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逆襲のジャミラ http://takenami1967.blog64.fc2.com/

逆説のHERO評論。特撮・アニメ。

アニメブログ / 名作・なつかしアニメ

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竹波エーイチ
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2008/11/25

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  • 吉見百穴とコロボックル -出雲編その7

    今から40年以上前になるが、近所の女子小学生たちがこぞって読んでいた本に『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる/講談社)がある。語り手である「ぼく」と「こぼしさま」なる小人たちの物語で、当時はファンシー過ぎる気がして読まなかったぼくだったが、「コロボックル」という言葉だけはこの本で知った。最近だと、ジブリの『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)に出てきたアレ、といえば分かりやすいか。コロボックルって...

  • 手長足長と御柱 -出雲編その6

    アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』、第3シリーズの第81話は「コンビ妖怪手長足長」。手長足長は東日本に広く伝えられる伝説の巨人だが、wikiを見る限りでは、アニメに出てきたのは福井県バージョンのようだ。「足長が手長を背負って海に入り、手長が貝のフンをその長い手で海に入れ、魚をおびき寄せ獲って暮らしていたという」。ところでそんな妖怪をお祀りする神社が、諏訪にあった。手長神社、足長神社だ。妖怪を祀る、なんて書くと怒ら...

  • 「龍の子太郎」と穂高神社 -出雲編その5

    話が煩雑になるので触れなかったが、諏訪大社下社の祭神は、タケミナカタの妃とされるヤサカトメ(八坂刀売神)という女神だ。だが、下社の祭神はいつでもヤサカトメだったというわけではないらしい。『私の一宮巡詣記』(大林太良/青土社)によれば、それはタケミナカタの息子の片倉辺(かたくらべ)だったり、兄の事代主(ことしろぬし)だったり、なぜか景行天皇の皇后、八坂入姫(やさかいりひめ)だったりした記録もあるらし...

  • 『暗黒神話』のタケミナカタ -出雲編その4

    神話時代の、出雲の国。「国譲り」を迫る高天原からの使者タケミカヅチ(建御雷/鹿島神)に抵抗したのは、オオクニヌシの息子、タケミナカタ(建御名方/諏訪明神)だった。だがタケミカヅチはあまりにも強く、腕を引きちぎられたタケミナカタは諏訪まで敗走。諏訪から一歩も外に出ないことを約束して、命だけは助けられた。時は流れ、昭和の長野県、蓼科山中。父の死の真相を知るために、謎の老人に導かれた洞窟の中で、主人公の武...

  • 稲毛神社と憲法改正 -出雲編その3

    割と近いところにも、タケミカヅチを祀る大きな神社があると聞いて、行ってみた。川崎市役所から歩いて数分、第一京浜ぞいに鎮座する稲毛神社だ。川崎市内では唯一の別表神社ということで、市街地にあって小ぶりながら、重厚な雰囲気を醸し出している。社伝には興味深いことがいろいろと書いてある。いわく稲毛神社は、第12代景行天皇の御代には「武甕槌宮」として存在していたらしい。長浜浩明さんの計算だと、景行天皇の在位は西...

  • 『竹取物語』(1987年・東宝) - 出雲編その2

    『竹取物語』は1987年の東宝映画。監督は市川崑。久々に観返したが、本来は娘を持つ親なら誰でも感情移入できる話なのに、かぐや姫の童女時代をバケモノに描きすぎて、肝心の「親心」に今イチ共感できなかった。三船敏郎と若尾文子の演技には問題があるはずもなく、惜しい・・・。って、前回観たときは若い求婚者の目線でみてたのに、今では親の目線かい!(笑)。CGのない時代としては、奈良時代の都のセットとか、お迎えのUFOの...

  • ヤマタイカの旅 - 出雲編その1

    漫画『ヤマタイカ』で、邪馬台国の巨大祭器「オモイカネ」を追う神子らが、宇佐神宮の次に向かった先は、出雲だった・・・。出雲と言えば出雲大社。出雲大社といえば、まだぼくがサラリーマンだった1993年に読んだ『逆説の日本史』(井沢元彦/小学館)の衝撃を思い出す。いじめられて泣いていたウサギを助けた、やさしい神だと思っていた大黒さまは、実は「国譲りの際に殺害され、古代人はオオクニヌシの怨霊を恐れ、その怨霊を封...

  • 映画『ドラえもん のび太の日本誕生』 -九州編その6

    同年代と話をしていると、時折、縄文人を「原始人」だと思ってる人がいることに気がつく。自然に出来た岩穴に住んで、狩猟採集のその日暮らし、石斧かついでウホウホ言って、動物と人間の中間ぐらいのイメージか。しかし実際には、三内丸山遺跡で見られるように、大集落に定住し、高床式倉庫や巨大な竪穴式住居を建造し、農作物や樹木を育て、他の集落と交易し、海を渡って朝鮮半島まで出かけていたのが縄文人だ。いわゆるギャート...

  • 『火の鳥・黎明編』の自虐史観 -九州編その5

    80年代後半に描かれた『ヤマタイカ』の歴史観も古かったが、1967年の『火の鳥・黎明編』はもっと古い。というか、ほぼデタラメ(笑)。しかしぼくら世代の人間だと、いまだにその世界観を持ったままという人もいるはずだ。学者の説によれば 西暦三世紀から五世紀にかけて 北中国やモンゴルあたりを 馬に乗って駆けまわっていた部族・・・・騎馬民族・・・・が ぞくぞくと朝鮮半島をとおって日本列島に侵略してきたというそして もとか...

  • 映画『日本誕生』(東宝・1959年) -九州編その4

    映画『日本誕生』から、東国の平定を命じられたヤマトタケルが、伊勢神宮でおばの倭姫(やまとひめ)から草薙剣を受け取るシーン。『古事記』によれば、景行天皇の即位40年、ということなので、長浜さんの計算だと西暦310年頃ということになるだろう。東征の前にタケルは熊襲(九州南部)も征討しているが、それは西暦304年頃のことで、邪馬台国の卑弥呼が没してから50年ほど後の話。その頃にはすでに宇佐に九州最古と言われる前方...

  • 『日本の誕生』長浜浩明 -九州編その3

    長浜浩明さんの最新刊『日本の誕生 皇室と日本人のルーツ』(WAC)によると、神武天皇が生きたのは、邪馬台国の卑弥呼の時代より300年ほど前の時代だという。仮に2019年から300年前といえば、徳川吉宗が暴れん坊将軍として活躍していた時代なわけで、300年はそれほどに長い。まず先に神武天皇の「東征」があって、その300年ほど後に邪馬台国に卑弥呼がいた・・・。これは従来の日本古代史、さらには日本建国史を根底から覆すような...

  • 映画『まぼろしの邪馬台国』(2008年・東映) -九州編その2

    『まぼろしの邪馬台国』は2008年公開の日本映画。主演の吉永小百合が、あっち方面のシンパだということで拒否反応を起こす人もいるかも知れないが、盲目の郷土史家・宮崎康平を演じた竹中直人の怪演はいいし、堤幸彦監督ならではのVFXもいいし、吉野ヶ里遺跡で撮影したと思われる弥生時代の再現シーンもいい。見て損はないと思う。さて、それでは長浜本の話題に移ろうかと思ったが、本題に入る前に整理しておかないといけないこと...

  • ヤマタイカの旅 -九州編その1

    邪馬台国の女王、卑弥呼の巨大祭器「オモイカネ」を探すため、久高島を旅立った伊耶輪神子と神女たち。その神子を追う熱雷草作と岳彦の親子が到着したのは、九州は熊本空港だった・・・。ならばマンガ『ヤマタイカ』(星野之信)の舞台をめぐるぼくらの旅も、阿蘇くまもと空港から再開だ。まず神子が向かったのは山鹿市にあるチブサン古墳。おそらく古代史ファンには普通の光景なんだろうが、どこにでもある田舎町の、民家や畑が点...

  • 読書

    小川榮太郞さんの『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)を読んだ。帯に「

  • シン・ゴジラと安倍晋三

    いわゆる「リメイク物」に、ずっと不満があった。名前を挙げれば『CASSHERN』(2004)とか『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010)『キカイダー REBOOT』(2014)などになるが、昭和の旧作が持っていたテーマがごっそり抜け落ち、見た目だけ綺麗に作り直したように、ぼくには見えた。旧作のテーマ、については、それがこのブログのメインテーマなので随所に書き散らしてあるが、要は「戦後日本の正義」とは何か、という問いかけだ。稚...

  • シン・ゴジラとGのレコンギスタ

    ここまで見てきたように、昭和からミレニアムまでのシリーズで、ゴジラは実に様々に描かれ、様々に語られてきた。中には、劇場の外で語られたことを元にして、描かれたゴジラさえあった(GMKなど)。いま仮に、それらを引っくるめて「ゴジラの物語」と呼ぶことにしよう。そうして『シン・ゴジラ』に目を移すと、今さら言うまでもなく、シン・ゴジラが「ゴジラの物語」とは全く無縁な存在であることが改めて見えてくる。シン・ゴジ...

  • シン・ゴジラと平成ゴジラ

    平成ゴジラの第二作は『ゴジラvsビオランテ』。注目すべきはその公開日で、1989年12月16日。それは日経平均株価が史上最高値38,957円に達する13日前のことだ。まさにバブル経済のピークで作られた映画で、ゴジラはどう描かれ、どう語られたのだろうか・・・。いや、先に言ってしまうと、実は今回ゴジラ自身はそれほど大した役回りではなかった。ゴジラは、前回東京で暴れた際にバラまいてしまった「G細胞」から人間が作ったビオラ...

  • シン・ゴジラと昭和のゴジラ

    1954年の第一作の『ゴジラ』から始まる「昭和ゴジラシリーズ」でゴジラがどう描かれ、どう語られたかについては、当ブログの「ゴジラ」カテゴリで延々と書いたので、ここではザクッとまとめて話したい。まず全ての始まりである『ゴジラ』(1954)で、ゴジラとは、200万年前から海底洞窟か何かで生き延びてきた恐竜が、たび重なる水爆実験で生活環境を破壊され、日本近海に現れたもの、と語られた。水爆の影響で怪獣化したゴジラは...

  • シン・ゴジラと福島瑞穂

    久しぶりに、ブログを更新することになった。なった・・・というのは、それがぼく自身の意思ではなくて、友人との約束によるものだからだ。と言ってもそれは大した約束じゃなくて、友人の撮った石垣島の写真を送ってもらう代わりに、内容は問わないからブログ記事を更新する、というもの。すでに写真を受け取ってしまった以上、気乗りはしないが約束は果たされなければならない。気乗りがしないのにも理由はあって、このブログに多...

  • ヤマタイカの旅 − 沖縄編

    このブログの管理人、竹波エーイチが「竹」「波」「エーイチ」のおっさん3人の複合人格であることは既に書いた。そんなぼくらの愛読書に星野之宣さんの『ヤマタイカ』があって、以前からマンガに出てくる史跡を回ってみたいという計画があった。んで昨年11月、ようやく時間の調整がついて、沖縄行きのJALに乗り込むことができたので、その記録を少々・・・。那覇到着後、まず向かったのがウルトラ者の聖地、「松風苑」だ。言わず...

  • 『二つの憲法』井上ひさし

    1945年8月、日本はアメリカに敗れ、占領された。このインパクトは量り知れないわけで、60年代後半から80年代前半のヒーロー物テレビ番組でも、わずかでも政治色があれば「アメリカ」の影が見え隠れした。ひとつは「アメリカ」を守ろうとした仮面ライダーやマジンガーZなど。もう一つが、「アメリカ」と戦おうとした宇宙戦艦ヤマトやキャプテンハーロック、ザブングルなど。そして1979年の『機動戦士ガンダム』で、前者のアムロと後...

  • 『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』(2013年)

    ここまで、日本人が自然に持っている美意識や美徳として、「自己犠牲の精神」「相互扶助の精神」「約束を守ることの尊さ」を描いた作品をみてきたが、今回はその先を示すメッセージを持つアニメを取り上げる。お題は松本零士の代表作、『キャプテンハーロック』だ。ハーロック映画の旧作は、1982年公開の『わが青春のアルカディア』。その世界では、地球は「イルミダス」という宇宙人との戦争に敗北して、占領統治を受けていた。イ...

  • ONE PIECE「ビンクスの酒」

    『ONE PIECE』には、以前取り上げた劇場版『冬に咲く、奇跡の桜』(2008年)を始めとして、いわゆる「いい話」がやたら多い。人によって好みは別れようが、ぼくは音楽家ブルックとクジラのラブーンのエピソード、「ビンクスの酒」が好きだ。主人公ルフィーに8人目の仲間として「麦わらの一味」に勧誘されたブルックは、仲間との約束を果たさなければ男が立たない、と言って申し出を断る。それは50年以上前に「双子岬」に残してき...

  • 『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)

    今のところ、ガメラシリーズ最後の映画が『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)。大人も楽しめる本格怪獣映画だった「平成3部作」とは異なり、小さな子供向けに作られた「ジュブナイル作品」だ。あらすじは簡単。ガメラのたまごを拾った少年は、生まれた子亀を「トト」と名付けて可愛がる。トトはすぐに大きく育ち、少年の前から姿を消す。少年の町が怪獣ジーダスに襲われると、8mほどに成長したトトが現れて撃退。力尽きたト...

  • 『日本沈没』(2006年)

    以前も書いたが、ぼくが知る限りで最後の反日反戦映画は、『きけ、わだつみの声Last Friends』(東映)だ。公開は1995年6月。そしてそれ以降に作られた戦争映画は、近年大ヒットした『永遠の0』(2012年・東宝)に至るまで、特定のイデオロギーは交えないか、交えたとしても「右」寄りだ。大手が「左」寄りを作らなくなって、もう20年が経つ。この理由は、対象年齢を落とした子供番組を見ると分かりやすいと思う。例えば2001年の...

  • 『エヴァンゲリオン』の思い出 その3 ー使徒ー

    (前回からの続き)あらためて、「使徒」について。世に『エヴァ』の「解読本」「謎本」がどれほどあったのかは知らないが、その善し悪しを決めるのは「使徒」についての考察次第なんじゃないかとぼくは思う。というか、96年当時、ぼくらが一番知りたかったのが「使徒」の正体だった。まず第1話。「予想どおり自己修復中か」「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」「機能増幅まで可能なのか」「おまけに知恵もついたようだ...

  • 『エヴァンゲリオン』の思い出 その2 ー初号機、人類補完計画ー

    今頃になってバラすが、ここの管理人・竹波エーイチは「竹」「波」「エーイチ」の、3人のおっさんの複合体だ。3人でアイデアを出して、一人がまとめて書いてきた(だから、たまに昔話が食い違う)。思えば、高校生の途中ぐらいでオタク趣味を止めたぼくらを、再び呼び戻したのが『エヴァンゲリオン』だった。1996年夏から、1997年の夏までの約一年間、ぼくらはエヴァについて頻繁にメールを交わした。ちなみに、ぼくが当時使って...

  • 『エヴァンゲリオン』と『伝説巨神イデオン』

    富野由悠季監督が、昭和のテレビアニメの思想面で果たした役割は大きい。『海のトリトン』『無敵超人ザンボット3』『戦闘メカ ザブングル』についてはリンクを踏んでいただくとして、ここではまず、『機動戦士ガンダム』の「ニュータイプ」について、ちょっと触れたい。それは、人間が宇宙生活のなかで獲得した能力で、映画『逆襲のシャア』(1988)では「物とか人の存在を正確に理解できる人のことだよ」とクェス・パラヤに言わせ...

  • 碇シンジの「補完」について

    『ガンダム』に続いては『イデオン』の話題に移りたいところだが、その前にひとつハッキリさせておくことがある。それは、TVシリーズ最終話で、はたして碇シンジくんは「補完」されたのかどうか、だ。結論から言ってしまえば、ぼくが初めて『新世紀エヴァンゲリオン』をみた1996年夏頃は、シンジは「補完」された、という合意があったように思う。これは、TVシリーズ第25話「終わる世界」と第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの...

  • 『エヴァンゲリオン』と『機動戦士ガンダム』

    それでは本題に入りたい。まずは、『新世紀エヴァンゲリオン』が『機動戦士ガンダム』の問題意識をどのように発展させたかについて。巨大ロボットアニメの中興の祖といえば、1972年にスタートした『マジンガーZ』だ。それまでリモコン等で外部から操縦されていた巨大ロボットは、ここで人間が内部に乗り込んで直接操作する武器となった。ストーリーを簡単に言うと、静岡県の「光子力研究所」には世界に比類ない「光子力」&「超合...

  • 『エヴァンゲリオン』の思い出 その1 ーSFとオカルトー

    まずは前回の記事の補足から。何度も「守るべき何かが無い」を引用したことで、いや俺には愛する家族や友人や愛人がいるぞ!と思われた向きもあるかも知れないが、そこは誤解しないでいただきたい。宮崎駿は的確に「守るべき村や、守るべき何か」と分けていて、ぼくらの大切な家族や友人や愛人は、前者の「村」の方に入れられていると思われる。そして、後者の「何か」の方はよく分からないので、とりあえず「生きろ」と言っておい...

  • 『もののけ姫』と『エヴァンゲリオン』

    もう少し、『もののけ姫』の話題を続けたい。宮崎駿の思想的代表作とみなされる映画、『もののけ姫』(1997年)のテーマとは何だったのか。1998年発行の「『もののけ姫』はこうして生まれた。」(浦谷年良/徳間書店)という本によると、制作当時の宮崎駿が「我々が直面している最大の課題」として語っているのは、次のようなことだった。 今まで僕が作ってきたものは、基本的に守るべき人間がいて、その人間達に支持されていると...

  • オランダ映画『38度線』(1986年)

    1986年に製作されたオランダ映画『38度線』(原題 FIELD of HONOR)は、何だか不思議な映画だった。タイトルの通りで、朝鮮戦争を扱った映画なんだが、どういうわけか北朝鮮軍が全く出てこない。韓国側も軍人は「サカハシボーイ」と呼ばれる青年が一人だけで、他に役があるのは4人ほどの戦地売春婦と女衒のおやじが一人、それと母姉弟の一家丸ごとで売春に来た親子三人。まるで戦争は白人と中国人が戦っていて、韓国人は売春して...

  • 『火の鳥・黎明編』と『もののけ姫』の自虐史観

    前回の記事でぼくは、『風立ちぬ』は窮屈な作品だと書いた。今は1980年代までと違って、リベラルを装わなくても戦争や兵器を描ける時代だ。実際、『風立ちぬ』を「戦争賛美だ」と批判したのは中国や韓国のメディアばかりで、多くの日本人はあれを戦争映画どころか、ただのラブストーリーだと観たはずだ。しかしそれはつまり、お客さんからみれば、宮崎が描きたかった「ゼロ戦」も「堀越二郎」も実はぜんぜん描かれていなかったこと...

  • 風立ちぬ(4)〜コクリコ坂から

    宮崎駿にとって、監督としての前作は2008年の『崖の上のポニョ』となるが、脚本家としてのそれは、2011年『コクリコ坂から』(宮崎吾朗監督)になるだろう。その舞台は1963年の横浜。ここに港南学園という高校があって、老朽化した文化部部室棟「カルチェラタン」の建て替え計画が進められていた。一方それに反対する生徒たちもいて、あるとき「全学討論会」なる集会が開かれた。その時の、建て替え反対派筆頭の少年のセリフが以下...

  • 風立ちぬ(3)〜『青春の夢いまいづこ』『腰抜け愛国談義』

    話はようやく映画『風立ちぬ』に辿り着いた。と言っても、ここで今さら『風立ちぬ』の感想をクドクドと言いたいわけではない。宮崎駿の「現在地」という観点から、いろいろ引用したり、引用したり、引用したりして、ついでに多少は自分の考えも述べてみようかと思うところだ。はっきり言って、『風立ちぬ』の論評なんかはその道のプロに任せておけばいいんだ(笑)。岡田斗司夫さんの「『風立ちぬ』を語る」(光文社新書・2013年)...

  • 風立ちぬ(2)〜四歳で体験した戦争の記憶(キネ旬)

    宮崎駿が、自分の親父さんについて語ったものが初めて印刷物になったのは、1995年7月の『キネマ旬報臨時増刊』に収められた『宮崎駿講演採録 アニメーション罷り通る(なごやシネフェスティバル’88)』だと聞いている。ここで宮崎は4才で体験した戦争の記憶を語り、それは「創作の原点を窺うことのできる貴重な講演」であると解説がついている。今となっては余りに有名な講演だが、知らない人のために部分的に引用してみよう。...

  • 風立ちぬ(1)〜小冊子『熱風』

    話はいきなり宮崎駿に戻る。2013年7月に発行されたスタジオジブリの小冊子『熱風』には、正直参った(笑)。ここに宮崎駿の名義で寄稿された文章のタイトルは『憲法を変えるなどもってのほか』で、文中でも「本当に日本が嫌いになりました」「情けない戦争だったんだ」「本当に日本人はダメだと思いました」などと反日的発言の連発。このブログで、宮崎駿が左翼を辞めたことを嬉々として取り上げた身としては、腹立たしいやら恥ず...

  • 『9条どうでしょう』その2

    憲法の話題のシメとして、いわゆる「護憲派」の人々の考え方というものに触れておきたい。題材は、以前にも取り上げた『9条どうでしょう』(毎日新聞社 2006年)。ちょっと古い本になるが、内田樹、小田嶋隆、平川克美、町山智浩という4名による共著なので、一度に複数の意見が分かるメリットあり。それに、この手の本を何冊も読むのは苦痛なので・・・(笑)。さて、いちいち細かい「は?」や「え?」を挙げていったらキリがな...

  • 『誰が殺した?日本国憲法!』

    今回も憲法の話題ということで、引き続き田中英道先生の本からOSSについてアレコレ引用してみようかと思ったが、専門家を目指すわけでもないオッサンには話が煩雑に過ぎる気がしてきた。そこで、別の本からになるが、現行憲法と左翼思想の関わりについて、端的に書いてある文章を引用することにする(ごく常識的な内容だが、念のため)。日本国憲法制定の主役のケージスやホイットニーとは何者でしょうか。その正体は「ニューディ...

  • NHK「負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂〜」

    2012年秋にNHKが放送した歴史ドラマに、『負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜』というのがある。その劇中、渡辺謙が演じる吉田茂外相は、閣議で帝国憲法改正の必要があるかどうかを問われ、こう答える。「必要ないでしょう。婦人参政権、学校教育、労働組合、いずれにしても、各法令の改正で十分にまかなえます。憲法の改正は必要ありません」また、象徴天皇以外に陛下を守る方法なし、としてGHQ案を飲んだことを息子の健一...

  • 業務連絡

    一ヶ月ほど休止します。(更新中のカテゴリは「風の谷のナウシカ」です)...

  • 『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』

    前回引用した『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』の共著者、ヘンリー・S・ストークス氏には、ネーサン・クラークという従兄がいたそうだ。1941年半ば、英国軍人だったネーサン大尉は、ビルマのラングーン飛行場で驚くべきものを目撃した。それは多数のアメリカ軍戦闘機と爆撃機が、翼を連ねている様子だった。真珠湾攻撃の、半年前のことだった・・・。今ではすっかり知られるようになったことだが、当時のアメリカは(テ...

  • 映画『ムルデカ 17805』(2001)〜インドネシア独立

    前回、前々回の記事でみたように、いわゆる「海軍善玉論」なんてのは相当に怪しい議論で、一種のプロパガンダにさえ思えてくる。それが何で戦後日本で広く通用したかと言えば、やはり東京裁判史観の文脈と一致したからだろう。すなわち、海軍は単純に戦闘行為を行っただけで、「侵略」には加担していないんだと。「悪」は侵略行為に走った陸軍で、だからあそこで裁かれた軍人は陸軍関係者だけなのだと。日本人にとっては、それによ...

  • 聯合艦隊司令長官『山本五十六の大罪』

    ぼくの知る限りでは、今のところ史上最後の反日反戦映画は『きけ、わだつみの声 Last Friends』(1995年 東映)だ。そのラスト近く、懲役拒否で逃走したものの憲兵隊に捕まって拷問を受けた青年、鶴谷(緒形直人)は叫ぶ。「誰がこんな戦争を始めたんだ! 誰が俺たちの仲間を戦場へ連れて行ったんだ!!」鶴谷の第一の疑問については、どうも近衛文麿と米内光政が怪しい・・・というのが前回までの話。では第2の方はと言えば、そ...

  • アニメ『ジパング』 〜米内光政の自虐史観

    このブログで今やってることは、ぼくら世代のおっさんから自虐史観を排除するための作業。そのため歴史通の方には「今さら」で、若い人には無意味に感じられる記事ばかりだが、十分自覚して書いてるので、ほっといてください(笑)。さて、2004年から2005年にかけて、TBS系で放映されたアニメに、かわぐちかいじ原作の『ジパング』がある。ストーリーはご存じの通り、太平洋上で姿を消したイージス艦「みらい」が1942年6月にタイ...

  • 映画『226』(1989)ー右翼と左翼

    最近、新しく「ネトウヨ」なんて左翼用語が誕生したようだが、日本では「右翼」と「保守」は一致しない概念だ(「左翼」と「革新」は一致する)。前回の記事でも引用した『近衛文麿の戦争責任』(中川八洋 PHP研究所)から言葉を借りて、そこらへんを簡単に整理しておきたい。戦後日本で「右翼」のイメージというと、天皇・愛国・軍服・日の丸・・・といった感じで、要は「昭和維新」を叫んで過激なテロが行われた「血盟団事件」とか...

  • 映画『大日本帝国』(1982)ー左翼がはじめた戦争

    しばしウルトラで和んだ後は、お勉強タイムの再開だ。1982年に公開された映画『大日本帝国』は、さすがは東映の配給といった感じの左翼くさい映画だが、日米開戦のあたりは割りと公平な印象がある。まず、首相になって昭和天皇の大御心(おおみごころ)を知った東條英機が、戦争強硬派から和平論者にかわったことが描かれている。さらに、日本に先制攻撃をさせる方法に苦慮するルーズベルト大統領が登場し、「ハルノート」の過酷さ...

  • 「怪獣使いの遺産」ーウルトラマンメビウス

    2006年に放映された『ウルトラマンメビウス』の第32話は「怪獣使いの遺産」。ぼくらが幼少期にみた「怪獣使いと少年」の後日談だ。(大ざっぱなあらすじ)30年前に地球人に父を殺されたメイツ星人のビオは、宇宙船に怪獣ゾアムルチを積んで地球へやってくると、賠償として「地球の大陸部の20%の割譲」を要求してきた。防衛隊のGUYSは当然これを拒否、両者は戦闘状態に突入した。子どもたちのやさしさも、話し合おうというミライ(...

  • 『日中戦争 戦争を望んだ中国 望まなかった日本』

    前回の記事で引用した『日中戦争 戦争を望んだ中国 望まなかった日本』(北村稔・林思雲 PHP研究所)を使って、もう少々お勉強タイムを続けたい。そもそも「侵略戦争」とは何か?<侵略戦争>と訳される英語の agressive war の agressive は、「先に手を出す、進んで仕掛ける、先制攻撃をする」の意であり、戦争の開始状況を形容するだけで、戦争自体に<侵略、征服>という倫理判断に基づく「悪」の性格を付与する言葉ではなか...

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