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キネシオロジーとクラニオの蒼穹堂治療室 https://blog.goo.ne.jp/sokyudo

蒼穹堂治療室の院長が送る、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

キネシオロジー、クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)、鍼灸などを中心に施術を行っている治療家です。日々の臨床で発見したさまざまな治療法の紹介や、毎日の生活で感じたことなどを、つれづれなるままに綴っています。治療の最新情報(?)の入手のために、あるいは、治療家なるものの生態を知るために、ご活用いただければ幸いです。 治療院のHPは http://sokyudo.sakura.ne.jp です。

sokyudo
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草加市
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太田市
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2008/10/21

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  • 「エネルギーを通す」という方法

    施術していると、しばらく忘れていた昔教わった方法を、ある瞬間にふと思い出す、ということがある。そしてそういう場合、ダメ元で使ってみると、意外なほど効果があることが多い(だから、いろいろ勉強しておくことはムダじゃない)。最近もそういうことがあった。そこでふと思い出して使ってみたのは、「エネルギーを通す」というもので、これは以前セミナーで教わった。やり方は、施術者が相手の体の任意の2箇所に指あるいは手掌で触れ、その間にエネルギーを通すようにイメージするのだ。エネルギーが通ると、それを受けた方の指や手掌に熱い感じやピリピリする感じが現れる(ただし、どう感じるかは個々人で違いがあるので、自分はどう感じるかを知ることが必要)。そうした感覚がないなら、途中にエネルギーの流れを障害するものがある。どの辺りで障害されてい...「エネルギーを通す」という方法

  • 2024年冬アニメの感想と評価 3

    2024年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この「3」では放送を4月に終えたものと、4月以降も放送が続くもの、そして放送は3月末に終えたが、わたしが最終回を見るのが遅れた『魔法少女にあこがれて』を取り上げる。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『銀河英雄伝説DieNeueThese』第1クールリメイクされた『銀河英雄伝説DieNeueThese』全48話が日テレで放送されることになり、今回がその第1クール。私は以前、第2クールまでNHKで放送されたのを見ていたので、今ク...2024年冬アニメの感想と評価3

  • 2024年冬アニメの感想と評価 2

    2024年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。「1」では途中切りした作品を取り上げたが、この「2」では3月末までに放送を終えた作品のうち、まだ最終回を見られていない『魔法少女にあこがれて』を除く9本を取り上げる。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『異修羅』1期かつて“本物の魔王”の恐怖と脅威にさらされていた世界で、その魔王が討たれた。だが、“本物の魔王”とは何者で、誰がそれを討ったのかも分からないままの世界は“魔王”を僭称する者まで現れ、平穏になるどころか混迷の度を増し...2024年冬アニメの感想と評価2

  • 恐るべき子供たち

    最近、続けざまに2本のミステリ映画を見た。ミステリ作品ってのは下手すると、どうしようもなくショボくなってしまうが、この2本は揃って久々に当たり――少なくとも「カネ返せ」と言いたくなるような外れではない――と感じた。この2本は互いに関係ない独立した作品ながら、共通する言葉でくくることができる。それは「恐るべき子供たち」である。1本目は、紫金陳のミステリ小説『坏小孩(日本語版タイトル:悪童たち)』を、沖縄を舞台に映画化した『ゴールド・ボーイ(黄金少年)』(なお、スティーブン・キングの作品を映画化した『ゴールデン・ボーイ』とは関係ない)。金持ちの事業家の家に婿養子に入った男が、全てを手に入れるために周到に企てた義父母殺し。それは完全犯罪――のはずだった。それが3人の悪童たちが偶然撮影していたカメラに捉えられてい...恐るべき子供たち

  • 警察庁に続いて今度は国税庁からメールが…

    この間、警察庁からメールが来たと思ったら、今度は国税庁からだ(タイトルは「税務署からのお知らせ」だったが、発行元は国税庁になってる)。ちなみに発信元は、succ@iaqfhxa.cn。以下その全文。国税還付金の電子発行を開始しました。e-Taxをご利用いただきありがとうございます。令和6年度の税制改正等のうち、以下の申告手続について、追加及び修正を行い。税制改正に伴い、税金の状況をわかりやすくするため。E-Taxの個人納税アカウントを持つことを全員に義務付けていますこのメール受信後24時間以内に下記の専用リンクからE-taxアカウントをご登録ください。○注意事項1.以下のリンクから案内に従ってE-tax個人アカウントの登録を行ってください。2.案内メールの有効期限は令和6年3月24日21:25となりますの...警察庁に続いて今度は国税庁からメールが…

  • パソコンを買い換える

    パソコンを買い換えた。これまで使ってきたLenovoのThinkPadE15が、10年も経ってさすがにくたびれてきたからだ。まず、立ち上がりに異様に時間がかかるようになった。電源を切った状態から電源を入れて立ち上げると、使えるようになるまでに下手すると10分くらいかかる。なので、例えば掃除を始める前にパソコンに電源を入れると、掃除が終わった頃に使えるようになっているが、掃除が短く済んでしまったりすると、まだ立ち上げの途中だったりする。使用中も、ブラウザやメーラが「応答がありません」と表示されて一時止まってしまうことが、やたら多くなった。その上、OSはもうすぐ(MSが公表しているのは2025年10月)サポート期限を迎えるWindows10で、E15はシステムが要件を満たしていないためWindows11へのア...パソコンを買い換える

  • 私の子供が窃盗容疑で逮捕?

    私の子供を窃盗容疑で逮捕した、と警察からメールが来た。でも、残念ながら私に子供はいないんだ。多分、何らかの手段で集めたメールアドレスに一斉送信してるんだろう。以下その全文。警察庁について私たちは警視庁です。あなたのお子様は窃盗容疑で逮捕され、被害者に90万円の賠償金を支払う必要があります。至急下記口座にお振込下さい。1:金融機関:三菱UFJ銀行金融機関コード:0005支店名:六本木支店支店番号:045口座番号:普通1636616口座名義:株式会社アンビエントカナ:カ)アンビエント东京都千代田区霞关2-1-2100-8974「#9110」03-3581-0141(代表)詐欺メールはそれこそ毎日、山のように来るが、これはその中でも中身がダントツにひどい、というか杜撰(ずさん)。「警察庁について」と書いていなが...私の子供が窃盗容疑で逮捕?

  • 2024年冬アニメの感想と評価 1

    2024年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この「1」は現時点までに切った作品。2024年冬アニメは計15作品を見ていたが、うち2作品を切ったので、他の作品に先んじてその2作品について感想を述べる(途中切りしたので、評価はなし)。なお私の場合、アニメを見るにあたっては何より物語が面白いことが重要で、逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順。『月刊モー想科学』タイトルから『スプリガン』をギャグ方向に振り切ったような作品を想像していたら、全然違った。モーストシティという街の古びたビルにある、スーパーサイエンスないかがわしい記事を載せる「月刊モー想科学」の編集部に、オーパーツならぬモーパーツ(幻のモー大陸の遺産らし...2024年冬アニメの感想と評価1

  • 雑誌「ムー」の大予言

    久しぶりに雑誌「ムー」を買った。あまりにしばらくぶりで、その前に買ったのがいつだったか、もう覚えていないほどだ。その2024年2月号には毎年恒例の、霊能力者と占術家が新たな1年を語る「大予言2024」という記事が載っている。それが目当てで買ったわけではないが早速見てみると、「日本の自然災害」の項目で大地震の可能性が挙がっているのが目についた。夏至以降は三碧の象意「振動」の作用により地震が頻発。過去における頻発地域は2024年も警戒が必要だ。(エミール・シェラザード)立向盤の騰蛇(とうだ)は北にあり、庚(かのえ)と同居だ。東北と北海道で津波をともなう地震が発生するだろう。(小野十傳)北海道で大地震が発生する可能性が高い。震源は津軽海峡の少し北あたりだろう。(小林世征)災害を象徴する官鬼という用神(ようじん)...雑誌「ムー」の大予言

  • X氏からのメール

    この間、Xという人からこんなメールが来た(ちなみに発信元はme@ganesh.tokyo)。高澤昌宏さんお元気ですか。このメールはまぐぞうやインフォトップでメルマガにご登録いただいたので送信させていただいています。十年前くらいに登録してもらったのですが。匿名を許してください。なぜなら、お金の話をするので、、、私はひとりで誰とも会わずに3億円稼ぎました。あんまり人に言えないです。秘密にしててください。その方法を教えますがいかがでしょうか。ご興味ありましたらこのメールに返信してください。なんでもいいです。空メールでもいいです。個別に話します。注意:押すだけで解除になります。再登録はできません。http://mailwizz.vimm.tokyo/latest/index.php/lists/rt105syvs...X氏からのメール

  • 神託は下った 2024

    以下に述べるのは2024年に行われた粥占(かゆうら)の話。粥占とは、新年に合わせて古式に則って炊いた粥の出来から、その年の吉凶を占う神事である。粥占自体は全国各地の神社で行われているが、取り分け私を含め多くの粥占ウォッチャー(?)が毎年注目しているのが、長野にある諏訪大社下社春宮の粥占(ここでは「筒粥神事」と呼ぶらしいが)だ。ここでは特に「世の中」についての占いで、何度も大きな災禍の到来を当てているからである(詳しくは過去記事「神託は下った」などを参照)。その諏訪大社下社春宮では2024年も1/15に粥占(筒粥神事)が行われ、その結果が「長野日報」に掲載された。それによると雪が舞う中、午前5時ごろから神占(みうら)の神事が執り行われ、五分を満点とする「世の中」は、昨年を一厘上回る「三分六厘」。(中略)「世...神託は下った2024

  • ささやかな局地戦を粘り強く続ける

    1/5の朝日新聞「オピニオン」ページに、2023年度前期のNHK朝ドラ『らんまん』の脚本を執筆した長田(おさだ)育恵のインタビュー記事があり、その中で印象に残った下りがあったので、ここで紹介したい。『らんまん』は、幕末に生を受け、日本の植物学の黎明期を生きた高知県出身の植物学者、牧野富太郎の人生をモデルにしたドラマだった。一般に朝ドラはヒロインの一代記を描くことが多く、男が主人公になることは非常に少ない上、『らんまん』は主人公が学者だったこともあって「『若い女性が明るく頑張るドラマが見たい』という期待には応えていないので、『重い』『暗い』という不満の声もありました。正直言って、巨大で分厚い壁に囲まれているような圧迫感と怖さの中にいました。何も言われようと、書こうと思ったことを書ききるしかない。そう覚悟して...ささやかな局地戦を粘り強く続ける

  • 水道料金の督促が来た

    2023年末から年明けにかけて、未払いの水道料金を督促するメールが来ている。送ってきているのは、東京水道局を名乗るところだ。私は埼玉在住で仕事場も埼玉だから、東京に水道料金を納めるいわれはないし、そもそも東京水道局なんてところは存在しない(存在するのは、東京「都」水道局だ)。簡易的に東京水道局と言うこともあるかもしれないが、未払いの水道料金に対する督促など正式文書にそんな略称を使うことはあり得ない。それにしても、何だよこのメール。料金を督促してるってのに、振込口座や電話番号すら書いてない。「お問い合わせがあれが、ご連絡ください」とあるけど、肝心のその連絡先はどこよ?銀行やカード会社、Amazonからのメールを装った詐欺メールは相変わらず山のように届いている中、このところ税務署や今回の東京水道局(笑)などの...水道料金の督促が来た

  • 2023年秋アニメの感想と評価 3

    2023年秋アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。途中切りしたものや1月も放送が続くものについては「1」、「2」で述べたので、この「3」では放送を終えたものについて述べる(『川越ボーイズシング』だけは、最終話となる第12話が放送されていない(放送時期も未定だ)が、ここに入れた)。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『アークナイツ』2期「冬隠帰路」RPGが原作で、鉱石病という不治の病が発生し感染者に対する激しい差別が広がる世界で、感染者救済を謳うテロ組織“レユニオン・ムーブメン...2023年秋アニメの感想と評価3

  • 2023年秋アニメの感想と評価 2

    2023年秋アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。「1」では特別編として放送された『進撃の巨人TheFinalSeason完結編(後編)』と途中切りした2本について述べた。この「2」では1月以降も放送が続く4本について。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『葬送のフリーレン』第1クール昔『Fate/Zero』が初回1時間スペシャルでやったのを見てスゲー!と思ったものだが、それが『【推しの子】』は初回が1時間半になり、この『葬送のフリーレン』ではついに初回は「金曜ロードショー」...2023年秋アニメの感想と評価2

  • 1年前の食べかけのシュトレンが見つかる(´エ`;)

    突然、去年買って途中まで食べたシュトレン(Stollen)を見つけてしまった。シュトレン(シュートレンでもシュトーレンでもなくシュトレン)とは、ドイツを中心にヨーロッパ各地で作られる焼き菓子である。酵母入りの生地にレーズン、レモンピール、オレンジピール、ナッツなどを練り込み焼き上げた後、その上に真っ白になるまで粉砂糖をまぶして作られる。その見た目が白い布にくるまれた幼子イエスに似ているところから、クリスマス前に作られるが、クリスマスケーキのようにイブに食べるのではなく、クリスマスが来るのを指折り数えながら少しずつスライスして、味の変化を楽しみながら食べていくものらしい。なので(伝統的な作り方で作られた)シュトレンは生菓子ではなく保存食に近く、かなり日持ちがする。実際、私は毎年、シュトレンを年明けまで食べて...1年前の食べかけのシュトレンが見つかる(´エ`;)

  • 才能があるとかないとか

    また本が増えすぎてしまって、一部を処分することにした。が、処分する前にもう一度読んでおこうと思ったのが、古賀史健の『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社新書)だった(ちなみにこの本については以前、「サバイバルス・キルとしての文章作成技法」という記事を書いたことがある)。そう思ったのは、この本が文章作成のいわゆるノウハウを記した本であり、この機にもう一度目を通しておきたかったからだ。実際に再読してみるとノウハウ部分は意外によく憶えていて、これなら読み返す必要はなかったかな、と思ったが、最後の部分で目が止まった。この本は文章の書き方を講義形式で示していて、第0講に当たるガイダンスと、第1講~第4講で構成されているのだが、古賀は第4講の最後で、このように述べている。本講義を締めくくるにあたって、ひとつだ...才能があるとかないとか

  • 神田昌典さんからの2024年「成功の秘訣」

    11月末、アルマクリエイションから神田昌典さん名義で「2024年『成功の秘訣』」というタイトルのメールが届いた(神田さんは今、「神田」という表記を使っているようだが、ここでは面倒なので「神田」を使うことにする)。ちなみに私は以前、神田さんの著書『非常識な成功法則』を読んで神田フリークになり、それからずいぶん長いこと神田メソッドを信奉して音声教材も相当買ったし、フォトリーディングのセミナーも受けてきた。ただ、いろいろ試してきたものの目に見える成果はほとんどなく、今は神田フリークではなく、神田メソッドも(まだ多少の興味はあるものの)ほとんど使っていない。今にして思えば、世にある「成功法則」と称されるものも、それぞれ向き不向きがあると思う。しょうもない例で言えば、「成功したければ机の上は常に整えておかなければな...神田昌典さんからの2024年「成功の秘訣」

  • 専門家は断言しないが半可通は断言する

    新型コロナのパンデミックに世の中が騒然としていた頃のこと。昼のある情報番組で新型コロナが今後どうなっていくかについて専門家に話を聞いた際、出演した専門家が「これはいろいろな条件によって変わっていくので、明確なことは言えない」と答えたのを、MCがちょっと皮肉を込めて「専門家なら『こうだ!』とズバッと答えてほしいですよね」と言いながら引き取ったのを見たことがあった。このMCに限らず、「専門家」と称する人に対するイメージは、「一般人では分からない問題に明確な答えが出せる人」というものだろう。けれども、何かを学んでいけばいくほど、どんなことも「これはこう」と単純に割り切れるものでないことが分かってくる。かくして本物の専門家になればなるほど、言葉は慎重で歯切れの悪い曖昧なものになっていく。あるいは、そうならざるを得...専門家は断言しないが半可通は断言する

  • 2023年秋アニメの感想と評価 1

    2023年秋アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この「1」は放送を終えたものと途中切りしたものを挙げた。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。まず放送が終了したもの。『進撃の巨人TheFinalSeason完結編(後編)』アニメ放送開始から10年にして『進撃の巨人』がとうとう完結と相成った。物語の詳しい感想などは別に記事を書くつもりでいるが、これほど長大で、しかも「TheFinalSeason」の途中でPointofNoReturn(引き返すことのできない地点)を超えてしまっ...2023年秋アニメの感想と評価1

  • 「完備性」を整える

    何らかの不具合というのは身体症状として出るので、その原因はまず物理的な身体の異常として追求される。中には原因を聞いても「骨格(背骨、骨盤)が歪んでるから」、「神経が圧迫されてるから」としか答えない(答えられない?)ひどい治療家もいるが、そういうエセ治療家はともかく、体に出ている症状の原因を解剖学、生理学的な切り口で探ることは極めて真っ当なやり方だ。けれども、そうした切り口だけでは原因が捉えられないこともよくある。捉えられないのに無理矢理、物理的な身体の異常ということにして施術を続行してしまう治療家も少なくないが、もう少し気の利いた治療家なら物理的な身体から離れて、心理的、感情的な切り口や、エネルギー的な切り口で原因を探るかもしれない。だが、それでも原因が捉えられない時は?そういう時、私が考えるのは、身体あ...「完備性」を整える

  • 2023年夏アニメの感想と評価 2

    2023年夏アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。「1」では秋期も放送継続中のものを挙げたが、この「2」では放送を終えたものについて述べる。なお、夏期は途中切りしたものはなかった。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『青のオーケストラ』第2クール(1期後半)千葉県にある幕張高校がモデルの、海幕高校オーケストラ部を舞台にした部活もの。季節が春から夏へと移りゆく中、オケ部は定期演奏会に向け準備に余念がない。今回の第2クールではメンバがふるい落とされるオーディションや、主人公、青野...2023年夏アニメの感想と評価2

  • 「勝共連合」からのチラシ

    帰ったら郵便受けに「国際勝共連合」からのチラシが入っていた。今住んでいるところは越してきてもう25年近くになるが、統一教会や勝共連合のチラシが入れられていたのは初めてだ。岸田内閣が教団の解散命令に向けて動く中、ウチのようなところまでチラシを入れなければならないほど教団は焦ってる、ということなのだろう。さて、そのチラシの内容だが「旧統一教会潰しに狂奔する全国弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)は反日左翼」というもの。旧統一教会は「共産主義に勝利する=勝共」というスローガンを掲げて、それに共感した岸信介など日本の右派人脈を取り込んで勢力を強めていった。だがその実体が単なる「反日カルト」だったことが、岸の孫である安倍元首相殺害事件をキッカケに明らかになったのは皮肉なことだ。そんな「反日」集団が全国弁連のことを「...「勝共連合」からのチラシ

  • 2023年夏アニメの感想と評価 1

    2023年夏アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この記事では6月末まで放送を終えたものについて述べる。この「1」は秋期も放送が継続される作品を取り上げる。ただ『青のオーケストラ』は10月も放送が続くものの10/8が最終回で、それをここに入れるのは筋違いのように思うので、それは9月末までに放送を終えた作品と一緒に「2」に入れる予定。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『呪術廻戦』2期「壊玉・玉折、渋谷事変」第1クール『呪術廻戦』2期は過去編となる『劇場版呪術廻戦0』を挟んで、...2023年夏アニメの感想と評価1

  • カバラと「生命の木」 35

    「カバラと『生命の木』」の第35回。今は第10セフィラ、マルクトについて述べている。高次の世界の思考では明確に捉えられないものを最終的に明確化、具現化するのが、マルクトの持つ形を与え物質化する機能である。他の全てのセフィロトから流出したものは、マルクトに到達すると光り輝き、眼に見えるものとなる。ゆえに、あらゆる魔術的ワークは完了するに際してマルクトを通過しなければならない。力が最終的に形となるのは、マルクトにおいてのみだからである。あらゆる魔術的ワークは、次元を下ってその魔術師の力量の範囲内に力を及ぼすよう設定されている。多くの魔術師は主観的成果(例えば単なる高揚感)を得ることで満たされるが、中には心霊現象を引き起こそうとする者もいる。だが、次のことは意識されるべきである。どのようなワークも、それがマルク...カバラと「生命の木」35

  • かすかな死の匂いと仄暗い命の揺らめき

    日本橋で映画『ファルコン・レイク』を見てきた。公開から日が経ってしまったせいで、上映が朝9:00の回のみになってしまい、行こうか行くまいか迷ったのだが、このところ朝、妙に早く目が覚めてしまうため、何かが私に「行け」と言ってるのだろうと解釈して、朝飯もそこそこに終わらせて7時台に家を出た。映画の中ではあまり細かい状況設定が語られないので、公式サイトからの引用になるが、もうすぐ14歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日間。メランコリックで大人びた雰囲気の3つ年上のルイーズの娘・クロエに惹かれていくバスティアンは、彼女を振り向かせるため幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが──。14歳...かすかな死の匂いと仄暗い命の揺らめき

  • 耳のスイッチング

    キネシオロジーは、施術の前にチェックして、あれば除去しておかなければならないスイッチングというものがある(スイッチングとは何かについては、例えば過去記事「臨床の現場から9」に書いているので、そちらを見てほしい)。スイッチングにはさまざまなものがあり、またキネシオロジーの流派?ごとに何をスイッチングと見なし、どう除去するかには違いがあって、今もオーソライズされていない。ここで述べる「耳のスイッチング」は、私がキネシオロジーとして教わった、クリニカル・バイオホログラフィック・システム(ClinicalBioholographicSystem;CBS)の中でスイッチングと見なされているものの1つである。「耳のスイッチング」の具体的な検査と除去の方法は動画で説明した。上の動画でも述べているように、私が今やっている...耳のスイッチング

  • 怖い家

    今、家系が「来てる」のか?──といってもラーメン屋の話ではない。『黄色い家』だとか『変な家』だとか、家にまつわる本が次々に出ている出版業界の話である。そういう意味では、この沖田瑞穂の『怖い家』もまた、その中の1冊ということになるのかもしれない。『怖い家』はそのタイトルから、家にまつわる怖い話を集めた短篇集のように見えるかもしれないが、実は古今東西の神話、民話、伝承から現代の小説、映画まで「家」という切り口で論じた、マジメな学術研究書である。家というものには、建物としての家だけでなく一族、血族という意味の家──イエ──まで含まれる、と考えると、家は人という存在と不可分のものであり、あらゆる物語は家という切り口で読み解くことができる。そこでこの本は、まず序章でスタンダードな幽霊屋敷ネタから入り、異界としての家...怖い家

  • 『呪術廻戦0』のアレ

    初めて見た時からアレがずっと気になっていた。『劇場版呪術廻戦0』で夏油傑(げとうすぐる)が結んでいた印(いん)のことだ。これを読んで「え?そんなシーンあったっけ?」などという人は、僭越ながら多分『呪術廻戦0』をちゃんと見れてないんじゃないかと思うので、見直してみてほしい。私は『呪術廻戦』の原作を読んでおらず、この印を結ぶシーンが原作にもあるのかどうか知らない。けれど、アニオリでわざわざこのシーンを加えるというのも意味がわからないので、恐らく原作にもあるのだろう。とすると原作者の芥見下々(あくたみげげ)は、この印をどこから持ってきたのだろう?考えられるのは、古神道の中で伝えられているものだが、それらは一般には決して開示されない秘中の秘とされていて、(私の知る限り)文献や資料の類も存在しない。そこで手持ちの道...『呪術廻戦0』のアレ

  • 2023年春アニメの感想と評価 2

    粒ぞろいという前評判だった2023年春アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。今期は12作を見て、途中切りはなし。この記事では、そのうち放送終了が7月になったものと現在も放送が続いているもの3本について述べる。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『青のオーケストラ』放送継続中高校オーケストラ部を舞台にした、いわゆる部活もの。主人公、青野一(はじめ)は世界的ヴァイオリニストの父の下で幼い頃からヴァイオリンの英才教育を受け、かつてはコンクールを席巻するほどの腕前だったが、その父が不...2023年春アニメの感想と評価2

  • 2023年春アニメの感想と評価 1

    粒ぞろいという前評判だった2023年春アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。今期は12作を見て、途中切りはなし。この記事では、そのうち6月末まで放送を終えた10作品について述べる。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『ヴィンランドサガ』2期後半ヴァイキングが北の海を席巻した時代を生きた青年、トルフィンの物語。2期後半では、デンマークの農場で奴隷として働いていたトルフィンが、ついに自らの生きる目的に目覚めて旅立つまでが描かれる。特に再会したクヌートとのやり取りはアニメ史に残る名...2023年春アニメの感想と評価1

  • 治療家による施術過誤

    私は直接の面識はなく、メルマガを購読しているだけだが、セラピストサポートという治療院の経営コンサルのようなことをしている加藤氏が以前、メルマガで行った治療院の施術過誤についてのアンケート結果をネットに公開している。普通、ネットにこうした治療院(接骨院/整骨院、鍼灸マッサージ院、整体院など各種療法)の施術者、治療家自身による生々しい話が出ることは非常に少ないので、ここで紹介したい。ちなみに、このアンケートには私も回答しているが、その時はちょっと思いつくことがなくて自由記述欄は何も記入していなかった。改めてアンケート結果を見直してみて思い出した、私自身の事例がいくつかあったので、ここで述べると…・ある患者の施術中、その人のトラウマに触れてしまって体が震えだして止まらなくなり、家族に連絡して迎えに来てもらったこ...治療家による施術過誤

  • カバラと「生命の木」 34

    「カバラと『生命の木』」の第34回はマルクトについての続き。マルクトにおける四大元素は物質界における顕現の4つの形態に対応している。そのうちの、四大元素とヒポクラテスによる四気質、タロットの四つ組み、黄道十二宮、7惑星の対応については、このようになる。「地」の元素:四気質は「粘液質」、タロットは「星」の組、黄道十二宮は「金牛宮」、「処女宮」、「磨羯宮」「水」の元素:四気質は「黒胆汁質(憂鬱質)」、タロットは「杯」の組、黄道十二宮は「巨蟹宮」、「天蝎宮」、「双魚宮」「風」の元素:四気質は「黄胆汁質(胆汁質)」、タロットは「剣」の組、黄道十二宮は「天秤宮」、「双子宮」、「宝瓶宮」「火」の元素:四気質は「多血質」、タロットは「杖」の組、黄道十二宮は「白洋宮」、「人馬宮」、「獅子宮」マルクトは基本的に物質界の次元...カバラと「生命の木」34

  • 大河ドラマ『どうする家康』に見る「弱さは害悪」

    大河ドラマ『どうする家康』は、前半の大きな山場である三方ヶ原の戦いに突入しているが、1月の放送開始当初からいろいろ厳しい批判にさらされて、視聴率ではかなり苦戦しているようだ。その批判の1つに「史実と違う」というものがある。けれども、そもそも大河ドラマはあくまで「史実をベースにしたドラマ」だ。それに史実とはいわば「歴史上の出来事とされるもののうち、現時点で一定程度オーソライズされているもの」のことで、近現代史ですら新たな資料が出てきて、その出来事や人物の位置づけや評価が大きく変わることが、しばしばある。ましてや戦国時代など、本当のところどうだったのか分からない部分は多い。大体、「史実」「史実」というなら山田風太郎の「忍法帖」シリーズを読めばいい。山田風太郎は史実を丹念に調べ、史実とされている部分はそれに忠実...大河ドラマ『どうする家康』に見る「弱さは害悪」

  • 楽天カードから身に覚えのないカード利用が!

    楽天カードから「カード利用のお知らせ」と題するメールが届いた。そこには全く身に覚えのない購買履歴が!ヤベ…カードが不正利用されたのか?ヾ(´゚Д゚`;)ゝ──と、一瞬疑ってしまうほどよくできた詐欺メールだった。利用代金が合計4155円と、不正利用の割には額が少ないが、逆にそこに信憑性を感じた。「助かった、まだそれほど使われてない。急いでカード会社に連絡して、利用を止めてもらわなきゃ」と、「ご利用明細を確認する」をクリックしてマイページにログインしようとする人もいるのでは?多分、そこをクリックすると、本物の楽天e-NAVIにそっくりの画面が表示され、そこでIDとパスワードを入力すると、それが盗み取られるのだろう。折しも、中国人詐欺グループがフィッシング詐欺用の偽サイトを使って、数百万人分のIDとパスワード、...楽天カードから身に覚えのないカード利用が!

  • 「業(ぎょう)」と「業(ごう)」

    2023年春アニメが放送中だが、その中の『地獄楽』第2話を見ていてふと気づいたことがある。職業、生業を意味する「業(ぎょう)」と、人の生まれ持った運命や性向、それがもたらす行為を表す「業(ごう)」が同じ文字だということに。以下、ここではアニメ『地獄楽』第1、2話の一部ネタバレが含まれるので、未見の方はご注意。まずは、その『地獄楽』のPV動画を。物語の舞台は江戸時代後期。蓬莱、極楽浄土、神仙境などと呼ばれる伝説の島が琉球の更に南に見つかる。だが、幕府は数度にわたって調査隊を送るも1人を除いて誰も戻らず、戻った者も人でないものになり果てていた。そこで幕府は「死んでもかまわない者」すなわち刑死を待つばかりの重罪人を選び、「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免にする、という「公儀御免状」を楯に、見張り役である首切...「業(ぎょう)」と「業(ごう)」

  • 2023年冬アニメの感想と評価 3

    2023年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。3月末までに放送が終わったものについては「1」、「2」に述べたので、「3」は4月になって放送が終わったものと、この先も放送が続くものについて。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『ヴィンランドサガ』2期第1クールヴァイキングが北の海を席巻した時代を生きた青年、トルフィンの物語。1期ではアシェラッドに父を殺された少年、トルフィンが、その敵討ちのためにアシェラッド率いる軍団に入り、アシェラッドの命を狙いながら自身もヴァイキングとし...2023年冬アニメの感想と評価3

  • 2023年冬アニメの感想と評価 2

    2023年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。3月末を待たずに方法が終わったものについては「1」に述べた。この「2」では、それ以外で3月末までに放送が終了したものについて。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『アルスの巨獣』時折、巨獣と呼ばれる存在が街を攻撃してくる世界、アルス。巨獣は甚大な被害をもたらす一方、人もまたその巨獣を狩り、解体し、売りさばくことで経済が回っている。だが、なぜか近年、強力な「赤目の巨獣」が頻繁に出没するようになり、大きな脅威となっていた。そんな中...2023年冬アニメの感想と評価2

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 3

    竹田青嗣の『新・哲学入門』をネタ本に、竹田が展開する身体論について考える3回目(以下、太字は本書からの引用)。竹田は人間の身体は、単なる感覚器官なのではなく世界感受の綜合的な能力、すなわち対象と世界を、意味、価値、エロス性的総体として感受する一つの「能(あた)う(IchKann)にほかならない。と述べる。これは「2」で引用した幻想的身体は、人間的関係世界を、諸対象の価値性、エロス性として感受する人間固有の身体性であるを言い換えたものだが、それを補強するものとしてショーペンハウアーの「身体」についての現象学的な洞察を引く。《身体というこの唯一の客観は本質的に他のあらゆる客観とは異なっていて、あらゆる客観のなかでこれのみが意志であると同時に表象である、ということである。これに反し他の客観は単なる表象であり、い...象徴機能と身体-幻想的身体論3

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 2

    竹田青嗣の『新・哲学入門』をネタ本に、竹田が展開する身体論について見ている。「1」では、レヴィ=ストロースの考察に基づく「象徴機能」の構造について述べた。ここで「哲学の再興」をうたう竹田が、なぜ身体論といったものにここまで深く関わるのか、ということについて述べておく必要があるだろう。本書における竹田の主張は次のようなものだ(以下、太字は本書からの引用)。哲学とは言葉による「世界説明」である(だが、哲学は社会の「真理」を捉えるのではない。言葉は真理を捉えることはできず、ただ「世界の絵」を描くことができるだけだ)。そのための哲学の方法が「普遍洞察」であり(この方法が哲学を普遍的な世界説明とする)、それが哲学の「原理」である。しかし、特に現代哲学はこの原理を否定し、解体している。だから哲学は、いまもう一度、普遍...象徴機能と身体-幻想的身体論2

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 1

    2014年に「象徴体系を使った治療システム」という記事を4本にわたって書いた。その治療システム自体は今はもう使っていないが、特に「4」の中で述べた、象徴体系を治療(施術)の中に取り込む意味と意義は、私の中で少しも変わっていない。そんな中、竹田青嗣の『新・哲学入門』を読んでいて、その中に興味深い論考を見つけた。ちなみに、この『新・哲学入門』はタイトルからも分かるように哲学書であって、治療関係の本ではない。竹田はこの本の目的について哲学は、いまもう一度、普遍的な「世界説明」の創出の営みとして、普遍洞察の方法として再生されねばならない。(中略)この課題は、われわれの時代の人間と社会の可能性にとって必須のものである。これを本書のマニフェストとしたい。と宣言している。そんな本がなぜ象徴体系だの治療だのと関係するのか...象徴機能と身体-幻想的身体論1

  • 2023年冬アニメの感想と評価 1

    不作と言われた2023年冬アニメだが、既に放送が終わったものについてネタバレなしで感想と評価を。ちなみに私の場合、アニメは何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で評価はAからE。『異世界おじさん』2022年夏アニメとして放送されるはずだったが、スタッフが新型コロナに感染するなどして第7話までで中断。改めて今期、第1話から放送された。ところが公式サイトによると、中国での新型コロナ感染拡大の影響で中国に外注していた部分の制作が間に合わず、第13話の放送がまたまた延期になった(現時点で放送日は未定)。17歳の時にトラックにはねられて以来、ずっと昏睡...2023年冬アニメの感想と評価1

  • あまりメガネをしなくてもよくなる

    一応最初に断っておくが、これはステマ(ステルス・マーケティング)ではない。最近、気がつくとメガネをかける頻度が大幅に減った。以前は、PCで作業するにしても本や新聞を読むにしても、メガネがないと始まらないという感じだったのが、今は逆にメガネをしない方が見やすいので(といっても、若い時のようにシャープには見えないが)、重要な書類を書く時などを除いてメガネはしていない(現にこの文章もメガネなしで書いている)。40代後半くらいからものが見えづらくなり、ブログにも「老眼鏡を買う」なんて記事を書いたとおりで、50代にはメガネなしでは読み書きに不自由するようになってしまった。その間、こちらも手をこまねいていたわけではなく、視力がアップするという方法をいろいろ試してみたが、どれも効果がなく、だんだん「読み書きする時はメガ...あまりメガネをしなくてもよくなる

  • カバラと「生命の木」 33

    「カバラと『生命の木』」の第33回。「生命の木」の第10セフィラ、マルクトについての続き。まず第9セフィラであるイエソドとマルクトの関係について。イエソドは形を与える原理であり、そこで形成されるものは全て(それが相容れないものを含まない限り)マルクトで具現化(=物質化)されることになる。それでも物質粒子は極めて反抗的で鈍重なので、秘伝家が「火の元素」と名づける、物質の最も希薄な部分に働きかけることによって、初めてイエソドの諸力が効果を現すことが可能になる。ここで「32」でも触れた四大元素について、更に詳しく述べておこう。「火の元素」は事物そのものというより、むしろそれらの間のさまざまな関係状態を意味する。「風の元素」はそれらの関係を生み出す可能性であり、ゆえに物理的生命の根本原理である。なぜなら有機体が形...カバラと「生命の木」33

  • 神託は下った 2023

    古式に則って正月(場所によっては旧正月)に五穀で粥を炊き、その結果によってその年の吉凶を占う粥占(かゆうら)。2023年も各地の寺社で行われ、結果が出揃ったようだ。中でも長野にある諏訪大社下社春宮の粥占(ここでは「筒粥神事」と呼ぶらしいが)は毎年、多くの粥占ウォッチャー(?)が注目していて、その結果が話題に上る。というのも、ここの粥占は過去に東日本大震災や新型コロナ・パンデミックを当てていたのではないか、と言われているからだ(その辺りのことは過去記事「神託は下った」を参照されたい)。で、今年2023年の結果について「長野日報」の記事の一部を引用すると下諏訪町の諏訪大社下社春宮で14日夜に始まった「筒粥神事」は、15日早朝に釜揚げしたヨシの茎を割り、今年1年の世相と農作物の豊凶を占った。五分を満点とする「世...神託は下った2023

  • 適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる

    統計学者のジェフリー・S・ローゼンタールが世の中の不可解で理不尽な出来事を統計学の立場から解き明かした本、『それはあくまで偶然です』。その第18章「ここらでちょっと一休み──ラッキーなことわざ」には、運や偶然にちなんだ、さまざまなことわざやアフォリズム(箴言)が集められている。その中の1つにWithpropermedicationyoucancurecoldinsevendays,butlefttoitsowndevices,ittakesaweek.というのがあった。意味は「適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる」である。いくつかの単語を拾い読みしただけだと、きちんと医療を受けることの大切さを説いているように見えるが、もちろんそういうことではない。カゼなど薬を飲もうが...適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる

  • カバラと「生命の木」 32

    「カバラと『生命の木』」の第32回からは、話題は「生命の木」の一番下に位置する第10セフィラ、マルクトへと移る。以前の記事で既に何度か述べたように、「生命の木」は3つの三角形の構造を持つが、マルクトはそうした三角形の構造から外れ、独立したセフィラである。他のセフィロトが単一の色彩で表されるのに対して、マルクトは複数の色彩で表される。というのも、マルクトは四等分され、それぞれ地・水・火・風の四大元素が割り当てられているからだ。マルクトは「木」のどの三角形においても機能しないが、「木」のあらゆる活動の最終結果として存在する。「マルクトは他の全てのセフィロトからの流出を受ける」とカバリストが言う所以である。同時にマルクトは霊的向上における最下層、出発点であり、外へと向かう孤の一番外側の点でもある。一般にマルクト...カバラと「生命の木」32

  • 2022年秋アニメの感想と評価 3

    2022年秋アニメのうち、全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については「1」、年内に完結した作品については「2」に述べたので、今回は年を越えて放送が続く作品について感想と評価を。ここに挙げた作品はまだ放送中なので、評価は暫定的なものだが、AからEの5段階。ちなみに私の場合、アニメの評価では何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順。『アークナイツ黎明前奏』原因不明の天災に見舞われ、それが元で発生した不治の病、鉱石病がはびこる荒廃した世界。激しい差別と迫害にさらされた鉱石病感染者たちは武装組織、レユニオンを立ち上げ、各...2022年秋アニメの感想と評価3

  • 2022年秋アニメの感想と評価 2

    2022年秋アニメは、私は1本の再放送を含む20本のアニメを見た。そのうち全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については既に「1」にアップしたので、今回は年末までに完結した作品について感想と評価を。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はAからEの5段階。『コードギアス叛逆のルルーシュR2』再放送放送されたのは15年前の作品で、もう何度も見ているのに、「やっぱり面白いなー」としみじみ思う。練り上げられた物語の面白さ、キャラが立った登場人物...2022年秋アニメの感想と評価2

  • アニメ『うる星やつら』への小うるさい意見と感想

    アニメ『うる星やつら』第1クールの放送が終わったのを機に、小うるさいことをいろいろ言わせてもらおうと思う。正直言って「高橋留美子が“来てる”わけでもないのに、なぜ今『うる星やつら』?」というのが疑問だった。『ゲゲゲの鬼太郎』の前身である『墓場鬼太郎』をアニメ化した頃のフジの「ノイタミナ」枠は、バリバリに「攻めてる感」があったが、今回の『うる星』にはそうしたものが全く感じられない。ましてやこれをやった後は『るろうに剣心』のリメイク版をやるとなれば尚更。もしかしたら、あの『約束のネバーランド2期』の大失敗によって、「ノイタミナ」枠は企画が立てられなくなりつつあるのだろうか?私は大学時代、押井守らが監督をやった『うる星』の旧アニメ版をリアルタイムで見ていた。私の場合、『うる星』はアニメから入ったクチで、アニメを...アニメ『うる星やつら』への小うるさい意見と感想

  • 「なんちゃってマキマ方式」の話

    アニメ『呪術廻戦』には施術(治療)に使えるネタがいくつもあって、そうしたものを記事にしてアップしてきたが、アニメ『チェンソーマン』は、物語の内容は『呪術廻戦』と被る要素が多いのに使えるネタが全然なくて、見ていて不満だった。けれど、第9話に出てきたアレは施術メソッドとして見ても、とても興味深いものだ。それについて書くには、『チェンソーマン』という物語についてネタバレなしで、ちょっとだけ触れておかなければならない。『チェンソーマン』は「週刊少年ジャンプ」に連載中のマンガで、現在、MAPPA制作によるアニメが放送中。物語の舞台は悪魔という存在が社会問題化している世界で、チェンソーの悪魔と融合した主人公、デンジは公安で対悪魔を担うマキマに拾われ、彼女の下で公安部所属のデビルハンターの一員となった。そして第9話では...「なんちゃってマキマ方式」の話

  • 11/15の朝日新聞文化欄に、脚本家の渡辺あやとトマト農家兼映画監督の山崎樹一郎の対談が載っていて、その中のこんなやり取りが強く印象に残った。対談の中で渡辺は執筆中のドラマ『エルピス-希望、あるいは絶望-』に触れて渡辺「この社会、おかしくないですか」と問いかけたかった。自分たちのコミュニティーの倫理で理解出来ないことに対しての不寛容さが強まってきています。「エルピス」の第1話で、ヒロインが男性の上司から「更年期」と言われるシーンを書いたら、会議で「反発を受けるから削ってほしい」と言われました。私は「絶対残したい」と。山崎普通に言われているわけだから、テレビが隠すべきじゃない。ただ、実際に言われた人は二次被害と感じるのでしょうか。渡辺そうですね。でも今、傷ついた傷ついたと言い過ぎていませんか。そんなに傷つか...傷

  • 害になるアドバイス

    世の中には(求められてもいないのに)他人に教えを垂れたり、アドバイスめいたことをするのが大好きな人たちがいる。もしかしたら、いわゆる陰謀論を広めているのも、そういう傾向を持った人たちが少なくないかもしれない。そして、そうした教えやアドバイスは助けになることもある反面、あまり真に受けない方がいいものや(陰謀論を含めて)聞くと害にしかならないものがある。YouTubeに「謎の数学者」という人がアップしている動画がある。公表しているプロフィールによると、アメリカの大学で学位を取得し、数学者としてアメリカの大学で教鞭をとっている(が今度、日本の大学に赴任してくる)ようだ。なので、アップしている動画の内容も、数学の勉強の仕方、数学書の読み方、数学の各分野の概要、研究者になるまでのプロセスといったもので、大学の数学科...害になるアドバイス

  • アンガー(怒り)・マネジメントとしての「百会(ひゃくえ)タップ」

    本屋に行くと「怒らない技術」だとか「怒られない技術」だとか「怒らせない技術」などといった本をよく見かける。そのくらい世の中、怒りを溜め込んでいる人が多いのだろう。だから、アンガー・マネジメントは今の世を生き抜くための重要なスキルになっていると見られる。そのアンガー・マネジメントについてはさまざまな手法があるようだが、私がある人から教えてもらった方法は非常に手軽で、自分でもやってみてそれなりに効果もあると思われるので、ここで紹介したい。その方法は、簡単に言えば「百会タップ」である。百会穴は頭頂部の、教科書的には「前髪際正中線直上5寸、あるいは両耳尖を結ぶ線上の中点」にあるツボで、そこを軽くタッピングする。ただそれだけ。この百会穴について、手持ちの『針灸学[経穴篇]』(東洋学術出版社)には[由来]「百」は多い...アンガー(怒り)・マネジメントとしての「百会(ひゃくえ)タップ」

  • 2022年秋アニメの感想と評価 1

    2022年秋アニメは現在、絶賛放送中で、私は1本の再放送を含む20本のアニメを見る予定だが、そのうち『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の放送が終わったのと、1期前半が終了した『機動戦士ガンダム水星の魔女』を含む4本を切ったので、他の作品に先んじて、それらについての感想と評価(ただし評価は最後まで見た『羅小黒戦記』のみ)をアップすることにした(ネタバレはなし)。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。まずは完結した作品から。『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来』(全5話)中国アニメで...2022年秋アニメの感想と評価1

  • 解剖学書を買い直す

    気がつけば使っている解剖学書がボロボロで、本として壊れかけた状態になっていたため、新しく買い直した。これまでメインで使っていた解剖学書は、カイロプラクティックを学んでいた時に指定教科書として購入した、文光堂の『解剖学アトラス第3版』だった。買ったのは確か1997年だったと思う。何と、それから25年が経過(!)して、本もかなり傷んだ。ただ傷んだのは「それだけ熱心に勉強したから」というよりは、ほとんどが経年劣化によるものだと思われる。医学書というのはとにかく大きくて重いので(特にハードカバーは)、ただ置いておくだけでも自重で少しずつ壊れていくのだ。文光堂の『解剖学アトラス』は、解剖学書としては全体をくまなくカバーしているという意味で、初学者から使える非常にバランスのいい本なのだが、逆にある部分をもっと詳しく知...解剖学書を買い直す

  • 武器化する世界

    世界の実相を知るのにオススメの、この『武器化する世界』は非常に親切な作りになっていて、カバーに要約が書かれている。ネット、フェイクニュースから金融、貿易、移民まであらゆるものが武器として使われている本文に書かれているのは、それら一つひとつについての詳細だから、このカバーの要約を読めば、それだけでこの本の内容を丸ごと把握したに等しい。だからといって、「この本は中身が薄い」などと誤解しないでほしい。この本を一言で言い表すなら「恐ろしい本」だ。世の中に溢れるホラーなど束になっても足下にも及ばないような「恐ろしい本」。なぜなら書かれているのは、いるかいないか分からない呪いに満ちた悪霊や不死身の怪物や狂った連続殺人鬼の話ではなく、確実に“いま、そこにある危機”だからだ。ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の度重なる弾...武器化する世界

  • カバラと「生命の木」 31

    「カバラと『生命の木』」の第31回も第9セフィラ、イエソドについての続き。第30回で述べたように、月と地球は1つのエーテル体ダブルを共有し、動植物の生理作用に重要な役割を持っている。そんなエーテル的活動を刺激するのが、月の光である。1つのエーテル体ダブルを共有する月と地球は、満月の時にエーテル的活動が最も活発になる。逆に新月では、あらゆるエーテル的活動が最も低下して無秩序な力が生じやすくなる。一部の敏感な人たちはこうした宇宙の潮流の趨勢に気づいているが、それほど敏感ではない人々も一般に認識されている以上に、そうした潮流の影響を受けている(心身の活力が低下している病気の時は特に)。ネツァクとホドの奇妙な二重性については先に述べているが、我々はイエソドにおいて再びこの二重の象徴に出合う。イエソドは本質的に月の...カバラと「生命の木」31

  • 2022年夏アニメの感想と評価

    2022年夏期は普段の期より若干少なくて、1本の再放送を含む12本のアニメを見た(うち途中切りは1本)。ただ、その中の『異世界おじさん』は、スタッフのコロナ感染により今期は第7話までで放送休止になってしまい、改めて2022年秋期に放送されることになったので、再放送の1本とこの『異世界おじさん』を除く10作品について、レビューと評価を行った。なお私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊が仮にあっても、作品全体の雰囲気をぶち壊すほどヒドくない限り、問題にはしない。※作品の並びは50音順『アオアシ』後半サッカーJリーグの名門、東京シティ・エスペリオンのユースチームへの入団を果たした主人公、青井葦人(あしと)...2022年夏アニメの感想と評価

  • 書店にて

    私の住んでいる埼玉県草加(そうか)の駅近くには2軒の書店があって、よく立ち寄っている。そのうちの1軒は店長が右寄りの考え方の持ち主なのか、歴史関係のコーナーにも「そっち系」の書籍が多く並べられている他、雑誌も『Hanada』や『WiLL』、『正論』などが目立つところにドンと平積みになっている(もちろんそれ以外にも岩波書店の『世界』なども置かれてはいるが、大抵は隅っこの方で小さくなっている)。さて、その書店が安倍元首相の国葬(というか、岸田首相の言い回しによれば「国葬儀」(´艸`)ムププ)の実施が決まった頃だと思うが、店内のレイアウトを変更して「政治」コーナーを目立つところに持ってきて、そこに安倍礼賛本を並べるようになった(とはいえ礼賛本一色ではなく、例えば安倍官邸について批判的に述べた『官邸は今日も間...書店にて

  • 『リコリス・リコイル』と『GUNSLINGER GIRL』の間

    2022年夏期のアニメの中でも、一部で異様な盛り上がりを見せた『リコリス・リコイル』(長いので以下『RR』。正しくは『LR』だが、カタカナの『リコリス・リコイル』の略ならこっちの方がいいだろう)。この『RR』には、監督自身が明らかにしているように、下敷きとなった作品がある。それが『GUNSLINGERGIRL』(長いので以下『GG』)である。アニメ『GG』は相田裕の同名のマンガが原作で、その原作マンガは2002年7月から2012年11月に雑誌連載されたが、アニメは第1期が2003年、第2期が2008年に放送された(ちなみに、その第2期は視聴者から批判が殺到して炎上する騒ぎになった。その経緯は非常に面白いが、この記事の趣旨から外れるのでここでは触れない。興味がある人は自分で調べてみ)。なお私は『GG』は第1...『リコリス・リコイル』と『GUNSLINGERGIRL』の間

  • 順序を問う

    最近、また腰にビキッと痛みが走ることがあって、それを自分で治療した。主にキネシオロジーを使って「弱さ」を検出し、それを取っていくというのが基本だが、実際のところなかなか痛みが改善しないことも少なくない。今回もそうで、腰痛の症状が長引きそうな不安があった。そんな時ふと、いつもとは違う順序で「弱さ」を検出することをしてみた。具体的にいうと、私は普段、まず相手の身体空間が実座標空間にあると設定して「弱さ」を検出し、次に複素座標空間、続いて(複素)射影空間にあるというふうに設定を変えながら「弱さ」を検出することを行っている。それで足らない時は上のような設定の変更とは別に、位相そのものの設定を変えて調べることも行う(その辺りのことは、詳しくは過去記事「人体に位相を導入する」、「同2」、「位相空間論を治療に用いる」、...順序を問う

  • 分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?

    算数でしばしば“つまずきの石”となる項目の1つに、分数の割り算があると言われている。分数の割り算は、割る数(の分子と分母)をひっくり返して掛けることで行うが、なぜそうなるのか分からなくて算数嫌い、ひいては数学嫌いになってしまう児童、生徒が一定割合いるという。私が数学科の学生だった時、代数学を担当されていたH先生は(私の記憶違いでなければ)授業の中でこの分数の割り算について「そういう風に習うんだから、そうすればいいんです」と言っておられた。数学者でさえ(あるいは数学者だから)そんなことをマジメに考えることはしないのだ。けれど私は、最近そんなことをつらつら考えていて、ふと答えに辿り着いた。今回はそれについて述べたい。つまり分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?である。その答えは一番最後に明らか...分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?

  • 動乱の予感

    「影のCIA」の異名を取る世界的インテリジェンス企業、ストラトフォーの創業者にして会長のジョージ・フリードマンは邦訳名『100年予測』と題するシリーズを執筆している。『ヨーロッパ炎上新・100年予測動乱の地政学』もその1冊で、タイトルからも分かるようにロシア、トルコを含むヨーロッパの来たるべき地政学的な大変動について予測を述べている。私はこれ以外のフリードマンの『100年予測』を読んだことがないのでよく分からないが、本書の中で彼はヨーロッパに対する負の感情を隠さない。本書にはヨーロッパの歴史とヨーロッパ人の思考傾向、行動様式、生活態度といったものに対するフリードマンの憎悪にも似た嘲笑と侮蔑、反感と諦観が溢れていて、まるで彼はこうした負の感情を原動力にして本書を執筆したのではないか、と思えるほどだ(逆に自分...動乱の予感

  • アニメ『呪術廻戦』第16話

    今、日曜の夕方にアニメ『呪術廻戦』1期の再放送をやっていることもあり、初見の時にブログ記事にしようとしてできなかったものについて改めて述べたい。それは第16話の中に出てくる。が、その前に『呪術廻戦』について知らない人のために、ごく短く物語の粗筋を述べておこう。既に物語を知っている人は、ここは飛ばしてよい。主人公は並外れた身体能力を持つ高校生、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)。その虎杖の通っている高校で呪いの王・両面宿儺(すくな)にまつわる“呪物”の封印が解かれ、宿儺が復活を遂げつつあった。だが、そこで虎杖はとっさにその“呪物”を飲み込んでしまう。本来なら心身を宿儺に乗っ取られてしまうはずが、その力を辛うじて抑え込んだ虎杖は“両面宿儺の器”として生きていくことになる。呪術師の五条悟はそんな虎杖を自らが教鞭をとる東...アニメ『呪術廻戦』第16話

  • カバラと「生命の木」 30

    「カバラと『生命の木』」の第30回。今は第9セフィラ、イエソドについて見ている。イエソドはオカルティズムの実践において極めて重要な天球である。なぜならマルクトから意識を上昇させる時に到達する最初の天球がイエソドだからだ。イエソドはイメージの宝庫、地の天球(=マルクト)を反映するエーテルであり、ミクロコスモスでは心理学者の言う「無意識」に相当する、人間の幼年時代からの抑圧された古代の忘れられた事物で満たされている。ゆえに「幻想の天球」とも呼ばれる。しかしイエソドに到達して「宝庫」の中のイメージを感知することはできても、そのイメージを支配することはできない。というのも、イメージの宝庫の扉を開けて、そこにあるものを支配するための鍵は、「魔法の天球」ホドにあるからだ。カバラの密儀の中で「どの階級も次の階級に進むま...カバラと「生命の木」30

  • 2022年春アニメの感想と評価 2

    新型コロナで制作が遅れていた『可愛いだけじゃない式守さん』が無事最終回を迎えたので、2022年春期に見た15本のアニメのうち、この「2」は6/25以降に終了したものと7月以降も放送が続く7本について感想と評価をアップする。並びは五十音順で評価はA~E。なお「1」に書いたことの繰り返しになるが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、仮に多少作画崩壊があったとしても基本スルーである。『アオアシ』放送継続中サッカーのユースチームを舞台にした作品。愛媛の中学のサッカー部でFWだった主人公、青井葦人(あしと)はJリーグのユースチーム監督に見出され、〈セレクション〉を突破し、中学卒業と同時に上京してユースチームへの入団...2022年春アニメの感想と評価2

  • 2022年春アニメの感想と評価 1

    2022年春期は2本の再放送を含む15本のアニメを見た(途中切りはなし)。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊のありなしも(目に余るほどヒドいなら別だが)あまり問題視しない。この「1」は6/24深夜までに放送が終了したものを。並びは五十音順で評価はA~E。なお再放送の1本『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』は特別編集版、もう1本の『四畳半神話大系』は私には初見だったので、新作と合わせて以下にレビューと評価を載せている。『エスタブライフグレートエスケープ』『CodeGeass』の監督だった谷口悟朗によるオリジナル企画で、近未来の東京を舞台...2022年春アニメの感想と評価1

  • Amazonギフト券が送られてきた

    メールボックスを開いたら、誰かが私にAmazonギフト券を送ってくれたようだ。で、それを使うにはギフト券をアカウントに登録する必要があるという。その額5580円ヤタ━━━━━━ヽ(゚`∀´゚)ノウヒョワーイ、うれしいなー。でもこれ、詐欺だからなー(。-ω-)-ω-)-ω-)シーン・・・。残念ながら私には、そんな気前のいい知り合いはいないんだよ。一応、下にメールの画面を添付しておくので、こんな詐欺に引っかからないよう、ご注意を。Amazonギフト券が送られてきた

  • カバラと「生命の木」 29

    「カバラと『生命の木』」の第29回は、第9セフィラ、イエソドについての続き。第28回で述べたように、いかなる魔術を持ってしても物質界の状況を勝手に自らの意志に従わせることはできない。それは即ち、物質界の状況が魔術によって影響されることはない、ということを表している。物質界であるマルクトへは、ただイエソドを通じて接近できるだけであり、イエソドへはホドを通じて接近できるだけである。我々の現在の知識では、イエソドにおけるエーテルについて完全に説明することはできない。だが、アストラル的なエーテルの本質は知らなくても、観察によってその特性を推定することはできる。そして、この特性のうちの2つが実践的オカルティズムの作業に欠かせないものであり、全体系の土台を形成するものである。その2つのアストラル的エーテルの特性とは、...カバラと「生命の木」29

  • 『お勢、断行』あるいは本当にしたいこと

    去る5/19、世田谷パブリックシアターに舞台『お勢、断行』のマチネ公演を見に行ってきた。実は新聞で『お勢、断行』の記事を見て、見に行く予定だった2本の芝居をこちらに変えたのである(見たいものを全部見に行ければいいのだが、さすがにカネがない)。最初に『お勢、断行』という舞台のことを知ったのは、2020年の新聞記事だった。といっても、その記事は舞台の紹介やレビューではなく、緊急事態宣言によって公演が中止になったというものだった。元々の『お勢、断行』は、直前に緊急事態宣言が発出されたことで全公演中止となったのだという。記事が伝えるところでは、役者陣や公演スタッフは観客が誰もいない客席に向けて最後の通し稽古を行い、そのまま解散となったそうだ。その時のむなしさと悔しさを主演の倉科カナが語っていた。ちなみに、この作品のタイ...『お勢、断行』あるいは本当にしたいこと

  • アニメ『マギアレコード』あるいは失敗の物語

    僕たちは失敗した。取り戻せるものなど、もうどれほども残っていない。それでも僕だけは憶えてる。アニメ『マギアレコード』ファイナルシーズン「浅き夢の暁」全4話の第1話は、こういうセリフで終わる。以前、「アニメ『マギアレコード』あるいは混乱の物語」という記事で、私はう~ん、何がしたいのかサッパリわからん…(-_-;;と書いた。だが、それが「浅き夢の暁」によって完全に明らかになった。そうか、『マギアレコード』がやろうとしていたのは、こういうことだったのかΣ(Д゚;/)/…!?『マギレコ』は『まどマギ』からの派生作品だが、ソシャゲ原作だったから『まどマギ』のような凄みが全く感じられないダルい作品だな、くらいに思っていた。けれど、それが目指していたところが明らかになったことで、実は『まどマギ』に勝るとも劣らない凄みを持った...アニメ『マギアレコード』あるいは失敗の物語

  • NHKから来た怪しいメール

    「【重要】NHKプラスアップグレードサービスお知らせ」というタイトルの、こんなメールが来た。sokyudo@***様:NHKのサービスをご利用いただきありがとうございます、NHKがNHKプラスにアップグレードされました。NHKアップグレードの内容を以下に説明させていただきます。パソコンやスマートフォン、タブレットで、総合テレビやEテレの番組を放送と同時に視聴できます。総合テレビやEテレの番組を放送後から1週間いつでも視聴できます。見逃し番組をジャンルやテーマ別に並べ、番組を見つけやすくしました。見逃し番組を、日付やチャンネル、キーワードで探すことができます。放送受信契約のある方は追加の負担なくお使いいただけます。アップグレードは無料で、契約を結んでいる人は誰でもアップグレードする必要があります。今すぐアップグレ...NHKから来た怪しいメール

  • 温故知新

    文春新書007とナンバリングされた『二十世紀をどう見るか』は、私の記憶違いでなければ文春新書創刊時にラインナップされた中の1冊である。奥付には「平成10年10月20日第1刷発行」とあり、このレビューを書いている令和4(=平成34年)年4月12日から見ると23年半ほど前、つまり四半世紀ほど前に出された本、ということになる。この本は中世まで遡った歴史的背景を踏まえて20世紀という時代を再考し、来たるべき21世紀の世界を展望するという趣旨で書かれたものだ。この中で野田宣雄が主張しているのは、今後の世界の変化の基調にあるのは「中世への回帰」あるいは「新しい中世」であり、その具体的な形が「帝国の再興」だという。ただし、ここで言う「帝国の再興」とは、かつてあった帝国の姿をなぞるように政治権力が凝集する動きを指す。20世紀末...温故知新

  • ATフィールド展開! 4

    バイオダイナミックなクラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)において最も本質的なことは、施術者のあり方(プレゼンス)である。そしてそれを具体的するのが、施術者の設定するフィールドだと思っている。そのフィールドのことを、このブログでは半分おふざけでATフィールド(ただし意味はAwareness-Thoughtfield;認識-思考場)と呼んでいる。「3」ではそうしたフィールドを設定する意味について述べたが、今は設定するフィールドがどうあるべきかということをずっと考えている。それがここに来て1つの気づきというかアイディアを得たので、それを述べようと思う。この先は数学的な概念についての話が大半を占める。とはいえ、この記事を読む人の多くはそうした数学に慣れているわけではないと考え、あまり厳密さを考慮しないフワッとした書き...ATフィールド展開!4

  • 2022年冬アニメの感想と評価 2

    2022年冬期は1本の再放送を含む15本のアニメを見た(途中切りはなし)。この2では4月以降に放送が終了した作品についての私自身の感想と評価。なお掲載は五十音順で、評価はA~E。『ヴァニタスの手記(カルテ)』2期第1期は2021年秋アニメとして放送され、私は今期『進撃の巨人』と並んで毎週、最も楽しみにしていた作品だったが、1期同様なぜかネットではあまり話題になっていなくて、それが悲しい。かつてのヴァンピール(吸血鬼)と人間の大戦争の後、両者が何とか共存するようになった世界で、なぜか「呪い持ち」となって人間を襲うヴァンピールが現れる。その「呪い持ち」から、伝説の「ヴァニタスの書」によって呪いを解き放つ青年、ヴァニタス。彼の真の目的とは?(ちなみに主人公、ヴァニタスのCVは花江夏樹で、『鬼滅』では偽善的な主人公、炭...2022年冬アニメの感想と評価2

  • カバラと「生命の木」 28

    「カバラと『生命の木』」の第28回。今回から話は第9セフィラ、イエソドへと移る。イエソドの象徴体系は矛盾する両面からなる。一方は強固に確立された宇宙の基盤としてのイエソド(実際、イエソドの魔法イメージは力強い裸の男性であり、神名のシャダイは「全能」を意味する)。そしてもう一方は非常に流動的で常に変動する状態にある月、水の属性を持ったイエソドである。この矛盾を調和させるものがイエツィラー文に見出される。すなわちイエソドは「流出を浄化する。それは流出の表現の設計を検閲し訂正する。また、その表現が設計されている統一性を減少することも分割することもなく配置する」。これが意味することは、ホドにおいて「設計」され「表現」された混沌として流動的な水が、イエソドにおいて「検閲」され「訂正」され、「統一性」を損なうことなく「配置...カバラと「生命の木」28

  • 2022年冬アニメの感想と評価 1

    2022年冬期は1本の再放送を含む15本のアニメを見た(途中切りはなし)。この1では3月末時点で放送が終了した作品について、私自身の感想と評価を述べたい。なお掲載は五十音順で、評価はA~E。『明日(あけび)ちゃんのセーラー服』かつて母親が着ていたセーラー服に憧れ、頑張って母親の母校(中学校)に合格した明日小道だが、制服はブレザーに替わっていた。それでも理事長の英断で、小道は母の手製のセーラー服で学校に行くことが許される。中学校が舞台のいわゆる学園もの。制作陣のほとんどが女性という珍しい体制で制作されたこのアニメは、フェティッシュな空気感に満ち満ちていて超エロいのだが、深夜アニメによくある、野郎が喜ぶようなエロさではない。また学園ものでありながら、いじめやらスクールカーストやら恋愛を巡るドロドロ劇などは一切出てこ...2022年冬アニメの感想と評価1

  • アニメ『平家物語』あるいは世界の美しさについて

    京アニで腕を振るった山田尚子(なおこ)監督によるアニメ『平家物語』の放送が終わった(FODでは2021年秋期から配信していたようだが、テレビ放送されたのは2022年冬期である)。原作は古川日出男によって現代語訳された『平家物語』。アニメでも、もちろん歴史劇は頻繁に描かれているが、現代語訳されたものとはいえ、このような古典中の古典を原作/原案にした作品は、私には今回の『平家物語』以外ちょっと思い浮かばない(注1)。それにしても『平家物語』といえば、例えばNHKなら大河ドラマ枠で45分×45回くらいかけてやる話だ。それをアニメとはいえ25分×11回でやろうというのだから、相当な工夫が必要になる。そこで今回、山田尚子が用いたのが、琵琶奏者の娘、びわというオリジナル・キャラと、眼の設定である。京で琵琶奏者の父親と暮らし...アニメ『平家物語』あるいは世界の美しさについて

  • 陰謀論は蜜の味

    オミクロン株を中心とした新型コロナ感染第6波も終わりが見えつつある昨今だが、最近になってある治療家の先生が、しきりにメルマガでコロナ関係の情報を発信している。そのメルマガに曰く、「ワクチンは体に入れてはならない毒」、「新型コロナ・ウィルスなど存在しない」、「PCR検査はフェイク」、「パンデミック騒ぎは意図的に行われた予行演習」、……。新型コロナのアルファ株によるパンデミック(広域感染爆発)が起こった当初は、「コロナはただのカゼ」論やコロナ生物兵器説などがネットを中心にあちこちで語られたりしたものだが、さすがに2年も経ってそんな話もなかなか見なくなったな…と思っていたら、何と治療家が陰謀論まがいの怪しげな説を発信し始めたとは!しかも先生が書くには、こうした説は「現在世の中で正しいと思われている情報には嘘がいっぱい...陰謀論は蜜の味

  • 才能の在処(ありか)

    私ももうすぐ60になるようないい歳なので、自分には才能があるとかないとかで気持ちがぐらつくことは、もうあまりないが、最近ある新聞のコラムを見て、改めて才能の在処というものを考えてみた。それは、朝日新聞の3/3夕刊に載っていた「1語一会」である。これは毎回1人ずつ著名人が人生の転機になった言葉を紹介する連載コラムで、この回は日本語学者の金田一秀穂が卒論の指導教授から言われた言葉について述べていた。それによると、金田一は大学4年の時、卒論の指導教授だった小木貞孝にこう問うた。「研究者に向いているでしょうか。才能あるでしょうか」。それに対して小木は「わからない……」と言ってから、「そもそもそういう問題ではないのだ」と前置きして、こう述べたという。「才能というのはね、能力のことじゃないんだ。どうしてもやめられない性格の...才能の在処(ありか)

  • 宝物は何ですか?

    女子高生4人組の南極への旅を描いて、「ニューヨーク・タイムズ」のレビュアーなどからも高い評価を得たTVアニメ『宇宙(そら)よりも遠い場所(よりもい)』の制作チームが再結集して作られた劇場アニメが『グッバイ、ドン・グリーズ』だ。『ドン・グリーズ』で描かれるのは、男子高生(?)3人組の(使われている方言から多分)茨城の山の中の冒険譚である。南極大陸から一転して茨城の山の中というのもスケールダウン感が半端ないが、物語は決してショボくない(し、合わせて南極に匹敵するもう1つの冒険の地も登場する)。けれども、『よりもい』でも南極は彼女たちの冒険への動機づけの1つに過ぎなかったように、遠い異境の地を旅することが冒険なのではない。『ドン・グリーズ』ではそのことが、より明確に語られている。冒険とは自分にとっての宝物を見つけるこ...宝物は何ですか?

  • 菅義偉とは何者だったのか

    この本が出版され、その内容を知った元首相・菅義偉は「ルール違反だ!」と叫んで激怒した──という話がまことしやかに伝わっている(本当かどうかは知らんが)。その理由は、この『孤独の宰相菅義偉とは何者だったのか』の著者で日本テレビの記者、柳沢高志が、官房長官時代から菅の番記者として菅の懐深くに入り込み、その言動を間近で見てきた人物だったからだ。そしてこの本には、柳沢とのプライベートなやり取りを含めた、本来外に出るはずのない菅の言葉が明らかにされている。日テレのアメリカ特派員だったのが急に官房長官番として政治部に異動になった柳沢を菅はことのほか可愛がり、柳沢が「菅長官をテーマにした本を書いてみたい」と話すとその数カ月後、菅は国会の廊下で私の姿を認めると、手招きして大臣室に呼び入れた。初めて入る大臣室に戸惑う私に、菅はソ...菅義偉とは何者だったのか

  • 『鬼滅の刃 遊郭編』を見終えて

    『鬼滅の刃遊郭編』が無事最終回を迎えた。もう既にあちこちで言われていることだけど、バトルシーンのクオリティが半端なかった。「遊郭編」は全11話で、バトルシーンが始まったのが4話の終盤くらいからで、そこから10話の終わりまで延々バトルシーンが続くのだが、全く飽きさせない。それどころか回が進むたびにより凄みを増して、まさしく今、日本でトップを走る制作会社ufotableの実力を見せつける作品となった。そういうわけで「遊郭編」は、アニメーションのクオリティが「別次元」と言えるほど突き抜けていた。けれど、そういったものを取り去った時、まだ見るべきものがあったか?といえば、答えはNOだ。「遊郭編」の物語は、「遊郭に潜んでいた鬼を鬼殺隊が退治する」という単純なものだが、それが悪いわけではない。むしろマンガやアニメに限らず、...『鬼滅の刃遊郭編』を見終えて

  • 神託は下った 2022

    ここ何年か毎年、「粥占(かゆうら)」の結果について追っている。粥占は「粥占い」、「筒粥」などとも呼ばれ、各地の神社が(正しくは旧暦の)年頭に五穀を焚いて、その出来具合でその年の吉凶を占う神事である。占いはあくまで占いで占いであって、未来予測でも、ましてや未来予知でもないが、長野県下諏訪町の諏訪大社下社春宮で行われる「筒粥神事」は、一部でその的中率の高さが注目されている(私もその「一部」の1人なのだが)。それについては、過去記事「神託は下った」に書いているので、そちらを参照されたい。さて、2022年の1月14日夜から15日早朝にかけて、諏訪大社下社春宮で行なわれた筒粥神事の結果は「三分六厘」。昨年までは4年連続で最凶兆とされる「三行半」を意味する「三分五厘」が続いていたが、今年はそれを脱したことになる。この「三分...神託は下った2022

  • カバラと「生命の木」 27

    「カバラと『生命の木』」の第27回は、第26回に引き続き、第8セフィラ、ホドについて。宇宙にある根源的な力は、コクマーの「肯定的力」とビナーの「否定的力」の2つである。「生命の木」において力の流出はセフィラの番号順に起こるが、これら2つのセフィラが作る至高的世界は「生命の木」の中で下に向かって対角線的に反映される。つまり、ビナー→ケセド(ゲデュラー)→ホドという形でそれが起こる(実際、ホドのイエツィラー文には「ゲデュラーの隠れた場所」という言葉がある)。ビナーは形の授与者、ケセドは宇宙的な同化作用であり、ビナーによって形成されたものをケセドが相互に作用し合う機構へと組織化する。ホドはそれを更に1つ下の次元で受け取り、実体化させる準備を行うのである。他方で、コクマー→ゲブラー→ネツァクという対角線的な反映プロセス...カバラと「生命の木」27

  • 目指せ、外来診療の達人

    以前、NHKで『総合診療医ドクターG』という番組をやっていた。これは毎回、現役の医師が実際に手がけた症例を持って登場し、ゲスト回答者として集められた3人の研修医がそれを診断する、という公開カンファレンス(症例検討会)に見立てたバラエティ番組だったが、与えられたさまざまなデータを元に最終診断を下すまでのそのプロセスは、ミステリにおける謎解きと全く同じであることを見事に示していた。この本の著者である千葉大学病院総合診療部教授の生坂政臣も『ドクターG』に登場した医師の1人で、彼が主催するカンファレンス(あるいは勉強会)を再録したと思われる『めざせ!外来診療の達人』は、まさに「読む『ドクターG』」である。この『めざせ!外来診療の達人』は、そのタイトルから明らかなように、普通の人が楽しみで読む類の本ではない。想定する読者...目指せ、外来診療の達人

  • 量子論と「観測」の問題を巡って 3

    量子物理学では、「事象は複数の状態が重なり合っていて、『観測』という行為によって初めてそれが1つに確定する]」=「『観測』が行われない限り、事象は複数の状態の重なり合いのままである」と説く。これまで「量子論と『観測』の問題を巡って」と「同2」では、「そもそも『観測』とは何か?」について考察してきた。今回の「3」では視点を変えて、「観測」される事象について考えてみる。なので、ここでは「観測」とは我々が一般的に持つ「観測」のイメージに沿った、「あるものが自身の周囲の状況/状態を認識する行為」とし、その「観測」する主体を(それは必ずしも人であるとは限らないが)「観測者」と呼ぶことにする。古典的なニュートン力学では、世界は確固とした客観的なものとして存在することが前提になっている。この「世界は厳然としてそこにある」とい...量子論と「観測」の問題を巡って3

  • 2021年冬アニメの感想と評価 2

    2021年冬アニメは1本の再放送を含む18本を見て、途中切りは3本だった。そのうち12/22までに最終回を迎えたものについての感想と評価は「1」に述べたので、「2」は12/23以降に最終回を迎えたものと、この先も継続して放送されるものについて。なお評価は私の独断と偏見に基づいてA~Eで行っている。また順番は五十音順。まずは一応、放送が終了したもの。『境界戦機』4つの世界主要経済圏によって分割統治され、日本人は一部地域で自治が認められているものの多くが隷属国の人間として迫害を受ける、近未来の日本が舞台で、『コード・ギアス』と『ガンダムOO(ダブルオー)』を足して2で割ったような設定。占領下の日本の日常をキッチリと描く丁寧さも覗えるが、ロボット・バトルものがやりたいのか、政治劇がやりたいのか、青春群像劇がやりたいの...2021年冬アニメの感想と評価2

  • 2021年冬アニメの感想と評価 1

    2021年冬アニメは1本の再放送を含む18本を見て、途中切りは3本だった。その中の12/22時点で最終回を迎えたものと既に切ったものについて、感想と評価を述べる。なお評価は私の独断と偏見に基づいてA~Eで行っている。また順番は五十音順。『海賊王女』ProductionI.G.によるオリジナル・アニメ。18世紀のヨーロッパを舞台に、「〈エデン〉に向かえ」という父の最後の言葉を手掛かりに自らの運命に立ち向かうフェナと、長老の指示で彼女を守る雪丸たち真田忍群の物語。「所詮は作り話なんだから、もう思い切り振り切れたものにしよう」という作り手の気概と覚悟が感じられて、その点はよかったが、振り切れすぎて最後はこの世のものではなくなってしまったような展開はウ~ン…どうなんだろう…。戦闘シーンの迫力とキレは、さすがはProdu...2021年冬アニメの感想と評価1

  • 主人公と一緒に成長できるアニメ『ブルーピリオド』

    主人公の矢口八虎(やとら)は、大抵のことは人並み以上に出来る高校2年生だ。髪を金髪に染め、高校生のくせに酒もタバコもやっていて、ダチとつるんで夜通し遊んでいても、成績は学年トップクラス。だから、そのまま普通にやっていれば大学もかなりいいところを狙えるはずの彼は、しかし何をやっても本気になれず、生きている実感がなかった。そんな時、たまたま美術室で見た1枚の絵に心を奪われ、触発されて、ほとんど絵など描いたことがなかったにもかかわらず美術部に入部してしまう(その時、彼を魅了したのは、3年生で美術部員の森まるの描いていた天使の絵だった)。そこで絵を描くことにのめり込んだ彼は、森先輩が美大を目指すのを見て、自分も本気で美大を受験することを考えるようになる。親からは経済上の理由で、大学は国公立で現役合格、という条件を言い渡...主人公と一緒に成長できるアニメ『ブルーピリオド』

  • 臨床の現場から 15

    臨床をやっていると時々、患者の体から必要としている何かが浮かび上がってくると感じることがある。例えば、この間診た人。この人は左上肢を動かす(具体的には外転伸展させる)と肩に痛みが出るという。左肩そのものに問題は検出されなかったので、より広い範囲で調べてみると、左半身の肩以外のさまざまな部位に「弱さ」があり、まずはそれらを処理した。が、それだけでは肩の痛みが改善しない。そこで改めて全身に眼を向けると、右の懸鐘(けんしょう)穴に反応が出ていた。それに続いて(同じ右の)下巨虚(げこきょ)穴も反応があった。経絡で言うと懸鐘は胆経、下巨虚は胃経のツボだが、そういうことより懸鐘と下巨虚を結んだラインが気になった。で、そのラインに沿ってツボの反応を調べるとビンゴで、陰陵泉(いんりょうせん)穴で反応を検出した。そして右の懸鐘→...臨床の現場から15

  • 生き様

    NHKはポアンカレ予想を始め、リーマン予想などの数学に関するものや、量子物理学の最先端の内容を扱った『神の数式』シリーズなど、科学系の特集番組を数多く手がけているが、難しい内容を非常に平易に、かつ嘘がないように作られていて、総じて非常に評価が高い。YouTubeに(違法に)アップされている動画につけられたコメントからもそれが覗える。そのNHKディレクター、春日真人による『100年の難問はなぜ解けたのか』は、NHKスペシャルで放送された同名の番組を本にしたものである。実は私は放送時にこの番組を見ていたので、今更の感があってこれまではこの本を見て見ぬふりをしていたが、ふと思い立って手に取ってみることにした。そして結論から言うと、意外にも得るものが多かった。この本(と元になった番組)はグレゴリ・ペレルマン(注:本書で...生き様

  • 心配事の9割は起こらないのか?

    東ちづるが読売新聞のヨミドクターに書いた、「「99%良性」のはずが…退院2日後、担当医からの連絡に「残りの1%だったか」」という記事を見て、なぜかふとスピ系などで言われる「心配事の9割は起こらない」という言葉が頭に浮かんだ。この言葉についてネットでは、最近、アメリカのペンシルベニア大学が公表した研究結果が引き合いに出されている。その元記事は見ていないが、プレジデントオンラインに、その研究結果を受けて明治大学法学部教授の堀田秀吾という人が書いた、「科学が証明、「不安だ」を「〇〇している」に言い換えるだけで実力が3割増しになる」という記事が出ていて、その冒頭で、堀田氏はペンシルバニア大学のボルコヴェックらの研究によると、心配事の79パーセントは実際には起こらず、しかも、残りの21パーセントのうち、16パーセントの出...心配事の9割は起こらないのか?

  • 私はこんな数学書を読んできた 2

    私がこの10年ほどでほぼ通読した数学書11冊を紹介する記事の続き。1では数学科1、2年生向けの本を挙げたので、この2ではどちからといえば数学科3年生~を対象にした本を。なお1と同様、書名には書評サイト「本が好き」に投稿したレビューへのリンクを貼っておく。 『常微分方程式』(ポントリャーギン、共立出版)著者であるポントリャーギンは盲目ながら、位相群や常微分方程式の分野で優れた業績を上げた数学者であり、優れた教科書を執筆したことでも知られる。この『常微分方程式』は『連続群論』とともに彼の代表作で、常微分方程式論の入門的教科書として世界的名著である。「本が好き」のレビューにも書いたが、全体の流れがゆったりとして雄大というか、日本人が書いた数学書とはやはり雰囲気が異なる。もちろん、だからといって記述が大雑把などというこ...私はこんな数学書を読んできた2

  • 私はこんな数学書を読んできた 1

    大学の理学部数学科に入学してから奇しくも30年後の2011年、ふと思い立って私は再び数学を始めることにした。その辺の経緯については当時「数学をやり直すことにする1」に書いたので、ここでは触れないが、それから10年経った今も本だけを頼りに1人で黙々と数学を続けている。このところYouTubeで大学院数学専攻を出た人たちのアップしている動画をよく見ていて、それに少し触発されたところもあって、自分もここまでの10年を振り返ってみたくなった。といっても、やってきたのは上にも書いたように1人で黙々と数学書を読むことだけだったから、これまで読んできた数学書について書くことしかできないが、そんな話でも数学をやりたいと思っている人、これから数学をやろうという人、今やっている人の中の幾人かの参考にはなるかもしれない。私はこの10...私はこんな数学書を読んできた1

  • 女であること

    施術をしていると、表面的に現れている問題を取り去ってもほとんど症状が改善しないようなケースにもよく出合う。そういう場合は更に、隠された問題を表面化させなければならない。それにはいろいろな方法があるが、ウチではよく言葉や写真、絵画などを使っている。そこで最近、女性の患者に比較的多く使っているのが「女性性」に関わるものである。例えば言葉では「女であること」。この言葉によって隠れていた問題が浮かび上がってくることがたびたびあった。更に上の言葉から、絵画では甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)の『横櫛』、上村松園の『焔(ほのお)』なども用いていて、実際に反応が得られている。本当は『横櫛』も『焔』も実際にここに貼り付けて見せたいところだが、著作権の関係もあってそうもいかないので、興味のある人は自分で調べてみてほしい。検索す...女であること

  • コミュ障たち

    NHK夜ドラ枠で放送中の『古見さんは、コミュ症です。』が面白い。夜ドラでは『ここは今から倫理です。』に続いてのマンガ原作である。登場人物は高校生のはずだが、それをドラマでは20代~30代の役者たちが演じていて、そのことでネットでは一部で叩かれているようだ。けれど逆に高校生を20代~30代の「なんちゃって高校生」がやることで生々しさが薄れ、ある種のファンタジーとして見ることができる良さがあると思う。主人公の古見硝子は、周りの人が全員振り向くほどの美人だが、実は極端な人見知りで、人と普通に会話することができない。そんな彼女が、それを知ってなお、ごく普通に接してくれる只野仁人(ただのひとひと)と出会い、心を開いていくところから物語は始まる。彼らの周りには、中学では病欠をキッカケに不登校になり、高校では舐められないよう...コミュ障たち

  • カバラと「生命の木」 26

    「カバラと『生命の木』」の第26回。第25回までは第7セフィラ、ネツァクについて見てきたので、今回は第8セフィラ、ホドについて見ていく。「生命の木」において重要なのは、セフィラは単一では機能しないということである。セフィラは均衡の取れた対立する一対を持たねばならず、そこから均衡した第三者が生じて初めて機能するのだ。低次の機能する三角形はネツァク、ホド、イエソドからなる。このうちのネツァクとホドはそれぞれアストラル界における「力」と「形」、イエソドはアカシャとかアストラル・ライトと呼ばれるエーテル的素材の土台となる。ホドは本質的に自然の諸力によって魂を吹き込まれた「形」の天球であり、魔術師が「形」を明確に組織化するためにそこで作業を行う、「魔法」の天球である。ただし、「形」に魂を吹き込むためにはネツァクの持つアス...カバラと「生命の木」26

  • アニメ『Sonny Boy』にdon't say goodbye.

    2021年夏期のアニメ『SonnyBoy』の放送が、あと1回を残すのみになった。監督は夏目真吾、制作はマッドハウスで、監督自身の脚本によるオリジナル・アニメである。私は毎期、十数本のアニメを見てきているが、この『SonnyBoy』ほど意味不明のアニメはほとんど知らない。この意味不明さの前には『エヴァ』など幼児向けの絵本並みに分かりやすい。実はこの作品、途中で切るつもりだったのだ。録画だけはしていたものの、なかなか見る気が起きず、見たのは4話まで録り溜めた後だった。もちろん事前にPVなどを見て「今期はこれを見よう」と選んだ作品だから、それなりに期待して見始めたものの、2話に至っては眠気をこらえるのが大変で、「ああ、こりゃあもう切るしかないな」と思った。ところが3話を見て、相変わらずのイミフながら、この作品の見方が...アニメ『SonnyBoy』にdon'tsaygoodbye.

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