫌も悪かったご主人が、肌がツヤツヤ、元気そう。お客に付き合っ...
別に意見が合わなくて別々のワクチンにしたわけではない。夫は75歳以上ではないけど、心臓疾患、高血圧、肥満(本人の自覚薄し)・・・と高危険度の優先グループに入る条件をすべて満たしている。19区に住む、ほぼ同じ条件の友人は「Doctolib(医療機関の予約サイト)で割とすぐに予約出来た」というので「早くしたら?」と3月から急かしていた。ワクチン接種が始まらないうちは「まだかまだか」と言っていたくせに、いざ予約できる...
「ヨーロッパ食品安全委員会がVers de farine(粉ミミズ?)の食用を許可しました」とニュース。ラジオだからミミズの姿が見えないのが幸いだ。これまで家畜や魚のエサとして年間何千トンも生産され、既に食用として売っている自然食品店もあるそうだ。タンパク質、ミネラル、各種ビタミン、繊維質が豊富、オメガ6と3に良質脂肪酸も含まれていて、永続性のある新しい食品として許可された。ラジオに出てきた食品安全の専門家は、...
2か月前に日本語をゼロから始めた母娘。予想通り57歳の母と16歳の娘の開きは大きくなるばかり。母親が「わ」・・・「た」・・・「し?」と、ひらがな表からひとつずつ探す間、娘は退屈そうにあくびをしている。「アンタも何か言いなさい」と母が叱ると、「ママンみたいに細切れに言いたくないのよ!『わたしはふらんすじんです』!」おお、よくできました。「あたしは毎日復習してるのに、アンタは何もしないで覚えてる・・・ブツブツ。何...
帰り道、携帯を見たらFnacからメール、タイトルは「ご購入のコンファーム」「!?」Fnacで“ご購入”なんかしていないのに・・・とメールを開けて、携帯を取り落としそうになった。「Philipsテレビ一台、Samsungタブレット一台、計994.98€」帰るなり夫に、「テレビなんか買ってないよね?」「買うわけない」やっぱりカードの不正使用だ。わたしはすぐに銀行に電話してカードをブロックし、少し落ち着いてメールを読み直すと、買ったのは...
「ブログリーダー」を活用して、たかこさんをフォローしませんか?
というタイミングでフランスチームの開会式ユニフォームが発表された。中央の私服はパリオリンピック企画委員長のトニ・エスタンゲ。その左の私服はベルルッティ副社長のアントワーヌ・アルノーPhoto de ©KacperKasprzykそう、作ったのはLVMH傘下(やっぱり)のベルルッティ(高級メンズシューズブランドだけど服も作るの?)ブリジット・マクロンはよくルイ・ヴィトンの服を着ている 。デザインが好きなんだろうけど、彼女がパリ...
邦訳が再版になり、出版社に招待された作家のシドニー。行こうか、行くまいか、ギリギリまで迷い、遅れて空港に着くと、出発が3時間遅れていて飛行機に乗れてしまう。関空では編集者、溝口が待っていた。お話はシドニー(イザベル・ユペール)と溝口(伊原剛志)の、なんとも非現実的な雰囲気の6日間。第一、シドニーが招待された理由も現実味がない。訳書が再版になる度、著者を招待していたら日本の出版社は全部倒産してしまう...
1940年代後半、イタリアの田舎町。戦後の物資不足で人々の生活は貧しいけど、新しい民主主義への希望が感じられる。夫と3人の子供、寝たきりの義父と暮らすダリア。家事の合間に縫物や傘修理の内職に走り回り、ちょっと気に入らないことがあると暴力を振るう夫に耐えている。長女のマルセラはそんな母を見るのが、自分の将来を見るようで辛い。「どうして逃げ出さないの!」「逃げるって・・・どこへ行けって言うの?」そこへ突然、...
茶色くて2-3㎜で、外で見れば可愛いと思えるけど、それが群れをなしてうちの中にいると可愛くない。台所の壁際をせかせかと歩き、流しまで上ってきている。食べ物は全部隠し、猫がいるから殺虫剤は危いよね、と思いつつモノプリに見に行ったら、アリ&ゴキブリ専用で「子供、動物にも安心」という殺虫剤を見つけた。しかしあまり効果なし。数時間で戻って来る。ゴキブリは小動物より頑丈だから、アリとゴキブリを一緒くたにしてい...
コレージュ3学級(14~15歳)のフランス語の授業でロンサールの詩を勉強している。若い先生、ジュリアンは「Astéisme」という手法を「誰かを褒める時、非難のように聞こえる表現を用いること」と説明し、生徒たちの“ピンと来ない”という表情を見て、例を挙げる。「例えば『レスリー、その新しいヘアスタイル、素敵だね』という代わりに『レスリー、何そのヘアスタイル!』…」先生が言い終わらないうちにクラスは騒然となった。「...
人工妊娠中絶の権利が憲法に加えられた式典で、TF1のジャーナリストに聞かれたマクロン大統領。「間違った情報やでっちあげのシナリオが横行し、信じる人がいること。それが当事者、家族を深く傷つけること」持って回った言い方に、「それはブリジット・マクロンが男性だという噂のことですか?」「もちろんそうです」マクロンは答え、「これ以上話したくない」と苦々しく。この噂を知らなかったわたしは(読者の方に教えていただ...
娘カップルが新百合ヶ丘のシェアハウスに入居して2か月。部屋は狭いけどバス&トイレつき、キッチンやサロンの共有スペースは広くてきれい。サロンで会ったイギリス人の女性は「何でも聞いて」と親切そうだった。数週間経って聞いてみたら、「住人がアホばっか」「!?」娘曰く、英、米、豪、仏・・・つまり白人たちが、アフリカ系の住人に差別的発言&態度をするのだと。「それも精神年齢を疑っちゃうような、あからさまな差別」と...
片頭痛防止対策のひとつで、月に1回オステオパシー (骨矯正術)に通っている。うなじの左側が凝って-先生曰く“ブロック”されていて-それが片頭痛の一因になっているらしい。カイロプラクティックのように骨をポキポキせず-しても1回くらいー両手を頭や首筋に当ててじっとしている。だけなのに、よく効いてここ数か月大きな片頭痛になっていない。こういうのをマジックハンドと呼ぶのでは。なにしろ先生はオペラ座ダンサーた...
猫たちがソファを気に入ったのはいいけど、気に入りすぎて彼らの場所になってしまった。メリディアンヌ(méridienne)と呼ばれる長椅子で雑誌を読むのが夢だったけど、いつ行っても先客がいる。近寄るとキッと睨まれるので、「はいはい、お邪魔はしません」元祖メリディアンヌ。人間が寝そべり、猫は床、が正しかった。Edouard Manet 1862何がそんなに気持ちいいかというと、生地でしょうね。前のズタズタソファは皮でひんやりし...
相続をめぐる家族紛争が週刊誌をにぎわしていて、渦中の人、アヌーシュカ・ドロンがラジオで話していた。アラン・ドロンにはアントニー(59歳。母親はナタリー・ドロン)、アヌーシュカとアラン=ファビアン(33歳と30歳。母親はロザリー・ファン ブレーメン)の3人の子供がいる。この3人が、ドロンの近年の“伴侶”ヒロミさんを追い出した。追い出すまでは団結していた3人が仲間割れ。ドロンが遺産を圧倒的に多くアヌーシュカに...
Habitat倒産の被害者になり、その後どうなったかというと、弁護士2人が債権者代理になったことがネットで告知され、その人物に領収書や必要事項を記入した用紙を送った。「ほとんど望みはない」と夫。会社が倒産した場合、法定財産管理人が任命され、その人がまず自分の報酬を確保する。次に未払いの税金、社員の給料、契約会社の請求書が払われ、お客は最後だから。だからと言って、見ただけで気が滅入るこのソファ・・・・最近は猫...
最近ひんぱんに耳にする名前、ラファエル・クナール。金曜日のセザール賞授賞式では『最も期待される男優賞』『最優秀男優賞』、監督として『最優秀短編ドキュメンタリー賞』の3つにノミネートされ、『最も期待される・・・』を獲得した。射るような眼差し。笑うと優しくなる。©Capture d'écran canal+ 受賞のきっかけ映画『どう猛な犬』は、南仏の田舎町で仕事もしないでたむろしている若者たちのお話し。アントワーヌ(ラファエル...
アウシュヴィッツ強制収容所所長のルドルフ・ヘスは妻ヘートヴィヒ、5人の子供と大きい邸宅に暮らしている。使用人もゾロゾロいて、広い庭にはプールがあり花が咲き乱れる。みんなが飢えている戦時に、ここには食べ物も豊富にある。訪ねてきたヘートヴィヒの母親は「楽園のようね」と目を見張る。その通り、この邸宅はヘス夫妻の理想の楽園。しかし。壁の向こうはアウシュヴィッツなのだ。“囚人”たちの悲鳴、監視の怒鳴り声、殴る...
先着猫タマの砂箱は浴室の隅、後着猫リュリュのは2階の廊下に置いてあり、2匹ともルールを守って暮らしていた。と言っても、タマは不満があるとそれを表明するため、砂箱の外で用を足す。不満とは、-娘かわたしが不在。-砂箱が汚れている。最近、タマが頻繁に「砂箱の外」でするので、何が不満なのよ、と観察していたら、ある日、リュリュが我が物顔で、タマのトイレで用を足しているではないか。それをタマが洗面台から恐ろし...
Vasectomie(精管を切除して閉鎖)がフランスで急速に増えていて、2010年比で15倍(!)になったとニュースで言っていた。この手術、フランスでは2001年から許可され、アメリカや韓国と違って非常に稀だったのが、2010年には1940人、2022年に3万人を超えたそうだ。希望者は「これ以上子供は欲しくない」という35歳以上の男性が多かったのが、最近では子供がいない18から25歳の若者が増えている。これに反対する女性も少なくない。...
カンヌ映画祭でシナリオ賞を取ってから、ずっと観たかった是枝裕和の『怪物』。フランス版タイトルは『L’innocence/無垢』封切りになったのは12月末、日本は2023年6月公開だから半年遅れ。東京に発つ前日で観れず、戻ってからもグズグズしていたのは、観た人たちの感想がイマイチだったからだ。息子とその話をしたとき「自分の目で観なければわからないよ」と言われ、全くその通りだ、と観に行った。夫に先立たれた早織は、ひとり...
に降りたのは午前4時。零下6度。雪。外を歩くわけじゃないからいいけれど、雪景色とガランとした空港は寒々しく、東京の青空がもう恋しい。チケットはJALのサイトで買ったのに、東京-ヘルシンキもフィンエアー。正確にはJAL、フィンエアー、ブリティッシュの共同運航。後日、友人に話したら「それって文句言っていいんじゃない?」乗務員は愛想のないオバサンたちで「荷物の入れ場所がない」と言ったら「今忙しい」と一蹴された...
ある晩、息子がメガネを一緒に選んでくれと言うので、二子玉川のメガネ屋に行った。アレコレ試し、決まったのは8時の閉店間際。「うちでご飯を食べよう」と息子。駅から息子のアパートに向かって歩きながら(15分)、誘ってくれるのは嬉しいけど、寒いしお腹が空いた。今から買い物して料理して、食べるのは10時か?まず入ったのは魚屋。お刺身やお寿司コーナーまであり、こんな店が近くにあったら毎日通いたい、と思う魚屋。でも...
大学の友達が集まったとき、「コンビニのおでんを4回食べた」と言ったら、「コンビニのものはあまり食べないほうがいいよ」そういえば息子も同じようなことを言っていたっけ。別にわざわざコンビニのおでんを買いに行ったわけではなく、娘と夜道を帰りながら「もう一度出るのはめんどくさい」「寒いし」「そんなら・・・」と、通り道でおでんを買ったのだ。あったかくて薄味で飽きない味、とリピーターになったのは…中毒性があるって...
シェアハウスは寝具を有料で貸してくれるが、枕は小さいクッションのような、枕とは呼べないシロモノ。娘と駅前のショッピングセンターに買いに行った。西川で見たらあまりに高く(1万3000円から上は4万円台)。「もう少し手頃な枕は?」と聞いたら「それならあっち」。店員さんが指さした方向に行くと、イトーヨーカ堂の枕売り場、5000円台のメモリーフォームが並んでいる。わたしたちがアレコレ触っていると、中年の店員さんが...
年金改革反対のスト&デモが頻度を増し、週一になっている。日本に発つ日に当たりませんように、とお祈りまでしたのに、13日、12回目のストにぶつかってしまった。RATP(パリ交通公団)は「ほぼ正常」とニュースで言っているけど、RERをよく使う友人が「ニュースはトラブルを過小評価する、スーツケース持って混んだB線に乗るのは避けた方がいい」前日、デモのコースが発表された:オペラからバスティーユ。デモ隊が終着点に着くの...
年金改革でエマニュエル・マクロン支持が落下し、野党連合NUPESは、チンピラのようなヤジや暴言で国会を混乱させ評判を落とした。それを傍観し、時々まともな発言(「マクロンは象牙の塔に篭り、国民の声を聞かない」「49.3の連発は民主主義の危機」…)をしていたマリーヌ・ルペンが一気に点数を稼いだ。先週のアンケートで「1週間後に大統領選を行えば」第一回投票でルペンは31%獲得。与党のエドゥアール・フィリップ28%、急進...
一昔前のフランスで、子供の名前はカレンダーに記されている聖人名、歴史的に知られている人の名前に限られていた。それが“自由化”されたのが1993年1月。その後に生まれた子供にはテス、ケヴィン、オセアンヌ(océan/大洋のギリシャ語)…など外国名が出てきて、それでもまだ常識的だったのが、最近、戸籍責任者が仰天するトンデモナイ名前が続出:Nutella(ニュテラ:仏版ピーナツバター)Fraise(フレーズ:イチゴ)Anomalie (...
「エイプリルフールの冗談かと思いました」とニュースキャスター。社会福祉&連帯閣外相マルレーヌ・シアパが4月8日発売の『プレイボーイ』に、女性の権利について長いインタビューを載せ、表紙に(服を着て)登場する。2017~2022年(マクロン大統領1期目)に、男女平等&差別廃止担当閣外相、次いで市民権担当大臣と若くして重要ポストに就いた。でも一見、政界より芸能界のほうが似合いそうな雰囲気の40歳。photo:causeurエ...
誰もいない田舎の夜道を走るタクシー。乗っているのは母と娘と犬、行き先は古い館を改造したホテルだ。レセプションの女性は不愛想で、母娘の予約を見つけるのに手間取り、ホテルはガラガラなのに希望の部屋は空いていないという。ジュリーが交渉している間、母親は何も言わず隅の椅子で待っている。なんとか希望の部屋をゲットしたジュリー、「ママ、この部屋、覚えてる?」「天井の壁紙を覚えているわ」母は若い頃、このホテルに...
木曜の9回目の年金改革反対スト&デモは参加者が108万人、抗議の声も激しくなった。出発点のバスティーユ数時間後、終着点のオペラでは過激極左派も加わった。photo:BMFTV2日前の火曜日、年金改革案は可決されたものの、僅か9票差。政府に同調するはずの右派レピュブリカンの一部が寝返って不信任案に票を入れ、スレスレの可決。反対派を強気にさせた。翌日水曜、沈黙していたマクロン大統領がやっとTVニュースに現れた。大統領...
金曜日以来「49.3(キャラント・ヌフ・トロワ)」「モーション・ドゥ・ソンシュール/不信任決議案」という言葉が、耳にタコができるほど繰り返される。ラジオをつけっぱなしにしているからタコができるんだけど。49.3、憲法49条3項とは、政府が、審議中の法案を国民議会の投票なしで可決できる。つまり強行採決。モーション・・・・は強行採決をひっくり返すことができる野党の手段。国民の3分の2が反対している年金改革法案を「投...
英語(=国語)教師のチャーリーはオンラインで授業を行っている。でも「カメラが壊れている」と自分の姿は見せない。チャーリーは何年か前、男性と激しい恋に落ち、妻と娘を捨てた。その彼が亡くなったあと、無茶食い障害になり、270㎏の、クジラのような身体になった。トイレに行くのも歩行器が必要で、一日中ソファから動けない。手当たり次第に食べまくる発作と自己嫌悪、孤独、後悔…の毎日。通ってくる看護師のリズが唯一の友...
モーリーンはCFGT(CGTに次ぎフランス第二の労働組合)組合員で、同時に国営原子力発電会社AREVAの労組秘書としてAREVA従業員の権利を守る。モーリーン(イザベル・ユペール)のファッションも見もの。女社長から支持されていたが、社長が代わり、男性社長になると「女に何ができる」という風潮になった。2012年、モーリーンは、EDF(フランス電力)の情報提供者から「EDF、AREVAと中国の原発会社の間で密約が取り交わされた」こと...
昨日3月7日、年金改革反対ゼネストで公共交通はほぼマヒし、学校の一部は閉まり(推定で、小学校教員60%がスト)製油所も閉まり…。全国のデモ参加者は警察発表で130万人、労組の発表は約3倍の300万人。どう数えればこれだけ差が出るのか、フランス七不思議のひとつだが、政府VS労組の対立の深さに比例して、“参加者数”の開きも大きくなる。年金改革は、エマニュエル・マクロン立候補時の公約であるだけに、いくら反対されても...
とFrance infoのニュース。ナニナニ?とボリュームを上げた。「40年来、日本は出生率低下に直面しているが、事態は年々悪くなる一方。2022年に生まれた赤ちゃんは80万人を割った。人口はフランスの倍近いのに、フランスの出生率(72万3000)をわずかに上回るだけ」フランスもコロナのせいで、1946年以来一番低い出生数「3年間続いたコロナ禍で、出会い&結婚は減り、状況は悪化した。日本で、結婚は子供を持つための前提条件な...
予告編がつまらなそうだったので迷っていたら、観た友人が口をそろえて「とてもよかった」。そんなら、と映画館に行ったら2度満員。封切り1か月後でやっと観た。2週間で消える作品が多い中、1か月以上の上映、観客の評価が4.1/5と非常に高い。日本では2020年公開なので「今頃?」と思われるだろうけど。「人生は一度だけ。楽しんでください」のキャッチ、『La Famille Asada』写真家志望の政志のテーマは家族。家族(両親と兄...
週2回、サルサとバシャタに通っている。ダンスをスポーツと呼べるかどうかわからないけど、男性は冬でも汗をかく運動だ。サルサを始めたのは10年くらい前。スキーで脚を折った後のリハビリで始めたのが、やめられなくなった。踊るのは好きだから、最初は「うまくなりたい」なんて思っていたが、年齢か、資質がないか、その両方かで、万年“中の下”。楽しめればいいか、と開き直ることにした。ラテン音楽が(も)好きで、頭が空っぽ...
ローコストの靴メーカーSan Marinoが清算(=倒産)、中級プレタのKookaïに会社更生法、Go Sport とGap Franceは買い手探し…どれも近年パッとしなかったブランドではあるけど、こうバタバタと倒れると不吉な予感。そこへ、「ギャラリー・ラファイエットが経営困難」。パリのデパートの代名詞じゃない!全国に57の店舗を持っていた大チェーンは2018年から経営困難になり、2021年までに33の地方店舗を売り渡した(ギャラリー・ラファ...
11歳のソフィは元気と明るさに溢れた女の子。パパとふたり、トルコでヴァカンスを過ごす。パパとママは別れたから一緒に暮らしていないのだ。海辺のヴァカンス村で、泳いだり、ビリヤードをしたり、何もしないでプールサイドに寝そべっていたり、ダンスしたり…ふたりは仲のいい兄妹のように一緒に遊び、からかい合い、喧嘩もする。パパといる時間は楽しい。「また一緒に暮らせないの?」とソフィ。「もう元には戻れないんだ」とパ...
ユモリスト、つまりお笑いタレントの「ピエール・パルマッドが運転する車が対向車に激突。パルマッド重症」のニュースは金曜日の夜。photo: le Parisienその後、毎日ニュースになるのは、パルマッドが有名タレント(わたしの知っている範囲で言えば明石家さんま?)だから、だけでなく、-パルマッドがコカイン+アルコールの覚醒状態で運転していた(駆けつけた消防隊員「目が完全にイっていた」)-対向車に乗っていた女性(28)...
ソウルのホテルのフロントで向き合う若い女性2人。お客のフレディは生まれてすぐフランス人カップルにもらわれ、韓国は初めて。言葉も全然わからない。フランス語が話せるフロント係りの女性は、その晩、フレディを夕食に誘う。フレディはレストランの見知らぬお客たちをテーブルに呼んでガンガン飲んだ。二日酔いの頭で目を覚ますと、横に若い男が寝ていた。彼女は実の両親を探そうと決める。両親は別れていることがわかり、父親...
の法制化について、荒井勝喜秘書官の「(同性のカップルを)見るのも嫌だ。となりに住んでいるのもちょっと嫌だ」「秘書官室もみんな反対する」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」…の発言には唖然とした。オフレコで記者団の取材に応じたときの発言が、内容の重大さから表沙汰になって慌て、「差別的なことを思っていると捉えられたとしたら撤回する」と荒井秘書官。この言い方!自分の発言の問題を、「差別的なことを思...
月曜日の朝6時、頭が締めつけられるような痛みで目が覚め、片頭痛が始まった。しばらく起こらなくてヨシヨシと思っていたのに。少し待ってからトリプタンという片頭痛専用の薬を飲む。1時間半くらい治まった。具合が悪い時、必ず猫が付き添ってくれる。治まってしまえばふつうに暮らせるけど、頭痛と薬でグッタリする。予防として、あまり画面を見るな、眼を使うな、と言われるけど、画面を見ないことには何もできない時代だ。火...
1923年。対岸のアイルランドから市街戦の爆音が聞こえてくるが、ここ、離れ小島のイニシェリン島では慎ましい日常が繰り返されている。パブに行く時間だ。荒野を横切ってパードリックはコルムを迎えに行く。パードリックは40代。妹と牛を飼い、牛乳を売っている。コルムは70過ぎ、バイオリンを弾き作曲をする。2人は親友で、毎日一緒にパブへ行くのが日課…ところが窓から呼んでも、コルムは顔を背けて返事をしない。翌日もコルム...